ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- わたしは蝶になる 【完結】
- 日時: 2011/02/01 19:22
- 名前: あいる ◆TiP5As2jNc (ID: o/R20Vhb)
ふと、目を開けると、そこは闇だった。常闇の世界に何故わたしが居るのだろうか。
「…?体が動かない…?金縛りだ…。」
わたしの体が、上を向いて倒れている体勢のまま、動かないのだ。
「これはきっと夢よね。あ、蝶だ………。」
闇の中にひとつだけ明かりがあった。それは、にぶい金色の光に包まれている、アゲハ蝶だった。
「夢だもの。光る蝶がいてもおかしくないわね……。」
わたしは思わず、蝶に手を出した。
「手が動く…。金縛りがとけたみたい。」
蝶は羽をひらひらさせながら、わたしに近づき、手にとまった。
「綺麗な蝶ね。美しい……。」
「この蝶はわたしに似てる。持つ物は美しさだけ。美しく恐い、それがわたし。あなたも同じでしょう。こんな闇にひとりでいるんだから、愛を持ってないということ。」
わたしは、その場に寝転がったまま、蝶と話をしていた。
「やっぱり、夢。当たり前よね。」
「朝は嫌い。くだらない一日の始まり。わたしに幸せなんて、あるわけないの。10年前に優しい両親を亡くして、自分の欲の為に生きる傲慢な親戚と暮らし始めて……。15歳になった今も失望ばかり。どうせ、わたしは不幸を身にまとい、終わるの。」
わたしは独り言を言って、学校の準備を始めた。
- Re: わたしは蝶になる ( No.4 )
- 日時: 2011/01/18 19:53
- 名前: あいる ◆TiP5As2jNc (ID: F2lwV46U)
グミs、ふにゃ子、アディア、来てくれてありがと★
適当にがんばりま〜す★適当ですいません_(._.)_
- Re: わたしは蝶になる ( No.5 )
- 日時: 2011/01/18 21:06
- 名前: あいる ◆TiP5As2jNc (ID: F2lwV46U)
第一話 心情
「美華ちゃん!僕、ずっと前から美華ちゃんのことが…。」
告白なんて、時間の無駄。わたしは一生恋なんてしない。だからだれから言われたとしても、返事はいつも…。
「NOよ。」
もう今週に入ってから8回目よ。休み時間は読書したいのに、校舎裏に呼び出したりしたさ。来たわたしがバカだったわ。
「そんな…。」
「さよなら。」
「……。」
やっと帰ってった。さ、わたしも教室に……。
「麻織 美華さん。俺ずっとす……。」
「NO!うるさいなあ。わたしの読書の妨害よ、告白なんて。わたしね、一生恋しないって決めたのよ。もうわたしに関わらないでくれる?
人間は一人でも生きられるのよ。わたしは孤独が好きなの。蝶が一匹いれば、満ち足りてるの。」
「なんでだよ!?俺は……。」
バシッッ!!
「痛っ。なにすんだよ。いきなり蹴りやがって。女っぽくねーし。」
「諦め悪いから、わからせてあげたのよ。わたし、教室にもどらないとね。さるかに合戦が読み途中なのに。」
「なんなんだよ…………。」
わたしはスタスタと去っていった。
- Re: わたしは蝶になる ( No.6 )
- 日時: 2011/01/19 20:14
- 名前: あいる ◆TiP5As2jNc (ID: ltRlmf2I)
第2話 蝶の世界
「楽しみだねーーーーーっ★明後日の合宿。」
祐実うるさい。合宿っていうのはね、自分を鍛えに行くものよ。友達同士のお泊まり会じゃないんだから。祐実、あんた勘違いしてるんじゃないの?遊びじゃないのよ!
「美華……。だってお泊まりだよ?楽しみなんだもん。」
祐実さあ、もう中3なんだから、お泊まりお泊まり言わないでくれる?
「な…!お泊まりだけの楽しいだけの合宿だなんて思ってないよ!バトンの腕を鍛える合宿ってちゃんとわかってるよ!」
じゃあもう、お泊まりお泊まり言わないで。
「言わないよ!美華はなんでそんなにビシバシ言うの!?言われる側の気持ちにもなってよね!」
人間関係なんてどうでもいいの。わたしはビシバシ言ってるつもりは無いんだけどね。ホントのことを言っただけ。
「何それ!!美華のバカッ。」
祐実がわたしを叩こうとしたとき——
「佐村祐実さん。今日は図書委員の活動があるのよ。はやく行きなさい。」
「…………。はい。」
やっと一人になれた。でも合宿の時はどうなるんだろう。祐実も一緒だからなあ。
「もう全部面倒くさい。いっそ蝶になりたい。」
わたしはポツリと独り言を言った。みんなには聞こえなかったようだ。誰も何も言わない。
『その願い、聞き届けた……。』
「なっ、何?今の声!」
すごく暗くて重い声。どんよりしてて、地獄からの声って感じ。この世のものとはおもえないくらい。でも、みんなには聞こえてないみたい。じゃあ、わたしにだけ聞こえたってコト?どうして?しかもわたしが「蝶になりたい」って言ったら聞こえてきたし。もしかして、だれかがわたしの願いを叶えてくれるってことなのかな。
「やっぱ、気にしない。どうでもいいよ。」
もう休み時間が終わっちゃう。次の教科の準備しないと。
- Re: わたしは蝶になる ( No.7 )
- 日時: 2011/01/20 19:02
- 名前: あいる ◆TiP5As2jNc (ID: RWarW6Jx)
第3話 恐怖の合宿
「ねえ、美華ちゃんさ、バトン部の合宿ってすごい怖いって知ってる?」
はあ?何それぇ。どう怖いって言うのよ。
「あのね、肝試しを毎年やるんだけど、つぶれた病院にいくの。クジでどのチームがどの階に行くか決めるんだ。それでね、霊安室のある地下に行くことになったチームが被害を受けることがあるの。美華ちゃんは転校してきたばっかりだから知らないかもだけど……。」
迷信でしょ。中3で幽霊とか信じてんの?えりってばそんなのあり得ないよ。噂よ噂。
「それが噂じゃないのよ!だってえり、幽霊見たよ。」
えっ!?気のせいでしょ…………。
「えりね、1年の時バトン部だったんだけど、合宿で見たもん。」
幽霊を……?
「そう。怖くて、次の年の合宿前に辞めたんだけどね。」
今もやってるの?その肝試し…。地下にも行くの?
「うん。去年は祐実ちゃんのチームが見たって。」
どんな幽霊が………?
「怖いんだよ。これ、えりの体験談。」
「エレベーターで行くんですか?」
えりはちょっと怖くて震えた声でコーチに聞いた。
「そうよ。度胸をつけるためにやってんだから、張り切って行きなさいよ。」
怖いよ。地下って霊安室があるんでしょ。一番幽霊が出そうなところじゃない。
「今までもよく出てくるって聞いてますけど、噂ですよねっ^^;」
祐実ちゃん……。噂じゃないよ。お姉ちゃんもバトン部で見たらしいし。
「そうよ佐村さん。1年生なのに度胸がありますねえ。」
「幽霊なんて心配ないです!」
祐実ちゃん、なんでそんなに勇気があるの……。
「えりったら心配しすぎだよ!あたしだって幽霊でたら怖いけど、出てくるかわかんないじゃん♪」
そんな理由か……。余計に心配になるよ!
「行こッ♪」
うん………。
「ここが霊安室?結構普通だね。」
たしかに。普通な感じ……。
「きゃあああああぁぁぁぁぁぁ!!!やめて!いやあッ!助けてええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
え!?この声はゆずきちゃん!!何があったの!?
「あれ…?ゆずきちゃんがいない?」
どこに行って……。
「なっ……何よこれ。ゆ…ゆず……き……。まさかっ……。」
麻村部長?すごい顔で床を指さしてる…。
「!?ゆずきちゃん!!なんで!?」
床で骨だけの死体があったのだ。でも服はゆずきちゃんの物だし、髪の色と長さもゆずきちゃんと同じ。でも髪の毛はほとんど抜けてる……。
まるで十年くらい放っておいた死体のよう…!
「10年前ってこの病院がつぶれた頃じゃない!?」
麻村部長が叫んだ。そういえば、コーチがそう言ってた……。
「あ…あたしさ、休憩時間にえりとコーチからこんなこと聞きました!
この病院がつぶれた理由が、院長が手術で失敗して患者を死なせてしまったからって…。」
祐実が震えた声で必死で言った。
「祐実、それ本当!?やっぱり幽霊いたんだ……!」
「はい。えりも聞いたでしょ。」
うん。それ聞いて、すごく怖くなっちゃって。
「それで、院長の手術によって死んでしまった人の家族が必死でいろんな人に訴えて、つぶれたの。その時の他の患者は、この辺りに病院がなくて、遠くまで行くお金もなくみんな死んでしまったそうなんです。」
「ゆ…祐実。それで死んでしまった人たちがここに集まって……。」
怖いよ。えりはどうすればいいの!?
「その院長も患者全員が死んでしまった後に、自殺したんだそうです。
他の医師や看護師さんもみんな自殺してしまって……。」
「じゃあゆずきはその幽霊たちに……?」
そういうことしか考えられないよ。
「あたし、去年も一昨年も見たよ。今年も見るなんて……。」
つぐみ先輩は副部長で麻村部長と仲が良い。いつも堂々としている。でも今は違う。保健所で殺されそうになった小型犬のよう……。
「逃げようよ!ここにいたらもうあたし達まで……。」
祐実がそう言ったとたん、みんなが霊安室から転がるように駆けだした。でもそうしたら、ゆずきちゃんが……。えりはつぐみ先輩の腕をつかんで、こう言った。
「ゆずきちゃんと一緒じゃなきゃ、えりは帰らない!!!!!!」
みんな驚くように振り返ってえりを見た。
「ゆずきちゃんが可哀想!一生、哀しい思いをして死んだ霊達といるなんて!」
みんながうなずいた。そして麻村部長が口を開いた。
「そうだよ。ゆずきを助けないと、見殺しなんてできない!」
「あの…皆さん、聞いて下さい!」
祐実が見えない幽霊達に、叫んだ。
「私達はあなた達の眠りの邪魔をしに来たんじゃないんです!」
今度は麻村部長が叫んだ。
「来てしまってごめんなさい!!ゆずきを…ゆずきを返してください!」
次はつぐみ先輩。必死になって、顔が真っ赤。でもそういうえりの顔も真っ赤なのかもしれない。
「ここに居る全員、あなた達の心の闇をわかっています!だから…どうか…………。」
えりは泣きながらとにかく大声をだした。
「ゆずきを返してください!!!」
全員で叫んだ瞬間、目の前が真っ白になった。そして気が付くと……。
「こんな所で何寝てるんですか。あなた達、エレベーターの中で寝ていたのよ。」
え?さっきまで霊安室にいたのに。どうして?
「もう寝る時間ですよ。外は真っ暗なんだから。ゆずき、懐中電灯持って。」
ゆずきちゃんも無事だったんだ…。助かった……。
「ってことがあったんだ。夢かと思ってみんなに聞いてみたんだけど、みんな同じ夢をみてたんだ。ゆずきちゃんは、いきなり床から沢山のガイコツがでてきて、床に引きずり込まれたって言ってた。」
結構怖いな……。でも地下に行くかわからないし……。
「霊安室以外の部屋では幽霊を見たことないんだって。」
地下になりませんように………!
- Re: わたしは蝶になる ( No.8 )
- 日時: 2011/01/20 22:46
- 名前: なな☆ (ID: x6z9HA8r)
- 参照: こんばんわ^^
あいるさん、きました〜〜^^霊安室・・・こわっ!
でも、私幽霊信じてないんですよね〜〜呪いのビデオとか、怖いテレビ見てても全然怖くないんですよ〜〜
皆叫んでるのにうちだけ一言もしゃべってないとか・・・w
勝手に、いろいろしゃべってすみませんm( )m
では、さようなら〜〜^^
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