ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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何でも屋 —オリキャラ募集中—
日時: 2011/02/19 17:46
名前: メルー ◆JwfPipxP2. (ID: hH8V8uWJ)

はじめまして & お久しぶり
未だに完結した小説が無いメルーです。

少し前まで違う話を書いていましたが、立て直したい話があったのでまた新たに書き始めたいと思います。

よろしくお願いします。   執筆開始 2011・2/13

◇御注意◇

・衝動的ですので何時まで続くかが分かりません。
・面白い保障は欠片もありません。
・更新遅いです。
・荒し等の迷惑行為は歓迎しません。
・下手なのでアドバイス、コメントは大歓迎です。
・この話は以前自分が違う名前で書いていた話の立て直しです
・一話一話は比較的短いです

×御目次×

Chapter0 【説明】 
Episode1 >>1

Chapter1 【母親】
Episode1 >>4 Episode2 >>5 Episode3 >>6
Episode4 >>7 Episode5 >>8 Episode6 >>9
Episode7 >>10 Episode8 >>13  終

○御客様○

・聖也 様

△御報告△

オリキャラ募集してます

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Chapter1 【母親】 Episode5 ( No.8 )
日時: 2011/02/15 19:28
名前: メルー ◆f2oDWArF9w (ID: 0giHCmeh)

 —— 駅 ——

         夜遅く

一人の男がいる。
見た目は40代ぐらい。名前は孝三[こうぞう]。
孝太の父親だった人で、他に女を作り妻を捨てた人。

今からこの男には


      —— 怨みの裁きがくだる ——


孝三は酒によっている。先程まで居酒屋で盛り上がっていたのだ。
千鳥足でフラフラしながら電車を待っている。

そんな孝三の後ろには少女の姿がある。

孝三は気付いていない。
少女の存在だけでなく、これから少女に裁かれる事も。


「ねぇ、おじさん。」

少女が話しかけた。

「ん?私の事かい?」

孝三は少女の存在に驚きながらも笑顔で応じる。
酒がまだ体にまわっていて機嫌が良いのだ。

「そう。貴方の事。」

「そうか私の事か。くくく…」

孝三は意味も無く笑う。

「で、お嬢さんはこの私に何の用かな?」

「……貴方に伝言があるの。」

「伝言?」

「……そう。伝言。」

「誰からか分かるかい?」

「……貴方の……息子から。」

孝三の表情が一変する。酔いも醒めたようだ。

「私に息子……子供はいない。」

「いいえ。正真正銘貴方の 息子 から。」

少女は息子という所を強めた。

「黙れ!私がいないと言ったらいないんだ!」

「貴方が否定してもあの子の存在は消せない。」

「黙れと言っているんだ!!」

孝三はとうとう切れて、少女に掴みかかったが、


 —— ど…て? ——


孝三は動きを止めて、周りを見渡す。
気のせいか声が聞こえた気がしたのだ。

本来なら聞こえてはならない声が。

だが、いくら周りを見ても自分と少女以外に誰もいない。
孝三は安心して少女に向き直る。

「どうして?」

そこに少女の姿は無かった。

あったのは孝太の母親でもあり、自分が見捨てた妻の姿だった。

Chapter1 【母親】 Episode6 ( No.9 )
日時: 2011/02/18 11:39
名前: メルー ◆f2oDWArF9w (ID: hH8V8uWJ)

さっきまで目の前にいたのは少女だった。
だが、今目の前にいるのは自分の妻だった女。

それもすでに死んだはずの。

「どうして?私を捨てたの?」

死んだはずなのに目の前にいる。
死んだはずなのに話しかけてくる。

孝三はパニックになった。

「な…何故お前がここに?し、死んだんじゃなかったのか?」

「……私は死んだわ。……いいえ。殺されたのよ。」

「殺された?お前は自殺したはず……」

「貴方が私を捨てるから。貴方に殺されたようなものよ。」

「……私の知った事ではない。お前が勝手に死んだんだ。」

「……確かに原因が貴方にあっても自殺には変わらない。だけど、そんな事はどうでもいいのよ。」

「なら、何故私の目の前にいる?」

「……我慢出来ないのよ。貴方の幸せが。貴方の笑顔が。

             貴方が生きている事が!」

「そ、そんな事死んだお前には関係ないだろう!早く消えろ!」

「……だから私は決めた。」

女が一歩近づくと、孝三は二歩遠ざかる。

「な、何を決めたんだ?」

孝三が女との距離を保ちながら聞く。声は若干震えている。

「我慢出来ないから……貴方を……殺すことにした。」

女が近づく速さを上げると、孝三は全力で逃げた。
気付けば駅だった場所も、何も無いただの暗い空間に変わっている。

「貴方は逃げられない。私から逃げられない。」

孝三は全力で走っていたが、女との距離は開かない。

「諦めなさい。そして……死になさい。」

後ろから聞こえる声がだんだん大きくなっていく。
気になった孝三が後ろを振り向くと、すぐ後ろに女がいる。
そして、こっちに手を伸ばしていた。

 — 捕まったら死ぬ— 孝三はそう思って必死になる。


が運が無い。

孝三は躓いて倒る。
女はそんな孝三の真横に来て言う。

「鬼ごっこは終わり。」


そのまま孝三に抱きつこうとする。
反射的に孝三は目を閉じて叫ぶ。




が何も起きない。どれだけ待っても何も起きない。
孝三はビクビクしながらもゆっくりと目を開ける。



何も無かった。
目の前にはさっきまでいたはずの妻はいなかった。場所も駅に戻っている。

「…何だったんだ?……そうか。夢だったんだ。」

孝三はその場で大きく笑う。

「そうだよな。死んだ人が目の前に現れるわけないよな。今までのは酔っていたせいだな。」

また大きく笑う孝三。

だが、すぐにある事に気付き顔を青くさせる。




次の瞬間

       孝三は血と肉片へと変わった。




一部始終を見ていた少女はさっきまで孝三だったモノに言う。

「……伝言は『死ね』。」

言い終わるとすぐに少女の姿は消えた。

Chapter1 【母親】 Episode7 ( No.10 )
日時: 2011/02/19 00:30
名前: メルー ◆f2oDWArF9w (ID: hH8V8uWJ)

次の日の朝。

ニュースと新聞で孝三の死は知らされた。
どちらも間違って線路の上に落ちた事故死という事で片付けている。

孝太は朝食を食べながら見ていたニュース番組で知った。

ニュース番組ではそう言っているが孝太は分かっている。

父さんは事故死なんかじゃない。
あの何でも屋さんが本当に殺してくれたんだ。
だけど、その何でも屋さんに頼んだのは他でもない僕。

つまりは僕が殺したようなもの。自分の父さんを。

孝太の心中は何だかスッキリしない。
殺したい程憎んでいた人が実際に死んだのに。

何故だろう?
自分が殺したという罪悪感?
それとも自分の父さんだから?

言葉で説明出来ない感情が孝太の中で渦巻いている時、


「……依頼は解決した。」


「え?」

少女は孝太の後ろに再び現れた。

「あ、うん。今テレビで知ったよ。……ありがとう。」

「……感謝の言葉はいらない。私は解決料を貰いに来ただけ。」

「……分かったよ。でも、解決料って何?お金?」

「……いいえ。お金なんかじゃない。解決料は貴方の『宝物』。」

「僕の『宝物』?何を払えば良いのか分からないよ。」

「……もう決まっている。」

「?」

少女が孝太との距離を詰める。お互いの息がかかるぐらいの距離。
孝太は自然と距離を開けようとしたが、体が動かない。

「……私が貴方から貰うのは記憶。」

「記憶……?」

「……そう。それも母親と過ごした記憶。」

「え?じゃあ……」

「……貴方は母親に関する事の全てを忘れるでしょうね。顔も。優しさも。温もりも。」

「だ、駄目だよ。それは渡せない。母さんだけは渡せない。」

「……それが貴方の『宝物』である限り私はそれを貰う権利がある。」

「駄目!母さんとの思い出は僕の物!誰にも渡しはしない!」

「……眠りなさい。」

少女がそう言うと、孝太の目がゆっくりと閉じてゆく。

今眠ればもう取り戻せない。母親との記憶は奪われてゆく。

孝太は必死に抗った。


だが無駄だった。孝太は眠ってしまった。

「……」

少女は無言で、眠っている孝太の頭に右手を置く。
しばらくすると孝太の頭から手を離す。

離した右手には水晶のような珠が握られている。

透き通る様な綺麗な珠。

中には幼き日の孝太と母親が笑顔で映っている。
おそらくは孝太にとって最も大切な瞬間であり、『宝物』であったのだろう。

少女はしばらくその珠を眺めてから呟いた。

「思い出は大切なモノ。失ったら二度と巡り合う事の無いモノ。……砕けろ。」

少女の最後の言葉と同時に珠には亀裂が入り、すぐに砕ける。
破片は落ちながら跡形も無く消えていく。


「……怨み晴らされました。」

そして、少女もまた跡形も無くその場から消え去った。

Re: 何でも屋 ( No.11 )
日時: 2011/02/18 15:39
名前: 聖也 (ID: hsrPOuX9)

何でも屋おそるべし・・・
あなたの文才おそるべし・・・

更新がんばってください。

Re: 何でも屋 ( No.12 )
日時: 2011/02/19 00:34
名前: メルー (ID: hH8V8uWJ)

聖也さん

何でも屋の凄さが自分の駄文で伝わったのなら嬉しいです。

応援ありがとうございます!


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