ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 黒薔薇アリス。
- 日時: 2010/11/14 18:37
- 名前: 雛月 りん (ID: tH3mbyH6)
初めまして、雛月 りんです。
こちらのサイトへの投稿は2回目ですが、
1回目は、没ってしまいました……。
まだまだ、未熟な上、下手ですが、暖かい眼で
見守ってくださると、喜びます^^
+./ 注 意 ! /.+
● 流血表現、殺人表現など、グロテスクな表現が
撒き散らされています。
ある程度、グロテスクについていける方でないと
危ないかもしれません。
● コメント・アドバイスは、命の源です。
いつでも受け付けています。
● コメント・アドバイスでも、辛口すぎる・暴言・
悪口などは、受け付けません。しゃっとあうと!
以上の3つを守っていただけると、嬉しいです。
それでは、この作品が少しでも皆様に楽しんで
いただけるよう、努めてまいりますので
よろしくお願いします。
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- Re: 黒薔薇アリス。 ( No.4 )
- 日時: 2010/11/12 17:47
- 名前: 雛月 りん (ID: tH3mbyH6)
「そ、そ……れでッ、な、にかっっ……。か、かわ、
変わる、のッ?」
恐怖で、うまく舌が回らない女性は、少女に訊く。
そんな女性に、冷ややかな視線を少女は送り、
「さっき言ったでしょ? 変わるの。あたしも、あなたも。運命も」
ため息混じりに、少女は答える。
幼くも、ひどく透明な声をした少女。
その声に、似合わない口調と、冷ややかな冷え切った
うさぎのような赤い瞳。
ウェーブがかかった長いピンクの髪を、白い手袋をし細い手で梳くと、少女は近くにあった長椅子を思いっきり蹴った。
「ひぃっ!!」
「ねぇ? あたし、待つのは好きじゃないの。ほら、早くしないと、ひどく苦しい死に方させるよ? ねぇ、決めた?」
白い少女は、膝をついて女性の首筋の近くに鉈をぐっと突き立てる。
ギラリと、妖しく鈍く光る。
たらりと、冷や汗が女性の頬を伝いそうだった。
ありえないくらいの、静けさと、緊迫感。
息が詰まる。
- Re: 黒薔薇アリス。 ( No.5 )
- 日時: 2010/11/12 17:52
- 名前: メルー (ID: klLmhm9D)
はじめまして メルーです
何か凄い話ですね(良い意味でです!
続きがとても気になるので更新頑張ってください!
失礼しました
- Re: 黒薔薇アリス。 ( No.6 )
- 日時: 2010/11/12 18:04
- 名前: 雛月 りん (ID: tH3mbyH6)
初めまして^^
コメントありがとうございますっっ!
すごい話ですよね;;;;
殺人者の話なんて、初めてなんでドキドキです。
ありがとうございます^^
頑張ります!
また、見に来てくださいっ。
ありがとうございました
>メルーさま
- Re: 黒薔薇アリス。 ( No.7 )
- 日時: 2010/11/12 18:16
- 名前: 雛月 りん (ID: tH3mbyH6)
「……5」
震えた声で、女性は呟く。
その答えに、少女は満足気に笑った。
「ん。じゃあ、もうひとつ選んでよ。早く、ね?」
少女は、最後の言葉のトーンを低くして、ぐっと
鉈を女性の細い首に当てる。
「……3」
「11から15」
「13」
白い少女は、鉈を首から外して、にっこりと笑う。
それに安心したのか、不意に女性の顔が上がった。
ひとつの蝋燭の明かりだけでも、少女の顔がはっきりと見えた。
その顔はひどく大人っぽいのに、どこか幼さを残す綺麗な顔。
透き通るような白い肌に、桃色ウェーブの髪と、うさぎのような赤い瞳がよく映えていて、息を飲むほど、華奢で綺麗な幼い少女だった。
まだ、幼い少女。
せいぜい、15,6くらいの。
その事実に、女性は目を丸くして、少女を見上げる。
「ん? なあに?」
女性の視線に気づいた白い少女は、表情も変えずに、淡々とした口調で問う。
- Re: 黒薔薇アリス。 ( No.8 )
- 日時: 2010/11/14 17:40
- 名前: 雛月 りん (ID: tH3mbyH6)
「あなた、幾つなの?」
いつの間にか、恐ろしさが抜けてしまった女性は、少女を見つめる。
その少女が、あまりにも綺麗過ぎて、女性から恐怖が抜けてしまっていた。
女性の問いに、白い少女はすっと立ち上がる。
細い足。すごく腰が高くて、長い足。
すらっとしているのに、ひどく小柄で。
息を飲むくらいの、綺麗な少女。
白い少女は、くるりと1回転。
回転とともに、白いスカートがふわっと広がる。
「ふふっ。綺麗な白でしょう? あたし、幾つに見える?」
にこにこしながら少女は、真っ白なワンピースを女性に見せる。
その姿は、新しい服を買ってもらって、喜んでいろんな人に見せて回る、幼い少女のようだった。
これから、殺人事件をおこそうとしているとは思えない、可愛らしい無垢な笑みを浮かべる少女。
「とても綺麗ね。そうね、14歳くらいかしら?」
惚れ惚れしながら、女性は少女を見上げる。
もう、残りの命の時間が無くなろうとしているのにも気づかずに。
「はずれ。正解は——」
そういいながら、少女は鉈を長椅子の上に置き女性に近づく。
女性の目の前に来ると、膝を突いて女性と目線を合わせる。
「13歳でした」
「うぐっっ!」
白い少女は、素早い動きで頭につけていたリボンを取って、女性の首にリボンを巻きつけ、力いっぱい絞める。
「っ……あ! やめ、てっ!!」
必死に抵抗する女性に、にやりと笑みを浮かべながら、少女はさらに力を加えていく。
女性は、酸素が体中に回らなくなるのが、自分でも判った。
頭や体が痺れていく。
意識が、薄れて、無くなって。
その女性は、倒れた。
まだ、息はある。風前の灯程度に。
「ふふふっ。あー、面白いっ! まだ足りないでしょ? ね?」
そう言うと、少女は懐から、銃を取り出して、女性にその銃口を向けた。
————そして、
パンッ、パパパパパパパパパ、パンっ!!
ひどく乾いた音が教会を支配する。
飛び散った血が、少女の体や服に付着し、滲んでいく。
血まみれになった女性を見て、白い少女は口元を緩ませる。
「大丈夫。まだ、生きてる。急所は外したからね? だけど、眼を覚ますことは無いよ。だって、朝、人が来たときには死んでるから」
自分の体に付いた女性の血を見て、にっこりと白い少女は笑う。
「ふふふふふっ、あはは、アハハハハハハハハハハハハハハハハッ!! アハハハハハハハッ!」
狂ったように笑う、笑い声だけが教会に響く。
笑い声が消えても、空しい残響、空しく、反響する。
白い少女は、ふらふらとした足取りで、蝋燭を消して、女性に黒い薔薇を抱えさせると、教会を後にした。
「ほら、私は悪い子なの。だから、早く迎えに来てよ」
満天の星空を見上げ、白い殺人少女は、呟いた。
透明なその声は、星空に飲み込まれ、消えた。
その後、少女は闇に姿を隠してしまった。
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