ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- バット×ランキング
- 日時: 2010/12/15 17:34
- 名前: にあ ◆XgAEzfsW8U (ID: 2tJjIFjC)
午前12:00にされる
『発表』。
5名の最下位者の発表。
今日の死者の発表。
この国に貢献出来ない…
要領の悪い…
周囲から必要とされていない…
そんな人間は『イラナイ』。
イラナイ人間をどうするか??
当たり前。イラナイものは
『捨てる』でしょ??『消去』するでしょ??
人間だろうとそれは変わらないんだ。
- Re: バット×ランキング ( No.1 )
- 日時: 2010/12/15 17:35
- 名前: にあ ◆XgAEzfsW8U (ID: 2tJjIFjC)
チッ…チッ…チッ…ボーン…ボーン…ボーン…...
リビングのソファに座っていた私は時計の鐘の音を聞いてテレビに目を向ける。
『なに言うとんねんっ!!』
『アハハハハッ!!』
最近人気の深夜お笑い番組。大好きな芸人が出てるのに落ちついて見る気になれない。
ボーン…ボーン
鳴り続ける鐘の音が12回目を向かえたその瞬間、テレビの画面がパッと変わる。
『日本国民の皆さん、今晩は。昨日は良い一日を過ごせましたか??
…それでは、今日の下位5名を発表します。
山崎 有紗さん38歳
新宮 雄太さん26歳
有野 千代子さん52歳
山田 祐樹さん22歳
佐藤 大地さん38歳
…以上の5名は今日中に役人が向かうので準備をしておいて下さい。
…それでは、今日も良い一日を。』
名前を言う度に10秒程顔写真が映し出されるテレビを見つめていると涙がこぼれてきそうになる。
「…お姉ちゃん………。」
背後で急に声がして肩を跳ねあがらせてしまった。
「ぁ…。絵梨…。どうしたの??」
なるべく不自然じゃないように振る舞っても絵梨にはバレてしまうようだ。
「…私の名前…呼ばれた??」
不安そうな表情で私の顔を覗き込む絵梨の顔立ちはすごく整っていた。自分の妹ながら綺麗だった。
「呼ばれてないよ。…絵梨がそれに下位者になるワケ無いよ。絵梨は皆に必要とされてるじゃない。大丈夫。それに…何かあったら絶対お姉ちゃんが絵梨の事守ってあげるから。安心して。…それじゃあもう寝よう。」
泣きそうな目をしている絵梨の肩を抱いてリビングを出て2階に上がる。
「お休み。ゆっくり休んでね。」
【*絵梨 My Room*】と可愛らしく書かれたドアの前までついて行ってそう言うと絵梨は小さく頷いて部屋に入っていった。
「…お休み。」
…絵梨は、被害者だ。絵梨は、弱者なのだ。だから…だから私が絵梨を守らなきゃ。この…狂った世界から。
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