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黒薔薇の城のアリス [完結]
日時: 2017/02/08 15:10
名前: rara (ID: gIDLNLr/)

【登場人物】

●黒姫様・アリス フロージュ 
     黒薔薇の国の姫君。ユリスを嫌っている。

●白姫様・ユリス フロージュ
     白薔薇の国の姫君。心優しくおしとやか。

●召使い・レオ シュバルツ
     アリスの召使い。命令は絶対守る。



【目次】
♯プロローグ…>>3
♯1…>>9
♯2…>>23
♯3…>>28
♯4…>>38
♯5…>>45
♯6…>>60
♯7…>>82
♯8…>>91
♯9…>>97
♯10…>>132
♯11…>>143
♯12…>>168

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Re: 黒薔薇の城のアリス ( No.38 )
日時: 2011/09/29 20:34
名前: rara (ID: 9QYDPo7T)

*黒薔薇の城のアリス 4 




「月日が経つのは、本当に早いものね」

私は黒薔薇の国に売られて4年が経った。

この国を治めていた国王は、伝染病に罹って2年前に亡くなった。
 国王が亡くなってからというもの、この国は随分と荒れたものだ。
 跡取りがいなく、権力争いが起きた。
 この国はほとんどが男で、争いごとは日常茶飯事。
 その為、大臣が14歳の私をこの国の女王に君臨させた。


 そして私は“貧民”から“女王”へと生まれ変わった。
 それは私の人生をも狂わせた。



 それからというもの、私は欲望だらけの毎日。
 召使に頼めば何でもしてくれる。
 例え、殺人だって。


 気に入らない人は殺してしまう。


 それが私の毎日だった。

「レオ、この無礼者を直ちに処刑しなさい」

「はい、かしこまりました」

 私の専属召使い、レオは何でも言う事を聞いてくれる。
 だから私もレオを本当に信頼していた。





「黒姫様、処刑は終了しました」

「そう、有難う」

 私はレオの顔を見つめ、静かに笑った。


 皆、私には逆らえない。
 このようになってしまうから。


 いつ頃からか私はこうなってしまったのだ。
 きっと、あの過去から……


 私に逆らわなければ、こんなことにはならなかった。

 本当に、馬鹿な愚民ども。


 もうこれで世界は私のもの————。

Re: 黒薔薇の城のアリス ( No.39 )
日時: 2011/01/15 18:40
名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)

アリスがどんどん壊れていってる気がしないこともない…。戻ってきてー!!←
うん参照500突破は私でもびっくりだよ〜

ぁ、そうそう。宣伝してもいいかn(((((←2回死んでこい

Re: 黒薔薇の城のアリス ( No.40 )
日時: 2011/01/15 18:49
名前: 蜂蜜 (ID: DxncmFYg)


来たよ☆
おぉ〜!タイトルカッコイイ!!
ネーミングセンスがあっていいなぁ〜♪
早速お気に入りにっと…。

Re: 黒薔薇の城のアリス ( No.42 )
日時: 2011/01/15 19:05
名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)

宣伝おkか!!
んじゃあ…
「世界に届かず彼女は堕ちる」
絶賛更新中です、是非来てね!!←本当にやるのかよ

Re: 黒薔薇の城のアリス ( No.45 )
日時: 2011/09/29 20:52
名前: rara (ID: 9QYDPo7T)

*黒薔薇の城のアリス 5 




ある日、レオが私にこう言った。

「黒姫様、白薔薇の国の頂点にユリス様が君臨したようです」

 それを聞いた私は、手に持っていた赤い薔薇を切り裂いた。
 今の私はそんなことさえ、喜べない。
 例え実の妹でも。


 私は床に散らばった赤い薔薇を見て静かに言った。

「……妹を、殺しなさい」


 私以外に女王なんていらない。
 世界の女王は私一人でいい。
 ユリスにも、消えてもらわなくては。


 しばらく沈黙が続いたがレオは答えた。
 その答えはもちろん、

「はい、かしこまりました」


 レオを先頭に、白薔薇の国を滅ぼしに向かう。
 民衆などに用はない。
 殺すのは女王、そして実の妹のユリスだけ。


 とうとうユリスは追い詰められた。 逃げ場はどこにもない。
 周りには兵士たちがいるから。

 レオがユリスに近づく。

「これはあなたのお姉様、アリス様の命令……」

「お姉様って、まさか……?」

 ユリスは後ずさりをするがもう逃げられない。
 サイドテーブルにぶつかり、花瓶が倒れる。
 花瓶は派手な音を立てて砕け散った。
 その音が、部屋中の空気を凍らせた。

「そうです。しかし命令には逆らえません……さようなら」

レオは灯油を撒き火をつけた。

「いやあぁぁぁ……!!」


 白薔薇の国は一瞬で赤の王国と化した。
 立派だった城は、瞬く間に炎に包まれた。



 これで邪魔者は消えた。
 そう思っていたのに。


 あいつは生きていた—————。


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