ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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終焉の歌姫が謡う時 オリキャラ募集中!
日時: 2011/06/29 19:40
名前: 玖織 ◆f8ZRFO1MkY (ID: Uo8bNy4h)

初めまして! 知ってる方は皆無だとは思いますがこんにちはw
玖織(くおり)と申す駄文書きでございますww

とうとうシリアス板に進出してしまいました…
コメディ・二次は恋愛小説とイナズマイレブンに流されまくって
メンタルが根本的にへし折られる事が判明(遅ッ!!
そこで名のある方が一度は訪れたシリアスに進出させていただきますたb

はい、前置きはこの辺にして…注意ですww
・玖織嫌い
・我荒らす、ぜあふぉあ我有り
・てか流血とかマジ嫌
・亀更新とか(ry
のどれか一つにでも当てはまる方!
急いで避難して下さいなb

…避難おk?
ではでは、早速行きませうb
ここまで読んでくださって有難うございましたww


序章【プロローグ】
>>1
第一章【堕天使の翼は祝福をもたらす】
>>2>>3>>16>>17>>18>>20>>21>>32>>42>>49
>>52>>54>>58>>65>>66>>68>>72>>73


キャラ紹介(随時更新)!!
アレン>>4(4/24)
シエン>>5(4/25)
ルルー>>6(4/25)
ヴァン>>26(5/5)
シェリィ>>27(5/5)
ザジ>>28(5/5)
ユーリ>>29(5/5)
マリア>>50(5/28)
キール>>51(5/28)
アルテミス・ヴァリアラ・ディーデア>>69
ルジェ>>70

お客様(感謝感激!!)
かりん様 玖龍様 十六夜様 ヴィオラ様 よちゃ犬様
葵様 Neon様 紅蓮の流星様 さくら.様


皆様のオリキャラ
フィリクス・グリモワ>>36(ヴィオラ様)
アーレン・ヴォン・クィンディー>>45(十六夜様)
アリス・クイーン>>56(葵様)
ペネロペ・カーディアス>>60(Neon様)
大原 青那>>63(さくら.様)


参照200突破感謝感激でするっ!!

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Re: 終焉の歌姫が謡う時 ( No.16 )
日時: 2011/04/26 23:29
名前: 玖織 ◆Kqe55SnH8A (ID: hYVgID.t)


 時は第8次世界大戦時代。
 空には飛空艇が飛び交い、魔導師のローブは精霊が吹かせる風にはためく。
 剣士は月光を背に剣を交え、荒地では各国の軍旗が翻り、雄たけびが天を貫く。
 戦火が街に及ぶ今は、孤児になり、夜の町を走り抜ける事も少なくない。
 アレン・ルル—・シエンもその中の人間だ。数ヶ月前に帝国に侵略され、それぞれの両親は殺された。アレンの左胸に向けられた血に染まった凶刃の前にシエンとルルーが立ち塞がらなかったらオレンジの髪に蒼い目を持つアレンの命はなかった事だろう。
 幼馴染だった彼らはその時からずっと一緒に行動している。
 闇夜を駆ける盗賊(ナイトホーク)として彼らは今まで生きてきた。
 10代後半のルルーとシエンがまだまだ人として未熟なアレンを支えていた。盗みを働く時はシエンが侵入し、ルルーが魔術で援護する。
 アレンは横でいつも見ているかシエンと一緒に駆けていた。いつか1人で生きていけるようになるまで。そう思ってルルーとシエンはアレンに『仕事』をさせなかった。穢れた『仕事』に手を染めないようにと、アレンを思っての事だった。
 大切に、思ってきた。
 ……それが間違いだった。
 そう思ってきた結果がこれだ。ベテランのナイトホークでも躊躇うような、街一番の巨大な屋敷に真昼間からアレンが単独で侵入した。
 他の2人が気付いた時には屋敷の警鐘が鳴り響き、何事も無く解決、と言う選択肢は消えた。そして、屋敷の中にたどり着いたときにはもうアレンのいるであろう部屋には警備兵が迫っていた。
「アレンッ! そっち行ったぞっ!!」
 思わず叫んだシエンの声をルルーは必ず聞いていたことだろう。
 そこからはシエンが手榴弾を投げ、ルルーがアレンを保護する。それから3人で住処に戻る筈だった。

 夜になり、警備兵の追手も撒いた。
 ルルーは窓辺に座り、シエンはベッドに横になっている。
 しかし、そこにアレンの姿は無い。
「———…」
 ギシリ、と音を立ててシエンが立ち上がった。ルルーはそれを見てゆっくりと立ち、コートを着る。
「アレンは、」
 そう言って、ルルーは溜息をついた。
「どこに行ったのかしら?」
 呟いたその言葉を聞いている者はいない。かわりに答えるようにギィと木製の扉が鳴った。微かに開いているその扉から漏れる月光に、ルルーの影が重なった。

Re: 終焉の歌姫が謡う時 4/26 23:34up ( No.17 )
日時: 2011/04/27 22:34
名前: 玖織 ◆Kqe55SnH8A (ID: hYVgID.t)


 街の外れにある閑散とした丘で、溜息が漏れた。
 この月を見ているのかな? 少しだけ寂しくなった。
 アレンは昼に2人と別れてから街をブラブラしていた。右手には、少し重めの小さな袋が3つ。この丘に来るまでに、3人の帝国軍兵とぶつかった。どれも、市場にいた女や孤児から奪い取った物だった。
「……っ!?」
 何かを感じ、振り向いた。視線の先には金髪の男。少し怒った顔で、こっちを見ていた。
「シエン兄さ、」
「アレン、今だけ怒らせろ」
「……ぇ、」
 いつもの彼とは違う、何かとても重い物を背負ったような、とても悲しそうな声だった。思わずアレンは息を飲んだ。ごめん、帰ろうか! それだけじゃ終わらなさそうな雰囲気だ。気まずい空気が2人を包む。
「なあ、お前、今日何した?」
 その言葉への反応は求めてないだろう。アレンは黙っていた。
「ベテランのナイトホークでも行かないようなあの屋敷に、単独で行ったよな? 何の準備も無しに、『モーラン帝国軍総長』の屋敷に侵入したよな? しかも俺には只のストレス解消に見えた」
「……ん」
「なら聞け。盗みは遊びじゃない。こんな事可笑しいけど、俺らが生きていくための大切な『仕事』なんだよ。……俺もルルーも、お前にはまだこんな事して欲しくなかった。分かってただろ。なのにお前は、俺達の気持ちを踏みにじった」
「ちがっ……!!」
 アレンは否定した。
「何が違う? お前は単独で無目的に屋敷に侵入して、警備兵に捕まりそうになった。俺とルルーも危なかった。違うか?」
「……違わない。けどっ…!」
「だったら、」
 そう言ってシエンはポン、とアレンの頭を軽く撫でた。思わず涙が出そうになる。
「お前が思った事、言ってみろ」
 にっと笑ったその顔はもういつものシエンの顔だった。  

Re: 終焉の歌姫が謡う時 4/27 22:39up ( No.18 )
日時: 2011/04/28 20:46
名前: 玖織 ◆Kqe55SnH8A (ID: hYVgID.t)


「……昨日、」
 そう言ってアレンは息を吐いた。シエンは何も言わずにしゃがんだままアレンの目を見ている。
「屋敷の裏のとこで、帝国軍隊長と誰かが話してるのを聞いたんだ……」
「誰か? それって、」
「私も聞きたいわ、アレン。それって誰なのかしら?」
 静かに現れたのはルルーだった。月光に紫色の髪が映える。
「ルルー、いたのか。……じゃあアレン、続き、話してくれ」
「うん…」

 昨日の夕方、アレンは買出しの為に市場に訪れていた。少しずつ沈んでいく夕日は遠くに見える海に反射している。
「———……」
「?」
 丁度、アレンが例の屋敷の角を曲がり、裏路地に入ろうとした時の事だった。誰かの声が聞こえた。2人いるようで、片方は聞き覚えのある声だった。モーラン帝国軍隊長その人。もう1人は……。アレンは恐る恐る覗いてみて、それからすぐに顔を引っ込めた。
 黒ずくめの格好をした男だった。サングラスをかけ、黒いフード付きのパーカーを着ている。黒いパンツに黒いブーツ、フードから覗く金髪が妙に気になった。
 アレンは耳に全神経を集中させた。
「……だから、危険すぎるって言ってるだろ!」
 黒い男が突然声を荒げた。
「これしか方法がないんだ! 他に手段があるのか?」
「っ! だけどな、ユーリ!」
「もうこの話は終わりだ、ザジ!! 明日の夕方、盗賊ギルドのアジトに火を放つ! もう決まった事なんだ!! ……———!! …! …、……」
「…! …——!?」
 残りは聞いていなかった。
 ユーリはモーラン帝国軍隊長の名前、ザジはきっと黒い男の名だろう。
 ————そんな事はどうでもいい。

『明日の夕方、盗賊ギルドのアジトに火を放つ!』

Re: 終焉の歌姫が謡う時 4/28 20:46up ( No.19 )
日時: 2011/04/29 23:59
名前: 玖織 ◆Kqe55SnH8A (ID: hYVgID.t)

小説図書館に登録しました!
よければ見てやってくださいww

Re: 終焉の歌姫が謡う時 4/28 20:46up ( No.20 )
日時: 2011/04/30 23:06
名前: 玖織 ◆Kqe55SnH8A (ID: hYVgID.t)


『明日の夕方、盗賊ギルドのアジトに火を放つ!』

 ユーリの声が蘇る。
「……どうすれば…!?」
 独り言のように呟き、走りつづけたアレンは何時の間にか盗賊ギルド『ナイトホーク』のアジト前にいた。木製の扉を押し開けたアレンの鼻を酒の匂いが突いた。
「…また飲んでるの? シエン兄さん」
「アレンか」
 質問には答えずに、シエンはアレンを冷めた目で一瞥した。
「奥で、ルルーが待ってるぞ」
「ん」
 金髪が先刻の男と重なった。
 アレンは唇を強く噛み、壁のレンガを1つ強く押した。微かに大地が動いているかのような音が響く。
 壁にある、ギルドの男達の為にある酒瓶が大量に置いてある棚が右にずれた。それを確認したアレンは棚の裏に現れた扉の奥に入っていった。

「アレン」
「お待たせ、ルルー姉さん。買ってきたよ」
 そう言ってアレンはアジトの奥の隠し部屋にある机に持っていた皮袋と背負っていた絨毯を置いた。
「お疲れ様」
 ルルーは皮袋に手を入れて中身を出した。出てきたのは銃・手榴弾・短剣など。
 ルルーがそうしている間にアレンは持ってきた絨毯を指差して言った。
「赤いのがシェリィ、緑のがヴァン、黒いのがルルー姉さんで、黄色のがシエン兄さんのだよ」
「こっちの橙色と青いのは? それから白のも」
 真紅の髪の毛がアレンの前で揺れた。彼女は赤い絨毯を手にとり包まれていた何かを取り出した。その横では男が緑の絨毯を取る。ルルーも同じようにした。
「あ、ランスじゃん! 属性は火かー。アレン、いい仕事したよ!」
「こっちはバスタードか。銀でコーティングされてるし……今回は相当本気だなァ!! ルルー、お前は?」
「……! これは……」
 赤い絨毯を取ったのはシェリィ。真紅の目と髪を持つ、ルルーと同じくらいの歳だとアレンは思っている。ショートカットにしているその髪と同じ長さの前髪を金色の髪留めで左に流してとめている。
 緑のそれはヴァンの物で、包まれていたのはバスタードソードと言う両刃の剣。約二メートルあるそれは長身のヴァンの為のオーダーメイドの物だ。彼は黒い髪と緑の目を持ち、銀縁の眼鏡を掛けている。
 ルルーが取った黒いそれには、
「……『神々の聖杖』だって。これはルルー姉さんにあげるってハンスおじさんが言ってた」
 そしてアレンは残りの3つの絨毯を見て言った。
「橙色のは僕のだよ。白がマリアで青いのはキールさんだよ」
「そういや、マリアとキールとシエンは?」
「シエンは上で見張りしてるわ。マリアとキールは偵察に、」
 その時突然、その場にいたアレン・ルルー・シェリィ・ヴァンの動きが止まった。視線を交わしあい、耳を研ぎ澄ませる。どうか勘違いであって欲しい。そしてもう一度、耳を貫く音。
 アレンは素早くルルーが出していた短剣二本を掴み、黄色の絨毯を背負った。他の3人も各々の武器を掴む。
 怯むな、アレン…———!! 彼は自分に言い聞かせた。
 短剣を握る両手に汗が滲む。
 再び聞こえた金属と金属がぶつかり合う音を合図にアレンは隠し部屋を飛び出した。
 誰かがシエンと剣を交えている。それも、凄まじい殺気を放って。


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