ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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人間≪ヒト≫失格
日時: 2011/07/09 11:06
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: 0BucpTCd)

どうも初めまして、又はこんにちは。九龍と申します。
題名みて、一瞬有名な本のパクリかと思った人、これ、パクリではありませんよ。
なにせ、僕はその名作を呼んだことがな(規制)


えぇ、図書館の方と同時進行で行こうと思います。
今回は、人間になりきれない(と思っている)人を主人公にしています。
そんな、摩訶不思議な雰囲気の小説をかけるといいです。

荒らし、チェーンメールを貼りに来た方は、歓迎いたしません。
僕(スレ主)が嫌いな方は、今すぐ逃げた方がいいです。

では、これから宜しくお願いします。




目次





お客様

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Re: 人間≪ヒト≫失格 ( No.5 )
日時: 2011/07/10 20:28
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: up0sn.la)

アゲハ様へ


初めまして。

ぐっと……! それはよかったです。
はい、頑張りますー。

Re: 03 - 命令 ( No.6 )
日時: 2011/07/13 20:57
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: OcJJl0ek)

03 - 命令



さて、やっと授業が終わった。
竜雅は欠伸をして、机に頭をのせた。


——まったく、なんで僕が、転校生の相手なんかしなきゃならないんだ。

竜雅がそう思っていると、その悩みの原因が歩いてくる。


「廉士くん、どう? 今のところ、授業についていけそう?」

竜雅達の担任、菊原がそう聞く。
菊原は廉士の席を決めた時と同じように、不敵な笑みを浮かべているだけだ。
竜雅は菊原から目をそむけ、すっと教室から出ようとした。
できれば、あの二人に気がつかれないよう。




しかし、そう簡単にはいかなかった。

「竜雅! ちょっとお願いがあるんだけど」

菊原が、竜雅を呼びとめる。
竜雅はそれを聞いて、廊下まであと一歩というところで、立ち止まる。

竜雅は、クラスの中でも美しい少年だったので、どうしても人目をひいてしまうのだ。
黒くつややかな、短い髪。
切れ長の黒い目。
頬は少しだけ青白い。だが、それもまた、儚さを感じさせる。

そして、普通の生徒からは発せられない、冷たく、誰も寄せ付けぬような態度。


せめて、もう少し普通な容姿ならよかったのに。


竜雅は「ちぇっ」と舌打ちをしたくなったが、ぐっとこらえ、笑顔を作る。



「はい、なんでしょう?」
「廉士はまだここのこと、よく知らないだろうし、竜雅がここのことを教えてやってくれ」

菊原がそう言うと、竜雅は美しい顔をゆがめた。
それを見て、菊原は口を押さえる。
腹を抱えているところから、口を押さえても、笑っていることが分かった。



「先生、なんで僕なんですか?」

竜雅は「嫌です」と言っているのも同然の口調で、そう聞く。
菊原はそれを聞き、口を押さえていた手を離す。



「だってお前、友達いないだろ?」
「いますよ。友達くらい」

竜雅がムキになって答えると、菊原は困ったとでも言うように、肩をすくめる。


「いるけど、一人だけだろ? しかも、女の子の」

菊原がそう言うと、竜雅は顔を赤くした。

「いいじゃないですか、女の子だって!」

竜雅は声を荒げ、菊原にそう怒鳴る。
菊原は、頭を抱え、ため息をつく。


「とにかく、廉士のことは任せたぞ」

そう言う菊原の口調は、どう考えても、命令にしか聞こえなかった。
菊原が立ち去った後には、苛立ちを必死に抑える竜雅と、あっけにとられる廉士だけが残っていた。

Re:  04 - ナゾ ( No.7 )
日時: 2011/07/25 07:06
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: xBZTpQ7s)

04 - ナゾ



竜雅は浅く息を吸い、深く吐く。
ああ、なんで僕が、こいつと慣れ合わなきゃいけないんだ。


「……あのう、永光さん」
「竜雅でいい。で、なに?」

「俺、迷惑ですか……?」
「ううん、クラスの奴等に比べればマシな方だよ」

竜雅がそう言うと、廉士は力が抜けたように、ふにゃりと微笑む。
竜雅はそれを見て、少しだけ。ほんの少しだけ、微笑んだ。

こいつと一緒にいるのなら、まだ、良い方だった。
汚いところを全部知ってる、クラスメートといるよりはマシだ。
それに、扱いやすそうだしな。

竜雅の頭の中に、そんな考えが浮かぶ。
まだ、すべてを知らない人間と一緒にいるというのは、楽なものだ。
その分、後から嫌な部分も知ることになるのだが。
その部分を知らなければ、幸せなんだけど。


「……とりあえず、昼食にしますか。ほら、ついてきて」

竜雅はスクールバックをもって、廊下に出る。

廉士は、そんな竜雅の背中を追いかけた。

竜雅と廉士が一緒に歩いているという光景は、嫌でも人目を引いた。
廊下にいた生徒は、道を開ける。
そして、壁を背にこそこそと話しだす。
廉士はそれを見て、不思議に思っていたが、竜雅はそんな事はお構いなしだった。

竜雅は階段を駆け上がり、屋上のドアを開ける。
廉士も屋上を駆け上がる。


竜雅とともに、足を踏み入れる。
すると、そこには、誰もいない。




「今日も、良い天気だね」

そう言って、竜雅は美しく微笑む。
廉士はそんな竜雅に、ひとつ、質問をする。



「あのう、ここ、なんで誰もいないんですか?」

廉士がそう聞くと、竜雅は楽しそうに答える。


「なんでだろうねぇ。気になるねぇ?」

竜雅はそういい、無邪気に笑う。
「でも、まだ教えてあげない」一生教えることはないと思いながらも。
竜雅はそう言い、笑ってごまかした。


「で、どのパンが食べたい?」

竜雅はスクールバックから、色々な菓子パンを取り出す。
廉士は首を傾げながらも、竜雅の向かいに座り、屋上での食事を楽しんだ。

Re: 人間≪ヒト≫失格 ( No.8 )
日時: 2011/07/24 19:48
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: xBZTpQ7s)

05 ‐ 価値感



パンを食べ終わると、竜雅と廉士は、教室へと戻った。


教室に戻ってみると、そこにはもう、クラスメート達はいなかった。
だけど、一人だけ、人がいた。
カーテンが閉められ、扇風機だけがいそがしく首を動かしているそこでは、菊原が事務椅子に座り、床を蹴ってくるくる回っていた。



「おや、竜雅と廉士。ずいぶんと早く帰ってきたね」
「まあ、僕にはやることがないので」
「俺にも、特にやることはないので」


二人がそう答えると、菊原は笑いながら、くるりと事務椅子とともに回る。



「そうか。竜雅はいつもそればっかりだな。廉士はみんなと話したりしないのか?」
「あ、いえ、別にそう言うのは……」
「ないの?」


菊原は笑いながら、教卓にひじをのせ、頬杖をついた。
廉士は俯き、竜雅を見る。
竜雅はそんな廉士を見て、肩をすくめた。



「廉士、竜雅が何か失礼なこと言わなかった?」


菊原が、廉士にそう聞く。
廉士は突然の質問に驚きながらも

「いえ、全然……」

と言って、目を丸くした。

竜雅はそれに対し、小さくため息をついた。


「そんな事を聞くとは、ずいぶんと酷いお方だ」
「ふぅん、酷いかなぁ? 竜雅は酷いこと言って、廉士を突き放すかと思ったけどねー」
「そうしてやってもいいんですよ、今すぐに」


竜雅がそう言って微笑むと、菊原は苦笑した。
廉士は「突き放す」という言葉にビクリと体を震わせた。



竜雅はそんな廉士を横目で見て、悪戯っぽくウインクをして見せた。
廉士はそれを見て、瞬きを繰り返す。



——なんだ、今の。


「おや、竜雅は廉士が気に入った?」
「まあ、他の奴よりは話しやすいですよ」

竜雅はそう言って、笑う。


「それに、面白いし」なんてことも言おうと思ったが、それでは廉士が何か言いそうなので、止めておいた。



「あ、そうそう、竜雅」


菊原は何かを思い出したように、竜雅の名を呼ぶ。
そして、また事務椅子とともに一回転する。



「今日は、真里亜が学校に来てるんだ」


菊原の言葉に、竜雅の目は大きく開く。
竜雅は教卓に手を置き、菊原の顔をじっと見つめる。

「先生、なんでそのことをもっと早く言ってくれないんです!?」

Re: 人間≪ヒト≫失格 ( No.9 )
日時: 2011/07/25 00:18
名前: 紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE (ID: YZiYs9.d)
参照: 夏バテ注意。

タイトルで良作の予感、本編一気読みしてさらに良作の予感。
紅蓮の流星という物です。者ではなく物です。ここ重要です。
なんかこう、こういうふわっとした雰囲気とか好物です。あと、何故かとても続きが気になります。
更新頑張ってください、応援しています。

一人だけいる友達が女の子とかそれ完全にフラグだと思うんだ。


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