ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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黒き人柱であるために
日時: 2011/03/12 22:56
名前: レイビ ◆jopz/fjbXg (ID: kK7tFRHj)

どうもっ!
始めましてのレイビです。

今回シリアス・ダークで小説書かせて頂こうと思います。
応援のほどよろしくお願いします!


ж注意ж

・亀更新! 沼更新←(?)

・横書き苦手

・荒らし/中傷はおやめください。


コメントもらえれば大フィーバーです。

が!

どうもこの物語、ものすごっく反応しづらいといいますか、コメントしづらいと言いますか・・・。

本人も分かっておりますので足跡だけのこして行ってもらっても大フィーバーします。

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Re: 黒き人柱であるために ( No.3 )
日時: 2011/02/25 19:28
名前: レイビ ◆jopz/fjbXg (ID: kK7tFRHj)

わーーーーーー!!(大フィーバー&ベタフラ

まいどどうもです!!
が・・・・ん・・ばり・・・・・・ますです(汗

Re: 黒き人柱であるために ( No.4 )
日時: 2011/02/26 19:12
名前: レイビ ◆jopz/fjbXg (ID: kK7tFRHj)

その村に、たまたま勇者が二人存在した。

本来、そこに存在してはいけなかったのだが・・・・二人は無二の友人になってしまった。




小鳥が歌を奏でる木の下で、一人の端正な顔立ちをした少年は本を読んでいた。

つい最近、この村にやってきたのだ。

犯罪者であったこの少年の父は、運が悪く捕まってしまい、逮捕した警官のような役割を果たす業務についていた30代半ばの優しい人が引き取ってくれたのだ。

ボールが空中を舞い、本を読んでいた少年の頭に落ちた。


「いってててて・・・・・」

「ごめん!!そのボールとってくれるか?」


自分の横に落ちていたボールをつかむと、いい具合に日焼けした少年に投げ返した。
・・・・・・・・・・・つもりだったのだが、ボールはその少年にとどく前に地面にへと落下した。


「あっ!!」

「・・・・ははは!!腕力ないな〜お前!そんな本ばっか読んでるからだ。こっち来て一緒に遊べよ!」


そういって手をさしだされた。
そんなこと初めてで、とてつもない喜びに身をまかせ、その手をとったんだ。







「泣いてるの?セネル」

雨の降る外で、静かに過去を思い出していた。
そんな気がした。


「どうしてそう思う?」

「だって、雨にしてはずいぶんと暖かそうだったから」

「はは・・・そんなわけないだろ?
この俺に限って、涙?

そんなもの、とっくの昔に捨てた」


「・・・・・・そうだったわね、ごめんなさい。
あなたは涙なんて、そんな暖かいもの持ってなかったわね」


悲しそうに俯く同い年の友人。
僕がこちらの世界に連れてきてしまった。
この子は、明るい世界に残ってる方が断然よかったのに、ついて来てしまった。


「あなたについて行くって決めたのは私自身・・・・」
                 「分かってる」
                 「分かってない」
                 「分かってる!」
                 「分かってない」

「分かってる!!!!!!」

叫んだわりには自分はなんと情けない顔をしているんだろう。
自分でも分かる、悲しみを表した表情を、今時分はしている。

けっして見られたくない・・・。
とくにアネルには。


「今日は雨だ・・・」

「そうね」




「村を・・・・・焼きに行く」

今日が雨でよかった。
また僕は、涙をたくさん流してしまうから。











「あいつは〜・・・・いい奴だよ」

仲間に囲まれ、古き無二の友人についてとっちめられていたのは、勇者になってしまった者。

「今だっていい奴だ。あいつがこんなことするはずない!」


Re: 黒き人柱であるために ( No.5 )
日時: 2011/02/26 00:58
名前: レイビ ◆jopz/fjbXg (ID: kK7tFRHj)

勇者は信じていた。
あの黒き友人を・・・・・。

そして、その黒き友人も、勇者を信じていた。




ごぅごうと唸るような音をたてながら、火は村一つを丸呑みにしていた。雨は降り続け、沢山の涙が地面をぬらした。

セネルはその燃え立つ村の中心部にいた。
村に住んでいたものだろうか。それが、自分の足にまとわりつき、消えかけた命で抗おうとしている。
その体を蹴飛ばし火の渦にへと放り込む。


あぁ、また僕は、たくさんの人々を殺めてしまった。
火なんて存在しなければ良かったのに。一生雨が降り続け、闇で光を飲み込んでくれれば、死ぬ人なんていなかっただろう。
僕という存在を、誰かが殺していてくれていたのなら・・・・

黒く分厚い雲が、雨をまだまだ降らし続けている。
その天に向かって、僕は大きく口をあけ、高笑いをした。


笑わなくちゃ・・・・・笑わなくちゃ・・・・



「アハハハハッハハハハハハハ・・・・ハハハ・・ハハ・・・・・ハ」


腕を力なくだらりと垂らすとまるで魂のなくなったかのように雲を見つめる。

どうやら神は、心までも、平和のために差し出せと言っているらしい。



「帰るぞ。アネル」


そうポツリと呟き巨大な黒龍の背に飛び乗る。
アネルの手をつかみ引き上げると、黒龍はその場を飛び立った。


まるで用意されたかのような黒い城。
そこで今日も夜をすごす。もうあの、小鳥のさえずるあの場所には戻れない。





「セネル・・・。泣かないで・・・」
             「アネル!!」


誤解するなと叱りつけようとしたが、もう限界だった。


「頼む・・・・今日だけだから・・・・今日だけ、泣かせてくれないか・・・・?」


弱弱しく今にも消えてしまいそうな声で呟く。
アネルは仕方がないなと言った風に、昔の困ったように笑う癖をそのままに微笑み、手を広げた。
吸い込まれるようにしてその腕の中に潜りこみ声がでないよう必死に歯を食いしばりながら・・・・・


「ごめんなさい・・・・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい」


それでももれるその言葉は、空に上った人々へ。





涙は三日間流れ続けた。


Re: 黒き人柱であるために ( No.6 )
日時: 2011/02/26 19:37
名前: レイビ ◆jopz/fjbXg (ID: kK7tFRHj)

「なんて・・・・・・ひどい」

もともと村であったであろう場所は、一面真っ黒な炭になっていた。
勇者ラントは、目を覆いたくなるような光景をしかと見つめていた・・・。


「この炭も、もともとは人かもしれないんだよな」

そういって、五人ばかり集まった仲間達とともに雨にうたれながら炭をすべて集め、村の中心であったであろう場所に埋めた。












「あいつら、仲間をそうとう集めてるぜ?」

ただでさえ重そうなロングコートの下に、沢山の瓶をしのばせた体つきのいい青年ニトは、そうセネルに向かって呟いた。


「俺らは最初のときの三人のまま。セネル、この人数じゃ確実に俺らが負けちまう」

「・・・・・・ニト、分かってくれ。俺は死ぬ為に今、ここに存在してるんだ」
 「やめろよ!!」



「そういうこと言うのやめろ!!お前は何も悪くない!どうせ殺されなきゃいけない運命だったとしても、何でお前は心まで壊そうとしてるんだ!?何で少しの希望も持とうとしないんだ?

それとも・・・ラントのこと、少しくらい信じろよ!!あいつは絶対お前のことを殺したりなんか・・・!!!」


アネルに肩をつかまれ、一瞬シュンとした犬のような表情になる。


「悔しいのは分かってる、私も同じ。セネルは死ななくても良かったの。いいの。
でも、これはセネルの意思」

「奴らは・・・ラントは必ず俺を殺す。俺はそう信じてる。じゃないと・・・




平和なんてものは訪れない」

















ラントと遊ぶようになり始めても、本を読むことをやめなかった。
図書館で知り合ったのが、アネルとニトにであった。

二人とも本の虫で、学校のない村では、毎日そこに通っていた。


「セネル!夜遅いのにまた来たの?」
       
「お互い様だろ?アネル」

「遅かったじゃん!今日もラント達と遊んだ後に来たのか?ご苦労なこったな〜」



本を手に取り、苦笑しながら椅子に座る。
古い図書館ではあるが、本の数は街にも劣らないだろう。研究室も一緒となったここは、アネルの父が運営していた。


「今日研究してすっげ〜もん作ったんだぜ?見ろよ」


ニトが瓶から液体を取り出し、持ってきていた鉄にかけると、泡をだしながら鉄は溶けてなくなった。
ちなみに机も汚れた。

「ちょっとニト!机まで焦げちゃったじゃない!!」

「すっげぇだろ!?」

「すごいけど。きっとそれ危ないぞ?」


研究好きのニトのテンションは最高潮にまで達していた。



僕の記憶の中では、暖かい笑い声が、遠くの方で聞こえていた。






Re: 黒き人柱であるために ( No.7 )
日時: 2011/03/12 22:53
名前: レイビ ◆jopz/fjbXg (ID: kK7tFRHj)


今日の買出し係はニト。

悪魔と言われる青年たちも、ふたを開ければ人である。
多くの人々が存在を知っているだけで顔を知らないのが幸いし、平和に村に買出しにいけるわけである。

自分以外にも多くの悪行高き者たちが、セネルのために誰も頼んでいないのに頑張っている。
そういう者たちの始末係がニトなのだ。


セネルいわく、自分以外に罪を犯している人は、自分より深い地獄に落ちない為に殺しておく。

ということらしい。



「あーおばちゃん、ありがとね、毎日毎日新鮮なお魚もらちゃってさ」

いいんだよと笑うこの人を、いつかは殺すのだ。


思いふけっていると、いつもどおりに掲示板の前で足が止まる。
ウォンテッドと書かれた紙には、
多くの指名手配犯の顔写真が写っていた。

そのうちの一枚を掲示板からひっぺがえす。

凶悪な笑顔で写された盗賊団のリーダー。




今日あなたを・・・・・殺しに行きます。















「うぎゃあああああぁぁぁがががぁ!!!!!」


ぶくぶくとその叫び声は泡に変わり崩れ去る。
肉体は溶け、骨だけが残っていた。

持っていた空になった試験管を地面に落とす
残った骨すら踏みつけ、静かに笑う。


「本当は、骨まで溶かしてやりたいんだけど、
 他の愚かな奴らの見せしめのためだ、残しといてやんよ」


周りにはいくつもの頭蓋骨と
元は肉体であったであろう液体が広がっていた。




「どうして・・・悲しみは悲しみをうむ。
苦しみは苦しみをうむ。なのに・・・・・

世界は一人の人柱を必要としなければ・・平和になれないんだ」


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