ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 漆黒の悪夢の中で
- 日時: 2011/01/02 21:42
- 名前: HQ15 (ID: .wPT1L2r)
これから書いていきます。 更新遅いかもですが、
よろしくお願いします。
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- Re: 漆黒の悪夢の中で ( No.3 )
- 日時: 2011/01/03 08:41
- 名前: HQ15 (ID: .wPT1L2r)
あくる日の朝。転入して二日目の朝を迎えた。
「おはよう、お姉ちゃん」
「おう、おはよう桜」
桜はこのマンションで姉と二人暮しをしている。 引っ越してきた理由は姉の仕事関係だ。 両親は桜が3才の時に他界している。 それからは姉が母親のようなものだ。
「どうよ、こっちの環境にも少しは慣れた?」
「うん、こっちでもやっていけそう」
「そ、ならよかった」
正直、気がかりなことはあったが、姉に言い出すことはできなかった。
「あっそうそう、最近この辺で無差別殺人事件が起こってるんだって。
あんたも気を付けなさいよ」
「うん、じゃあ私そろそろ行くね」
「行ってらっしゃい」
- Re: 漆黒の悪夢の中で ( No.4 )
- 日時: 2011/01/03 09:05
- 名前: HQ15 (ID: .wPT1L2r)
居た。 教室には昨日言っていた西枝 春人らしき人があの窓際の席に座ってぼーっと窓の外を眺めている。
確かに容姿はとても整っている。昨日の氷等 彰の言葉が嘘でないことがよく分かる。
桜はゆっくりと歩み寄り、声を掛ける。
「は、初めまして。昨日転入してきた優希 桜です。よろしくね」
「・・・・・・・・・・」
一度は桜の顔に目を向けたものの、一言も喋らずにまた窓の外に視線を戻す。
「あ・・あれ?」
気づけば向こうで昨日の女子が手招きしている。
「だから言ったじゃん。あいつ誰とも喋らないんだよ」
「そ、そうみたいだね」
でも、彼のことをもっと知りたい。 密かに桜はそう思うようになっていた。
結局授業中も昼も掃除の時間も一言も話すことはなかった。
- Re: 漆黒の悪夢の中で ( No.5 )
- 日時: 2011/01/03 22:35
- 名前: HQ15 (ID: .wPT1L2r)
この夜、桜と春人を結ぶ一つの出来事が起こる。
買い物帰り、まだ慣れない夜道を歩く桜。街灯一つも無い真っ暗で薄気味悪い夜道に桜は少し臆病風に吹かれていた。
「やっぱり夜道は怖いな・・。なんにもないといいけど・・・」
すっかり恐怖心に見舞われた桜は枯れ葉が風に揺れる音でも足がすくんでしまうほどに至っていた。
ドサッ
「えっ? ・・・・うそ」
桜は驚きのあまり買い物袋を落としてしまった。 そこには傷だらけとなった春人が、ぐったりと崩れ落ちていた。
驚きのあまり一瞬立ちすくんでしまったが、すぐに側へ駆け寄る。
「大丈夫!?あなた西枝君よね?どうしてこんなことに・・」
慌てて桜が処置に入ろうと腕を掴む。
「うっっ・・」
春人の腕には擦り傷が出来ており、少し血も流れている。
「た、大変!すぐ手当てしなくちゃ」
春人の体を支えようと触れると、
「触るな」
「!?」
あまりに突然で驚きはしたものの、彼を怖いとは思わなかった。
「僕にはあまり関わらない方がいい、大丈夫だから放っておいてくれ」
そうさ、僕が多少の孤独感を覚えるだけでこの子の命が救われるのなら・・。 もうあんな苦い思いをするのは嫌だ。 さあ、早くどこかに行ってくれ。
「嫌よ」
「えっ?」
「私、転入してきたばかりであなたのこと何も分からない。けど・・・だからって放ってはおけないよ!! 私なら相談に乗れるから・・ね?」
何故だ?何故この子は僕のことを恐れない?避けない?
春人にはまだ桜の心情がよく分からなかった。
「でもっ君の命がっ!?」
前方に一人の男の姿が見える。黒い衣装に身を包むその男はこちらに向かってくる。
「やあ、春人君。聞いたよ、君命令に逆らって逃げ出したそうじゃないか。なかなかなことをしてくれるねぇ。驚いたよ」
「あんたには関係の無いことだ! 俺には・・俺にはもうあんなことは出来ないっ!!」
春人ははっきりとこう言い放った。 男はにやりと笑う。
「そっか〜。それは困ったなあ・・・。どうしても戻らないって言うのなら・・・。そこの女の子でも連れて行こうかな?」
「よせっ!この子は関係ないっ!」
「だあーったら!! 早く戻って来るんだね・・?」
「・・・・・・・・くっ!」
ドガアアアン!!
春人は不意に右手から謎の光弾を放った。
「うっ・・何のマネを・・」
「今だっ! 逃げよう!!」
「え? う、うん!」
桜にはなんのことか分からなかったが、ただ春人に手を引かれるがままに自分も怪しげな夜道を走り続けていた。
- Re: 漆黒の悪夢の中で ( No.6 )
- 日時: 2011/01/04 18:33
- 名前: HQ15 (ID: .wPT1L2r)
ある一つの建物にたどり着いた。 どうやらこの二階建ての一軒家が春人の家らしい。
「ねえ、どういうこと?さっきの人誰?それに春人君・・・」
「君には関係の無いことだ。悪いけど帰ってくれ。君のためにも」
「・・・なにそれっ!!私のことなんかどうでもいいの?」
「そういうわけじゃ・・・。ただ僕は君のために!」
「そんなの・・・。そんなの私のためなんかじゃないよ!!」
「なっ!」
「私、いつまでも一人で抱え込むのは良くないと思う。私は春人君の力になりたい。それが私の願望。教えて・・春人君のこと」
「・・・・・・・。 わかった。 だけど今から言うことはけっして普通のことじゃない。驚かないで聞いてほしい」
「うん」
「僕は・・・・・“悪魔の手”を持っている」
「!? ・・・そんな・・・・。 う、ううん平気!続けて」
「この手は人間のおよそ100倍の力を持っている。そこで悪魔の研究を続けている組織“DRG”は、僕を必要とし、次第に僕はコキ使われるようになった。その内容は・・・この手で人を殺す」
「・・・・・。つ、続けて」
「僕は耐え切れなくなって組織から逃げ出した。そしてさっきに至る」
この人はなんて悲しい時を過ごしてきたのだろう。悪魔の手に生まれたばかりに。 桜はいつしか春人に同情し、その目から暖かな涙を流していた。力になりたい。改めてその思いが強さを増していくのだった。
- Re: 漆黒の悪夢の中で ( No.7 )
- 日時: 2011/01/13 22:39
- 名前: HQ15 (ID: .wPT1L2r)
なかなか忙しいです 更新遅れます
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