ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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僕等は非日常に恋をする act.05更新
日時: 2011/03/14 11:52
名前: 千臥 ◆g3Ntw.kZAQ (ID: QiHeJRe.)

Click Thanks!!

シリアス・ダークお初の千臥(チカ)と申します。
ではまず、幾つかの事前通告を↓

■Advance Notice...
・荒らし目的の方は今すぐUターン。
・題名、内容が似ているなどの苦情は受け付け、善処いたしますが
 題名、内容を変えてくれなどという要望は受け付けられません。
・本体同士の喧嘩はお控えください。
・また、流血表現などが苦手な方は閲覧を極力お控えください。

以上です。
上記を読み「自分は大丈夫!!」という方は先にお進みください。
とてつもない駄作となりますが、楽しんでいただけたら光栄です^^

■Contents...

Prologue  >>01

act.01  >>02  【始まりは僕等の好奇心から[ⅰ]】
act.02  >>04  【始まりは僕等の好奇心から[ⅱ]】
act.03  >>05  【紅き花の想いとは[ⅰ]】
act.04  >>06  【紅き花の想いとは[ⅱ]】
act.05  >>09  【紅き花の想いとは[ⅲ]】

■Reader...

RYUKI様・風様

■News...
東日本大震災  >>10

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Re: 僕等は非日常に恋をする act.03更新 ( No.6 )
日時: 2011/03/14 09:23
名前: 千臥 ◆g3Ntw.kZAQ (ID: QiHeJRe.)

act.04 【紅き花の想いとは[ⅱ]】

少し走った先にある曲がり角。
その曲がり角で伊月は足を止めた。
正しくは、止めざるを得なかった。
「伊月? どうした……」
追いついた千歳は伊月の視線を辿る。
「なっ……!?」

足元まで迫る赤い液体。
鼻の奥を突く、鉄臭さ。

足元に転がるソレは、もはや人としての形を保っていなかった。
人間ではなく、モノとなって転がるのは恐らく先程悲鳴を上げた少女。
酷い吐き気が二人を襲った。
「なん、だよ……これ……」
千歳はソレから目を離すことが出来なかった。
「……切り裂き魔だ。千歳、これは……切り裂き魔の仕業だよ」
伊月は震える指で少し先の地面を指す。
そこにあるのは血で書かれた十文字。

紅 い 花 を 咲 か せ ま しょ う

「まさか……。都市伝説が、実在するなんて……」
「千歳、早く……警察呼ぼう」

しばらくしてやってきた警察の人達。
死体を見慣れているだろう人達でも顔を歪ませる。
「人間の出来る事じゃない……」
一人の警官が呟いたその一言に頷くしかなかった。
第一発見者である二人は幾つかの質問に答え、その後家へと送り届けられた。
千歳達が疑われることはなかった。
二人は凶器になるような物を持ってはいなかったし、なによりあの虐殺を高校生が行えるとは思わなかったからだ。
千歳は制服を脱ぎ捨て、ベッドに沈んだ。
早く、早くあの光景を忘れ去りたかった。
鼻に染み付いた鉄臭さを消し去りたかった。
眠りについてしまおうと瞳を閉じても、浮かんでくる赤。
「あんなのが、現実にあって良いわけがない……」
強く掴んだシーツに幾つかの皺が残った。

   *

『昨日、○○区で起こった殺害事件についてですが——』

昨日のあの事件は朝のニュースで既に伝えられていた。
画面に映る現場は青いシートで覆われている。
朝食を口に運んだその時、あの光景が脳裏に浮かび、思わず口元を押さえた。
「っ!!」
吐き気に襲われ急いでトイレへと向う。
「千歳!?」
母親の焦る声すら耳に入らなかった。
「う……っ、はぁ……」
吐き出してしまうことはなかったが、気持ち悪さが消えることもなかった。
頭に染み付いてしまったあの光景が、
あの臭いが、
自分を支配して吐き気を促す。
「はぁ……。俺って、案外精神面弱かったのか?」
崩れるように座り込み、頭を抱えた。
どんなに忘れようとしても忘れさせてくれない。
伊月も……同じ思いをしているのだろうか……。
しばらくしてトイレから出た千歳を、母親である内海は心配そうに見つめた。
「どうしたの、千歳?」
「いや、急に気持ち悪くなっちゃってさ。別に大丈夫だから」
そう言って朝食を残したまま、家を出た。

「なんで俺が……こんな目に合わなきゃならねぇんだよ……」

呟いた声を聞いたのは、木に止まった小鳥一羽だけ。



紅 き 花 の 想 い と は
(俺はただ平凡で普通な毎日があればそれだけでいいのに)








Re: 僕等は非日常に恋をする act.04更新 ( No.7 )
日時: 2011/02/27 16:29
名前: RYUKI ◆DsY2NV9mak (ID: 1lVsdfsX)

更新されてるwww

あぁ、やばいぃぃぃ(>Д<;)

読んでいてドキドキしますねぇ☆

Re: 僕等は非日常に恋をする act.04更新 ( No.8 )
日時: 2011/02/28 16:40
名前: 風(元:秋空  ◆jU80AwU6/. (ID: KjzdqHYY)

初めまして,風と申します。
雰囲気の作り方が本当に上手ですね…
日常に冷めた千歳が運命とでも言える様な都市伝説の世界に入り込んでいく様がアリアリと見えます♪
描写が丁寧で素晴らしいです!

Re: 僕等は非日常に恋をする act.04更新 ( No.9 )
日時: 2011/03/14 09:26
名前: 千臥 ◆g3Ntw.kZAQ (ID: QiHeJRe.)

act.05 【紅き花の想いとは[ⅲ]】

「あれ聞いた? あの残虐事件の話。ヤバイよねー……」
「うんうん。人の原型留めてなかったって。てか、切り裂き魔の仕業だって噂されてるよね」

千歳の通う高校でも昨日起こった事件の話で持ちきりだった。
既に“切り裂き魔”の仕業としても噂されている。
「ねぇねぇ!! 千歳も知ってるでしょ? あの事件の噂」
「あぁ……」
「酷いよねー。てか怖くない!? あの事件現場、千歳の家の近くでしょ?」
クラスメートとのそんな会話も昨日の記憶を蘇らせる原因としかならない。
消えない赤が再び千歳を襲った。
「っ……悪い。授業休むって言っといてくれ」
「えっ、千歳!? ちょっと、どうしたの!?」
自分を引き止める声も無視して千歳は教室を後にした。

   *

「……はぁ。早く忘れて調子戻さねぇと。あれは俺に関係ないんだ……」
屋上の扉を開け、外へ出れば冷たい風が髪を揺らした。
気分を紛らわすために此処へ来たのは正解だった。
「そういえば、伊月の奴今日見てないな……」
休みかもしれない。
あんなものを見てしまえば気分が滅入っても仕方がないだろう。
「見舞いでも、いくか……」

そんなことを考えているうちに、どうやら眠りについてしまっていたようだ。
気付いた時には空は茜色に染まっていた。
「うわ……。一日サボっちまったのかよ」
風に当たっていたおかげか、
ゆっくりと眠れたおかげか、
頭の中は少しながらクリアになっていた。
屋上の階段を駆け下り、教師に見つからないよう学校を後にした。
あの惨劇のあった場所を通って帰る気もしないため、少々遠回りにはなるが大通りを選んで伊月の家へと足を進める。

言葉を交わしながら歩く少女達、
帰路を急ぐサラリーマン、
絶え間なく走る車達。

こうしていれば、あの日の出来事なんてなかったように感じる。
「犯人は捕まらず、手がかりすらも薄い。あれだけ堂々とした犯行なのにな」
犯人が捕まらないのは、その犯人が存在すらも確かでない“都市伝説”だからか。
伊月の家へ着いた頃には、茜色の空は薄暗くなりつつあった。
インターホンを押せば、しばらくしてから彼の母親の声が聞こえてきた。
『どちら様?』
「千歳です。久我千歳」
小走りの足音に続いて、玄関の戸が開けられた。
「千歳君!! 伊月に会いに来てくれたのかしら?」
「あ、はい。アイツ……大丈夫ですか?」
そう尋ねれば、母親の南は表情を曇らせた。
「なんか、気分が優れないって言って……部屋から出てこないのよ」
そして南は心配そうに伊月の部屋の戸を叩いた。
「伊月? 千歳君、来てくれたわよ」
中から小さな物音が聞こえると、控えめな声で「入って」と。
南は少しホッとしたように微笑んで、リビングへと戻っていった。
部屋の中は薄暗く、どうやらカーテンも開けられていないようだ。
伊月の精神状態が悪いことは、手に取るように分かった。
「大丈夫かよ、お前」
そう聞けば、いつもは見せないような薄い笑顔とどう聞いても大丈夫には思えない声が返ってきた。
「千歳も具合良くないんだろ? 顔色、最悪」
「お前に言われたくねぇよ。衰弱しきってんじゃねぇか」
少し笑った伊月に安堵の溜息を零した。



紅 き 花 の 想 い と は
(主人公気質の友人は弱り気味。これも全て“あれ”のせい)


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RYUKI様
ありがとうございます!!
コメント、すごく励みになってます^^

風様
なんて嬉しいお言葉!! 自分にはもったいなさ過ぎるッ…
描写が丁寧だとぉ!? そんなことないッスよ!!
ホントありがとうございます^^

Re: 僕等は非日常に恋をする act.04更新 ( No.10 )
日時: 2011/03/14 09:39
名前: 千臥 ◆g3Ntw.kZAQ (ID: QiHeJRe.)

どうも、千臥です。
地震の影響でネットの調子が…;;
皆さん無事でしょうか?

取り敢えず、act.05を再更新させていただきました。

自分自身は福島在住ですが、震度6とか初体験でした;;
宮城、岩手、その他の県の皆様の無事をお祈りしております。
同時に被災し亡くなってしまった方々のご冥福をお祈りいたします。


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