ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- Blue cross 完結しました
- 日時: 2010/11/15 21:30
- 名前: 浅葱 ◆jnintUZIrM (ID: m26sMeyj)
- 参照: http://PCが変わったので名前も変えてみました← 十六夜です
初めまして、あるいはどうも。浅葱です。
衝動性と飽きの速さ有名ですが、一応今回こそは!と思い頑張ってみます←
……あ、宜しければコメントに書いている小説を教えてくださいね^^
すぐにコメントに行かせていただきます←
それと注意ですがこの小説は時々流血表現があります。苦手な方は要注意を。
後結構暗いムードになるかと……(一応シリアスなので
∮ 目次 ∮
>>04 ∮ prologue ∮
>>05 ∮ 登場人物 ∮
>>13 01 夜の恐怖
>>21 02 燃え続ける灯火
>>24 03 俺が俺で居られる日まで
>>29 04 神を崇めよ、そして称えよ
>>38 06 陽光の十字架
>>54 07 夜の闇は刹那に溶ける
>>55 08 我ら、神を崇めたり
>>63 09 血に塗られたあの日
>>75 10 理性は何処へ——— 前編
>>83 11 理性は何処へ——— 後編
>>88 12 されどそれを世の中と彼は言う 前編
>>94 13 されどそれを世の中と彼は言う 中編
>>96 14 されどそれを世の中と彼は言う 後編
>>98 15 陽光の在り処
>>99 16 心臓が疼く
>>101 17 笑う真紅
>>103 18 二度目の嘘
>>104 19 Blue cross(完結)
オリキャラ募集〜再度募集中です。募集してくださった方々、ありがとうございました♪〜
>>09 瀬野双葉(Neon様オリキャラ)
>>11 小山餡子(ヴィオラ様オリキャラ)
>>14 不知火レン(椎名様オリキャラ)
>>15 蒼崎來華((V)・∀・(V)様オリキャラ)
>>33 夜月彩佳(菫様オリキャラ)
>>35 月影純(Neon様オリキャラ)
>>37 刻夜凶(パーセンター様オリキャラ)
>>41 小山凛子(ヴィオラ様オリキャラ)
>>44 ウェンズデー・ベル(アマリ様オリキャラ)
>>46 メイ子(衣無地様オリキャラ)
>>64 レオン(しーらぃ様オリキャラ)
>>65 アルター・フロスト(agu様オリキャラ)
>>73 神崎撫子(栞。様オリキャラ)
>>89 碧亜空(裏凪屡亞様オリキャラ)
∮ お客様 現在17人〜ご来訪ありがとうございます!〜∮
栞。様、青銅様、Neon様、椎名様、ヴィオラ様、 (V)・∀・(V) 様、衣無地様、黒帝様、菫様、神凪和乃様、パーセンター様、アマリ様、鏖様、しーらぃ様、agu様、doctor・wave博士様、裏凪屡亞様
それではご鑑賞下さい^^
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- Re: Blue cross ( No.97 )
- 日時: 2010/11/14 17:25
- 名前: 浅葱 ◆jnintUZIrM (ID: m26sMeyj)
あげます。
……話のネタが、切れそうです←
- Re: Blue cross ( No.98 )
- 日時: 2010/11/15 16:26
- 名前: 浅葱 ◆jnintUZIrM (ID: m26sMeyj)
15 陽光の在り処
「何ですって……?」
夜空の様な不思議な色合いの瞳に、動揺が走る。あたりが少し暗い其処に彼女———神崎撫子は居た。
顔こそ笑顔だから其処にいる人々は何を考えているのかは分からなかったであろう、しかし動揺している。
彼女は“R・S部隊”の特別班……陽光の十字架の在り処を誰よりも最先端で調査している班の一員だ。
勿論それなりに実力は伴う訳で、簡単に言うとそんな彼女が(多少だが)驚いている事は自体が大きいと言う事を示している。
「先ほど申しましたように、陽光の十字架の在り処が……「あぁ、そちらでは無くて」
深い青色の瞳がキョトンとした風な表情になったかと思うと、すぐに元の表情に戻り答える。そんな少女の名は碧亜空。神崎撫子と同じ特別班の一員。
左の前髪がかなり長く、少し目に覆いかぶさっていた。
そして撫子の意外な返答に空はさらにキョトンとした表情になる。訳が分からないとでも言っている様だ。
「本当なの? ……櫻井夏苗がブルークロスだと言う事は」
櫻井夏苗、と言う所をやや強くしながら撫子は聞く。……空は迷う事無く頷いた。
ブルークロスと言う言葉はどうやら二人の間で共通している言葉らしい。
果たしてそれがどう言う意味を成しているのかも、恐らく二人の間のみでしか知られていないのだろう。
それはさておき、空は頷きながら言葉を紡ぐ。
「陽光の十字架を宿している事からほぼ……いえ、間違いなくブルークロスです」
「目覚めるのも、遅くは無いと言う事ですわね?」
はい、と空が返事をすると撫子は愛用の二刀流を取り出したかと思えば弓矢も持って歩き出す。
空は不審に思いつつも一応自分の武器のカッターを数十本持って着いて行く。
「……どちらへ?」
撫子は空を見ながら、何を考えているのか分からない笑顔で少し考えている様子を見せる。
「ブルークロスが目覚めるのはもう間も無いわ。幸い、此処は彼らの任務地だし……陽光の十字架の回収へと行きましょう」
「……了解しました」
空は頷きながらナイフを服にしまう。しまってしまうとナイフが何処にあるのかが分からなかった。
そして何を話しているのかは彼女達にしか分からないものだったが、陽光の十字架と夏苗が関連している事のみハッキリと分かる。
……それをさらに裏付ける証拠としてあげられるのは
二人の今居る場所は、イギリス。
夏苗達のグループの、任務地だった。
- Re: Blue cross ( No.99 )
- 日時: 2010/11/15 16:54
- 名前: 浅葱 ◆jnintUZIrM (ID: m26sMeyj)
16 心臓が疼く
何故? 夏苗は現在イギリスに着き、任務地へと向かう駅へと既に乗っている。
任務地へ着くのは今日の午後十一時。任務地へ着いた後に報告を入れ、翌日に任務を行う。
しっかりしてるスケジュールに生活も自然と沿ってきてもうすぐ任務地へと着く。
それなのに、何故かは分からないが、夏苗には嫌な予感がした。自分でさえも良く分からない程に。
気のせいだろう、多分思い過ごしだよね。夏苗はいつもの自分の様にそう宥めて落ち着こうとする。
けれど、いやな予感は収まる所か悪化していた。心臓が高鳴っていた。
「……夏苗、さっきから大丈夫か?」
心配そうな光の声。余程恐ろしい顔でもしていたのか。夏苗はにっこり微笑んで大丈夫だよ、と言う。
内心大丈夫と正反対だと言いたいほど大丈夫ではなかったが。……双葉は特にそんな夏苗達を気にする事は無く、チョコレートを食べていた。
「……」
特にする事も無く、しかし眠るとまた嫌な夢を見そうで夏苗は外の風景を見ていた。
外は夕方を越し、暗い深い黒色が空を覆いつつある。天気がそんなに良くないのか星は見えない。
ただただ黒い空で、また嫌な予感を彷彿させそうだったので少し目を伏せる。
気のせいと言っていた自分は何処へ行ったのか、夏苗は苦笑した。
「……あれ?」
ふと光がポカンとした感じの間抜けな声を出す。そして不思議そうに夏苗を見ながら、指を差した。
「夏苗の目……今赤く光ってる……大丈夫か?」
目が赤く光っている? 突然そんな事を言われ夏苗は不思議に思いつつも窓を見た。
先ほどまでは特に窓に映る自分の目など気にしていなくて気付かなかったが本当に目が赤くなっている。
その途端、夏苗は背中にぞくりと冷たいものが走るのを自分で感じた。
冷や汗が流れてくる、心臓の鼓動が強まる、呼吸が少し荒くなる。
怖い、恐ろしい、苦しい……色々な感覚が一度に襲い掛かってくる。
「ッ……」
色々な感情がフラッシュバックをするかの様に夏苗の脳裏に映像を映し出す。
突然の身体の異変に、夏苗は眩暈がして来たが光に心配されると流石に悪いので何とか隠そうとする。
……心臓の躍動が自分の耳から聞こえてくる。背中の悪寒が背中だけではなく首にまでやって来た。
ドクンッ ドクンッ ドクンッ
(……駄目、だ……何なんだろう……これは)
自分の変化に戸惑いつつ窓に映る赤い瞳を見る。意味が分からない、何で突然……こんな事に……。
しかしそんな頭で考えている余裕などを消し去るかの様に体が強く疼く感触が襲ってくる。
ドクンッ
(駄目だ)
ドクンッ
(このままじゃ……)
ドクンッ
(自分、が……)
ドクンッ
(あの、と、きの様、に……)
ドクンッ
(駄、目だ……! それ、だ、けは……絶……対に……!!)
思考すら途切れ途切れになって来る。何を考えて居るのかすら分からなくなってきた。
眩暈が激しくなり、ついに意識がブラックアウトしそうになる。夏苗は心の中で駄目だ、それだけは……! と呟く。
ドクンッ
(あ…………)
しかし、夏苗は、意識を失った。
そしてだからこそ、気付く事が出来なかった。
「夏苗……どうしたんだ? ……!!?」
心配そうにおずおずと自分に触れてきた光の手を振り払った自分を。
顔を上げてこれまでに無い邪悪な、殺気だらけの微笑を見せている自分を。
そして笑いながら
「櫻井夏苗は死んだよ?」
と、笑う、自分を。
- Re: Blue cross ( No.100 )
- 日時: 2010/11/15 17:04
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)
やっほー! 鏖だよ!(←変換ww
なんか、超大作すぎて頭がクラクラしてきた……。
余白(?)の取り方が上手だよね。なんかドキドキする……(←意味不
- Re: Blue cross ( No.101 )
- 日時: 2010/11/15 17:18
- 名前: 浅葱 ◆jnintUZIrM (ID: m26sMeyj)
17 笑う真紅
「さ……櫻井夏苗が死んだ? 何言ってるんだよ、夏苗……」
心配そうに、そして不安そうに聞く光の声を夏苗は嘲笑うかのように聞いていた。
先ほどの穏やかな雰囲気は何処へ行ったのか、あるのは恐ろしげな殺気のみ。夏苗なのかすら分からない。
いや、いっその事夏苗で無ければ光も、双葉もこんなに恐ろしくは思わないであろう。
しかし茶色の癖毛と、先ほど自分達が見た紅色の瞳。がそれを容赦なくぶち壊す。
「ねぇ、どうしたの夏苗? と言うより夏苗じゃないよね……お前」
「俺は“夏苗”じゃ無いよ。そうだね……強いて名を言うのなら」
夏苗はいつもと違う、鋭い雰囲気を放つ双葉にニヤリと笑いながら答える。
信じたくないと、二人のやり取りを見ている光の目が語っていた。しかし夏苗は容赦無く答える。
「……“吸血鬼”とか?」
「…………う、嘘だろ! 夏苗は夏苗だ! “吸血鬼”な訳無いだろ!!」
驚いた表情を隠さず表し、動揺しながら言う光を夏苗……否自称“吸血鬼”は横目で見ていた。
兄弟の絆をあっけなく壊し、存在自体を否定するかのような表情。それは光に大打撃を与える。
光はその場に座り込み、恐ろしいとでも言っているかのように夏苗を見ていた。
「ふぅん……じゃあもし“吸血鬼”だって言うんだったら……殺しても良い?」
“R・S部隊”のあるべき姿を双葉は取っていた。自分の武器であるブーメランを構える。
しかし光は当然と言えば当然、双葉を止めていた。……“吸血鬼”は無反応のままだ。
「待てよふたば! 夏苗だぞ!! ……なぁ、夏苗……夏苗だよな!!」
「だから違うって言ってるだろ? 俺は“吸血鬼”。お前らのて・き」
光をまるで幼児扱いするかの様に“吸血鬼”は小馬鹿にした風に話す。双葉すらも戸惑っていた。
光は拳を震えさせながら、既に目に涙を溜めながら“吸血鬼”の襟を掴む。
……煩いなぁ。と“吸血鬼”は夏苗であれば有り得ない考えをしていた。
「どうしちまったんだよ、夏苗! ……お願いだから、夏苗って言ってくれよ……」
返答は無い。双葉は光をやや気の毒そうな表情で見つめつつ後ろへ行かせようとする。
しかしふと夏苗はハッとした表情になったかと思うと光の肩を掴んだ。
……双葉は訳の分からない、と言う風な表情を見せているのに対し光は夏苗の腕を掴む。
そして最後の期待、と言う風に夏苗に話しかけた。
「夏苗だよな!」
「……あれ? 光……どうしたの?」
いつもの穏やかそうな声、殺気も消えていた。光は嬉しい、だけでは表せない程喜んでいた。
双葉は訳の分からない、と言う表情をしていたが夏苗の雰囲気と声色に一時期の狂いか、と推測する。
そして光は心から安心した風に夏苗に抱きついていた。夏苗は少し驚きつつも照れている。
「夏苗……突然ビックリしたよ、馬鹿……」
「何があったのか分からないけど……ごめん」
「本当に夏苗だよな? “吸血鬼”じゃ無いよな?」
「うん、本当だよ。よく分からないけど……ごめんね?」
夏苗は微笑みながら光を抱く。そしてホッとしてようやく離れた光の頭を撫でながら
「二度も、騙しちゃって」
もう片方の手で、鞄からマシンガンを出して、光を撃った。
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