ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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【僕の素敵な世界】
日時: 2011/06/17 18:02
名前: 青信号 (ID: 6xS.mLQu)

初めまして!青信号です!!

この小説カキコで投稿させて頂くのは初めでです♪
不十分な点もありますが、宜しくお願いします。。

荒らし、中傷はしないで下さい。
ぐらいしかないですねw

※この話は、ファンタジーぽいですが、途中からバーンでギャーンですb(

では、どうぞ↓↓



〜プロローグ〜

今日という日はもう来ない。
この授業も、青い空も、皆の笑い声も。

窓側の席で、そんなことをふと思った。
でも、似ている日もあるよな、とちょっと訂正したり。

僕、小野悠馬は冷めているとよく言われる。
幽霊も妖怪も信じなかったし、サンタクロースなんて興味すらなかった。

でも、1つだけ。小さい頃から信じているものがある。
どうして幽霊も妖怪もサンタクロースも信じないのに、これだけは信じるのだろう。

この世界と、反対の世界。

いわば、『鏡の世界』だ。

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Re: 【僕の素敵な世界】 ( No.2 )
日時: 2011/06/20 00:23
名前: 青信号 (ID: .057oP6P)

「・・・?何で固まってるんだい?
鏡の世界、信じてたんでしょ?」

声をかけられ、ハッとした。
えっと、鏡の中にいる僕が僕に話しかけている。

・・・。どういうことだ?
まだ、頭を整理をしている自分が、何だか情けない。

「えっと、君は・・・。鏡の世界の住人なんだよね?」

『僕』はケタケタと笑う。笑い方も僕そっくりだ。
目が少し細くなり、白い歯が少しみえる。

「今更何言ってるんだよ。そう、僕は鏡の世界の住人さ。
名前は「ポアロ」。君とは名前が違うのさ。」

「僕なのに?」

「僕なのに。」

ポアロ。ファンタジー系のアニメに出てきそうな名前だ。
今気付いたけど、服も全然違う。

さっきまで「此処」に映っていたのは、学校の制服を着た僕だったのに。

白いワンピースのような服に、七分丈のズボン。
靴は新品のように輝く運動靴で、女の子の様な恰好だ。

「ねえ、悠馬。いつも話しかけてきてくれて有難うね。
こっちの世界にも、退屈してきてさ。君の世界の話が毎日の楽しみだったんだ。」

「てことは、ずっと僕のことみてたの?」

ポアロは大きく頷いた。

「うん。でも、いきなりだと吃驚しちゃうかなーと思って。
さっき、去年の教科書が落ちてたでしょ?あれ、僕が君のやつをパクってたんだ。
少しでも、そっちの勉強を憶えようとして。」

「す、凄いね(笑)」

「まあね。僕、興味が湧くと何でもするタイプだから。」

ポアロは頭を触った。僕の癖だ。

「で、ききたいことがあるんだけど。」

「何・・・?」

真剣な顔のポアロに、少し驚いたというか、恐怖を覚えたというか。
僕が真剣な顔をすると、こうなるのかな・・・?と思った。

「来てみたいの?こっちの世界に。」

「え?」

突然のことで、状況が掴めない。
僕は・・・。鏡の世界に行けるのか・・・?

「い、行きたいけど。できるの・・・?」

「当たり前じゃん。」

何を驚いてるんだ、というような顔で僕をみている。

「じゃあ、ちょっと待ってね。」

ポアロは軽くジャンプをして、僕の方へ走ってきた。

「うわあっ!!」

目を瞑る。トンッ、という音が目の前でしたけど、何があったんだ・・・?

「悠馬、こんにちわ。」

「え?」

目の前には、僕。いや、ポアロがいた。

「ぇえええ!?」

驚きすぎて、僕は倒れ込んでしまった。
め、目の前には僕がいて、挨拶してきて、ニコニコ笑ってきてて・・・。

「そんなに驚かなくても・・・。」

「いや、驚くでしょ。」

一体どうなってるんだ。
ポアロは僕に手を差し伸べる。

「信じてくれた?」

僕はポアロの手を借りて立ち上がる。

「当然。」

Re: 【僕の素敵な世界】 ( No.3 )
日時: 2011/06/23 17:57
名前: 青信号 (ID: .057oP6P)

僕は頬に描かれたマークを鏡で眺める。
ハートって、女の子じゃんか。

「ねえ、この頬のマーク。必要な訳?」

「まあね。それが、この鏡の国のルールというか、なんというか。
まあ、大切なんだ。それがなかったら君、捕まるよ?」

「・・・。マジかよ。」

え、そんなにも怖い場所なんですか、鏡の国。
でも、行きたい。僕はぶつくさと文句を言いながらも、服を着替える。

袖に真黒なラインが3本入っているのが特徴的な服だ。
ポアロ同様、ワンピースのようにふんわりとした仕様だ。ズボンは長いけど。

「じゃ、行く?」

「いや、ちょっと待って。」

僕は机の中をあさる。

「あった。」

見せびらかすようにポアロに向ける。

「それは・・・、何?」

「これは、コイン。小さい頃に友逹から貰ったんだ。
ま、相手は絶対に忘れてるけどね。」

僕は苦笑する。
ポアロは僕をみて笑う。

「きっと忘れて無いよ。だって、友達なんでしょ?
なら、絶対忘れて無いよ。」

優しいポアロの言葉に、少し胸が熱くなった。

「じゃ、行こう。」

ポアロは自分の頬にハートマークを描いて、僕の手を握った。
僕は何故か意識が薄れていく。どうして・・・?

「初めてだから、ちょっと眠たくなるかも。
でも、大丈夫だから、手は離さないでね。」

分かった、という前に僕は眠ってしまった。




ここは、どこ・・・?
目の前にいる君は誰・・・?

何も・・・。

み・・えない・・・・・・。





「起きて。起きてー。」

声はきこえているけど。
何故か、まだ眠っていたかった。

真っ暗で、何もみえないのに。

どうして・・・?

Re: 【僕の素敵な世界】 ( No.4 )
日時: 2011/06/26 17:20
名前: 青信号 (ID: .057oP6P)

「此処は・・・。」

僕の想像の鏡の世界は、自分達の世界と全く同じ。
でも、実は同じじゃなくて、物の場所や人の性格があべこべになっている。

しかしそれは僕の想像だ。

「何これ・・・。」

地面は水なんだろうか、冷たい。でも濡れていない。
ぷにょぷにょしていて、気持ちいい。

「地面は水でできてるんだ。何だろう、氷よりちょっと柔らかな感じ。
それより、周りをみてみなよ。」

ふと顔を上げる。僕は「わあっ」と小さな悲鳴を上げてしまった。

周りは植物で覆われている。が、背が高い。
3、4mはあると思われる、「チューリップ」「タンポポ」「向日葵」。
季節感はバラバラだけど、こんなに大きい花をみたことない。

「凄・・・。」

ポアロは笑いながら言った。

「こんなのどこにでも生えてるよ。
ねえ、今から何処に行きたい?地図でも貸そうか?」

ポアロは携帯の様な機械を僕に渡す。

「それの、上から2番目の青いボタンを押して。」

言われたままに押すと、画面が3Dのように浮きでてきた。
画面には、現在地「ウォールド」と書かれている。

「現在地はウォールド。ちょっと上に進んでいけば僕の住んでるとこに着くけど、行く?」

「・・・名前は?」

「着いてからの秘密♪」

ポアロは僕の手を引っ張って、颯爽と水の上を走った。
慣れて無い僕は何度かこけかけたが、そろそろ慣れてきた。

「あれ!みてっ!!」

ポアロが指さす方向には、空にも街にも沢山の風船がある「街」があった。

「あれがっ!?」

「あれが僕の住んでる街だよっ!名前は「バルーンレミル」って言うんだっ!」

目の前に崖が現れた。にも関わらず、ポアロは速度を止めない。

「ちょっ、ポアロっ!?」

ポアロは大きくジャンプして、僕等は崖から急降下。

「ちょっっっ!!死ぬってぇぇぇ!!!」

「大丈夫だからっ!!みててよっ!!」

ポアロは空に浮いている風船を握り、向こうへ、また向こうへと移り変わる。
そして段々下へ下って行き、最後には地面へ着地した。

「し、死ぬかと思った。」

僕はその場にへたり込んでしまった。
ポアロは腹を抱えて笑う。何故だ。負けた感じがする。

「じゃ、行くよ。」

「あれ?今思えば、此処は普通の地面だね。」

オレンジと黄色の綺麗なタイルが敷かれてある地面を踏んで行き、僕等はポアロの家へと向かった。

Re: 【僕の素敵な世界】 ( No.5 )
日時: 2011/06/29 00:33
名前: 青信号 (ID: .057oP6P)

ごく普通のタイルを踏みながら、ポアロは鼻歌を歌う。
最近僕のクラスで流行っている、「ring☆girl」の「未来へ」だ。

でも、僕はそれよりも「夜野正夢」さんの「悪夢」の方が好きだ。
あの世界観は誰にもだせない、と感心してしまう。
でも、恥ずかしいから誰にも言っていないが。

「ここ、僕の家だよ♪」

ポアロが指す場所には、地面と同じ、オレンジと黄色のタイルに、丸いドームの様な形。
かなりの大きさで、何だか勿体無い気もする。
数え切れないほどの風船がついているその家は、2、3cm浮いていた。

「じゃ、中に入って入って。」

ポアロは扉に手をかざし、中に入る。
押しでも引きでもスライドでもなく、手をかざすとは。

「高セキュリティーだな。」

少し笑いながら家へとお邪魔する。

中には僕が読んだこともないような分厚い本ばかり。
壁全体が本棚となっていて、真ん中に机と椅子がある。そして、僕の
持っているのと同じの大きな鏡。

「何か、文系男子っぽいな。」

「ま、置いてあるのは結構面白いよ。」

題名をみると、「宇宙の存在Ⅰ」「宇宙の存在Ⅱ」「鏡の国」等、面白そうなものもある。

「こっちの世界からすれば、悠馬の世界が鏡の世界だからね。
実はこの部屋、隠し扉があるんだ。」

僕は辺りを見渡す。しかし、本棚しかない。
頭を捻って、考えるが、中々思いつかないものだ。

「ヒントは、本棚。」

ポアロのヒントで、ようやく掴めてきた。

「分かった!本棚のどこかを押せば、隠し扉が開くんだ!」

「正解〜♪」

ポアロは、僕の正面にある本棚に近寄り、一番左の赤い本を引っ張った。
すると、本棚がスライド可能になり、奥には道が続いていた。

「向こうには何があるの?」

「色んな国のものを置いてあるよ。
綺麗な布とか、絵本とか。あと、ぬいぐるみとフィギュアもある。」

随分現代的なものが置いてあるな、とか思いながら、僕は内心ドキドキだ。
鏡の世界に来れて、もう一人の自分と話せて。

「じゃ、行く?」

「うん!」

そしてポアロは、真っ直ぐな道を歩いて行った。

Re: 【僕の素敵な世界】 ( No.6 )
日時: 2011/07/01 13:35
名前: 青信号 (ID: .057oP6P)

何となく涼しいその道は、5、6m程しか続いていなかった。
ポアロが右手でハートマークを描くと、扉は音も立てずに動いた。

「ここが秘密の部屋。別に触っちゃダメなものとかないからね。」

ポアロはそこにあったロッキングチェアに腰掛ける。
僕はその場にあるものを一通りみた。

さっきの部屋より少し大きいくらいで、本が多いのは同じだ。
でも、僕のみたことないような字の本や、開けると文字が浮かび上がってくるような本ばかり。
さっきの部屋のより不思議というか、意味がわからないものばかりである。

僕の目に止まったのが、梁岡の写真だった。

「何でここに・・・?」

ポアロは僕に近付き、「ああ、それか」と呟く。

「だって、僕と悠馬のように、この世界に梁岡君はいるんだよ。
彼、きかれたことには何でも答えるし、嘘つかないから良い子だよね。
僕の一番の親友なんだ。」

「僕も、一番の親友って言われてる。
・・・梁岡はどこに住んでいるの?会いに行きたい・・・。」

「良いけど。ちょっと遠いから、何かに乗って行こうか。」

ポアロは近くにあった箱をガサゴソとあさり、しぼんだ風船を取り出す。

「ちょっと待ってよー。」

ポアロは大きく深呼吸をし、思いっきり息を吹きこんだ。
みるみるうち大きくなり、普通の風船より少し大きいぐらいまでに膨らんだ。
僕も、と思い黄色の風船を借り、思い切り息を吹き込む。

「じゃ、外に出るよー。」

ポアロは風船を持って、走りながら外へ向かう。
僕も走って家を出た。

「じゃ、みててねっ。」

とポアロが言い、また風船にもハートマークを描く。
すると、風船は大きくなり、ポアロの2、3倍以上の大きさになった。
そして、ポアロはその風船の中に入り、プカプカと空へ浮かぶ。

「ちょっ、どうすればいいわけ!?」

「自分で好きなマークを風船に描けばOKだよっ!!」

ポアロはハートというわけか。
じゃあ僕は・・・。コインに描かれていたベルのマークを簡単に描き、風船を投げる。
どんどんと大きくなり、えいっ、と中に入り込む。

外からでは何もないけど、中には色んな機械がある。
スピーカーのようなものから、ポアロの声がきこえた。

『今から行くのは、「マメイディアマリン」って言う場所。
地図の左上に海があるでしょ?そこなんだけど・・・。』

「ち、地図はどこに?」

『スピーカーの隣の機械!青いボタンを押せばでるから!』

「わ、分かった。」

ボタンを押す。前回同様大きな地図が浮かび上がる。

「ここか。」

左上には、とても綺麗な海が映っていた。
でも、どこかでみたことあるような海・・・・・・。

「じゃ、今から向かうよ。」

『操作はハンドルだけだからね。
目的地に着いたら勝手に止まってくれるよ!』

プチン、という音が鳴り、ポアロからの声がきこえなくなった。

ここの梁岡は、何て名前なんだろう?
僕は、さっきポアロの言っていたことを思い出す。

『彼、きかれたことには何でも答えるし、嘘つかないから良い子だよね。』

ということは、どうして僕と仲良くしてくれているのか教えてくれるかもしれない。
だって、一心同体じゃないか。

「教えて、くれるよね。」

僕はもらったコインを取り出し、指で弾いた。


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