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- 田中の伝説
- 日時: 2011/02/04 19:51
- 名前: Sword (ID: Ql6I3uXy)
はじめまして、Swordです!
田中の伝説は、物理学という学問を得意とする主人公、田中のぼうけんの物語です!
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- Re: 田中の伝説 ( No.4 )
- 日時: 2011/03/24 19:31
- 名前: Sword ◆W5Wvdlh1lI (ID: Ql6I3uXy)
第三話
田中は、もう、何がなんだか分からなくなっていた。自分がなにを考えているのか分からない。
正気を失っていた田中に気づいた父が、鉄の塊のようなものを持ってやってきた。
「何だ!うるせえぞ!!」
父の怒鳴り声で現実に引き戻された田中は、驚愕の光景を見た。
自 分 に 何 か を 振 り か ざ す 父 ?
振りかざされた鉄くずは、大の肩を中心に、半径が腕の長さの円を描き、円運動をして、田中の頭に直撃した。
地面に倒れた田中を、大は引きずるようにして車に連れて行き、車を出した。
車で流れるラジオでは、国の王が物理学を研究した者を罰する法律を出したというラジオが流れていた。大は呟いた。
「こんな意味不明な奴に捕まるんじゃねぇぞ…。」
そういうと、大は車を止めた。田中の手に物理学の本を3冊握らせて、一発殴って、車から降ろし、暗闇の中に寝かした。
「じゃあな…。いい父親ではなかったかもしれないが、お前のためにできるだけのことはやったぞ…。」
そう呟いて、大は一人、車に乗り込み、ラジオを消した。そして、王の宮殿へと向かった。
そのころ、宮殿では、王である佐藤が夜景を見ながら、本を読んでいた。すぐそばに時計を見ている執事の遠藤がいる。時計の短針が午後10時をさした時、下の階で、何かが割れる音がした。つづいて、刀と刀の触れ合う音、叫び声もした。それを聞いて、佐藤は
「来たな…。」
そういうと、遠藤は落ち着いた表情で
「お逃げになりますか?」
と問うた。
「その必要は無い。私はこの星の王だ。逃げるなんてことは、プライドが許さない。」
佐藤が言った。
下の階では、剣を持った大が、何人もの兵士と戦っていた。
「お前ら!こんなバカな王の下で働いて、恥ずかしくねぇのか!」
大が叫ぶと、後ろから
「逆に聞くが、このすばらしい王に逆らって恥ずかしくないのか?」
という声がして、そのあとで蹴飛ばされた。
吹っ飛んだ大は、咳き込んで、立ち上がって言った。
「いいか!物理学はなあ、お前らのいる世界を成り立たせてい…」
いい終わる前に、大を一つの銃弾が貫いた。その飛んできた方向には、佐藤がいた。そして、言った。
「言いたかったことも言えず、無駄死にか…。残念だ。」
それを聞いて、大は床に倒れこんだ。
田中は、それと同じ格好で、草の上に寝ていた。空には雷鳴が走り、雨が降っていた。
- Re: 田中の伝説 ( No.6 )
- 日時: 2011/04/08 19:13
- 名前: Sword ◆W5Wvdlh1lI (ID: Ql6I3uXy)
第四話
空に走っていた雷はすっかりどこかへ通り去り、空には雲ひとつなく、澄んだ月光が、スポットライトのように田中を照らしていた。
その光に、父を失った田中は目を覚ました。
「いて…」
大によって付けられた頭の傷が痛む。それでも田中は立ち上がった。すると、自分の手に3冊の本があることに気がついた。その本をしっかりと握り締め、田中は何を当てにすることもなく、歩き始めた。
ザッザッという田中の足音だけが、不気味な静寂をかもし出す森に響き渡る。そんないつ、何が現れるか分からない恐怖と戦いながら、田中は歩いた。すると、目の前に深い谷が現れた。それには、見るからに脆そうな橋が架かっていた。そして、それを渡ろうとする人間も一人、田中の目に入った。
「おーい!そこの人!何でこんな所にいるんだ〜?」
力の限り、田中は叫んだ。それに気づいた男は、こちらへ歩いてきた。
男は、目を細め、田中を見つめると、
「僕の名前は鈴木、君は?」
「俺は田中だ。それで、何をしている?」
「見ての通り、迷っているんだ…。君は…僕と同じかな?」
「ああ…まあ…そうだといえばそうかもしれないな…。」
さわやかに話しかけてくる鈴木に、そういう体験は初めてといっていい田中は、少々反応に戸惑った。
鈴木は、この森でもう何年もさまよっているらしい。食料は沢山で、家も、この森には豪華すぎる建築物の中に済んでいた。この家は、なぜか見つけたらしい。田中は鈴木と話して打ち解けた。
そして、何年もの月日が経った。
鈴木と田中は同級生で、本来なら小学校に通って6年目の歳だ。だが、2人はまだ森から抜けられていなかった。というよりも、抜けようとしなかった。
「だが…、この橋は、無理だろう。」
2人の前には一本の橋。これは、2人が始めてであった場所だ。ムコウには、未知の土地が広がっている。
「でも、谷がそんなに深くないかもしれないよ?」
「いやいや!見れば分かるだろ!!」
「ん?浅い??でも、正確な深さが知りたいな〜〜。あ〜あ。こんなときにそういうことが出来る魔法があればな〜〜。」
鈴木は、何に期待しているのか、田中の方をちらちらと見ながら言った。
「…。できるぞ。魔法なんてなくてもな。」
- Re: 田中の伝説 ( No.7 )
- 日時: 2011/04/08 19:35
- 名前: Sword ◆W5Wvdlh1lI (ID: Ql6I3uXy)
第五話
「…え?」
冗談半分で言った鈴木だった。この2人が一緒に過ごしてきた間、鈴木と田中はともに物理を学んでいた。田中は知識以外のところも取り入れていたが、それほど熱心でない鈴木は知識のみを取り入れていた。そんな鈴木に田中は、
「え?じゃない。いい加減、知識だけで固めるのは辞めたらどうだ。少し考えてみろ。方法だけ教えてやる。ここに石を落とす。」
「は?石??」
「ったく…。じゃあ、キーワードを教えてやろう。”音速”、”温度”、”自由落下”。」
「自由落下…。ああ!!分かった!!!」
「ドンだけ時間かけてんだ。」
「つまり、石をここから落として、音が聴こえるまでにかかった時間を計測し、自由落下の式、h=1/2(gt^2)に当てはめるんだな!!」
鈴木は言い切った感を残し、優越感の中、田中を見た。そこには、やや不満そうな田中の顔があった。
(はは〜〜ん。こいつ、俺が出来たから悔しいんだな。自分は実は分かってなかったんだ〜〜!へへ〜〜〜)
という鈴木の考えを読んで、田中は心の中で想った。
(どうせ、俺が悔しがってるとでも思ってんだろ。俺が実は分かってなかったと。だいたい、本当に分かってなかったとしたら、どうやってキーワード出したんだ。)
そう。田中は、本当に分かっていたのだ。だが、鈴木の考えにはまだ補わないといけない部分があった。
「…あ。」
「何だ鈴木!どうした鈴木!!!」
「…キーワードの…音速と温度って何?」
しばし、沈黙が続いた。だが、田中がそれを切った。
「…やっぱり…わかってなかったぁーーーー!!!」
「なんなんだよ!」
「考えてみろ。音が聴こえたまでの時間を計測するんだろ。だったら、音がこっちに戻ってくるまでの時間を引かないといけない。だから、それを知るためにはこの地点の音速を知らないといけないから、ν=0.6T+331に当てはめる。でも、まあ、もう331も省略してるから分かるだろうが、今回は大体でいい。だから、これを概数にして、ν≒0.5T+331にする。で、これを計算するために温度がいるだろ。これで分かったか。」
「…さすが。」
「…お前も、さすがバカだな。」
「…」
こうして、実験を始めた。
「ここは何度だ?鈴木。」
「え〜〜っと…98℃。」
「バカ!俺たち死ぬだろ!」
「あ〜〜っと、じゃあ108℃。」
「…見せろ。」
温度計が差していた温度は23℃だった。何処をどう間違えたのか。
「じゃあ、ちょっと黙っておけ。」
田中は式を統合することを試みた。
- Re: 田中の伝説 ( No.8 )
- 日時: 2011/04/09 19:17
- 名前: Sword ◆W5Wvdlh1lI (ID: Ql6I3uXy)
第五話
田中は、そのすばらしい能力で、谷の深さを測定した。
その高さ、なんと100m以上。
そんな谷の前で、ただ自分達の出した答えを疑う田中がいた。
だが、その高さは紛れもない、事実。疑う余地はなかった。
「いやーーーっはっはっは!さーて。わたるかね。」
鈴木が揺れる橋に足を踏み出した。するとすかさず、橋がギシッという叫び声を上げる。
「みゅぬぇ?」
「“みゅぬぇ?”じゃないぞ。100m以上あるんだ。落ちたら即死だぞ。」
「…でもさ、そうやって失敗を恐れてたら、前に進めないじゃん!」
鈴木が言い放ったその言葉は、森の中を駆け回った。周りの木々を振るわせた。
だが、田中は動じなかった。
「…。そんな甘い考えじゃあ、駄目なんだよ。いいか、この橋の長さは、大体…10mくらいか。だから、勝負は、中心のあたり、まあ始まって4m行った所から終わりから4m位の2mが、最も危険だろ。分かるな。」
田中は、鈴木にいつもと変わらぬ口調で言った。すると、
「分かるよ。要するに、こう…なに。いいたとえがない。」
「長い張った糸のの端っこを押すよりも、同じ力で真ん中を押したほうがよく曲がる…ってとこか。」
「ナイス。」
「で、本題に戻すが、この橋の真ん中らへんは、どうなってるよ。」
「片方の糸が切れて、ぼろぼろだな。」
「危険だろ。」
「だな。」
田中は、巧みに鈴木を落とした。それとも、鈴木がただ単純なだけなのか。
とにかく、2人は家に戻った。そして、夜が深まり、いつもどおり、眠りについた。
だが、何故か寝付けない鈴木は、テレビをつけた。
一応電波が入るこの場所は、テレビを見ることはできた。画質も大して悪いわけではない。
しかし、今日は、何かがおかしい。
- Re: 田中の伝説 ( No.9 )
- 日時: 2011/04/27 20:51
- 名前: oh ◆sUOXLav4ic (ID: 8wE7D433)
続き書いて。
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