ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 真空パック〜完結しました〜
- 日時: 2011/05/29 09:37
- 名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
やっふーい(マ●オかよ!
はいまったきましたよ、緑紫さんの同時進行が!!これは5作目くらいですねぇ。あはは。
さて、挨拶がgdgdでしたがそろそろ前書きとか色々書きませうか。
まず。題名について
特にありません(なんやねん!
適当です☆(キラッ!
次。この作品について
主人公は男・女の2人です。ヒーロー・ヒロインですね。
ヒーローはまぁ、言うまでもなく男の子です。
ヒロインは女のk(時間無いから略
さて、注意事項だze☆
☆「俺は荒らす為に此処へ来た…!」→帰れ
☆「えー、こいつ(の小説)マジ嫌いなんやけどー」→帰れ
☆多少のチャット化はOKですがあんまりアレだったらアレにします(アレばっかじゃねーか!
☆相変わらずの駄作者です。
以上———かな?
じゃぁそのままキャラ紹介いっちゃおうか!
キャラ紹介
名前「風倉 亜呂江(かざくら あろえ)」
性別「女」
年齢「17歳」
性格「好奇心旺盛な性格。隣に誰かがいて支えてくれないと不安になって倒れたりする。最初は大人っぽくクールだが、懐くと子供っぽく甘えたりする」
容姿「黒と青を混ぜた様な色の髪の毛を、くるぶしまで伸ばしている。目は澄んだ水色をしている。身長は160センチ。白ワンピースを着ている」
一人称「私」
二人称「貴方」
その他「前髪にメッシュが入っている。ピンク色」
過去「母親と父親に捨てられた。その為恨んではいるが、内心では何か事情があったのだろうと納得(?)している」
サンプルボイス
「私に近付かないで…!」
「綺麗…」
名前「風倉 亜利江(かざくら ありえ)」
性別「女」
年齢「17歳」
性格「微ヤンデルで、黒く乾いた笑みをよくする人。気になったものはとりあえず刺してしまう子供っぽい人」
容姿「太股までしかない短い藍色のワンピースの上に、真っ白な薄っぺらいカーディガンを羽織っている。髪の毛は鮮やかな薄ピンク色で、くるぶしまである。目は濁った水色。身長は亜呂江と同じ160㎝」
一人称「私」
二人称「貴方」
その他「亜呂江と瓜二つの双子ちゃん
病むとカタコトな喋り方になる」
過去「ある実験により亜呂江と合成させられて、常時外にいることは出来ない」
サンプルボイス
「だってさぁ、おかしいよね?不公平すぎるよね?」
「あっはははははハハハ、私を狂わせルほど貴方ハ興味深イ」
名前「須野江 龍緋(すのえ りゅうひ)」
性別「男」
年齢「18歳」
性格「何もかもにおいて消極的な性格。マイナス思考で、すぐに弱音を吐く。1人が好き」
容姿「黒髪で鎖骨まである髪の毛。目は死んだ魚のような目で、色は茶色」
一人称「オレ」
二人称「君・あんた」
その他「傷がずっと癒えないまま。記憶喪失者」
過去「何も覚えていないので?(わからない)ということにしときます」
サンプルボイス
「面倒臭いし嫌だ」
「嫌だ、無理、出来るわけない」
名前「ルーク・キルメリア」
性別「女」
年齢「18くらい」
性格「結構強引な人。 格好の割にはボーイッシュ」
容姿「赤いドレスを着ている。髪型等(とうの昔に本編に書いたか書いてないかも危うい。一応書いておく、本編に書いてあってもし異なってたらごめんなさい、本編のが正確です)茶髪で短髪、目はトルコ石のような青さ。身長不明」
一人称「私」
二人称「お前、貴様」
その他「龍くん大好き人間。名字が何故かルーク」
過去「龍緋の許嫁であった」
サンプルボイス
「私を馬鹿にしてみろ、龍くんに殴られるぞ」
「嫌だ、私は行かない」
「ほほう…貴様、私を怒らせたな…?」
名前「サンダーミスト=ウィンディ」
性別「女」
年齢「??歳」
性格「ちょっと高飛車な性格」
容姿「水色の髪で、外はねしている。ヘソ出しの白いコスチュームで、薄茶色のサンダルと薄ピンク色の羽」
一人称「あたし」
二人称「貴方」
その他「森の守り神、【森守神】。スケッチブックで会話=筆談する」
過去「不明」
サンプルボイス
「あたしに何の用?」
「今忙しいの、放っておいて」
「あーあ、つまらないわ、全く」
↓New!!
名前「シュガー」
性別「女」
年齢「??歳」
性格「イケメンな女の子。言葉遣いは悪いが、言うことは良い」
容姿「灰色の目に、白銀(はくぎん)のポニーテール。服装はミニズボン(?)にロングTシャツ、裸足」
一人称「俺」
二人称「テメー、お前、あんた」
その他「サンダーミストの部下らしい」
過去「不明」
サンプルボイス
「テメーはその言葉で、一体どれだけの生き物を傷付けてきた、あぁ!?」
「最低なことをしている奴には、それ相応の罰が待ってるだろーよ」
名前「儚伊 由芽(はかない ゆめ)」
性別「ボーイッシュな女の子」
年齢「12歳」
性格「人懐っこいぶん警戒しまくる体質。実は人見知りな性格なので、初対面の人に会う時はマントのフードを被る癖がある。天然キャラでもある」
容姿「ボブヘアで、茶髪。目はパッチリしていて、薄緑色。服は今のところフード付きマントだけしか分かっていない」
一人称「俺」
二人称「お前・貴様」
その他「幼女体型なのを気にしている」
過去「6歳の頃から旅をしていた。なので、色んな国の歴史などを知っている」
サンプルボイス
「俺と戦う気か?」
「俺はお前のこと、結構好きだけどな」
名前「緋稲城 因幡(ひいなぎ いなば)」
性別「男」
年齢「26歳」
性格「妙にマイペースなキャラで、不憫。何かと謎が多いキャラでもある。結構Mなところも」
容姿「金髪のボサボサ頭で、たまに眼鏡を掛ける。白衣を着ていて、その下には真っ黒いスーツを着ている。身長は178㎝。目は黒い」
一人称「僕」
二人称「君、〜君/ちゃん」
その他「有名な科学者(本人曰く)」
過去「昔から実験やら解剖やらをしていた」
サンプルボイス
「お望みであれば、僕が脱ぐけど———てそういう意味じゃないし!」
「君ってさ、何か可愛いよねー」
名前「碑稲城 稲富(ひいなぎ いなふ)」
性別「男」
年齢「31歳」
性格「おっとりしていてマイペース。でも意外と優しいところもある子供思いな人」
容姿「白衣に眼鏡。で黒髪短髪。目は黒い」
一人称「僕」
二人称「君、〜ちゃん」
その他「亜呂江達の父親(本人曰く)」
過去「覚えてない設定」
サンプルボイス
「えーっと、とりあえず保留ってことで」
「僕は構わないけども……」
名前「碑稲城 衣世(ひいなぎ いよ)」
性別「女」
年齢「不詳、というか不明」
性格「口数少ないクーデレのような何か。 超がつくほど美人。 でも意外と腹黒いらしい」
容姿「短髪で緑色の髪。 ナース服が私服と言っても過言ではない」
一人称「わたし」
二人称「あなた」
その他「碑稲城の妻」
過去「不明」
サンプルボイス
「…別にそういうわけじゃない」
「わたしを…馬鹿にしている……?」
名前「リアル」
性別「多分女」
年齢「多分16歳くらい」
性格「冷静沈着だがいじられている人を見ると一緒になってその人をいじめ出したりもする」
容姿「先っぽが少しパーマがかっている。黒髪でツインテール。真っ黒で、紫色の蝶が描かれた着物を着ている。目は水色で透き通っている気さえする」
一人称「私」
二人称「貴方、〜さん」
その他「敬語で喋る。
碑稲城に作られたロボット」
過去「特に無し」
サンプルボイス
「私は貴方の力になりたいです」
「もう良いでしょう、戦いなんて」
名前「ヴェアナ=イッシュ」
性別「男」
年齢「6歳」
性格「6歳という幼さで、残虐な性格を持つ少年。人を殺すことに躊躇しない」
容姿「ローヴェヴァールの民特有の真っ黒&どす黒いローブ。前髪が長く、顔がよくわからない。髪色は赤毛で短髪」
一人称「おれ」
二人称「おまえ」
その他「平仮名キャラなのでひたすら読みにくいです
語尾の「〜じょ」は、「ぞ」が上手く発音出来ないだけです」
過去「今のところ不明」
サンプルボイス
「おれ、じぶんでいうのもアレだけど、けっこーつよいじょ」
「そんなのしらないじょ…!!」
名前「レーナ=リオルド」
性別「女」
年齢「??歳」
性格「ヴェアナと同じくらい残酷な一面を持つ。たまに(というか普段は)優しい」
容姿「ローヴェヴァールの民特有のローブ着用。緑色の髪を肩甲骨まで伸ばしている。身長は157㎝。目はピンク色」
一人称「アタシ」
二人称「アナタ・アンタ」
その他「人を殺す時は一応殺され方を訊く」
過去「今のところ不明」
サンプルボイス
「アタシはね、何でも言うこと聞かないコにはお仕置きしなきゃ気が済まないの」
「アナタ…殺すのが少し惜しいわね」
名前「フィックル・ナヴ」
性別「男」
年齢「??歳」
性格「冷静沈着で無口無表情というかリアクションするのが面倒で喋るのも面倒というだけの人。結構ツッコミ派」
容姿「ローヴェヴァールのローブを着用している。金髪のツンツンした髪型で、目は若干濁った青。身長は187㎝で凄く大きい」
一人称「おれ」
二人称「お前、名前呼び」
その他「声が低く渋い」
過去「レーナを庇った為におでこから顎にかけて深い傷痕がまだ残っている」
サンプルボイス
「おれは守るものなどとっくの昔に捨てている」
「綺麗な夕焼けだ」
そして目次でっす。
プロローグ >>3 >>9 >>10 >>13 >>15
1パックめ◆コムリッサ村の真実◆
>>17 >>20 >>27 >>32 >>35 >>38 >>43 >>51
2パックめ◆光の中を探し求めて◆
>>54 >>55 >>58 >>69 >>73 >>84 >>94 >>98 >>99
3パックめ◆君の手を取って◆
>>109 >>110 >>115 >>135
4パックめ◆傍にいるだけで温もりを感じることが出来るならば◆
>>151 >>152 >>159 >>166
5パックめ◆真実に潜む嘘、嘘に潜む真実◆
>>171 >>174 >>185 >>199
6パックめ◆最後の声は聞こえない◆
>>208 >>231
7パックめ◆暗闇の中にある光◆
>>240 >>246 >>262
8パックめ◆瞳に残る陽炎【かげろう】は◆
>>278 >>283 >>287 >>293
9パックめ◆真実の愛は零れ落ちる◆
>>297 >>302 >>306 >>308 >>314
10パックめ(最終話)◆全ての謎を◆
>>315
エピローグ >>316
こんな駄文を読んで下さるお優しいお客様(呼びタメOKの許可が出た方は『様』をつけません!付けてほしいという方は私まで!)
———→りっちゃん(かりん)
———→ミツ(蜜蜂(元栞。))
———→あっきゃん(アキラ様)
———→チョコアイス様
———→なっつんorりょうにゃんorなつー(涼原夏目)
———→キリン様
———→ほわほっく(白狐)
———→楓様
———→りま様
———→ぴえろ
———→桜音.*°様
———→魑魅魍魎
———→夢樹様
うえええぇぇぇええええええっ!!!!?
お客様10人突破したああさあああ!!←誰
ッ…本当に…嬉しいことこの上ない…。本当にどうも有り難う御座います(ぺこり&号泣
そんでもって嬉しいお知らせ!!
参照数が1000を突破致しました!!
長らく更新もしていなかったのに見てくれた方、本当に有り難う御座います、感謝で涙が溢れ出ております、いやマジで。
こんな本編も、そろそろラストスパート突入かな〜?といった雰囲気に包まれておりますが、とりあえずこれからも宜しくお願い致します!!
はいそして。HN変えました。ポアロンさんから緑紫さんに変わりましたよー。 ちなみに『りょくし』と読みます。是非覚えて下さいね〜
そして何と。
返信が300いきました!!
嬉しゅう御座います。 これも応援して下さった皆様の御蔭です、本当にどうも有り難う御座います、感謝してもし足りません苦笑
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- Re: 真空パック〜参照数100突破!皆様有り難う御座います!〜 ( No.52 )
- 日時: 2010/12/23 21:40
- 名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
- 参照: ツンデレ何ソレおいしいの?←おいしいよ!!
「『死ぬ』っていうのは、その人の人生が終わるっていうこと。永遠に———その人に逢えない…てこと」
そう言った亜呂江の表情が、何処か曇りを帯びている。苦笑いをして、それから1粒の涙を零しながら、
「由芽さんが安らかに眠れる場所は、何処かな」
そう言って、龍緋の隣にぽすん、と座る。
「なぁ亜呂江。何で、こいつ、死んだんだ?」
由芽の茶色い、枯葉みたいな色の髪の毛を撫でながら問う龍緋。
「死んだ、ていうか殺された、かな。多分」
龍緋の疑問にそう答え、トン、と龍緋にもたれかかる亜呂江。
「なぁ亜呂江、少し1人にさせてくれないか」
沈黙を破るかのように、いきなりそう発言し、立ち上がる龍緋。
「イヤ。此処にいて。私と一緒に、此処にいて」
しかし亜呂江は龍緋の服の裾を引っ張り、無理矢理地面に座らせる。
「な———何するんだよ」
ダン、と痛そうな音を立てて尻もちをつく龍緋に顔を近付け、尚も言葉を続ける亜呂江。
「龍がいないと、私が1人になる。龍は私の大切だから、龍がいないと嫌だ。今だけでいいから、私と一緒にいて」
そう言ってから、龍緋を抱き締める。
亜呂江の心臓の鼓動がまるでタンバリンのようで、その血の巡りを感じながら龍緋も彼女を強く抱き締める。
「なぁ亜呂江、痛く、ないか?」
「何が?」
「何でも無い」
「そう」
他愛も無い会話が続いて、終わった。
「——————!?」
と、突然龍緋の頬に柔らかいものが押し当てられた。
瞬間的に目を瞑ったが、恐る恐る開く。
すると真横には、亜呂江の顔があった。
「龍は、初めてかな、“コレ”をされるのは」
「??????」
そっと顔を遠ざけながら言う亜呂江の質問は、龍緋には届いてないようで。
?マークを浮かべながら、何が起きているのかわからない龍緋をよそに、
「由芽さんと私は、永遠のライバル」
と、死んだ由芽ににっこりと喋り掛ける。
『———負けないよ』
という返事が、彼女には聴こえたような気がしていた。
&
『ねぇ「 」、そろそろお目覚めの時が近付いてきてるよ、起きて』
薄暗い研究室。そこに、白衣のまだ若そうな青年と、それの付き人らしい同い年程度の、真っ黒な着物を着ている女がいた。
『碑稲城博士、「 」の目覚めの時……というのは、「 」の研究が成功した、ということですか?』
透き通った声に目。黒髪を2つに結ってあり、その長さは肩までで、先っぽが少しパーマになっているのがなんとも魅力的なものである。
対する白衣の男は髪の毛が胸辺りまで伸び、ぼさぼさになっているにも関わらず、結んでいない状態である。色は金髪だが、所々に白———じゃなくて、銀色が見えたりもしている。白衣の中は真っ黒なスーツを着ていて、思わず「手前暑くらしい」と言ってしまうほど見ているだけで汗をかきそうな服装である。
その男———碑稲城博士が近くにあったゴミ箱のような机の上から黒縁眼鏡を取り出し掛けてから、
『おーきーてー』
青い物体に閉じ込められた少女にそう言った。
- Re: 真空パック ( No.53 )
- 日時: 2010/12/24 18:22
- 名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
- 参照: 冬休みやっほい!!←
1パックめ、「コムリッサ村の真実」、終了致しました。
結局真実って何だよ!!てツッコミたくなりますねはいわかります。
まぁ、気にしないで下さい。私の題名のセンスは皆無ですからww←
- Re: 真空パック〜参照数100突破!皆様有り難う御座います!〜 ( No.54 )
- 日時: 2010/12/25 17:43
- 名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
- 参照: 冬休みやっほい!!←
2パックめ◆光の中を探し求めて◆
「なぁ亜呂江、結局由芽のシタイは警察任せにするのか」
コムリッサ村の出口の一歩前。
心残りのある声で、龍緋が亜呂江に向かって言った。
「だって、どうせもう彼女の住んでいたところなんて無いから」
そう言って、コムリッサ村で買った新しい薄ピンク色の花柄ワンピースをひるがえし、短い髪の毛をくくりながらコムリッサ村を出る。
「龍、行かないの?まだ何か食べたい?それとも由芽さんが気になる?」
「質問は1つずつしろ」
いつもどおりに亜呂江の質問の多さにツッコんでから龍緋は金貨をポケットに入れながら、
「いや、別に何でも無い」
そう言いながら亜呂江に続いた。
&
「なぁ、亜呂江?此処何処だ」
「知らない」
先程までいたコムリッサ村から東に歩いて約2時間。
何故か2人はスラム街のような土地に立っていた。
「うーん、よくわからないけど皆貧しそう」
「そうだな。平気で人間喰ってるし」
そう、その街の者は皆、人を襲い、動物を襲い、喰っていた。
「臭い」
そう呟いてマスクを装着する亜呂江。
———何処で手に入れたそんなもん。
そう思いながらその街を歩いていると———
『おい君達』
そんな声が、見るからに怪しそうな研究室から聞こえてきた。
「……行ってみたい」
「変な奴の集団だったらどうするんだよ」
「大丈夫」
———何処からそんな自信が湧いてくる。
『ギィィィ』「お邪魔します」
礼儀は覚えていたようだった。
「うっわ、ガラスの破片とかあるし…。亜呂江、気を付け————」
———既にいない。
「おいバカ、何処行った!?」
ガラスを踏まないよう気を付けながら叫ぶ龍緋に、返事をするかのように
『こっちだよ』
「ッ、さっきの!!」
声が聞こえたと同時に、研究所の明かりが付く。
「———!!?」
龍緋の目に入ったものは、亜呂江に初めて出会ったときにも、亜呂江が閉じ込められていた物体。の色違いだった。
「ようこそ、須野江 龍緋君。今日は君に用事があって、此処に招いたんだ」
なんとまぁ都合の良過ぎる話だろうか。ただでさえ勘の鋭い龍緋が信じるわけが無い。
「誰、あんた」
冷めた声で白衣の男に訊く龍緋。
『んー……その物体から女の子救ってくれたら教えてあげてもいーよ』
白衣の男が指をさすのは、龍緋が1番最初に目に入ったあの物体であった。
「別に救う理由も無い」
「で、亜呂江は何処に隠した?」
『ふーむ、勘が良過ぎるね、龍緋君は。
勿論、こちらにあるよ。返して欲しければその子を助けてあげるんだね』
———結局、やらざるを得ない、か…。
「面倒だな…。じゃ、何か割るもの貸してよ。ナイフとか」
『おー、よく御存知で。
はい、どーぞ』
ぽい。
と、龍緋に向かってメスが投げられる。
危うく刺されそうだったところをなんとか避けて取る。
「あー本当に面倒なことしか無いな、今日は」
- Re: 真空パック〜参照数100突破!皆様有り難う御座います!〜 ( No.55 )
- 日時: 2010/12/26 10:53
- 名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
- 参照: 遅くなって御免、メリークリスマス!!!
———意志を、持たないとな。
すぅ、と軽い深呼吸をしてから覚悟を決めた勇者のように物体に近づく龍緋。
しかし彼は知らなかった。この物体が亜呂江を閉じ込めていた物体よりも、遥かに残酷なものだということを。
『プシュウゥゥ……』
自分の身体が溶けていく痛みに顔を歪ませる龍緋だが、1歩、また1歩と物体の中に入り込んでいく。
『ドシュゥ……!』「がぁっ!!?」
突然円状だった物体がハリネズミのトゲのような形に変わり、龍緋の身体を躊躇無く刺してくる。
「い、ぐぅっ……」
それでも物体の中にいる少女を助けようとするのは、亜呂江を取り返す為だろう。
『来るな!私の世界に足を踏み入れるな!お前なんかに汚されてたまるか!』
突然物体の中にいる少女が目を覚まし、龍緋に向かってそう叫んできた。
龍緋の身体の半分は物体の中に入る為に溶けて無くなっており、後の半分は物体のトゲに刺され、血まみれだった。
そして、少女の叫びでもっともっと鋭くなったトゲに刺されながら
「あんたがどれだけトゲを鋭くしたって俺は助けるよ。勿論亜呂江を取り戻す為に」
そう言った。
『ねぇ、風倉 亜呂江ちゃん。もしもあの「 」の所為で龍緋君が死んじゃったらどうする?』
そんな龍緋が必死に頑張っている横で、碑稲城が亜呂江に声を掛けた。
「死なない。龍は、死なない。だって私が助けるから」
碑稲城には見向きもせず答える亜呂江。
『無理ですよ、貴方は動けないに等しいです。私が押さえていますから』
そう言って亜呂江を押さえる力を少し強くする碑稲城の付き人。
『ぁーいや、もういいよ。彼女を放してやっても。どうせ動けないだろうからね』
眼鏡を掛け直し、ぼさぼさの髪をゴミ箱のような机の上にある髪紐で結びながら言う碑稲城。
『で、自己紹介が遅れてたんだけど、僕の名前は碑稲城 因幡。で、こっちが———』
碑稲城が紹介しようと彼の付き人に指を差すが、
『バキ』「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁああぁぁ!?何で!?何で僕指折られなくちゃいけないの、ねぇ!!」
『私の名前はリアルと申します。碑稲城博士の付き人です、宜しくお願いしますね』
リアルは碑稲城の人差し指を普通曲がらない方向に曲げへし折り、そしてその叫びを無視して自己紹介をする。
「ってあんたら俺の苦労無視して楽しそうな会話してんじゃねえよ。別に楽しそうだから俺も喋りたいとは思ってないけど」
『あっはー、やだな龍緋君。羨ましいなら正直に言えばいいじゃないかいたたたたたた、アレ亜呂江ちゃん、どうして僕に逆膝かっくんをしてるんだい?折れる折れる折れる折れ———』
『碑稲城博士戦闘不能。速やかに棺桶へ御運びさせて頂きます』
『ちょ、リアル僕まだ死んでな』『亜呂江様、そちらにあるサバイバルナイフを取って頂けると嬉しいです』
『リアル!?何処でそんなものをぎゃあああぁぁぁぁぁ』
『嗚呼うざったいな!!!
おい須野江 龍緋とやら、早く中へ入って来い』
「いや、あんたがトゲを出してる以上行きたくても行けないんだが」
『そうだった。すまないな。
ほいっと』
その「ほいっと」という可愛らしい声に合わせ、トゲが見る見るうちに無くなっていき———
『ブシュウウゥゥゥ』「ッあ!!?」『溶ける時の痛みは慣れないと無理だ。少しの辛抱だから頑張ってくれ』
龍緋の身体が溶け、激しい痛みに襲われる。
そして物体の中では少女が両腕を広げ、龍緋を待っていた。
「あ、入れた」
裸で。
「まず訊いていいか。服は?」「見るな変態!」「見せるな変態」「うっさい変態ロリコン厨ニ病!!」
ぐさりぐさり。
何かが龍緋の心に刺さる。特に最後と最後から2番目が。
『まぁいい。とりあえず早く私の周りに張り付いている結界を割ってくれ。鬱陶しくて洒落にならない。それに服も着れないしな』
『ガシャン!!』「はい服」
少女のそんな発言を聞くなり龍緋は彼女にまとわりつく結界を割り、自分の着ていたパーカーを渡す。
「結構大きいサイズだから、隠れるだろ、色々と」
『見るな死ね』
「龍、早くこっち来て。1秒でも長く龍がそいつのところになんていたら、おかしくなっちゃうから」
- Re: 真空パック〜参照数100突破!皆様有り難う御座います!〜 ( No.56 )
- 日時: 2010/12/26 11:12
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
- 参照: http://yaplog.jp/akirahayate/
めちゃくちゃ更新されとった……(>_<)
参照100おめでとうございます!
これからも頑張って下さい(^<^)ノ
亜呂江、色々不安なんですね。。。
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