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- レベル能力者
- 日時: 2011/06/02 19:18
- 名前: 比奈 (ID: KNtP0BV.)
こんばんは、はじめまして、比奈です、
こないだは挫折したんで今度はしないように頑張ります。
- Re: レベル能力者 ( No.1 )
- 日時: 2011/06/03 19:38
- 名前: 比奈 (ID: KNtP0BV.)
とある満月の日の路上@
「なぁアンタぁ。ちょこぉーっと俺らに募金しねぇ?」
夜の暗い路上で、いかにも頭が悪そうな格好をした奴らが“男”に絡んできた。
奴らの人数は五人程度で、手には魅せつけるように金属バットをぶら下げている。
「俺ら今ねぇ。ゲーセンに募金しちゃってお金なくてさぁ困ってんの」
そのなかの一人“男”の肩に手をまわす。
“男”はそれを抵抗することもなく、黙って受け入れた。
すると仲間も同じように便乗し、
「同じ日本人なら助け合おうぜ」
「そーそー。そういうワケでぇ、募金しよーぜ。具体的にいうと財布全部募金な」
「ってことで、金出せよ」
なかでも特にリーダーらしい奴が懐から取り出したナイフを“男”の首に突き付けた。
その問いに今まで無表情だった顔に薄く笑みを張り付け、
「馬鹿か。俺の財布をお前らにあげる理由が皆無だ。そんなの少し考えれば判ることじゃないか」
辺りがヒヤリと凍てついた。
流石に不良もこの状況で断るとは思っていなかったのだろう。
「……そーかよ。だったら殺————」
殺されても文句はいえねぇよなぁ、という前不良は“倒れた”。
もっと正確にいうならば“男の手によって気絶”したのだ。
「…………、は、え。あ?」
仲間のひとりが間抜けな声をあげる。
きょろきょろと周りを見回している様子からすると、なにが起こったのかわからなかったという風だ。
「安心しな、“まだ”殺してはないからよ。……嗚呼、俺は優しいな? 俺に絡んできたことを懺悔する時間を与えているのだから」
不良達の方を見て満面の笑みでそう言う。
その笑みに怖気づいたひとりがバットを振りあげ、
「っ、う、おらぁあああああっ!!!」
真っすぐ、“男”に向かって下ろした。
それをぱしりと止めると、
「冥土の土産として教えてあげよう。俺はレベル能力者Ⅴ兼ね————“紅狼”だ」
路上に悲痛な叫び声が聞こえたのは後三秒後の話。
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