ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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彷徨い人の十字路 
日時: 2010/12/31 22:21
名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)

クリックthanks!!

初めまして、涼原夏目すずはらなつめと申します。
呼ぶのが面倒でしたら涼原とか夏目とか略してくださって構いません。
実はこの名前以外の名前で活動しちゃってる奴ですがとりあえずそれは留めておいてください。

〜参照200突破しました!〜
ええええええええええええええええええええええ!!?
何とビックリ参照200突破しました! やったね! ゲーデさん!←

†  お客様  †
蜜蜂様 極光様 黎龍様 ポアロン様


†  目次  †
プロローグ>>01
登場人物>>02

第一章 「ゲーデ」と言う名の悪魔
>>03 >>11 >>13 >>20

第二章 墓地の男爵バロン・シミテール
>>26 >>32 >>38 >>45

閑話休題 裏切られた日
>>52

第三章 ありがとうと言われた日 全編
>>56 >>70 >>73 >>74 >>75 >>76


それではどうぞごゆっくり……

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Re: 彷徨い人の十字路 ( No.34 )
日時: 2010/12/05 16:26
名前: 極光 (ID: dsoi.OWL)

夏ぅ。meも英国風の小説書いてみたくなっちまったドォ

書いてもヨロシイ?

アゲでも人集めでも手伝うからぁ

この通り((どの通りだよ!!


あとさ、オリキャラ募集してほしいな

もうひとつ。
第一章完結オメデトウ。

          〜極光〜

Re: 彷徨い人の十字路 ( No.35 )
日時: 2010/12/05 17:06
名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)


下からビューーーーーーン☆……みたいな?
リーフェルト様はもうちょい後に出て来るよ。


良いよ〜^^ てかうちに許可貰わなくたって良いよ(笑
オリキャラ出しておくねvv うん、無事一章完結しました。

Re: 彷徨い人の十字路 ( No.36 )
日時: 2010/12/06 06:38
名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)

朝。柔らかな光が開いたままの窓から差し込んできて、その眩しさにライトは目を開けた。
すると椅子から立ち上がりにこにこと微笑んだゲーデが「おはよう」と言いながらコーヒーを淹れている。
まるで下町の夫婦の朝の光景のようなそれにライトはおかしそうに小さく笑いながら起き上がった。

……そして、やはり昨日の事は夢でなかったのだとも確信した。
昨日までいたスラム街の面影が無いようなホテルに今、ライトは居るのだ。
微笑みを浮かべつつ起き上がると、それに気付いたゲーデがコーヒーを机に置いて、ライトに黒色のローブを渡した。

それは昨日ゲーデが買った物だが、それを知らないライトは当然キョトンとした表情を見せる。
そんな表情のライトにゲーデはおかしくなりクスクスと笑いながら話した。

「昨日、買ってきたんだ。……その衣服じゃ寒いだろ?」

その衣服とはスラム街で着ていた布きれのような服の事だった。
ライトは今まで自分のローブを持っていた事が無いのだろう。不思議な表情をしながらそれを着た。
そして準備良く鏡を持っていたゲーデはライトにローブを着た姿を鏡で映させた。

「似合うな」
「ありがとう……これ、俺の物なの?」
「そうだよ。今日からお前の物だ」

それを聞いたライトは口をぽかんと開けてもう一度そのローブを見て今度は微笑みを浮かべた。
やはりそう言う反応だな、と思いゲーデも自然と笑みを浮かべていた。

「さぁ、早く此処から出よう。今日は色々と大変な日になりそうだからな……」

ライトが椅子に座ってコーヒーを飲み始めるとゲーデは口角を上げながらやや不気味に笑った。
波乱万丈に暮らしてきて驚く事の少ないライトさえ、この笑みはやや恐ろしいと思えた。
……と言うか忙しいって、何が? そうライトが思っているとゲーデは机にあったシルクハットを被っていそいそと準備を始める。

ライトもそれにつられ急いでコーヒーを飲み、鏡でローブ姿を見ていた。

「さぁ、行くぞ」

ゲーデはそんなライトを見てから形の整った唇に笑みを浮かべて手招きをした。
ライトは急いでゲーデの元へと走り、扉を開けて廊下へと着いたのだった。

「今日は何処へ行くの?」

ふと不思議に思ってライトは首を傾げながらゲーデに聞いた。
するとゲーデは一瞬ポカンと呆然とした顔をしたかと思えば手を叩いてまた微笑んだ。
そして杖を燕尾服から出して、一振りしてから話し始める。

「私の、悪魔としての仕事さ……今日はそれの説明をしようと思う」

そう言って二人はエレベーターを使い一階へと降りるとやる気の無さそうなフロント係に鐘を渡してさっさとホテルを出て行った。
ホテルの外は清々しい晴天で、頬を吹く風が少し冷たい以外には過ごしやすそうな気候だった。
ゲーデはライトを誘導しながらポケットから片眼鏡を出し辺りを見回してから

「こっちだ」

と言い、昨日の仕立て屋の方へと足を進めたのだった……。

Re: 彷徨い人の十字路 ( No.37 )
日時: 2010/12/06 06:58
名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
参照: http://梓桜です

見慣れていない街の光景にライトはやや興奮しながら辺りを見回す。
玩具店、お菓子屋、帽子屋、本屋……気になる物は確かに数え切れないものだった。
そんな様子のライトにゲーデは苦笑しつつ前を先導して歩いている。

昨日行った帽子屋だったけれどゲーデはまるでその事が無かったかのように平然として歩いていた。
この事をライトが知っていれば、どんな表情をしてゲーデを見つめていたのだろうか。
……ゲーデはそこまで考えて首を振った。現実はそうでは無いと自分に言い聞かせた。

そして歩いてからすぐに仕立て屋へと着いた。朝であるのにもかかわらず灯りが消えている。
しかし“CLOSE”の看板は立っていない。ゲーデは迷う事無く扉を開けた。

カランカラン……♪

昨日と同じ店に響くベルの音がしたが、まずカウンターに店員が居ない。
昨日は少しだったがあった店の活気が今日は少しも無い。ライトはゲーデを見つめた。

「此処に……何かあるの?」

するとゲーデは溜息を着きながら頷き、片眼鏡をポケットの中へとしまった。
そしてカウンターへと足を進め、片膝をついて身をかがめるとそこには、足が見えた。
そしてゲーデはポケットから今度は手袋を取り出すとそれを器用に嵌めて足を引きずる。
出てきたのは紛れも無い昨日の店員だった。呼吸が聞こえない限り既に息絶えているのだろう。

「あ……!」

ライトは突然見えた死体に驚いたのだろう、少し後ずさりすると胸に手を当て深呼吸をした。
そして少しずつその死体の方へと近づき、ゲーデと同じ片膝をついた姿勢になった。

「この人……誰?」
「此処、ロンドンの下町で名を馳せている有名な仕立て屋の店長だ……尤もな話、さっきまではだが」

そう言いながらゲーデは目を伏せた。口はキュッと横に結ばれていたがその表情は哀しそうでも怒っている訳でもなくただただ無表情に見える。
そんなゲーデに戸惑いつつもライトは静かにその死体、仕立て屋の店長を見つめた。
ゲーデはその間にさっさと杖を取り出し、畳んだ状態から伸ばして行き長い杖へと変貌させる。

そして立ち上がると老人の頭に杖を軽く当てて例の霧を吹かせた。
ライトは不思議そうにその煙を見つめていると、ゲーデは表情に微笑みを戻しながら言った。

「これから私、“ゲーデ”について説明しよう……その霧に手を伸ばして」

ライトは頷くとやや臆している表情になりながらもそっと手を伸ばした。
ゲーデはやはり慣れた様子で手を伸ばし、二人とも視界が元の場所を移さなくなり

「うわっ!」

と、ライトが驚いたような声を上げた瞬間。例の十字路へと着いた。

Re: 彷徨い人の十字路 ( No.38 )
日時: 2010/12/07 18:37
名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
参照: http://梓桜です

淡い霧がかかり、例の十字路が見える。ライトは一回自分の目を擦った。
しかし毅然として変わらない風景に自分がおかしくなったのではないと安堵している様子だった。
ゲーデはシルクハットを目深に被りながら淡々と説明を始める。

「まず、この十字路は死者をどうするか決める為の示しだ。死者が通った道にそって対応をする」

ゲーデがそう言った途端に仕立て屋の店員が現れた。突然の光景にライトは息を呑む。
老人の目は何処か虚ろで生気を失った顔をしていた。そして突然歩き出す。
ゲーデは杖を上に上げてそれを上下左右に動かしながらまた説明を始めた。

「北なら復活させ、南なら成仏させる。西ならゾンビとして蘇らせ、東なら半死半生とみなす」

言葉を理解しようと必死で聞いているライトをよそに、店員は南へと歩みを進める。
成仏させる。ライトはゲーデに言われた言葉を思い出しながら生唾を飲み込んで店員を見つめた。
ゲーデは突然店員の後を着いて行き、肩を押さえると再びライトの方を見つめて話し始める。
肩を掴まれてもビクともしない店員に、ライトはやや怯えつつも必死で話を聞いていた。

「そして判定の決まった者は……この杖を額に当てて、そうさせる」

そう言うと同時にライトは店員の方を片手で掴み、もう片手で杖を上に持ち上げた。
そして店員の額に杖を当てると、店員は瞬く間に白色の淡い光と化す。
ライトはまた突然の光景に驚きながらも光をじっと見つめている。
光は何処か軽やかに南の道へと進んで見えなくなった。……と、それと同時に視界も真っ暗になる。

本日何度目か分からない驚きにライトは顔をしかめるとあっと言う間に元の店へと着く。
ゲーデはシルクハットを一旦脱ぐと店員の死体があった場所に片膝と着いて両手を握った。
ライトはそれにつられてややぎこちないながらもゲーデと同じ動作をする。
しかし瞬く間にゲーデはすっと立ち上がりライトは再度混乱する嵌めになった。

「……大体分かったか? これが私……ゲーデの仕事だ」

こくりと素直に頷くライトに苦笑しながらゲーデは自分の頬を掻いた。
そして今度は手袋を脱いで片眼鏡をかけると突然店を出る。
ライトは首を傾げながら着いて行くと、ゲーデはふとライトの方を振り返りまた苦笑しながら話し始めた。

「あぁ、言い忘れてたな……次はどうやってその死体を見つけるかについて説明しよう」

……一見するととんでもない説明だが、ライトは自分でも奇妙に思えるほど自然に聞けたのだった。


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