ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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蒼天のヘキレキっ!
日時: 2010/12/12 00:35
名前: Aguと遮犬 (ID: XvkJzdpR)

このスレはAguという偉大なお方と遮犬とかいうふざけた堕犬の合作創作小説でございます
題名は紅蓮の流星さんに考えてもらいましたーいい仕事をしてくれてありがとうございますw(殴



ヘキレキは漢字に直すと「霹靂」になりますw意味は衝撃的な、とかそういう意味らしぃですぜw

と、いうことで…戦場下で繰り広げられる少年少女たちの学園ストーリーですよーっとw by遮犬


〜目次〜
ぷろろ〜ぐっ!…>>1
第1話
♯1>>2 ♯2>>5 ♯3>>6 ♯4>>9 ♯5>>12

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Re: 蒼天のヘキレキっ! ( No.8 )
日時: 2010/11/14 15:50
名前: agu (ID: gzQIXahG)

>>7
今更の返信をお許しください……

遮犬さんの日常描写はかなり巧みで思わず「俺の嫁」と言ってしまいたくなりますね、俺の嫁!

自分の文は何となく趣味を詰め込んだらこうなって遮犬さんに「何やってんだァァァァァ!」と怒られそうだった。今は反省しています、はい。


これからも愛読お願いいたしますね。

Re: 蒼天のヘキレキっ! ( No.9 )
日時: 2010/11/20 00:34
名前: 遮犬 ◆ZdfFLHq5Yk (ID: pD1ETejM)

(なかなかやるわね……)

早瀬は本気でそう思っていた。
これは才能でどうにかというものではなく、敵——新実 陽は手馴れていた。
だが、俄然負ける気などない。しかし、不利なのは百も承知であった。

「……私をなめたらどうなるか、わからせてやるわっ!」

にやりと口を歪ませ、優雅に笑った後、太刀を片手で握り締める。
そしてもう片方の手には——松ぼっくりのようなもの。
それは世にいう、手榴弾というものだった。




一向に出てこない。
先ほど、太刀を抜き去ったと後、確実に銃で狙いを定めた。
だが、それより速く、早瀬は傍にあった分厚い壁に隠れた。

「いつまでそうしているつもりだ……?」

自分が有利だという絶対的条件につい口元が歪み、笑い顔になってしまう。
それもそのはず。実際攻撃しているのは自分ばかりなのだ。
向こうは見たところ太刀ぐらいしか装備がない。

(接近しないと攻撃を当てられないものを戦場の相棒にしたのが間違いだったな)

そしてあることを思いつく。
相手が今何をしているか知らないが、壁際にいるということは確かだ。
今も堂々と姿を晒して見守っているが、左右どちらに移動したとしても、蜂の巣になることは間違いなし。
——射撃ならば絶対の自信がある。
なので、挑発してみることにした。
このまま無為に時間を費やしても意味はないからだ。

隠れているであろう壁際付近に向けて銃を放つ。そしてプライドの高いであろう少女に言い放つ。

「どうした? 防戦一方じゃないか。さっきまでの威勢はどこにいった?」




相手は完全に油断している。
これも、作戦の内だった。
絶対的有利の立場。それもこちらには太刀ぐらいの接近武器しか持っていないと見ている。
——勝機は十分。
相手が行動に出た時が、チャンスだ。




「しょうがない……」

怯えているのか何をしているのかが気になった陽は、少しずつ近寄っていく。


その砂を踏む足跡を聞いた時、早瀬は行動に出た。


「まだまだ、甘いわね! ヘタレ!」

壁際から堂々とした声が聞こえたかと思うと、何かが飛んできた。
それは、手榴弾。

「なっ!」

油断していた陽は慌てて後ろに飛び退く。
大きな爆撃音が鳴る。そして砂埃がものすごい勢いで視界を塞ぐ。

「手榴弾持ってたのか……!?」

頭を抱え、寝転んだ状態の陽は慌てて起き上がる。
——しかし、それは遅かった。

鋭く光る何かが砂埃の中、見えた。
見えたとしても、何にしても視界が奪われてどこに撃てばいいか分からない。
たった一度見えた光を太刀の光だと見て、そこに銃を放った。

「でやぁあああっ!!」

高い女の子の叫び声が聞こえたと思ったのと、砂埃の中からいきなり早瀬が出てくる。
それも、太刀を振り構えた状態で。
銃弾が、早瀬に当たる直前、それを


早瀬は、太刀でぶった斬った。


気付いた時には、既に自分の目の前には刃先が突きつけられていた。

「う……」

陽は思わず、腰を落とす。
そして砂埃がやっと消える。そうして出てきたのは、早瀬が悠然とした顔で太刀をつきつけている姿だった

「銃弾を……斬った?」

目の前で起きたことに全く対応しきれていない陽。
——太刀で銃弾を斬る?アニメか漫画じゃあるまいし

だが、そんなことがこの少女は砂埃であまり見えなかったが、やり遂げたのだ。
銃弾に追いつくということすら、そもそも無茶な話のはず。

「こんぐらい朝飯前よ」

不敵な笑みを浮かべる早瀬。
砂埃の影響か、体中砂だらけだった。
そして、続けて陽へと言った。


「やっぱりヘタレはヘタレねっ!」


敵わなかった。この少女の度胸、そして何よりその真っ直ぐな気持ちが
あまりにも、"アイツ"に似ていたから。

「……参ったよ。油断しすぎた」

素直に負けを認める。
すると、早瀬は陽のその言葉に鼻で笑った後

「アンタもなかなかやるじゃない。ま、でも私にはまだまだ敵わないけどね」

とはいっても、陽がもし油断せずにいたら負けていただろう。
——言い返してくるんならきなさいよ。
早瀬はそう思っていたが、その予想は実に的外れで、それどころか陽は笑っていた。

「そうだな。なかなかやるじゃないか」

陽は早瀬を褒め称えた。
その意外な行動に何故だか顔が赤くなる。自分の思い違いという部分が恥ずかしかったのだろう。

「な、何いって——」

その時だった。
サイレンのような音が鳴り響いたと思いきや、放送が事態を告げる。

『緊急事態発生、緊急事態発生。ただちに各要員たちは大広間へと集合せよ。繰り返す——』

「何があったのかしら……?」

早瀬が最初に声をあげる。
緊急事態。それが意味することは、言い切れないが敵が近くにきているかもしれないという危険性があった

「早瀬、急ごう!」

「勝手に名前で呼ぶなっ!」

「じゃあどうやって呼べばいいんだよ……」

と、苗字呼びでも怒られることに呆れながらも二人は大広間へと向かった。




それが、まさか……一戦場へといきなりほっぽり出されることになるとは、な。

Re: 蒼天のヘキレキっ! ( No.10 )
日時: 2010/11/27 15:58
名前: 杵島 茄武 ◆wWr1IKfGtA (ID: EUGuRcEV)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode=view&no=15121

遮犬殿、Agu殿の絶妙なコラボにはカンゲキーノ。
遮犬殿Agu殿共に文章力にカンゲキーノ。
遮犬殿Agu殿のこのストーリーにカンゲキーノ。


楽しみです!

Re: 蒼天のヘキレキっ! ( No.11 )
日時: 2010/12/09 21:38
名前: 遮犬 ◆ZdfFLHq5Yk (ID: XvkJzdpR)

>>杵島 茄武さん

全くコメ等返していなかったのでagu殿の代わりに自分がコメを返したいと思いますw
今更ながら申し訳ございません;

じ、自分は論外ですお…wagu殿の戦闘シーン等に惚れた男ですw
銃やこういう戦場系は自分書いたことないのでw全くと言っていいほどですよw

楽しみにしていただき、ありがとうございます;自分は亀更新ですから足引っ張ると思いますが…><;
ボチボチ頑張りたいと思いますwありがとうございました〜!

Re: 蒼天のヘキレキっ! ( No.12 )
日時: 2010/12/12 01:51
名前: あぐ ◆/GIdjFJJRo (ID: gzQIXahG)

「諸君、良く集まってくれた」

並べられたパイプ椅子に座っている俺たちの前でこう言い放ったのは、作戦立案部の南雲教頭。
昔は陸上自衛隊の参謀大佐だったという話で、多少小うるさい所はあるが、それを除けばとても優秀な教師であると思う。

彼は正面にある電子ヒューボードに表示される作戦地図を指揮棒で挿しながら続けた。

「AM、ヒトヒトフタナナ(午前十一時二七分)。時醒ときさめ市南東部の入江地区において暴動が発生。参加者の殆どがスラム住民と確認されている。現在、暴徒たちは市の中心部に行進中だ。警察と機動隊が出ているが、彼らは規則上、民間人に対しては“発砲できない”——そこで我々の出番だ。入江地区の背後に面している海上から揚陸艇とブラックホーク(輸送ヘリ)で奇襲を仕掛け、首謀者を迅速に逮捕、もしくは殺害する————襲撃科と狙撃科、それに捜査科の生徒は奇襲部隊へ編成される。情報科は後方支援、車輌科は一部の生徒が揚陸艇とブラックホークの操縦手を担当する以外は、情報科とともにバックアップを行え…………以上! 質問はあるか?」

少しの間シーンと静まり返った後、俺の後ろの席の奴が手を挙げる。

「よし、質問は?」

質問した奴は静かに立ち上がった。

「詳しい部隊編成ですが、訓練通り四人一組のチーム制でしょうか? それとも二人一組のバディ制に?」

「その辺りは前線指揮を担当する教師が説明する手筈だったのだが……宜しい、今回は二人一組だ」

「理解しました。ありがとうございます」

質問をした生徒が立った時の様にまた静かに座るのを目で確認すると、南雲教頭は俺たち全員を見渡した。

「他に質問はあるか…………——ふむ、無い様だな。それでは各員、各学科ごとの集合地点へ急げ。解散!」

ザッという音と共に俺たちは一斉に立ち上がると、早足で作戦室から出て行く。
隣に座っていた早瀬が、説明が終わるのと同時に俺に話しかけてきた。

「教頭、バディ制って言ってたわよね?」

「ああ。確かにそう言ってたが……どうかし……!……」

「その様子だと……ヘタレのアンタも気づいたか——そうよ、今回決めたあのパートナーで二人一組を組むかもしれないってことよ!」

「おい! 冗談じゃないぞ! まさか俺とお前でこのミッションに挑むってのか!! ああ、クソッタレ。ツイてないぜ……!」

「それはこっちの台詞よ! ヘタレ!」

ギャーギャー言い合っている俺たちは背後から忍び寄る影に気づかなかった。
突然、俺の肩が凄まじい力でむんずと掴まれる。

「痛ッ!——誰だ、何しやが…………り……ますか」

肩を掴んだ奴を怒鳴ってやろうと振り向いた先にいたのは————

「…………」

無言で俺たちを睨み付ける南雲教頭だった……

「……あ、はは。南雲教頭」

「きゅう……」

青い顔をしながら縮こまっている俺たちに、教頭はその厳つい顔をずいっと寄せた。

「仲が良いのは結構。だが……現在任務中。OK?」

「「お、OK!」」

「ならお前らは今すぐにゴー・ミッション!!」

「「い、いえっさー!」」

俺たちは凄まじい勢いで脚を動かし、その場から逃走した。


*  *


あの後、俺たちは捜査科の集合場所に急行すると、担当の教師から詳細な作戦説明と編成を受けた。
そして案の定、編成の過程で俺と早瀬は二人一組とされてしまったのだった。嗚呼……


現在、俺はロッカールームで強襲作戦用の装備を着用している最中だ——
背中部分に白字でUSNI(国連特別捜査官)と描かれている黒色のボディーアーマーを装着し、アーマーと同じ色のハラクラバ(目だし帽)をつけ、その上から黒の防弾ヘルメットを被る。
そうしてロッカーの扉内に設置されている細長い全身鏡に自分を写した。

まさしく、ザ・特殊部隊と云った格好だ。アメリカのSWATみたいな……というかまんまじゃないか?

隣で装備を装着している奴なんかは、その上にまた防弾サングラスを付けている——
俺が見ているの気づくと、そいつは左手でサムズアップしてきた。

とりあえず右手で俺も返す。グッ。

うん、小さな友情が芽生えた気がするな。

そのまま何となく一緒にロッカールームを出て、目的地の途中——つまりはお互いがどちらも目標にたどり着くために1mも損をしない場所——まで歩くと、軽く手を振って別れた。
聞いた話によるとどうやらあっちは揚陸艇による上陸作戦になったらしい。

俺は急いで離れていくソイツの後姿を見ながら、第二ヘリポートに行く為に直行エレベーターに乗る。
一緒に乗り組む奴らも数人いて、こいつらは俺と同じ第二ヘリポート組みだと分かった。

————しばらくすると、エレベーターの操作盤にある光が第二ヘリポートの所で(いやそれしか目的地は無いが)止まり、チンという軽快な音を立てる。
眼前の扉が、開かれた。


……まず感じたのは暴風。叩きつけてくるような風だった。足を動かすのが辛い。バタバタという僅かな風声と混じってこれまた大きなヘリの爆音が聞こえてくる。
俺は目を何とか開けると、元は米軍の軍用ヘリコプターであるUH-60 ブラックホークがその体躯を休めているのが、少し先のポートに見えた。

訳も無く身震いが襲ってくる。一つ、深呼吸をしよう……スーハー、スーハ—……

よし。俺はずんずんとその黒塗りのヘリコプターに向かって足を進めた。
不意に、ヘリの中からひょいっと顔を出した奴がいた、ヘルメットは取っていて、その艶やかな黒髪が風に流れて宙を舞う。
早瀬だ。奴は俺の方を一睨みすると、すぐにその表情を驚きに変える。俺はそれに構わずヘリの取っ手を掴むと、中に入り込んだ。

すぐにヘリ内の所定座席に座った俺に、早瀬ぼけーとした目を向けると、ポツリと漏らす。

「……アンタ、真面目になればカッコ……ハッ!?」

その言葉は自分でも無意識に放ったものらしかった。全て言い終える前に奴は口を両手で塞ぐ。
ああ……良く言われることだ。“アイツ”も、そう同じことを漏らしていたな。「仕事モードに入った君は素敵に見える」ってね。
だが任務中はどうもそういうことを言われてもピンとこない。


俺と同じエレベーターで来た奴がどんどんヘリに入ってくる。そして早瀬もまだ少し顔を赤くしたまま、それに紛れる様にして、座席に座った。


ヘルメットに白い横線が三本引かれている生徒が指示を出した。三年生だ。恐らく隊長だろう。

「パイロット! 全員搭乗完了した! 出せ!!」

「OK! ブラボーリーダー!!」

元々廻っていたヘリの回転翼が、更にウンウンという音を出しながら回転しはじめる。

これだ、この緊張感……俺は人知れず笑いで口を歪めていた……


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