ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 【ちょっとした】無意識メランコリー【質問が】
- 日時: 2011/04/23 14:18
- 名前: N2 (ID: mdybEL6F)
初めまして
気まぐれで小説を書くことにしました。
思いつきって怖いですね、自分は思い立ったらすぐ行動派なので。
もしかすると急に止めてしまうかもしれませんが…何とぞよろしくお願いしますorz
※小説初挑戦なので誤字脱字、文法の誤りが多いと思われます。
気が付いた点がありましたらコメントお願いします。
※アドバイスや感想もお待ちしてます!チキンなので誹謗中傷はなるべく控えてください…。
*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*....
無意識メランコリー
●メランコリー…気が滅入っている状態の事
雰囲気的なBGM:天野月子さん「カメリア」
綺麗な曲です。私の作業用BGMでもあります。
*最終更新/3.9 5話更新
>>1:プロローグ
>>2:1話
>>3:2話
>>4:3話
>>5:4話
>>6:5話
>>7:ぶれいくたいむ
Then, it starts. …
Page:1 2
- Re: 無 意 識 メ ラ ン コ リ ー ( No.3 )
- 日時: 2011/03/08 17:06
- 名前: N2 (ID: 2de767LJ)
…→2.黄色の記憶
病室の扉が静かにノックの後、開いた。
私は痛みが走らぬよう錆びついた機械のように首を扉の方へ向ける。
「夏也…!」
入ってきたのは手に色とりどりの果物が入ったかごを持った
女の人だった。私を見るなりそう言って目を見開いた。
肩より少し長めの髪を横で結わえている。
顔は白く、やけに赤い唇が映えている。顔には少し皺が刻まれていて、見た目40歳くらいだろうか。
—なつや?
何だか懐かしい響きだった。懐かしいその声は私の胸にゆっくりと染み込んでいった。
「良かった、目が覚めたのね。母さん、すごい心配してたんだから。」
果物の入ったかごを棚に無造作に置くと、その人は私に足早に近づいて言った。そして優しく私のおでこを撫でた後思い出したように「お医者様呼んでくるからね」と付け足して、かけるように病室を出て行った。
—なつや、私の名前。あの人、お母さん。
きっとそうだろう。夏也、と呼びかられたとき頭の中の白い霧の一部が黄色く光った気がした。なつや、ナツヤ、夏也。
さっきの話から、あの女性は私の母だ。
ゆっくり、とてもぼんやりだが、頭の中の白い霧が暖かい黄色の光によって払われていく気がした。
何だか安心したのか、瞼が重くなってきた。
—寝てもいいよね、私は怪我人なんだから。
そう自分を言い聞かせ、暗闇に意識を飛ばした。
- Re: 無 意 識 メ ラ ン コ リ ー ( No.4 )
- 日時: 2011/03/08 17:05
- 名前: N2 (ID: 2de767LJ)
…→3.白黒の面影
リズムよい電子音が聴こえる。
いつのまにか日が堕ちかけていた。白い病室が橙色に染まっている。
私はどうやら寝ていたらしい。
「…あ、夏也。気分はどう?」
ベッドのすぐ脇に座っていた母さんが私に気付く。
私はゆっくり首を母さんの方に向け、唇を動かした。
「…うん、特には大丈夫。」
弱弱しく答えた私に対し、母さんは少し寂しそうな表情に変わった。
—私、何か悪いことを言った?
再び母さんが口を開く。
「さっき、お医者様に夏也の体の状態とか詳しく訊いたわ。右腕と右足を骨折してるみたい。あと頭も強く打った痕があるって。」
口調は小さい子供をあやす様な優しい感じだが、表情は暗いままだ。
母さんの言葉からすると、私は大怪我を負っているようだ。
しかも頭を強打…通りで記憶が曖昧だったのか。
—母さん、私、一体どうしちゃったの
私が口を開けるより、母さんの悲痛な声の方が先だった。
「ねぇ夏也…高校で何かあったの?屋上から飛び降りちゃうなんて…」
—え、
—高校の屋上から、飛び降りた? …私が?
思考が追い付かない。それでも母さんは言葉を淡々と紡ぐ。
「何か悩み事があったのならお母さんに言ってくれればよかったのに。
友達関係で何かあったの?夏也は春子と違って、人付き合いが少ないから—…」
母さんの発した〝春子〟と〝人付き合い〟で何かが頭の中ではじけた。
同時に、ノイズ掛かったモノクロの映像が流れてきた—
***
『春子、志望大学に推薦もらったんだって!お母さん、鼻が高いわ』
母さんがやけににこにこして私に言う。
母さんの隣にいる春子と呼ばれた髪の長い大人しそうな顔立ちの女の子も嬉しそうにはにかんでいる。
『推薦もらえてよかったなぁ、夏也も真面目に頑張ったら私みたいに大学、楽に行けちゃうからね。頑張って』
大人っぽい口調で、春子は私に言う。私は何も言わない。
『春子には何も言うことがないわ、手のかからない子だし…それに比べて夏也は。成績こそは良いけれど人付き合いが悪いわ。もっと愛想良くなきゃ』
母さんが困った表情で私を見る。
それを聞いて春子は母さんに反論した。
『母さん、夏也だって頑張ってるんだからそんなこと言わないで』
春子はそう言うと私の頭を優しく、慰めるかのように撫でた。
私はまたも黙り込んだままだ。胸に言葉がつっかえる。
—嫌、
『まったく…夏也、お姉ちゃんを見習いなさいよ』
—嫌だ
私は唇をきつく噛んだ。
—お姉ちゃんと、比べないで…!!
***
「夏也、聴いてるの」
私は母さんの強い口調で我に戻った。
さっきの映像は何だったのだろう…いや、私は思い出した。
過去の私の記憶だ。春子—2つ違いの私の姉が志望大学から推薦を貰った日。
「…お母さんは心配よ、夏也の考えてることが分からないわ。
そろそろ春子の塾が終わるから、一旦帰るわね」
ふぅ、と重いため息をついた後、母さんは丸椅子から腰を上げた。
私は母さんが座っていた丸椅子を見つめたまま、動かない。
バタン、乾いた音で扉が閉まる。
この時間で私の思い出した記憶はあまりにも辛すぎて。
あまりにも残酷で。
あまりにも寂しくなった。
心が泣いているのが分かった。胸が締め付けられて、息が、苦しい。
頬に貼られた絆創膏に水が染みるのが分かった。
橙色の病室にリズムよい電子音が響く。
- Re: 無 意 識 メ ラ ン コ リ ー ( No.5 )
- 日時: 2011/03/08 23:24
- 名前: N2 (ID: 2de767LJ)
…→4.無色な私
カーテンの隙間から月の光が零れる。
もうすっかり夜が病室を覆った。しかし、私は眠れなかった。
夕方の事だ。あの映像が、母さんの言葉が。あまりにも悲しすぎて。
—私は、記憶を失う前の私は、こんな状態になる前の私は、
一体何を想って、何をしたんだろう。
分からない、思い出そうとすればする程、ますます霧は濃くなる。
そんなじれったさに自分が不甲斐なく思えた。
また悲しみが押し寄せ、目の前の月明かりが揺れる。
—私は、
「わたし、は」
誰にも聴かれてない事を良い事に、心の声が口を伝う。
—夏也。他の誰でもない、なつや。
「なつ、や…!」
自分の名前を、自分が存在していることを確かめるために
力強く、名前を口に出してみた。
けれども、言葉は薄暗い闇に吸い込まれるだけ。
とうとう瞼のダムが崩壊して、次から次から涙が頬を流れた。
—知りたい、思い出したい
—私は…!
「教えてあげようか」
急に幼い声がして背筋が凍った。驚いて涙が止まった。
誰だ。この部屋には私しかいないはずだ。
「あなたが何でこうなっちゃったかを。」
声は止まず、病室に響き渡る。
私は堪らず返事をした。
「…教えてよ、誰でもいいから、教えて…!」
藁にもすがる思いで、目をぎゅっと閉じて掠れた声で言った。
そう言ったとき
ふわり、
と 身体が急に軽くなった。
驚いて目を開けると、私はベッドの脇に立っていた。
右足は骨折しているはずだが、きちんと二本足で身体を支えている。
あのわずらわしいチューブや線もない。
「え、一体どうなって…」
「今あなたは幽体離脱してるのよ」
隣から声がして振り向くと、幼い少女がこちらを見て微笑んでいた。
白いワンピース姿に黒い腰までの三つ編み。そしてあどけない黒目。
見知らぬ少女に問う前に少女が言葉を発する。
「私はあなたの味方になれるわ。私は人の煩悩の具現化。
〝カミサマ〟って呼んでよ」
心の内を読まれているようで、怖気づいて言葉が出ない。
たくさん訊きたいことがあるが。
「ほら、ベッドにはあなたがいるでしょ?…そっちは外側。今のあなたの姿が内側。今だったら、私以外のほかの人には姿、声は見えない聴こえない。」
口早に説明する少女に頷くことでしか反応できない。
ベッドにはチューブや線で繋がれている私がいた。
私は記憶を失ってから初めて私の外見を見ることができた。
肩までの天然掛かった茶髪。病弱に見える白い肌。
今は閉じているが少し切れ目な目だと言うことがうかがえる。
三つ編み少女…カミサマ、は私が落ち着いたと見て
優しく私の手をとった。
「気分転換にお散歩しよっか」
私はその言葉にも無言で静かにうなずき
カミサマに導かれるまま、病室の扉を開けることもなく
通り抜けて行った。
- Re: 無 意 識 メ ラ ン コ リ ー ( No.6 )
- 日時: 2011/03/09 20:30
- 名前: N2 (ID: rn3pvd6E)
…→5.夢色散歩
月は光を絶やすことなく煌々と頭上で煌めいている。
まるで闇に私とカミサマが紛れてしまわないように。
病院の中庭を、カミサマに手を引かれ歩く私。
ふわふわしていて夢心地な気分だ。
ざわざわと、子守唄の様に優しく歩道の木々が揺れる。
—本当に、夢なのかも。
夕方、あんな事があったから。記憶を無くしてしまったから。
きっと、痛い辛い現実から目を背けたかったんだと思う。
私を引っ張るカミサマが急に止まった。
私もそれにあわせて止まる。
「なつやはさぁ、」
くるりと三つ編みを揺らして私の方に向き直る。
私の名前を悪戯っぽく呼ぶ。
私はカミサマに名前など教えていない。
—カミサマは、本当に神様なんだろう。
神様だから、人の考えていることなどお見通しなのだろう。
これはきっと夢。私の世界なのだから、何でもアリなのだ。
そう自分に暗示をかけることで、この不思議な状況をのみこむことができた。
「〝本当〟を知りたいと思う?」
大きな黒目で真っ直ぐに私を見据える少女。
その瞳は無邪気さそのもの。
私はその瞳に魅入られて、動くことができない。
月明かりが二人を照らす。
「〝本当〟を知って、なつやは幸せになれるの?」
カミサマは〝本当〟を知ってるのだろう。
何故こんな質問を私に投げかけるのか。
それは、きっと
私が記憶を無くしてしまった時に起こったことが
とても残酷なものだからだろう。
急に頭に流れてきたモノクロの映像。あれを見る限り、この先の〝本当〟はかなりの辛いものとなるのは容易に分かりきっていた。
けれど、
「…いい、それでも、私は…」
とぎれとぎれでしか言葉が見つからない。
カミサマに私の思いをきちんと伝えたいけれど、言葉より思いの方が多すぎて冷静に考えることができない。
「〝本当〟を、知りたい」
病院の白い寝巻の裾を皺が残るくらい握りしめて言った。
私なりに…私の思いのたけを伝えられたはずだ。
カミサマはそんな私を見て、頬を緩めた。
カミサマは見た目—私よりも幼いはずなのに、その微笑みは世界のすべてを知り尽くしているような。
そんな顔で笑った。
「なつやは勇気があるのね」
カミサマは嬉しそうにそう言うと、私の手を握り直し
「じゃぁ、帰りましょっか」
元来た道を引き返し始めた。
私も手を引かれ、ついて行く。
カミサマと夜の散歩。
何だかこの時間だけ、妙に気分が落ち着いた気がした。
ふわふわとした足取りで病室へと向かう。
お互いに何も喋らないまま。
月が二人を照らす。
まるでこれから始まる喜劇か悲劇かを照らすスポットライトの様に。
木々がざわめく。
まるでこれから起こる悲劇か喜劇かを知らせる鐘の様に。
- Re: 無 意 識 メ ラ ン コ リ ー ( No.7 )
- 日時: 2011/03/09 22:23
- 名前: N2 (ID: rn3pvd6E)
〜ちょっとぶれいくたいむ〜
ネタ切れと言うか…
私の小説、展開が遅いですよねぇorz
もしアドバイスとかあったらコメントお願いします。
書き手さんって小説書くとき何か音楽かけて作業するんですかね?
書いてる内容に合わせてその雰囲気のBGMを聴きながら作業すると
何か集中できる気がします((はい、
〜ちょっとぶれいくたいむ〜
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