ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 蛻の僕。
- 日時: 2011/03/05 15:13
- 名前: 藍零 ◆veyMdjA2J6 (ID: k5KQofO8)
初めましてですよね、こんにちは藍零と申しますb
前に別のPNで小説を書いていたこともあるのですが、前のPNを言うつもりはないです←なら言うな
それでは、注意を。
・駄文
・駄作
・更新遅い
以上のことが許せない方はブラウザバックを推奨します。
同様に
・荒らしに来ました
・中傷しに来ました
という方もお帰りください。
あてはまらない方は、どうぞ宜しくお願い致します。
▽目次▽
>>01 0頁目:主人公の自己紹介
side‐僕
>>02 1頁目:感情
side‐僕
>>03 2頁目:暖かいとか冷たいとか
side‐僕
>>04 3頁目:友人?っていうのかな
side‐僕
>>05 4頁目:変態っていったらあいつだけ。
side‐僕
>>06 5頁目:無
side‐ケイ
>>07 6頁目:遊び
side‐ルナ
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- Re: 蛻の僕。 ( No.3 )
- 日時: 2011/03/02 15:47
- 名前: 藍零 ◆veyMdjA2J6 (ID: k5KQofO8)
2頁目:暖かいとか冷たいとか
窓に映る自分を見つめる。
別に意味はないけれど。
「あーちゃんどーしたのー?」
ルーが僕にしだれかかる。
軽いな。
僕と同じ年のはずなんだけど。
「別に何にも」
僕は無表情のまま、窓の向こうを見つめる。
橙色の光がともる家。
人はあれを「暖かい家庭」と呼ぶのだろうか。
「ルー」
僕は、僕の膝の上に乗る友人に声をかける。
彼女は「ん?」と微笑みながらこちらを向く。
「あれが『暖かい家庭』?」
僕がその家を指さして問いかけると、ルーはおかしそうに笑った。
「うん、そうなのかもね」
僕は彼女の曖昧な回答に、そう、とつぶやいた。
彼女はそんな僕の反応がつまらなかったのか、膝の上でごろごろと寝転がり始めた。
痛いんだけど。
「痛いよルー…」
聞こえてないな。
僕はルーを膝の上から退かすことを諦め、一つため息を吐く。
もう一回窓を見つめると、窓には結露が出来ていた。
結露が出来るってことは、きっと外は寒いんだろうね。
僕はふとそんなことを思う。
部屋は暖房をつけているから、すごく暖かい。
快適な部屋。
でも、一言も会話がない。
それがどうとか、僕は思わないけど、人はきっと「冷たい部屋」と呼ぶんだろう。
冷たくても、暖かくても、どうでもいいよ。
部屋は住む場所。
それ以上でもそれ以下でもないし。
きっと僕は、5年以上暮らしているこの部屋が崩れようとも、別な部屋が見つかればいいのだろう。
部屋なんてそんなもの。
住めればいい。
便利なところがいいけどね。
- Re: 蛻の僕。 ( No.4 )
- 日時: 2011/03/02 21:37
- 名前: 藍零 ◆veyMdjA2J6 (ID: k5KQofO8)
3頁目:友人?っていうのかな
「ルー…そろそろ痛いよ…」
僕がそういってルーを膝から退かそうとした瞬間、家のインターホンが鳴った。
「よぉ〜!久しぶりだなあー!」
「…ケイ」
僕はすぐに名前が出てこなくて、少し間を開けて名前を呼ぶ。
ケイはそれに目ざとく気づくとかみついてきた。
「酷ぇ!俺の名前一瞬忘れただろ!」
しょうがないだろ。
僕はふいっとケイから顔をそらす。
ケイはぶつぶつと呟いていたが、ケイはさっぱりしている奴だから三秒もしたら忘れるだろ。
「ケー!遊ぼ?」
僕の膝の上にいたルーが、ケイの元へ走り寄る。
ケーは驚いて目を見開いた。
「お前があー以外と遊ぶなんて珍しいな」
ま、確かにルーは僕と遊びたがるけどね。
僕は面倒でいつも遊んであげない。
だってルーの遊びは殺し合いじゃないか。
「僕様強くなったんだよー!」
僕様っていうのはルーの一人称だ。
女の子なのに僕っていうのもおかしいし、様をつけるのもおかしいってケイは言う。
「俺だってつぇーぞ?」
ケイは嬉しそうな笑みを浮かべていた。
「ケイは強いんじゃなくて幸運体質なの!幸運なだけ!」
ルーが怒ったように反論すると、ケイは意地の悪い笑みを浮かべて「運も実力!」と笑った。
ケイは幸運体質。
便利なものだよね、「幸運」って。
幸運体質っていうのは、そのまんま。
幸運なんだ。
たとえばそこで殺し合いが起きたとする。
でも幸運体質のケイは無傷で帰って来る。
自分がその場で殺し合いをしていたとしても。
「むぅ〜…僕様怒った〜」
ルーが拳を構えて呟く。
ルーの拳は岩も粉々しちゃうからね。
当たらない様にしないとすぐにあの世行きだ。
「待ちなさい貴方達」
ルーが拳を振り上げ、ケイが足を突き出そうと瞬間、今帰宅したばかりのクイナさんが飛び出して来た。
怒っている口調なのに、顔は笑っている。
クイナさんはいつも笑っている。
怒っている時も悲しんでいる時も。
同じ無表情でも僕とは決定的に違う。
彼女には感情があるけれど、僕には無い。
まあ、それだけと言われてはそれまでだけど。
「貴方達が戦ったらこの家が消し飛びます。夕飯抜きですよ?」
クイナさんは笑顔のまま二人を叱りつける。
笑顔なのに、有無を言わせぬ迫力があるところは流石クイナさんってところかな。
僕がぼーっとその光景を眺めていると、クイナさんがくるりと僕の方を向く。
え、僕?
「あーもあーです。貴方にはその実力があるのだから止めてください」
クイナさんは明らかに怒っていた。
いや、だって傍観者ですから。
そう言おうとしてやめた。
クイナさんの顔に『文句言ったらブッコロス☆』と書かれていたような気がしたから。
勘だけはいいんだ、僕。
「とりあえずケイも夕飯は食べるんですね?」
クイナさんは溜息を吐きながらケイに向く。
ケイはうんと頷いた。
ルーの遊びは殺し合い。
ルーは人がどうやって出来ているのか知りたいんだ。
どこに血管があるのか。
どこに心臓があるのか。
別に思惑があるわけじゃない。
『知りたい』
その感情一つで、ルーは命だって簡単に奪ってみせる。
好奇心の塊なんだ、ルーは。
よく僕を誘うけれど、僕はいつも丁重に断っている。
殺し合いなんて、痛いだけだろ?
メリットなんて何もないし。
第一ルーに勝てる自信がないしね。
ルーは強い。
幸運体質であるケイだって、数学オリンピックで一位を取ったことのあるほど頭のいいクイナさんだって敵わない。
それほど体術が素晴らしい。
ルーに勝てる人がいたら面白いな。
それまで生きてみるのもいいかもね。
死んだって生きたって、どうでもいいけど。
いたっていなくってもどっちでもいいけど。
ま、楽しみはあったほうがいいんじゃないかな?
- Re: 蛻の僕。 ( No.5 )
- 日時: 2011/03/02 21:43
- 名前: 藍零 ◆veyMdjA2J6 (ID: k5KQofO8)
4頁目:変態っていったらあいつだけ。
クイナさんが夕飯を作っている間、僕たちは大人しくテレビを見ていた。
ルーはすごく遊びたそうだったけど、夕飯抜きはキツイからね。
ルーはよく食べる。
一人で三合くらい食べられるんじゃないかな?
140cmの細身なのに、どこに入れているんだろう。
「あ、あー。あの事件が起こったのってここの近くじゃないか?」
ケイがテレビを指さしながら言った。
確かにここの近くだね。
僕は少しその事件が気になって、テレビに耳を澄ませる。
『————現場には血が大量に飛び散っていたそうです。被害者は二名確認されていますが、すでに人の形を成していなかったそうです。犯人はいまだ見つかっておらず———』
バラバラ殺人か。
ルーはつまらなそうにごろごろと寝転がっていた。
ケイはまたあいつか、という顔をしている。
あいつ、だね。
被害者は、殺されたんじゃない。
殺し合いをさせられたんだ。
だから犯人が見つからない。
だって自分達で殺しあって死んだんだから。
証拠なんて見つかるはずがないからね。
「ま〜たユウは〜」
ケイはごろっとリビングに寝転がった。
僕もみんなと同じ様に寝転がる。
テレビも床も見えなくなって、天井だけが見える。
当たり前のことなんだけど、なんだか面白かった。
「…ユウは変態だからね」
僕は諦めがちに呟いた。
ユウは変態。
人が大好きなんだ。
殺しあう様が一番好きらしい。
だからよく人を殺し合わせて遊んでいる。
何が楽しいんだか。
僕の周りの人間は物騒な遊びが好きな人が多い。
ま、それを傍観しているのは楽しいけどね。
その人の弱点や、強味。
いろいろなことがわかる。
戦いとか殺し合いってなると死の瀬戸際だからね。
余裕が無くなってくると本性が見えてくるんだ。
いつもは優等生のあいつだって、死と隣合わせになれば凶悪犯に早変わりだ。
楽しいよ。
人って無様だ。
余裕が無くなればあっさりと友を捨てる。
友の為に流す涙だって、偽善以外の何物でもないのに、それを見て喜ぶ様も笑える。
人間って穢れてる。
まあ、僕もその人間なんだけれど。
- Re: 蛻の僕。 ( No.6 )
- 日時: 2011/03/03 17:02
- 名前: 藍零 ◆veyMdjA2J6 (ID: k5KQofO8)
5頁目:無
side‐ケイ
俺は、『無』が好きだ。
さっぱりしているのが好き。
物だってなんだって、多くても邪魔なだけだ。
だって生きていくのに必要ないだろ?
生きていくのには水と食料と寝るところさえありゃあいい。
それだけだ。
だから俺はさっぱりした奴が好きだ。
あいつが好きだとか、こいつが嫌いだとか。
そういう面倒な奴は一緒にいて大変だからな。
やっぱり俺はさっぱりしている奴がいい。
そうそう、地球だってさ。
今、地球温暖化?だったっけな。
そんな問題があるけどさ。
あれだってこんなに人間がいなけりゃ起きなかったことだ。
人間って増え過ぎなんだよな。
鼠みたいだ。
偉くもないのに我が物顔して地球を這い回る。
自分達の邪魔者は殺して、あー怖かったという。
狂ってるよな人間って。
すべて自分たちが引き起こしたことなのに、
あの国が悪いだ自分の国は良いとか。
自己中なんだ。
そんなこと言ってるより人間たちのせいで住処を奪われた動植物様に謝れってーの。
だから俺は『無』が好き。
地球だってなんだって、人がいなけりゃ幸せだよな。
ま、面倒だけど。
- Re: 蛻の僕。 ( No.7 )
- 日時: 2011/03/04 19:23
- 名前: 藍零 ◆veyMdjA2J6 (ID: k5KQofO8)
6頁目:遊び
side‐ルナ
僕様はね、知りたいんだ。
全部。
この世を全て理解してみたいんだ。
どうしてこの世界は生まれたのか。
どうして人間は生まれたのか。
どうやったらこの世界は滅びるのか。
どうやったら人間は死ぬのか。
全部全部、理解したい。
おばあちゃんになっても、きっとこの気持ちは変わらないと思うんだよね♪
この気持ちを失ったら、きっと僕様は僕様じゃなくなるんだよ。
きっとすぐに大人になってしまう。
大人なんてつまらないでしょ?
同じ時間に起きて、同じ様に家を出て、同じ様に会社にいって、同じ様に上司に怒られる。
そんな人生、つまらないよね。
だから僕様は子供のままなんだ。
だって子供だったら自由でしょ?
子供だったら怒られない。
子供だったら会社に行かない。
子供だったら我儘だって言ってもいいんだ。
ほら、子供って得だよ!
だから私は子供のままなの。
だって、楽しいもの。
その感情一つで、僕様はなんだってしてみせるよ。
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