ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- デス・ハイウェイ 参照100突破!
- 日時: 2011/02/26 11:12
- 名前: 月_月 (ID: hap96gvm)
どうも。初投稿です。ものすごく下手だとおもいますが、コメントくれたら嬉しいです。荒らしなどはやめてください。
- Re: デス・ハイウェイ (初投稿) ( No.1 )
- 日時: 2011/01/30 17:24
- 名前: 月_月 (ID: hap96gvm)
プロローグ
多くの車が行き交う、高速道路。旅行に行く者、帰省するもの。なぜこの道を使うかは分からないが、とにかく自動車で溢れていた。
2011年のゴールデン・ウィーク。環状高速道路2号線。そこを走る1台の車の中——
「温泉に着いたら、なにするのー?」
無邪気な少年の声。
「お猿さんに、あえるかなー?」
今度は、少女の声。
「さぁ、どうかしら。」
澄ました声で、運転していた子供の母親が返す。
父親はもう目的地におり、あとは残った家族の3人が車で向かう。そういう、段取りだった。
そう、そのはずだったが——
楽しい楽しい家族旅行は、恐怖と悲鳴が入り混じる死の祭りとなるのだった——
- Re: デス・ハイウェイ (初投稿) ( No.2 )
- 日時: 2011/01/30 18:15
- 名前: 月_月 (ID: hap96gvm)
1 騒然
「雄介、グミ食べる?」
車内に響く、母親の声。
「うん!」
少年は、そう言って母からぐグミを受け取る。
「ずるい、ひなも!」
手を伸ばし、少女が叫ぶ。
「はいはい。陽菜も欲しいのね。」
どこにでもある、幸せな家庭。その家族の、旅行中の1場面。
環状高速道路2号線は、そんな人たちを乗せた車を、たくさん運んでいた。
—でも、高速道路はそれだけじゃないんだ。—
限りなく濁った声は、高速道路監視センターに響いた。
—時には、現代のコロッセオにもなるんだよ。—
そして、声の持ち主は、放送のスイッチを押した。
環状高速2号線へ、メッセージを伝えるために——
「ママー、あとどれぐらいで着くのー?」
少年——奥内雄介の声。
「そうね、あと——」
ピンポンパンポーン
そのような音が、響いた。
『緊急放送でぇす。いま皆様がいる、環状高速2号線は、特別実験の対象となりましたぁ。』
その声を聞き、2号線にいる人々はざわめいた。
『実験のルールはこうでぇす。——』
そのあと告げられたルールは、こうだった。
・環状高速2号線にある車は、一般道、及び別の高速へは行けない。これは、人も同じ。
・SAとPAでは、武器を販売する。
・環状高速2号線からでるには、自分の乗ってる車以外の車を破壊、または乗っている人を全員殺さなければならない。ただし、自分の車に最初から一緒に乗っている人は、殺さないでいい。
——というものだった。
『それでは実験スタート。がんばってねぇ。』
2号線は、再び騒然となった。
- Re: デス・ハイウェイ (初投稿) ( No.3 )
- 日時: 2011/01/30 18:49
- 名前: 月_月 (ID: hap96gvm)
2 銃声
騒然となった2号線。実験に巻き込まれた家族の母親、真希は半分狂いかけていた。
「まま、だいじょうぶ?」
娘の声。そうだ、今のは嘘だ。冗談なんだ。そうやって母親は正気を取り戻そうとするが、すぐに狂気が舞い戻ってきた。
パン
それとも〝バン〟だったろうか。聞き慣れないが、すぐにそれと分かる音。すると、すぐ隣りから轟音が聞こえた。
燃え上がった。燃え上がった。燃えて車が、吹き飛んだ。
「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
もうだめだ。私は死ぬんだ。
真希は無意識に、アクセルを踏んだ。そして、銃をもった男の方向へ猛スピードで——
……まま!——ママ!
ここはどこだろう。あれ……
そうだ、実験とかいうのにまきこまれて—— 車、車は——
真希が車へ向かうと、そこには血の池と、男の死体があった。
私は、人を—— いや、仕方がない、生き抜かなきゃならないんだ。子供を守るために。
真希は男の銃を持ち上げ、空に向かって撃った。それは確かに、本物だった。
まずはサービスエリアへ行って、武器を得よう。
子供を——守るんだ。
- Re: デス・ハイウェイ (初投稿) ( No.4 )
- 日時: 2011/01/30 19:27
- 名前: 月_月 (ID: hap96gvm)
3 商品≪前篇≫
「雄介、陽菜、伏せてなさいよ。」
母の声は、いつもより厳しく。
「ママ、怖いよ。」
無理もない。車の速度は100キロを超え、周りでは銃声や爆音が轟いているのだから。
けれど、母の声はいっそう強く。
「いいから。伏せてなさい。」
そう言いながら、SAの駐車場へ車を滑らせる。
母親は、子供を車から降ろし、一緒に建物へ向かう。すると、放送が流れてきた。スピーカーから聞こえるのは、この実験の開始を宣言したあの男の声だった。
『言い忘れたけど、SAやPAで攻撃を加えちゃだめでぇす。もし、やってしまった場合、この実験から強制除外されまぁす。』
強制除外とはなんだろう。そんな疑問を抱いていると——
パン
再び、あの音が鳴った。
すると、空からババババと、特撮などでよく聞く音が響いた。
——今この時が映画の中だったらよかったのにね。
真希がそんなことを考えていると、息子は似たようなことを叫んだ。
「うわぁ、おにいちゃんが空を飛んでる!えいがみたい!」
〝空を飛んでる〟という言葉が気になり、真希が上を見上げると、そこには確かに、飛んでる男がいた。
——え?
- Re: デス・ハイウェイ (初投稿) ( No.5 )
- 日時: 2011/01/30 22:16
- 名前: 月_月 (ID: hap96gvm)
3 商品≪中編≫
男は飛んでいた。ただ、自ら翼を生やしたりして飛んでいるのではなく、紐につるされて飛んでいたのだが。おそらくもう、窒息死しているだろう。ここからでも紐が首に巻きついてるのが分かる。
——あれが強制排除ということだろうか。
でも、こんなので気持ち悪がってちゃいけない。きっとこれから、たくさんの死体を見ることになるだろう。
真希はそう自分に言い聞かせ、また歩き始めた。
SAの自動ドアを通り、中に入ると、そこには驚くべき光景が広がっていた。
銃銃銃銃ナイフ人銃ボウガンナイフグレネード
アイスピック銃銃ナイフ火炎瓶銃 銃銃銃銃薙刀ロケットランチャー
「こんなにたくさん……どれがいいのかしら……」
そんなことを真希が言っていると、ブルルルと、携帯電話のバイブレータが鳴った。電話をかけてきたのは、夫の一成だった。
真希は忘れていた。自分は家族旅行へ行く途中だったと。そして夫は、目的地で自分の到着を待っていたのだと。
腕時計をみると、もう約束の時間は過ぎている。最初の男を轢き殺したとき、自分はそんなに気絶していただろうか。
そんなことを思いつつ真希が携帯のボタンをおすと、落ち着いた一成の声がした。
『おい、真希。もう30分以上たってるぞ。どうしたんだ。』
聞き慣れた夫の声は、真希の緊張を一気にほぐした。真希の眼からは、涙が溢れた。
「実は、実は——」
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