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『FORTUNA フォルトゥーナ』7話までUP
日時: 2010/11/11 19:19
名前: 螺旋の階段 (ID: U3CBWc3a)

※元・鷹の目です。

CLICK THANK YOU☆。☆。☆。

たぶん駄作になると思いますので・・・一応よろしくです。
誤字・脱字があった場合は、できたら言ってください。
ちなみに、物語は超能力系にしようかな〜っと考えております。


「FORTUNA(フォルトゥーナ)・・・・・運命」※ポルトガル語です。
━━━━━お客様方━━━━━━





━━━━━━━━━━━━━━━

【用語説明集 >>2
【道具説明集 >>5

〜第1章〜
≪登場人物 >>4
【世界と聖界 >>1
【プロローグ >>3
【第01話 >>06
【第02話 >>07
【第03話 >>08
【第04話 >>09
【第05話 >>10
【第06話 >>12
【第07話 >>13
【第08話】
【第09話】
【第10話】
【第11話】
【第12話】
【第13話】
【第14話】
【第15話】

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Re: 『FORTUNA フォルトゥーナ』 ( No.8 )
日時: 2010/11/11 18:42
名前: 螺旋の階段 (ID: U3CBWc3a)

【03】


元旦から数週間後  


蓮は高校登校日を迎え、麻衣も中学登校日を迎えていた。
麻衣はすでに家を出ており、蓮も今自宅を出ようとしていた。
「手帳も持った、筆箱も持った、よし!!行くか!!」
蓮は自宅から出ると、鍵を閉めて学校へと向かい始めた。
道にはまだ雪が積もっており、パラパラと雪も降っている。

「お〜っす、蓮。」

「よぉ、久しぶりだな。六志。」

蓮が道路に出た時、蓮と同じ高校に通う黒崎六志が歩いて来た。
六志はマフラーを巻き、顔半分を覆い隠している。
「バスケの調子はどう?」
「県大会出場だよ。1年生のエースなめんなよ。」
六志は笑いながら言うと、蓮もつられて笑った。
こんな日常が永遠に続くと思ってた。

だが、忘れた頃に蓮は再び思い出すことになる。

数週間前の出会いを______


───────


「校長の話し長いなぁ〜・・・・」


1時間目は始業式で終わり、2時間目のホームルームで今日は終わる。
蓮たちは1−1の教室に入り、自分たちの机に座っていく。
「ん?」
蓮は窓側の一番後ろの席に座りながら首を傾げた。
後ろの列は蓮しかいない筈なのに、なぜか机と椅子が2つずつある。
「六志、これ何?」
「知らねえよ。転入生とか?」
「この時期にかよ・・」
蓮は前に座る六志と話をしながら、時間潰ししていた。


「静かにせぃ。」


担任である尾上は、ダルそうな喋り方で教室に入ってきた。
生徒たちは話すのを止めて前を向く。
「今日から、このクラスに転入生が来た。しかも2人だ。」
尾上の言葉を聞いた瞬間、30人全員が歓喜の声をあげた。
蓮は自身の隣にある空白の席2つを見て、確信した。
「ここに来るのか・・・」
尾上はドアを開け、手で合図をする。
すると、2人の転入生が入ってきた。どちらも女子だ。

「北海道から転入してきた雪白真奈です。」

「私は都内の高校から転入してきた東風奈です。」

2人はどちらとも可愛らしく、男子の目は輝いていた。
しかし、この男だけは違った。



「あ・・・・あ・・・・・・」



蓮は、雪白真奈を見た瞬間唖然とした。元旦の日に出会った女子であったのだ。
しかし、真奈は蓮と目が合っても驚く様子はない。
「よぉし、んじゃぁ2人は、あの馬鹿面の隣に座ってくれ。」
「ば、馬鹿面って・・・・」
尾上の発言に、全員は大爆笑した。蓮はため息をつく。
真奈と風奈は後ろに来ると、真奈が蓮の隣に座り、風奈が真奈の隣に座った。

「よろしく。神谷蓮君。」

「・・・・と、とぼけんなよ・・・・」

蓮は恐る恐る、真奈に呟いた。
すると真奈は表情を変え、小声で話しかけてきた。
「後で話しましょう。聞きたいことがあるでしょ。」
蓮はその言葉で、真奈の顔を見る。
真奈は不気味な笑顔を浮かべ、蓮は寒気がした。

「こいつ、何者だ・・・・・?」

Re: 『FORTUNA フォルトゥーナ』 ( No.9 )
日時: 2010/11/11 18:42
名前: 螺旋の階段 (ID: U3CBWc3a)

【04】

放課後....

六志と別れた蓮は、学校の屋上に来ていた。
屋上に来れば案の定、雪白真奈は既に待っていた。
「あら?意外と平然ね。」
「君もだろ?一体、何者だ?」
蓮の質問に、真奈は首を傾げた。

「最初の質問がそれ?」

「は?」

真奈は一瞬表情が曇り、呆然とした顔で蓮を見つめた。
蓮は意味が分からず、顔を顰めた。
「ま、まさか気付いてないとか・・・・」
「・・・・?何にだよ。」


「え、えぇぇぇぇぇぇ!?嘘!?あれから数週間経ってんだよ!?」


真奈は驚きのあまり後退し、まるで軽蔑したような眼差しで見てくる。
蓮は全く意味が分からず、大きなため息をついた。
「どういう意味だ?」
「あの指輪触った後、何か体に異変は?」

真奈の言葉で、蓮にある出来事が思い浮かんだ。



くしゃみをしたら、突風が密室の中で突然吹いた──────



真奈は蓮の顔を見て、何度か頷いた。
「何かあったらしいわね。説明して。」
「あ、あぁ・・・・」

蓮はとりあえず、一通りの説明をした。

すると、真奈は頭を抱え込んだかと思うと、顔をあげて頷いた。



「恐らく、風・気圧を操る能力ね。」



「の、能力?」



蓮は真奈の言葉を聞いた瞬間、思わず笑みが零れた。
それもその筈、今どき超能力など笑う以外ほかはない。
真奈は不思議そうに首を傾げているが、蓮は「はいはい」と言うと、後ろを振り向いた。
「冗談だろ、じゃあな。」
「これだから世界の住民は・・・・」
真奈はそう言うと、右手を鉄砲の形にし、人差し指から緑の電撃を繰り出した。


「ショック・ショット。」


バチッ!!!


「痛った!!」


蓮の背中に電撃が当たると、蓮は思わず飛んでしまった。
電撃は蓮の体を巡り、一瞬気が遠くなった。
「な、なんだよ!?」
「これで信じた?私は超能力者、聖界から来たね♪」
真奈はそう言うと、右手の平に電撃の塊を作りだした。

「う、嘘・・・・・・」

「さっきも言ったけど、あんたは風を操る能力者。理解した?」

「は、はい・・・・」

蓮は最早、頭に言葉が思い浮かばなかった。



突然現れた転入生は電気を操る能力者_____



そして、自身は風を操る能力者______





ぶっちゃけ、意味が分からない──────

Re: 『FORTUNA フォルトゥーナ』 ( No.10 )
日時: 2010/11/11 18:43
名前: 螺旋の階段 (ID: U3CBWc3a)

【05】

「だ、大体、どうして俺が超能力使えるんだよ!?今まで生きてきたけど、そんなこと・・・・」



「これよ。」



真奈は蓮の言葉を遮り、綺麗な赤い宝石が埋め込まれた指輪を見せた。
指輪には模様が刻まれており、見るだけで神秘的な物だ。
「これはマルム・リング。触れただけで超能力を得られる優れ物よ。」

「・・・・あっ!?」

蓮はこの時、真奈と出会った日のことを思い出した。


指輪を拾った瞬間、痙攣が起こり手足が麻痺した。


「それは副作用。それにしても、あなたも不運ね。」
「お前が落とすのが悪いんだろうが!!・・・ってか、一体お前やその指輪は何なんだ!?」
蓮の言葉に、真奈は頭を抱え込んだ。
しばらく悩んでいると、何か閃いたのか、頭をあげて頷いた。

「よし!!グレゴリーさんに説明してもらおう!!」

「はっ?お、おい!!!」

真奈は蓮の右手を掴むと、そのまま強引に屋上を後にした。


────────

秋葉原

かれこれ歩いて20分、2人は秋葉原に来ていた。
と言っても、歩いている場所はビル群の間である。
「おいおい・・・一体どこに行く気だ。」
「あそこよ。あのバー。」
真奈は蓮の右手を離すと、ビルの下にある喫茶店に指さした。
2人は喫茶店まで歩き、真奈が再び指を指す。


「バー‘GRAY’。地下にある寂れた店よ。」


喫茶店の横に、地下に通じる階段があった。
階段を降りたすぐの所に、「GRAY」とネオン文字で書かれたドアがある。
「グレゴリーさん、彼が例の人よ。」



「ん?なんだ、この若造か?」



真奈がドアを開けると、そこには白髪をオールバックで整えた老人がいた。
黒いシャツに黒いズボン、上から紅色のエプロンをし、箒を持っている。
「ど、どうも・・・・・」
「ひ弱で馬鹿面の若造だな。で、能力はなんだ?」

「風・気圧を操る能力っぽい。」

真奈がグレゴリーに言うと、グレゴリーは鼻で笑った。
蓮は何を言えばいいのか分からず、ただ呆然と立っていた。

「来い。超能力者になったからには、世界の住民だとしても聖界のことを知っておかねばならん。」

「は、はい?」

蓮は謎の言葉に翻弄され、グレゴリーの後を文句も言わずについて行く。
いや、ついて行くことしかできない。
真奈も2人の後ろをついて行き、そのままバーの奥にある部屋に入った。

「座れ。お茶菓子はいるか?」

「い、いえ・・・結構です。」

蓮はパイプ椅子を無愛想に出され、とりあえず座った。
真奈はベットの上に座り、グレゴリーは回転イスに腰掛けた。
「それじゃ、話そうかのぉ。」




「‘聖界の現在の状況’と‘超能力者の運命’をな。」

 

Re: 『FORTUNA フォルトゥーナ』 ( No.11 )
日時: 2010/11/10 18:59
名前: 鷹の目&螺旋の階段 (ID: U3CBWc3a)

現在、オーバーゲームの更新を停めて此方を更新しております。

オーバーゲームの方は、完全に骨折が回復次第に更新したいと思っています。
ご勝手ながら、その間はこちらの小説をお楽しみください。


by 鷹の目&螺旋の階段

Re: 『FORTUNA フォルトゥーナ』7話までUP ( No.12 )
日時: 2010/11/21 13:31
名前: 鷹の目&螺旋の階段  (ID: U3CBWc3a)

【06】

━━━━━━━━━━


聖界にある円形の孤島_______

大きさは日本列島程で、中央に犯罪を犯した能力者を収容する刑務所がある。
刑務所の名は、“ウァーニタース”。聖界史上、鉄壁の刑務所と呼ばれている場所だ。
超能力犯罪者は、地下300キロまであるフロアの別々の牢獄に監獄されている。


そして、フォルトゥーナという超能力者は最下層に監獄されていた。


聖界で最も最強で最悪の能力と言われ、ウァーニタースの最下層に閉じ込められていた。
脱獄は不可能と言い切れるほど鉄壁且つ無敵で、脱獄した者さえいない。
が、フォルトゥーナは脱獄した。


それも最下層で、120%無理な場所から_____


聖界を震撼させたこの事態に、刑務所の看守や聖界を警備する“守護官”は全力を挙げて捜索した。
挙句の果てには、聖界の政府“パークス”までもが動き始めた。
しかし、フォルトゥーナは誰にも姿を見せることもなく、刑務所から脱獄していた。

そして、その出来事をきっかけに、超能力者の運命を左右する事態が判明した。
パークスは聖界の住民にそのことを伝えようとしたが、住民の暴動に脅え公開しなかった。



『フォルトゥーナによる世界への侵攻』



聞くと、聖界にとっては他人事に聞こえるが、これは‘2つの界’の運命がかかった出来事なのだ。

この世は、世界と聖界の2つの界で成り立っている。
もし、どちらかの界が壊れれば、生き残った界は消滅する。
フォルトゥーナの目的は、超能力者の軍団を率いて世界を掌握すること。
さらに、聖界を掌握して、全ての頂点に立とうとしている。

フォルトゥーナは、2つの界を支配し、遊ぶだけ遊んで、最後は潰すつもりなのだ。

結局は、フォルトゥーナを殺す以外、2つの界を救える方法はないのだ。
フォルトゥーナを殺さなければ、善の人類も善の能力者も殺され或いは奴隷の人生を送ることになる。


浅く考えれば、この問題の解決方法は1つだけ。


これを救えるのは、同じ立場上の超能力者になる。
超能力者1人1人は、フォルトゥーナを殺す運命を辿るのだ。


光が闇を消し去るか________


闇が光を覆い潰すか________



超能力者になったには、いつ攻めてくるか分からないフォルトゥーナに備えて訓練を積まないといけない。


━━━━━━━━━


グレゴリーは話し終ると、蓮の顔を見た。
真奈も、蓮の顔を横から覗き込む。

「ば、馬鹿じゃねーの!!ふざけんな!!誰が、そんなアニメやゲームみたいなことを信じるか!!!」

蓮はそう言い放つと、足早にバーから出て行った。
真奈は止めようとしたが、グレゴリーが止めた。
「気にすんな。何れ、分かるじゃろお。」
「・・・・・私の失態です。これは、私が責任を取ります。」
真奈はそう言うと、蓮を追いかけてバーから出て行った。



「馬鹿もんが・・・・。巻き込んだら、もう間に合わん。終焉を見届けるまで、終わらん。」



グレゴリーはお茶を飲み、席から立ち上がったのだった。

 


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