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桜の散る頃に
日時: 2010/11/28 19:53
名前: 有希 ◆02M0Jkutfc (ID: nWdgpISF)

「おい、起きろ」
 妙に乱暴な口調に、僕は起こされた。
 視界がぼやけてるので目をこすった。そこには女の子がいた。
「…………あの。誰ですか」
 女の子はセーラー服を着ていた。陳腐なデザインだった。
「実の妹に何をいってる。静馬」
 僕に妹はいない、といった。そんなことよりなぜ名を知ってる。
「そんなのどうでもいいだろ、早くしないと遅刻するぞ」
 女の子は部屋を出て行った。

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Re: 桜の散る頃に ( No.2 )
日時: 2010/11/29 17:15
名前: 有希 ◆02M0Jkutfc (ID: nWdgpISF)

 制服に着替えて階段を下りてきたらトーストの匂いがした。
 ドアを開けると、朝食を食べてる女の子がいた。ついでに母親。
「早くしないと遅刻するわよ、静馬」
 最初にそれかよ。普通、おはよう、とかいうもんじゃないのか。ていうかその女の子について何も言わないのか。
 母親は僕に近づき、でこを触る。
「……うん、熱はないわね」
 どういうことだ、といった。そしたら母親は医師から親が余命1ヶ月だといわれたような顔をした。
「あなた……、実の妹になんてこと……」
 母親の声は微妙に震えてた。

Re: 桜の散る頃に ( No.3 )
日時: 2010/11/29 17:20
名前: 有希 ◆02M0Jkutfc (ID: nWdgpISF)

「そうだぞ、何を言ってるんだ。母さん、きっと静馬は頭が狂ったんだよ」
 女の子が話に割り込んできた。母親はきっとそうね、と溜息をつき、じゃあ今日精神科行こうか、と言いやがった。頭狂ってないよ、僕。
「そう?」
 ああ、と言おうとしたら女の子がまたいった。
「だから頭狂ってるんだって。さっさと病院行けこの野郎」
 女の子は人を見下したような目でこちらを見る。そしてハンッ、と鼻で笑う。なんかイラつくなぁ、おい。

Re: 桜の散る頃に ( No.4 )
日時: 2010/11/29 19:03
名前: 有希 ◆02M0Jkutfc (ID: nWdgpISF)

「ご馳走様」
 女の子は食器を片づけ、カバンを掲げた。そしてスタスタと部屋を出ていき、玄関から行ってきます、と聴こえた。
 そして母さんは自分の部屋に行った。何するんだ、と訊いたら準備、と答える。なんのだ、と訊き返したら病院、というので、なんでだ、とまた訊き返す。母さんは、あんたの頭が狂ってるからよ、という。そろそろイラつきも限界だ……。
「そんなこというなら早く学校行きなさいよ、まぁ遅刻決定だけど」
 時計を見たらチャイムが鳴るまであと10分だった。僕は自分の目玉が飛び出るかと思った。家から学校まで片道30分もあるし……。
 僕は膝を崩した。母さんは俺の背中に手を、ポン、と置く。母さんは辛そうに行きましょう? と訊く。俺はもう遅刻決定だと確信した。精神科に行くことにした。

Re: 桜の散る頃に ( No.5 )
日時: 2010/11/29 19:34
名前: 有希 ◆02M0Jkutfc (ID: nWdgpISF)

「なんの異常もありません」
 医師の眼鏡がキラリと光った。
 僕は母さんにほらな、と目線を送った。母さんは目をそらした。

Re: 桜の散る頃に ( No.6 )
日時: 2010/11/30 16:48
名前: 有希 ◆02M0Jkutfc (ID: nWdgpISF)

 その後、僕は母さんから現金をもらった。一応詫びのつもりらしい。ちなみに1万円。


 僕はベッドに横になっていた。なんか眠いので寝ようと思った。
 しかしその時、携帯が鳴った。重たい体を起こし、のそのそと机にある携帯を取った。もしもし、といった。けど返事がない。もう一度もしもし、というがやっぱり返事がなし。切ろう、そう思ったとき、切るんじゃねーよ、と聴こえた。さっきの女の子だ。聴こえてたら返事しろ、といったが黙れ、といわれた。正直お前に言われたくない、と言った。兄だからってそんなこというな馬鹿野郎、となぜか僕が怒られた。そういえば用件はなんだ?
「ああ、それなんだがな……」


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