ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 神々の力〜選ばれた者たち〜
- 日時: 2010/12/26 23:03
- 名前: ryo-2-1 (ID: pbINZGZ2)
初小説です!
至らないところもあるかと思いますが
どうぞよろしくお願いします
神の力を手にした若者たちのバトルものにしたいと
思ってます
現時点での登場人物です
柊良介(ひいらぎりょうすけ)
『ガブリエル』に対応している。良介自信は天使間どうしの意思疎通が可能になったらしい。暴走時には『無帰』と呼ばれる天罰が使えるが、詳しいことは不明。
迎久留巳(むかいくるみ)
主人公の幼なじみ。五年前の事件で両親を失っている。
アリス・クロッド
『コカビエル』に対応。天体を司る。天性(オリジナル)の1人。
虚像世界(クライキープ)
スターゲート計画の現時点での最高傑作。実験固体(シリアルナンバー)の1人。対応している天使は『ウリエル』
Dr.桐原
天性(オリジナル)の1人。対応している天使の名前は不明だが、再生を司っているらしい。
柊豪卯
良介の実の祖父にあたる。オペレーション・スターゲートの最高責任者でもある。さまざまなことに詳しいが、自身も適格者であるかどうかは不明。本心を明かすことは良介にも決してしない。
燃えて行きますよー
- 神々の力〜選ばれた者たち 第一話:変化 ( No.1 )
- 日時: 2010/12/22 14:02
- 名前: ryo-2-1 (ID: gWvD8deM)
時は2027年 旧日本は突如ロシアから攻撃を受けた。もちろん何の前触れもない。災厄は突然空から降ってくる。そして、日本は文字通り死の島となった。当然、当時の国民は日米安保に期待したが、条約は米の一方的な無効により一時停止ということになった。その間もロシアからの無差別な攻撃は止むことをしらない。国民は地下に安楽を求め、身を寄せ合ってしのいでいた・・・・
「またやってんのか・・・・」
自衛隊は未だに迎撃できるはずもないミサイルの迎撃に金を費やしていた。表向きは半分ほど打ち落としているということになっているが、地下に隠れる他の国民は知るよしもない。
俺、柊良介(ひいらぎりょうすけ)はこうなる前からの年下の幼なじみ迎久留巳(むかいくるみ)と共に、安全な場所を求めてさまよっていた。地下に入ろうにもあそこは金をがっぽりもっていたセレブどもが独占しているし、スラム街は衛生がひどすぎる。そんなところに久留巳を置いておくわけにもいかない。何より死んだおばさんに合わす顔がない。
「りょうちゃん、どうしたの?」
久留巳が心配して聞いてくる
「どうってことはねぇよ・・・・」
俺は昔からやけに勘が鋭いところがあった。そのおかげでミサイルの落ちない場所を移動してくることが出来たのだ。しかし、今となってはほとんどの場所が放射能に汚染されている。もう行く場所がないも同然だった。ただ食料を求めて歩き続ける。それが今の俺たちの姿だった。
「お前が柊か?」
突然声をかけられ、俺は一気に体を固めた。こんなところで声をかけられるなんてありえない。一体どういう・・・
「さっさと質問に答えろっての。一般人に時間を割くほど俺は暇じゃなくってね」
おかしな男だった。金色の髪に、スーツの下からはアロハシャツがちらちらと見えている。
「あぁ、俺が柊良介で間違いねぇよ。あんたは一体何もんだ?」
俺はごく一般的な返答をする。
「りょうちゃん・・・」
横では久留巳が震えている。もとより、気が弱いやつだったからこれが普通かもしれない。
「いやぁ、あっててよかったよ。そんじゃとっととついてきてくんない?」
金髪は何の気なしにそう言った。
「おい、いきなり出てきてそりゃねーんじゃねぇのか?せめて名前ぐらいなのってけよ」
久留巳も横でうんうんと頷いている。こいつを厄介事には巻き込みたくはないが・・・
「こいつは失礼、アリス・クロッドというものだ。いや、ここは『コカビエル』と名乗ったほうがいいかな?『ミカエル』さんよっ」
こいつは何を言っている?親の宗教がキリスト教だったから今出てきた天使の名前は知っている。だが、俺が『ミカエル』だと?そいつは天使のなかでもかなり上のやつだったはず・・・
「はは、まぁ詳しい話は『下』でするから、とにかくついて来いって。うまくいけば1年分の衣食住は保障してやるぜ?」
どう考えても怪しかった。普段の俺なら「胡散臭い」っと適当にあしらっていただろう。だがこの時だけは違ったのだ。心の中の何かが「ついて行け」と叫んでいた。この気持ちは今まで幾度も俺たちの命を救ってきた。だから、俺は何も疑わなかった。たとえこれが今までの生活を全部ぶち壊すものだとしても・・
- Re: 神々の力〜選ばれた者たち〜 第二話:力の正体 ( No.2 )
- 日時: 2010/12/22 14:35
- 名前: ryo-2-1 (ID: gWvD8deM)
とりあえず俺たちはクロッドと名乗った男についていくことにした。どうやら政府の使いらしく、近くの『下』へのエレベーターで俺たちを依頼主のところに連れて行ってくれるという。
「さっきの話の続きだが、俺が『ミカエル』ってのはどういうことだ?」
久留巳を抱き寄せながら俺はクロッドに尋ねた。
「ん〜と、どっから話せばいいかな?」
クロッドはしばし考えてからこう切り出した。
「そもそも日本が攻撃された理由って知ってる?」
「んなもん、自国の政治に対する不満をよそにぶつけたいとかそんなんじゃねえのか?」
初めて乗る『下』へのエレベータ−に目も輝かせている久留巳を注意しながら、質問に答えた。
「表向きはね。でもだったらここまでする必要はないんじゃない?このままだったら日本が世界地図から消えるまで連中はやり続けるよ。」
それにね、っとクロッドは間を空けて言った。
「原因はうちらにあるんだからしょうがないってもんなのよ」
「・・・・はぁ!?」
理解できない。ここまでされるようなことを日本がしたってのか!?第三次世界大戦と言っても過言ではない状態を引き起こすようなことを!?
「スター・ゲート計画って知ってるかい?そいつを知ってりゃ話がはやいんだが。」
「それ私知ってるよ!確か旧ソ連が行ってた超能力開発だったよね?」
突然久留巳が話しに割り込んでくる。こいついつの間にそんな知識を・・・
俺はしばし愕然としていたが、気を取り直してクロッドにさらなる真相を聞こうとした。
「嬢ちゃんすごいねぇ。だいたいそれで合ってるよ。で、それの研究資料をどっかの誰かさんが盗んだってわけ。」
とはいえ、たかがそれだけで本当に戦争が起こるわけがない。世界に超能力者があふれてない以上、実験は失敗だったんだろうし。
しかし、まるで俺の心を見透かしたのようにクロッドは続ける。
「それがねぇ、本当だったんだよ。その超能力」
・・・・・・・・・・・・何?
イマイッタイ、ナントオッシャイマシタ?
「だーかーら、その超能力ってのは実現可能だったわけよ。条件付きでね」
さも当然のようにクロッドは言う。
「そしてその条件ってのが、『天使の力の一部を授かってること』ってわけ。んで、あんたが一番強い『ミカエル』に対応してんのさ。」
億劫そうにクロッドは続ける。
「がんばれよ、俺が出来るのはここまでだ。力が目覚めるかどうかは君次第。」
急にかしこまった口調になったクロッドはさらに続ける。
「本当にがんばれ。死ぬかどうかも君次第だからな。」
言葉と同時にドアが開く。
「さぁ、神々の力に目覚めてみろ。そして俺たちを救ってみせろ」
時間は確実に過ぎていく。そして、ここから俺と久留巳の歯車は壊れだした・・・
- Re: 神々の力〜選ばれた者たち〜 第三話:ファーストバトル ( No.3 )
- 日時: 2010/12/27 15:05
- 名前: ryo-2-1 (ID: X5RXMDBd)
俺はクロッドの言った言葉の意味がしばらく理解できなかった。しかし、目の前の状況から大まかな境遇は理解できた。
「りょうちゃん、ここって昔テレビで見たあれに見えない?」
そうだな、と久留巳に相槌を打って俺は周囲の観察を続ける。地下には不釣合いな無駄に大きなホールに、天井近くにはガラス窓がびっしり並んでいる。さながら闘技場のような場所だった。
そしてもう1つの事実。それは目の前にたたずんでいる1人の少年が証明していた。
「あいつと闘えってのか?その超能力で?」
当然自分にそんな能力があるとはまだ信じられない。てっきりここで能力開発でもされるかと思ったんだが・・・
「りょうちゃん、やっぱり怖いよ。帰りたいよ・・」
久留巳は今にも泣き出しそうだ。
「クロッドこいつはいったいどういうことだ!ついていけば安全を約束するって言ってただろぉが!!」
「能力ってのは、開発するもんじゃないのさ。資格があるやつは状況に応じて勝手に目覚める。」
さっきの心を見透かしたようにクロッドが説明を入れてくるがいちいち聞いていられない。
「てめぇ俺の言ってることが聞こえねぇのか!」
しかしクロッドは無視して続ける。
「あ、俺の対応してる『コカビエル』は天体を司ってるから。心を読むのはそいつのちょっとした応用よ。それに・・・」
だが、クロッドがそれ以上言葉を紡ぐことは出来なかった。見れば体の内側 肺のあたりから無理やり見えない何かが突き出ている。
久留巳の声にならない悲鳴が響きわたる。
「がッ、はぁ・・・・・・・・!?」
今まで無表情だった少年の表情が確かに変化した。
「おいおい、いつまで長ったらしく説明する気なんですかぁ?お前は俺の保護者かっつうの。」
あの少年が初めて口を開いた。
「おとなしく聞いてりゃいつまでもべらべらべらべらしゃべりやがって。舐めテンのかテメェはぁ!!」
少年は足を動かしいていない。それどころか指1本微動だにしていない。なのに、クロッドの傷口が水をこぼした紙のようにどんどん広がっていく。
「オレさぁお前のこと前から大ッ嫌いだったんわ・・でもまぁ今までは我慢してたわけよ。くずみてぇなやつにゃ手ぇださねぇってなぁ・・・でもやっぱだめだわ」
致死量の出血をしながらクロッドはそれでも口を開いた。
「ひい、らぎ・・ よく聞け。あいつが能力に目覚めるために倒さなきゃならない。クライ・・キープだ。いや、倒す必要は・・ない。 おそらく現時点のおまえの『力』じゃやつにはおよばない・・・だから、とにかく効率的に力を目覚めさせることに集中しろ・・方法は人それぞれだが・・お前の場合は・・・」
だが、今度こそクロッドの口が止まった。クライキープと呼ばれた少年はよりいっそう悪寒の走る笑みをうかべると、無造作にこう告げる。
「いいかげん死んじまえよ、お前みたいなのが生きてると汚れちまうんだよ。デキソコナイ君」
そして、
「やめろぉぉおおおおおお!!!」
気づいたら俺は走りだしていた。久留巳を守るために鍛えた拳で的確にクライキープの急所をねらう。間合いは充分だった。既に敵の懐にもぐりこんでいたし、はずしようのない配置だった。鈍い寒色が体に走る。だがそれは相手をなぐった痛みではなかった。
「・・・・・・・ッ!?」
吹き飛ばされた。と気づいた頃にはすでに俺は闘技場の壁にめり込んでいた。鉄くさい液体が口のなかにあふれる。全身の感覚が戻った瞬間、この世のものとは思えない激痛が体をはしった。
「ッが!? っァァぁぁあああ!!!!!」
そんな俺を見てクライキープはこう言った。
「そうあせるなって。まずは自己紹介からだろぉ?オレの名前・・いや、コードネームは虚像世界って書いてクライキープだ。よろしくなぁ、モルモット君」
俺は朦朧とする意識の中必死に久留巳の姿を探した。黒服に抑えられながら、必死に何か叫んでいる。何でこんなことになってしまったんだろう。数時間前までは久留巳といつもと変わらない日々を送っていたのに・・・
だけど・・・・・・
俺の判断ミスで久留巳が危険な身にあっているって言うのなら・・・・・・
やることは決まっていた。
「・・・・やってやる・・」
「あぁ?声が小さくて聞こえねぇなぁ実験動物!!」
そうだ、何を自分は今まで迷っていたのだろう。久留巳のために出来ることから俺は逃げ続けていただけだ。五年前だって・・・俺がもっとしっかりしていれば・・・・・
俺はたった1つの武器の己の拳をこれ以上ないほど握りしめながら、立ち上がる。
「決まってんだろ・・・・・・・
俺がこんなふざけた世界をテメェも含めて叩きなおしてやる!!」
そうだ、クロッドの言うとおり俺に力があるのなら、俺はその力のすべてを久留巳のためにつかおう。
それがたとえ、五年前のあの事件の贖罪になるとしても。もう、そんなことは関係なかった。
- Re: 神々の力〜選ばれた者たち〜 ( No.4 )
- 日時: 2010/12/22 18:55
- 名前: モス (ID: aFJ0KTw3)
途中まで読みました。
あなたらしい作品ですね〜。
- Re: 神々の力〜選ばれた者たち〜 第四話:過去 ( No.5 )
- 日時: 2010/12/23 11:00
- 名前: ryo-2-1 ◆/oAS1KZo5E (ID: qIZZJKb.)
とにかく俺は走った。たとえ相手が理解不能な超能力者といえど、結局は人間だ。鳩尾に拳を叩き込めればダメージを与えられるはず。そう思っていた。
が、
「!?・・・っ何だ!?」
嫌な予感に襲われ勢いよく横に転がる。すると前までいた場所が水蒸気爆発のように一気に膨張し、破裂した。
「ぐァぁあ!?」
衝撃波に押され、ノーバウンドで5mほど吹き飛ばされる。
(あんなのまともに受けたら1発でアウトだな・・・・・・)
だが、クライキープはその様子を見てさらに笑みを深めると
「さすがにミカエルさんは他の実験固体(シリアルナンバー)と違って優秀だねぇ。この程度じゃ話になりませんってかぁ!?」
的確に俺を狙って次々に爆発を引き起こしていく。このままじゃやつを殴るどころか近づくことさえ叶わない。
(いったい、どうすりゃいいってんだよ!?)
そのとき、戦闘場所から少し離れたところでクロッドは治療を受けていた。
「Dr.桐原。あれを見てどう思う?」
桐原と呼ばれたスーツの上に白衣を着た男はこう告げる。
「あの人の予想通りさ。何事も順調に進んでる。お前が心配することはないさ」
こいつは肉体の再生を司る天使に対応してるとかで、『細胞還元』(クラッシュリバース)が使えるらしい。昔から多くを語らない男だったが、不思議とクロッドはこの男にだけは気を許していた。
「そうゆうことじゃねぇよ。実験固体(シリアルナンバー)じゃないあんたの目から見てあの少年はどう映るかって話だ。」
クロッドはいらだたしげに問いただす。
「君だって実験固体(シリアルナンバー)ではなく天性(オリジナル)じゃないか。」
実験固体(シリアルナンバー)というのは天使との共鳴率を無理やり引き上げられた固体を指し、天性(オリジナル)もとより資質のあったものを指す。
「わかんねぇからお前に聞いてんだっつうの。」
むこうには少年たちが命を奪い合っているのがぼんやりと確認できた。
(頼むぜ、こっから先は君たち若者の時代だ・・・・)
クライキープは空気中に漂う水蒸気を利用している。俺は激しい猛攻をかわしつつ、極力冷静に分析する。最初攻撃をかわされたのもそれを利用した蜃気楼のようなものだろう。
(だとすればどうする!?水蒸気なんていくらでも空気中に存在するぞ。宇宙空間でもない限りやつには届かないってのか!?)
だが、リミットは既に過ぎていた。
「あぁーもう飽きたワ。お前逃げるだけで何もしてこねぇもん。やっぱ能力に目覚めねぇとオママゴトにもなんねぇなぁ。」
だったらよ、とクライキープは付け加えた。
「お前の大事なもんを、壊しちまえば、ちったぁ本気になるんじゃねぇのかぁ!?」
無造作に右手を振りかざす。その先にいたのは。
(久留巳!?あのヤロウ!!!)
「ッざけやがってェェええええ!!!!」
だがクライキープはとまらない。もとより間合いなんてものはやつには関係ないのだ。
「いい顔だぁ。でもまだまだおっせぇえんだよォォおお!!」
そして、久留巳の身体がバカみたいにノーバウンドで10mも吹っ飛んだ。クライキープにしてみれば、手加減のしすぎぐらいだろう。実際久留巳は不思議なぐらい傷が少なかった。10mも飛ばされたとは思えない。せいぜい擦り傷があるぐらいだった。
だが、そんなことは関係ない。やつは久留巳に手を出した。その事実だけで頭が真っ白になるには充分だった。
クライキープは俺に向き直ると、
「そんじゃそろそろ本気だしてもらいましょうかァ!!」
勢いよく手を振る。
俺はそのまま壁に吹き飛ばされた。空白になった頭の中にあのときの記憶がうかんだ。あの忌まわしき五年前の事件の記憶が・・・・・・
━━━あの日も俺の勘はいやなほどにさえていた。近くの町にミサイルが落ちる夢を見たのだ。これまでにないほど鮮明だったし、とりあえず久留巳を連れて隣町まで遊びに行った。できれば両親たちも連れて行きたかったが、もちろん信じてくれるわけもない。このときはまだ東京とかにしかミサイルは落ちていなかったし、こんな田舎を狙う理由がない。どうせ子供の世迷言と思われるだけだろう。そう思って久留巳だけを誘って遊びに行った。アイスクリームをおごってあげると言ったら素直についてきた。
だが、そのアイスクリームを食べていると、耳をつんざくような轟音が鳴り響いた。俺は一瞬状況が理解できなかった。大きすぎる物体が空から降ってきたのだ。子供の頭で理解できるはずもない。それでも俺は反射的に久留巳をかばったのだけは覚えている。爆風がここまで届くことはなかったけれど。
それでも被害は甚大だった。自分たちの町は丸ごと地図から消えていた。ここに生物がいたとは思えないありさまだった。あの日以来、活発だった久留巳はあまりしゃべらなくなった。
なんで両親も誘わなかったんだ。それからはそんな苦悩がずっと付きまとうようになった。久留巳を誘わず、両親といっしょに楽にさせたほうがよかったのかもしれない。だけど・・・・・・・・・
そうだ。あの時もさっきも誓ったじゃないか。俺のせいで久留巳を地獄に連れてきてしまった。ならば何を迷うことがあろう。
もう俺は考えるココロを失っていた。目の前の敵を排除する。そんな犬や猫のような原始的な思考に溺れた俺は1つの光を見た。青い、青すぎる光は笑っているように見えた。助けてくれるようには見えなかったが、俺はすべてを受け入れた。
そして1つの覚醒が始まる。
「クライキープーーーーーー!!!!!」
他のものから見ればその異様なまでの変化に気づいただろう。背中からまがまがしい青白い片翼が生えている。それは天使の羽にも見えたし、地獄へ手招きする悪魔の手にも見えた。
「いいね。これでこそ神の闘いだ。存分に破滅しあおう。」
応じるようにクライキープも応じるように赤褐色の片翼を生やす。
こんどこそ本当の破滅が始まった。
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