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Mystery of Killer (悪魔の謳歌)
日時: 2010/09/23 22:45
名前: 沙羅 ◆NTT8lBE.Kc (ID: ct0d6aAp)

初めまして、さらと申します。
小説カキコ様の掲示板に投稿するのは、今作が初めてとなり、若干緊張気味です。
志半ばな作品ですが、応援していただければ幸いでございます。

それでは、どうぞ。

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Re: Mystery of Killer (悪魔の謳歌) ( No.6 )
日時: 2010/09/24 17:11
名前: 沙羅 ◆NTT8lBE.Kc (ID: ct0d6aAp)

涼しげな風鈴の音色が、どこからか涼しげな音色を奏でていた。

空は朱に染まって、黒い鴉が山頂めがけて飛んでいく。

「のーぞみちゃん!」

幼くて、聞いたことが…ない?

いや、ある筈だ、だって、この声は…。

「さ…や…?」

目の前には蓬生をそのまま小さくした風貌の幼稚園児がいた。

ここは、私が幼稚園児の時の記憶…、なんだろうか…。

戸惑いながらどう切り出せばいいか迷っていると、蓬生が近寄ってきた。

その顔には一切悪意が見られない、何か耳元で内緒話でもするつもりかと思っていた。

「…ふぐぅッ!?」

私は吐血した…?何が起こっているのか、状況が全く読めない。

脈路のない吐血に、私は首を傾げたかったが、鋭い痛みが腹部に走っていて、それどころではない。

声が、出ない。

「私、望都ちゃんに、こんな事されたんだよ…」

腹部に突き刺さる、包丁。

「ねえ、痛いでしょ?なんで私にこんなことをするの?!私たち親友だったよねぇ…?!」

顔を上げれば、憤怒の形相の蓬生が、口と口が触れ合う距離ぐらいに迫っていた。

「ねえ、私たち親友でしょう?何で?私、まだ生きていたかったのにッ…!」

苦痛が徐々に和らいで、目の前が霞んでゆく。

ああ、私は終わるのか。

…。

「…!」

私は飛び上がった。

額には大量の汗が浮いて、目には涙が浮かんでいる。

夢…、夢?

私はいつの間にか寝てしまっていて、昼寝をした後のような不快さが頭にこびり付いていた。

気づけば、もう夕方のようだった。

あの時と同じ、多少雲が混じった、赤い夕焼け。

奇妙なデジャヴを感じつつも、私は目を擦り、今は亡き、蓬生の場所へと向かった。

……。

まだ微妙に血の異臭が残る部屋で、私は思わず

「…?!」

悲鳴にならない悲鳴を上げた。

まさか、何故…、私はここに置いたのに…!

焦燥感が募り、それまで保てていた冷静さが、音を立てて崩れ落ちる。

蓬生 沙弥の死体が、消えていた。

Re: Mystery of Killer (悪魔の謳歌) ( No.7 )
日時: 2010/09/24 21:00
名前: 沙羅 ◆NTT8lBE.Kc (ID: ct0d6aAp)

登場人物追加

蓬生沙弥(幼少期)
たびたびほかの子供と問題を起こすことがあるが、それ以外は普通の幼稚園生と何ら変わらない。
主人公の夢に出てきたのは幼稚園の頃にとある事件があった為。

Re: Mystery of Killer (悪魔の謳歌) ( No.8 )
日時: 2010/09/26 02:08
名前: 沙羅 ◆NTT8lBE.Kc (ID: ct0d6aAp)

すみません、更新できませんでした。
今日も更新無理です。月曜日に更新を行うつもりです。

小劇場
蓬生「ねーねー、何やってるの?」
柳瀬「ん〜、ブログ更新」
蓬生「ブログ更新?どれどれ見せて!」
柳瀬「うん、いいけど」
蓬生「うっわあ〜よくできてるなぁ〜」
柳瀬「そんなことないよ、って、あ!そこは…」
蓬生「蓬生の行動観察…?なにこれ」
柳瀬「あ、いや、その、うん」
蓬生「何がうんなのかわからないけど、ちょっと二人でお話ししましょう」
『アッー!』

Re: Mystery of Killer (悪魔の謳歌) ( No.9 )
日時: 2010/09/26 08:59
名前: 沙羅 ◆NTT8lBE.Kc (ID: ct0d6aAp)

朝の早いうちに更新します。
書きかたも少し変えてみました。

一体私が寝ている空白の時間に何が行われたのだろう?
私がちゃんとここにバラしておいた死体は忽然と血痕すら残さず消えていた。
ということは、謎の第三者に弱みを握られたということなのか…?
そうに違いない。
一刻も早く死体を見つけなければ…、どうする…。
所詮学生の身である私は、妙案を思いつくはずもなく、数十分が思考に費やされた。

「ん…?」

あの黒い靴…、こんな家にあっただろうか。
私は玄関に歩み寄ると、靴を拾う。
サイズは私の父と同じぐらい、それでもって乱雑に脱ぎ捨てられているところを見ると…。
謎の第三者は、まだこの家にいる…ということになる…!
いや、焦るな、出入り口はここしかないのだ。
私がここをどけば、死体を持った第三者が、ここから逃げ出してしまう。
ここは慎重に、何か音を鳴らせるものを…。
ぶーぶークッションなんてどうだろう…。
まさかこんな場面でこれが役に立つなんて思わなかった。
私はとりあえず、床にクッションを置いて、その上にマットを敷いた。
そして、私はそっと玄関から遠ざかった。
まだか…まだか…。

「…!」

クッションがお約束の音を奏でると、私は陸上選手のように素早く玄関へ急行する。

「チッ」

誰かの舌打ちが聞こえた、間違えなく誰かが…。

「ッハァッ…見つけた…!」
「…」

中年の男が、ごみ袋を抱えて、こちらを睨むように見ていた。

「アンタは何者!それをどうしようっていうの!」
「これは、病の検体として扱わせてもらう」
「病気?ああ、アレのことか」

言い終わらないうちに、私は駆け出していた。
謎の男に向かって、ナイフを振りかざす。
その前に手で相手の首を押えて、ナイフを腹部に突きつける。

「何…!」
「学生だからって、甘く見ないで…、私は真剣なんだから」
「あぁ、そうかい…」

男は呆れた様子で、目を閉じた。

「何、私があんたを殺すとでも思ってるの?」
「殺さねえのか?」
「今、悩んでるんだ、ここでアンタを殺せば、リスクも今まで以上に大きくなる」
「フン、敵にお情けをかけてるようじゃ…駄目だぜッ!」

男の声が荒くなったと思うと私の腹部に痛みが走った。
膝蹴りが入れられていたのだ。

「くぅッ!」

私は一思いにナイフを振った。
肉を切りつける感覚に、私は再度吐き気を覚えながら、相手の手をめがけてまたナイフを振る。
ごみ袋を持っている手が心地いいくらい綺麗に切れて、血が吹き荒れる。
そして、相手がごみ袋を話すのを見て、私は攻撃をやめてごみ袋を私の後ろに置いた。

「ここから出ていって!とっとと消え失せて!」
「くっ…」

男は呻いた後に、よろよろとよろめきながら立ち去った。
その後ろ姿を切りつけてやろうと思ったが、これ以上リスクを大きくするのは自業自得だ。
しかし、何もかもがタイミングが良すぎる。
誰かが、見ていたのか?
私は親指の爪を歯痒さを治める為に噛んだ。

Re: Mystery of Killer (悪魔の謳歌) ( No.10 )
日時: 2010/09/30 22:24
名前: 沙羅 ◆NTT8lBE.Kc (ID: ct0d6aAp)

やはり、無謀だったろうか。
私が完全犯罪を起こせるはずもない…。
だが、ここで挫けたら終わりだ、要は事件が発覚しなければ問題はない。
—…死体を隠さなければ…。

私は家から程近い裏山へ来ていた。
この裏山は特に人気があるわけでもなく、ただひっそりとそびえたっているだけだった。
私はシャベルで勢いよく土を掘る。
秋風の涼しさが、嫌に冷たく感じられる中、ただひたすら掘っては掘るを繰り返す。
そして、ある程度掘り終わると、ごみ袋を乱雑に放り投げた、まるで友人だったということが嘘のように。
実際、そうだった、蓬生にはもはやそれを判断する冷静さと、考えが抜け落ちていた。
私を親友と認識できなくなるというのは、とてもつらいことだった。

「ちょっと、君」

後ろのほうで、中年男性の声が聞こえた。
振り返ると、警察の制服に身を包んだ男性が、こちらを見て立っていた。

「何か、ご用でしょうか」

私は、極めて冷静に対応する。
もしこの男に見られていたら、こいつも殺害してしまえばいい。

「君、こんなところでなにやってるんだい?こんな時間に…」
「ええ、友人と待ち合わせておりまして、ここのあたりでタイムカプセルを埋めたんです」

友人と待ち合わせている、というのは皮肉に近かった。

「それを、掘り返しに来たのかい?」
「はい…埋めた場所は忘れてしまったんですが…」

男性はしばらく考えるような仕草をしながら、

「まあ、気を付けるんだよ、この辺りには変質者も多いからね」

と告げて立ち去って行った。
一応関門は突破したみたいだが、どうも気になる。
何故警察官がこの人気の無い裏山へ来ていたのか…。

「まさか…」

あの男か…?
やはり殺しておくべきだったか…、ミスを犯してしまったようだ。
しかし、それはもう関係ない。
私はもう、止まれないところまで来てしまったのだから…。


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