ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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後大神(うしろおおかみ)
日時: 2011/04/04 04:24
名前: 比泉 (ID: ID28wqen)

ダークの方で初めて書きます、どうかよろしく。
これはホラーのつもりで書きます。
内容なんてよく決めてないので俺流の行き当たりばったり、で行かせて貰います。
学園モノ書いた時はそれで上手く行けましたが、今回ばかりはどうやら。

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Re: 後大神(うしろおおかみ) ( No.3 )
日時: 2011/04/05 09:45
名前: 比泉 (ID: ID28wqen)

大神。

その子孫をオオカミ、と言ったりする説もあるが、ここ一帯ではその名の通り土地神を統べる。
いや、八百万と言われる神の内でも極めて特殊な例らしい。
神様というものは元は人間の祖先と言われている。その祖先たちが今の八百万の起源だそうだ。
何をどうやったらそんなに繁殖できるかは知らんがとりあえず人間に危害を加えるものもいれば恵みをもたらす者もいる。
古代人の不思議なところはそこを潰そうとは考えず崇める、ということが特徴的だ。
害をもたらす神を潰さない思考が理解できない。
一体何がどうなったら・・・そうおもうが、もう時間が回ってきた。
あいつら・・・・。
家の中で弁当を食いながら連絡が来るのを待つ。
確実に余計な事をしているに違いない。
ヤバい・・・・・どんどん俺の立場が危うくなってきた。
どうするべきか。
仲間をかき集めるしかないか。そろそろやるか。でもなあ、事態は大袈裟なことに発展はさせたくない。
丁度思案に暮れている時電話が。
「・・・・もしもし」
携帯で出ると、
ただ一言。
「・・・・・・・・・・タスケテ」
そのまま切れた。
「今のは・・・・・将太か」
乗り込もうか考えた。
いや、あいつらが悪ふざけでやって俺が来たところを冷やかすんじゃねえか、とためらう。
が、
「ま、一応やるしかねえか」
あんな危険なところでふざけれる理由が分からない。
大神は迫ってきてる。








集まった連中。
「まったくよ。人使いの荒い奴だな」
「すまねえな。人使いが荒くて」
「この寺子が。勘弁してくれよ。内に地域は神道なんだぞ神道」
「うるせえよ斉藤。黙ってろ」
校舎の斉藤という男はキモいので殴っておく。
前者の新垣という男は普通に旧友だ。
俺のよき協力者であると言えよう。
「ってか。もう12時か」
携帯確認しながら新垣は言う。
「一応知ってると思うが、中入ったら外部と連絡取れないからな」
「分かってるよ。実践済みだ」
事実一昔前までは盛んな心霊スポットだった。
沢山若い人たちが来て俺が案内させられたりした。
胸糞が悪かった。
その人たちをぶっ殺しているようで。
「なぁ。確か内部の者同士なら連絡取れたよな」
斉藤がたずねる。
「そうだが、あんまり携帯を振りまわしたり出したりするな。優先して狙われる」
「いや・・・出すのはともかく振り回すのは・・・・」
「携帯に限らず光るものを振りまわすな。そこを狙って追いかけてくる」
「え、じゃあ俺の存在も光ってるからヤバいんだけど」
「よおし、そうか、じゃあお前は囮だ」
「すまん冗談だ!!!」
懐中電灯から何まで用意した。
「な、なあ」
斉藤が再び尋ねる。
「なんだ」
「光って廊下で出したら不味かったろ」
「ああ、廊下を歩いてるのは確かだからな」
「でもさ・・・・入ったの素人連中だろ」
「ああ。もう何人かやられてるかもな」
「なんであの時止めなかった!?面倒事にはならなかったぞ!?」
「仕方ねえだろ。これまで何度も止めてきたが、ちょっとだけ、って言って無理やり入って結局帰ってこないやつしかいなかったんだ。誰一人として帰ってこない。一年ごとかに白骨死体になってそこらへんに落ちてるだけ」
「なおさら問題じゃボケ!!俺たちはお前とかがいるからまだいいとする!!でもな!!素人救助なんて今までやったことあるかよ!?俺は直接化け物と戦ったことなんてないぞ!?」
「俺はある。それで十分だろう」
「どこも十分じゃねえよ!!なあ新垣!?」
「さあな、俺も結構こういうの慣れてるからな。こいつとは腐れ縁だ。ついてけるところまで逝ってやるぜ」
「死ぬ気か・・・・」
丁度その時女の悲鳴が響き渡る。
「さて、お時間だ」
「行きますかぁ」
「ま、マジかよ・・・・・!!!」
今頃ビビっても、もう遅いぞ斉藤。

Re: 後大神(うしろおおかみ) ( No.4 )
日時: 2011/04/04 22:16
名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: ZTrajYO1)

お、比泉さん。シリアスでも書き始めたんですね。
相変わらずの文才で。。行動、心情、とても消化しやすいです。
心霊スポットは真面目なんか起こるんですよね、うん。
私は怖くて近寄りもしないと思いますがww
ふぃ、フィクションですよね……?
更新、楽しみにしております。では、失礼します。

Re: 後大神(うしろおおかみ) ( No.5 )
日時: 2011/04/05 10:00
名前: 比泉 (ID: ID28wqen)

フィクションに決まってるだろwww
俺フィクションとノンフィクション混ぜるの好きなんだ。
だから、もしかしたら、実話も混じってるかもね(以前俺は長崎の壱岐で仲間と一緒に夜中に元死刑場に行きかけたことがある。もしも行っていたら俺は今頃逝っていたかもしれない)。
さて、真面目な話になりますが、壱岐というのは聞いたこともあるかもしれないし、ないかもしれないな。
ただの小さな島なんだが、ここは昔からおかしな場所です。
変な伝統が栄えてる。
俺は、そこの仲間に誘われて飛び込み行ったんだが、そこに変な社、小さいんだけどあるんだよな。
で、
「あれ、なんや」
って聞いたら、
「ここで入水自殺した人いるからそれで立ててんだよ」
って普通に行っていた。
「ちょっと待て。それって」
「ああ、だから死んだんだよ。みんないい人だったなぁ」
「いや、自殺者いるところで飛び込みするか普通」
「気にするな」
「マジかい」
と言う風に、気にしない模様。
で、俺は飛び込みしました。
まあ、何も起こりませんでしたけどね(他にもいろんな子来てたから大丈夫なようだ。さすが田舎の連中は一味違うね)
それとか、夜に行ったら幽体離脱するところとか、沢山ありますね。
なんか子供のお墓があって随分立派やから「なんやこれ」と聞いたら、「昔、殿様の家来に切り殺された子供の墓」とか言ってて「●●さん」って呼んでるようだ。一応名前は出さん、出していいものかどうかも疑わしい島だ。
なんで殺した、って問い詰めたら、殿様の前に飛び出してしまって殿様は「子供だからいい」って言ったそうだが家来がその無礼を許さなかったそうだ。
それで切り捨てた。そうだ。
その謂れか、この墓を建てた。
これがエピソード。
なんとも不気味な島だった。他にもたくさんあるが、はっきり言って、いて心地のいいところには感じなかったなあ。
俺実家が愛媛なんやけど、そこに戻ったら毎回うなされてるみたいなんだな。というかうるさいらしい相当。
俺の祖先は平家の連中だったからその辺が関係してるかもな。歴史に乗ってないことも婆ちゃんに聞いた。
平家の末裔なんて大体落ち武者かなんかだが、俺の場合、要人の可能性があるから、下手すりゃ、平将門とかの血引いててもおかしくないかもねぇ(あと信長)
ま、昔のことだし、唯一の手が掛かりだった日本刀が消えた今もう知る由もない。
心霊スポットで何かが起こるとはよく言うものだが。
人間は恐怖でさまざまな幻覚をみることもあるのだと俺は思ってる。それと同時にモノホンもいると思う。
気をつけな。
一応、最後に行っとくけど。
頭痛くなったらすぐに言え以上。

Re: 後大神(うしろおおかみ) ( No.6 )
日時: 2011/04/05 10:31
名前: 比泉 (ID: ID28wqen)

校舎門前。
そこを越えた時点で始まっていた。
「なあ。さっきの声って誰のものだ」
「あの内の女のひとりかもな」
「オイ、別のやつの可能性もあるんじゃねえか」
斉藤が不穏な空気を感じ取り、俺に聞いてきて、さらに新垣も入ってくる。
「別のやつ、ねえ・・・そりゃあにぎやかだな」
「笑いごとじゃねえよ杉田」
斉藤の表情が固まっていた。懐中電灯の明かりは頼りない。
「なぁ、こんなに出力下げてていいのか。明りが心元ない」
「気にするな斉藤。ここは慎重に歩いていけばOKだ。問題は旧校舎だ」
「旧校舎ってなに!?新校舎はあるのか!?あるのか!?」
「うるせえよ。デカイ声出してると食われるぞ」
「く、食われる・・・・?」
相当引いてきた。
余計なことされると困るから敵前逃亡とかはやめてもらいたいんだけどな。
「なあ天照大神って知ってるか」
「え、何それ」
斉藤がクエスチョンマークを浮かべる。
「天皇の祖先神とされものだろ」
新垣は知っていた。
「ああ」
「しかし、それが何に関係するんだ?」
「ここにいるのはその天照大神・・・・・・みたいなものだ」
「・・・・・なんだそれ」
眉間にしわを寄せ、新垣が聞いてくる。
「もどきと思え」
「思えるか、同じ神がいるって言うのはさすがに無茶があるだろ」
「いるものは仕方がねえ。太陽神の片割れだ」
「片割れってお前・・・・・」
「正確には俺たちはここのやつを陰照大御神って呼んでるけど」
「それなんて読むんだよ」
「カゲテラスオオミカミ」
「変な名前だな」
「そう呼んでるんだよ。太陽神と全く別のことをする」
「へぇ」
新垣は押し黙った。
頼りない光を頼りに校舎の中枢部へ入って明りを消す。
「随分見えなくなったな」
斉藤が言う。
視界は抑えられ、ただ、月が輝くだけ。
誰かに見られているような、そんな気がしながら、下駄箱へ向かった。
「なぁ、後ろにいるの誰だ」
「あ?」
そう言って微妙に後ろを見る。
女が笑った。
「マズイ撤退準備しろ、逃げるぞ」
「早すぎるだろ・・・!!」
斉藤が引き気味で敢えて小声で言う。
「んなもん関係あるか!?予想外のやつが出てきたんだよ」
「予想外って何!?」
「見た事ねえ奴が後ろ取ってる時点で逃げるしかねえ」
「校舎の外に出るか!?」
「バカ、校舎は後ろだ」
「後ろって・・・」
女が笑みを浮かべて佇みながらゆっくり接近してきている。
「マズイ相当マズイ!!校舎の中に逃げ込め」
「分かった」
新垣は案外冷静にそう流し下駄箱へ突進した。それに俺達も習う。
「ちょっと待て!!??鍵掛かってるぞ!!」
「なんだそれ!?マジかよ!!」
新垣が解錠に戸惑っている。
「仕方ねえ!斉藤は足止めに入れ!!」
「無理だろ!!いや無理だろ!!」
俺が必死に命令したがやつは拒んだ。
「なんでだ!?」
「足止めって、どうやっても殺されるフラグ立ってるよ!?」
「敢えて言ってんだよ!!」
「敢えて言ってんの!?マジかよ!?」
そんな会話繰り広げながらも見知らぬ女はどんどん足を速めていく。
マズイ相当マズイ。
あらかじめ用意していたハンガーを引き延ばした銅線で解錠を試みていると、
ガシャン
開いた。
「開いた!!」

Re: 後大神(うしろおおかみ) ( No.7 )
日時: 2011/04/05 10:47
名前: 比泉 (ID: ID28wqen)

「「いっせいのがぁ、せいっ!!」」
新垣とともに一気に力を加えドアをこじ開けた。
丁度その時斉藤は、
「おらあっ!!!」
デカイ石を白い服一色の女に投げつけていた。
「テメエ何余計なことやってんの!?」
俺は叫びながら入る。
「お前が足止めしろって言っただろ!?」
そう言いながら斉藤も入ってきてドアを思いっきり閉めた。
「危ない・・・・・」
安堵する暇もない。
「早く施錠しろ!急げ」
俺は適当に番号押しながらロックを掛けた。
「お前・・・・適当にかけて後で出れませんフラグ立ったらどうすんの・・・・?」
斉藤が不安げに聞いてくる。
「大丈夫だ。内側からぐらい鍵は開けれるだろ?」
そう言って鍵をはずそうとする。
だが、外れなかった。
「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」
なにも言えなかった。何も言わなかった。
「これどうすんだよお前!?」
「仕方ねえだろ!?こんな旧式とは思わなかったんだよ!!別の出口探せばいい!!最低飛び降り覚悟!!」
「飛び降りて骨折して動けなくなったらその時こそお化けに襲われてバッドエンドだろうが!?」
「おい早くしろお前ら!!」
なぜか新垣がリーダーシップを張り俺たちは誘導された。
「この校舎内どうなってる」
「明りを付けるな」
「・・・・すまん」
暗いところでは咄嗟にライトを付けるやつがいる。
それは無駄に自分の危険を呼びこむ手段と言うことは誰も考えたことはないだろう。
「とりあえず保健室に行こう」
「なんでだよ」
「もしも襲われて怪我してたら、付き添いの女子なら保健室に連れて行って薬品で治療しようとするだろ。少なくともそこを拠点にする」
「そうか。なら保健室まで案内してくれるか」
「任せろ」
そう言っておきながらも俺は若干ビビってる。
怖がるのは仕方のないことだ。
廊下を歩くときに床がミシミシ言うのは、何とも自分たちの居場所を知らせているようで怖い。
「大丈夫か本当に」
「大丈夫だ。たぶん」
「・・・・・・・」
本当に心元ないんだろう。
暗闇は段々と勢いを増してくる。
足元さえもまともに見えなくなる。
「お前が見えなくなってきたんだがどうすればいい」
「明りは付けるな」
「そこまで執着する理由って一体何」
「やつは明りが嫌いだ」
「どういうことだ」
「苦手なんじゃない。憎んでいる。天照大神は太陽神だ。光を発するものがこれほど憎いはずはないだろう」
「そいつは天照大神が嫌いなのか」
「片割れであり、日本神話ですら描かれなかった自分が悔しくてたまらないんだろう。権力闘争に負けた男だからな」
「そうか・・・・・・」
「だから明りは絶対に付けてはならん。確実に殺される」
「分かった。でも見えないんだが」
「気をつけろよ。ここはこれまで体験したところとはわけが違う。お前気づいたら別のやつと喋ってる、なんてことがあるかもよ」
「なあ、斉藤の声が聞こえないぞ」
「・・・・・・・・・・なに?」
最悪だ・・・・・・・。


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