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迷宮案内人-In the labyrinthオリキャラ募集中
日時: 2010/10/10 21:27
名前: 彩崎 (ID: FkTwM/pM)

『迷宮案内人 In the labyrinth』

「さあ、始めましょうか」


初めまして。彩崎という者です。
処女作初投稿なので多少イタイのは大目に見てやってくださいw

オリキャラ募集始めました。>>8


【補足】
この小説はシリーズ形式で進んでいきます。

毎回出てくるのは『案内人』だけで、主人公は毎話違う人物になっています。
で、『案内人』も謎だらけですw
=明確な登場人物は存在しません。
まあ最後の方に出すつもりですがw



それでは、どうぞ。

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Re: 迷宮案内人 In the labyrinth ( No.2 )
日時: 2010/10/10 17:13
名前: 彩崎 (ID: FkTwM/pM)

プロローグ


 貴方は、知っていますか。
 悩みを抱えた人間が迷い込む『迷宮』を。そして、そこに待ち受ける『案内人』を。


 彼らは今日も待っています。其処に誰かがやってくるのを。悩み、迷い、助けを求める人間を。
 それは勿論、貴方も例外ではありません。大人であろううと子供であろうと、男であろうと女であろうと、抱える悩みの大小にも関係なく、迷い込む人間を待っている。


 彼らは案内人。人を在るべき方向へと導く、案内人なのです。



「さあ、次はどんな人間が迷い込んでくるのでしょうねえ」

Re: 迷宮案内人 In the labyrinth ( No.4 )
日時: 2010/10/10 17:33
名前: 彩崎 (ID: FkTwM/pM)


case01  -明の場合- 01


 明は、悩んでいた。


 幼馴染である広人との関係についてだ。


 二人は家が隣同士で、誕生日も産まれた病院も同じ。親同士の中もとてもよく、産まれたころから一緒にいた、といっても過言ではないというほどの付き合いだった。

 だが、その関係も年を重ねるごとに違ったものになっていった。同級生の間で、高まっていく『恋愛』という意識。小学校の高学年ごろには、「付き合っている」といった噂が流されていたし。初めのうちはいい顔はしなかったものの、実は明もまんざらではなかった。


 そう、明は広人に恋をしていたのだ。


 だが二人ももう中学2年生。お互いに新しい友達もでき、部活なども忙しくなり、どんどん疎遠になっていった。

 ・・・明にはそれが、苦痛で不安でしかたがなかった。


 広人が自分の知らない場所へ行ってしまう。

 広人が他の子を好きになってしまったら。私なんて、もう視界の隅にも入らなくなってしまう。

 どうしたら、広人に私を見てもらえる?どうしたら、広人に私を好きになってもらえる?


「どうしたらいいの・・・?」


 視界が、真っ暗になった。

* * *

「ようこそ、貴方の『迷宮』へ」


Re: 迷宮案内人 In the labyrinth ( No.5 )
日時: 2010/10/10 20:14
名前: 彩崎 (ID: FkTwM/pM)

case01  -明の場合- 02


「ようこそ、貴方の『迷宮』へ」
「えっ・・・?な、何・・・?」


 気がつくと、黒と白で彩られた空間に、明は座っていた。空間、というと大げさかもしれないが、壁も天井も見当たらないそこは、確かに空間と呼ぶのにふさわしい場所だった。

 そして、そこには男が一人立っていた。薄い茶色の髪を後ろで一つにまとめ、空間の闇に溶けてしまいそうな、漆黒のコートを羽織った男が、優しげな笑みを浮かべて。


「ここ・・っ、どこ?貴方が連れてきたの?貴方は誰!?」


 突然の展開にパニックを起こす明に、男は優しく語りかける。


「此処は貴方の中の『迷宮』です。そして私は『案内人』。貴方を導く、案内人」
「案内人・・・?」


 柔らかいテノールの声は、魔法のように心に入り込み、少しづつ理性を壊す。全てをさらけ出させる、魔法の声。


「貴方、悩んでいるんでしょう?」
「ッ!!」


 いきなり言い当てられ、明に動揺が走る。目を見開いた明を余所に、目の前の男——案内人は続ける。


「話して御覧なさい。——私なら貴方の悩み、どうにかできるかもしれませんよ?」


* * *

 
 今起きていることを、明は全て吐き出した。そして、縋るような眼で案内人を見つめる。


「助けてくれるの・・・?なんとかしてくれるの?」
「それには、まだ少し足りませんね」


 それを聞いて、明は案内人に焦りをぶつけた。・・・もう理性など、少しも残ってはいない。


「な・・・何が欲しいの!?もう、助けて、苦しい・・・!」
「貴方は、どうしたいのです?」


 突きつけられた言葉に、明ははっとする。少しためらった後、明は意を決してこう言った。


「・・・広人と、もっと一緒にいたい。広人に好きになってほしい・・・・!」


 その言葉を聞いて、案内人はふ、と笑ったあと、言った。


「わかりました。・・・私が貴方を——導いて差し上げます」


* * *

Re: 迷宮案内人 In the labyrinth ( No.6 )
日時: 2010/10/10 20:12
名前: 彩崎 (ID: FkTwM/pM)


case01  -明の場合- 03


 目を覚ました明は、自分の部屋のベッドの上にいた。


「なんだったの・・・?」

 
 『迷宮』に、『案内人』。思えば夢だったのかもしれない、と明は思った。・・・とてもリアルな、ただの夢。きっとそうだ。

 ふと時計を見ると、水曜日のAM6:30。学校に行く準備をするのには、丁度いい時間だ。


「さ、早く準備しなくちゃ」


* * *


 PM4:30。今、明は人生生きてきた中で、もっとも重要な局面に立たされていた。

 明は熱を出し、学校を早退することなった。そこまではいい。


「小高、家近いんだから送ってやれ」

 
 その先生の一言で、事態は一変した。

「えっと・・・、ごめんね?迷惑かけちゃって・・・」
「や、別に気にすんなって。幼馴染だろ?」

 
 隣に、広人がいる。頬が熱いのは熱があるせい。そう念じて、必死に平静を保っていた。


「こうやって一緒に帰るのも久しぶりだなー」


 もう、こんな風に二人で帰るなんて、ありえるだろうか?

 想いを伝えるなら、今しかない。そう、直感的に思った。


「広人、・・・好き」
「・・・は?」
「ずっと前から、好きだった・・・!」


 ずっと言えなかった想いを、ぶつける。当たって砕けろ、もうどうにでもなれ、私にできるのはここまでだ。

 それに対する答えは、明がずっと望んでいたものだった。


 「俺も、好きだ」

 
 そっけなく、でもあたたかく頭の少し上から降ってきた言葉。いつの間にか追い抜かれた身長、前はそれが少し寂しかったが、今は違う。


 夢じゃない。ずっと欲しかった結果が、ここにある。明はただただ、幸せだった。


* * *

Re: 迷宮案内人 In the labyrinth ( No.7 )
日時: 2010/10/10 20:15
名前: 彩崎 (ID: FkTwM/pM)

case01  -明の場合- 04


「いかがでしたか?」
「あ・・・」


 気がつくと、明はまたあの空間、迷宮にいた。


「貴方が、広人を・・・その、私を好きになるようにさせたの?」
「いえ、とんでもない。そういったことには手出しできないのです」


 明は案内人の言葉に驚くとともに、真っ赤になる。それは、広人が前から、明に好意を抱いていた、ということだと気づいたから。


「それ、って」
「そう、彼のもとからの感情です。私は少しお手伝いしてだけですよ」
「・・・貴方はそれを知ってたの?」
「ええ。そうでなければ、また別の方向に導いていたでしょう」


 知っていたのなら教えてくれていたってよかったじゃないか、と明は思ったが、すぐにそれを打ち消した。その結果として、今の自分がいる。そのことが、どうしようもなく嬉しかった。


「案内人、さん」
「なんですか?」

「ありがとう、ございます」


 明は、案内人に礼を言った。幸せそうな、とびっきりの笑顔で。

 そして——また一人、迷宮からは出て行った。


* * *


「彼女のような真っ直ぐな人間が迷い込むのは、久しぶりですね・・・まあ、この先は私には関係ないのですが」


 案内人は、そっと笑う。その笑顔は、どこか悲しげなものだった。


 case1  -明の場合-  end


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