ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 彷徨い人の十字路
- 日時: 2010/12/31 22:21
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
クリックthanks!!
初めまして、涼原夏目と申します。
呼ぶのが面倒でしたら涼原とか夏目とか略してくださって構いません。
実はこの名前以外の名前で活動しちゃってる奴ですがとりあえずそれは留めておいてください。
〜参照200突破しました!〜
ええええええええええええええええええええええ!!?
何とビックリ参照200突破しました! やったね! ゲーデさん!←
† お客様 †
蜜蜂様 極光様 黎龍様 ポアロン様
† 目次 †
プロローグ>>01
登場人物>>02
第一章 「ゲーデ」と言う名の悪魔
>>03 >>11 >>13 >>20
第二章 墓地の男爵
>>26 >>32 >>38 >>45
閑話休題 裏切られた日
>>52
第三章 ありがとうと言われた日 全編
>>56 >>70 >>73 >>74 >>75 >>76
それではどうぞごゆっくり……
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- Re: 彷徨い人の十字路 ( No.9 )
- 日時: 2010/12/04 15:11
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
蜜
うん、こっちもおk
いやいや夏目漱石様偉大すぎて見えないから←
あ、そろそろ更新するかもー
- Re: 彷徨い人の十字路 ( No.10 )
- 日時: 2010/12/04 15:14
- 名前: 蜜蜂 ◆HDUtx3.U82 (ID: Omr4T4uD)
- 参照: http://元・栞。です
>>12 更新頑張ってね♪
- Re: 彷徨い人の十字路 ( No.11 )
- 日時: 2010/12/04 15:31
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
路地を抜けたそこは下町よりも風紀の悪そうな……スラム街のような所だった。
廃人同然の人や化粧の濃い姦婦が居て青年は思わず顔をしかめる。
しかしとりあえずは平静を装い、歩く事にした。
……正真正銘の“悪魔”である彼にその程度の事など、全く気にはならない事だからだ。
彼の名はゲーデ。生死を司り、死者を復活させたり成仏させたりあるいはゾンビにしたり出来る。
そして死者から知識を貰う事が出来てとても賢く聡明な悪魔でもあった。
そんな彼は世界中の生死の均整を守る為、世界中を旅しつつ死者の生死を決めるのが使命でもあった。
先ほどの杖は死者の心の中へと入れる魔力を備えており、出て来た霧は心を表すものだ。
「……この辺、か?」
ゲーデは片眼鏡をポケットへと再度しまうと辺りをまた見回す。
見えるのはドラッグを吸う廃人達と男を捜している姦婦のみで彼の探して居る者は見当たらない。
……さて、どうしたものか。彼は溜息を着きながら適当なところを歩き始めた。
コツッ
何かを蹴った感触がして下を向くと廃人では無い、既に息絶えている少年が居た。
探して居る者はこの少年だったらしい。彼はまた膝をついて少年を見つめる。
散々暴行されていたのか少年の体には痣だけで無く血まで滲んでいた。
飴色のような綺麗な金髪は埃と石がかかっており先程の少女よりも痛々しい様子だった。
青年は今日何度か分からない瞼を閉じる動作を行うと畳んでいない杖をそのまま少年に当てる。
少年の頭からは少女と同じ淡い水色の煙が出て来た。ゲーデもまた手を伸ばし意識を失い
また、淡い霧のかかった十字路へとやって来た。
そしてすぐに少年がやって来て中央から歩き出す。
ちなみにこの十字路はどう対応するかの示しであり、先程の少女の南は成仏させる事を司る。
南へ行く人間が多く、多い順に西、北、東……となっているのだ。
こう言うスラム街などに居る者は大抵南か西へ行くパターンが多い。
ちなみに西は大罪を犯した者が多く、ゾンビとなり無理やり生きさせると言う生き地獄を司る。
しかし、少年はあろうことか東へと歩き出した。
(……何!?)
——————東。それは半死半生。罪を犯していない人間外の血が流れている者が行く道であった。
- Re: 彷徨い人の十字路 ( No.12 )
- 日時: 2010/12/04 16:48
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
>>10
ありがとう^^ 更新しましたvv
- Re: 彷徨い人の十字路 ( No.13 )
- 日時: 2010/12/04 17:49
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
何故、スラム街で死んでいる少年が人間外の血が流れているのだろう。
人間外の者は大抵桁外れた能力を持ってる事が多く、その気になれば金などいくらだって貰える。
少年と言えど自分の事は分かっているはずだろう。……ゲーデは焦る心をとりあえず落ち着かせた。
深呼吸を深くし、右手で胸を押さえる。するとそれだけで高鳴っていた心臓が何時も通りに鳴り始める。
とりあえず道は道だ。その司る者に逆らう異議は無い。ゲーデはそう自分に言い聞かせ少年の肩を押さえた。そして杖を額に当て脳に再度意識を失わせ、元のスラム街へと戻った。
「……」
当然、少年も其処に居た。恐らくもう生き返っている筈だろうと思いそっと少年の肩を叩いた。
すると少年はゆっくりと瞼を開け、両手を下に付けて体を起こす。どうやら無事に生き返った様子だ。
ゲーデが安堵していると少年は猫目の碧眼でまじまじとゲーデを見つめている。
その視線に気づいたゲーデは苦笑しつつとりあえず少年に自分の事を教えてみた。
「私はゲーデ……君は?」
一応怖がられないよう、口角をそっと上げて微笑んで聞いてみた。
幸い怖がられはしなかったが少年は首を静かに横へと動かす。何故首を振ったのかとゲーデが考えていると、少年は特に感情を込めず淡々と言った。
「名前を貰ってない。……捨て子だから」
あぁ、成る程……。ゲーデは頭の中で繋がったサイクルに納得しながらどう反応しようかと戸惑う。
人間からは“知識”のみを取っているゲーデにとってこう言う時の対応はなかなか困るものだった。
死んでしまった人間を悼む気持ちはあるが、いざ生身の人間と対応するとなれば難しいと言う話である。
とりあえず少年の身寄りが無い事は分かったけれどどうすれば良いものか。
ゲーデはふぅ、と溜息を付いて右手を顎に当てて考える。すると、一番安易に思える案が脳内に浮かんだ。
「じゃあ……私の旅に付いて来ないか?」
「……旅?」
「そう。そこそこ面白い旅だからね」
そこまで言ってゲーデは再度苦笑した。これではまるで勧誘だと思えてきたからである。
しかし当の少年は先ほどまで何処か虚ろだった瞳をやや輝かせながら深く頷いた。
そんな様子にゲーデはほっとしつつ膝をついた姿勢から立ち上がり杖を畳んで燕尾服の中へとしまう。
そしてふと少年のぼろぼろの衣服に気付き自分の上着を脱ぎ、少年へと着せた。
キョトンと目を微妙に開いた顔でゲーデを見る少年にゲーデはにこりと微笑みながら
「今宵は冷えるからな……服は後で買っておこう」
と言って少年の顔を緩ませた。そしてそんな少年を見ながら今度は左手を顎に当てて
「それと……名前が無いと呼びづらいから、ライトと言う名前をやろう」
……とも言ったのだった。
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