ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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Experience
日時: 2011/06/29 16:11
名前: 汐華 初流乃 (ID: uRjlitq/)

まず初めに・・・
ぶっちゃけ「日常ぶち壊し系」の物語です。

何か聞いた事のあるセリフ等が出てきても、ツッコミは無しでお願いしますww



是非コメント入れて下さいね☆
あ、批判は無しで・・・

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Experience ( No.5 )
日時: 2011/07/03 22:04
名前: 汐華 初流乃 (ID: uRjlitq/)

Episode 2
 〜学校閉鎖〜


相変わらず校庭の生徒達はトラックの側で様子を伺っていた。
中には死臭と肉塊に耐え切れず、嘔吐する者までいる始末だ。
「楓ちゃん・・・死んだのか・・・オレ、様子見に行って・・・」
「やめろッ!大成!」
下へ向かおうとする大成の手を掴み止めた。
わざわざ残酷な現実を見に行く必要はない。むしろ知らない方が幸せな場合もある。
それに・・・何か嫌な予感がする。


「ッ!動いた・・・今動いたよねッ!?」
一人の女子生徒の呼びかけで、生き残った全ての教員・生徒が彼女の所に集まる。
「今、香田先生の体が、動いたよッ!」
屋上にいた2人もその声に反応し、高い所からではあるが、その様子を見た。
上半身が変な方向に向いて、口からは大量の血・・・
本来なら死んでいてもおかしくない体で、理科の教師の香田は起き上がったのだ。
そして・・・

「きゃあああぁぁーッ!」
香田は突然その女子生徒の体を引っ掻いたのだ。
それも、人間とは思えないような力で・・・
胸を裂かれた女子生徒は大量の出血と共に倒れた。
香田に続くように、死んだ者は次々と起き上がった。
首が飛んでいる者以外全て・・・

突然の出来事にしばらく立ち尽くしていた生き残りの生徒。
しかし、起き上がった者たちの視線がこちらに向くと、初めて事の重大さに気づいたのか、皆散り散りに逃げ始めた。

「何なんだよ・・・ッ!何が起こったんだ・・・!?」
利玖と大成はまるで地獄を見ているようだった。
生徒が生徒を襲う・・・
爪で引っ掻くだけでなく、食い千切ったり、首をもぎ取ったりする者もいる。
そして死者から攻撃を受け死亡した者は、また復活し生者を襲う・・・
これじゃあまるでゾン・・・
「利玖、どうするんだよッ!何か大変な事になってるぜッ!」
大成が不安を隠しきれない様子で言った。
「春人と風香は・・・」
本能的な何かが利玖の脳内を過ぎり、気が付いたときは既に動き出していた。
「ど、どこいくんだよッ?」
3階の階段で追いついてきた大成は利玖を呼び止める。
「春人と風香の無事を確かめてくるッ!まだ生きてるかも知れねぇ!」
階段は1段飛ばしどころでは無い。
段数の少ない階段はジャンプで駆け下りる。

2階に辿りつき、次の階段を下りようとした瞬間。
「うわッ!」
利玖は誰かにぶつかった。
「ま、的場・・・」
「楓ちゃん・・・」
倒れた利玖の前に立っていた人物の正体。
それは変わり果てた2年B組のマドンナ。的場 楓が立っていた。
しかしその姿は、かつてのマドンナの姿を保っていなかった。
片腕が無く、顔面も3分の1が吹き飛んでいた。
言うまでも無く。【死者】と化していた。
そして楓は利玖の姿を確認すると、その血まみれの口を大きく開いて、利玖の喉元を狙った。
「ウギャァァアッ!」
訳のわからない奇声を発しながら噛み付こうとする楓。
「んっなろがァッ!」
女を殴るのは最低の行為だが、もう男も女も無い。
コイツはもう【死者】なのだ・・・

殴られた楓は一度利玖から離れたが、何事も無かったかのように再び立ち上がった。
顎を殴った為、顎関節が外れていた。
「嘘だろ・・・関節外したんだぞ・・・」
「やっぱり、もう死んでるんだ・・・ッ!」
大成はそう言って廊下に出ている掃除道具入れから、1本のほうきを取り出した。
「利玖ッ!」
大成は利玖の名前を呼ぶと同時に、ほうきを投げた。
「ソレを使えッ!」
「で、でも・・・ッ!」
口がつかえない。と判断した楓は爪を尖らし、大きく振りかぶった。
利玖はそれを避けた。
「気にするな、もう人間じゃあない。気にせずやれッ!」
 
そうだ・・・もう人間じゃない・・・
今目の前にいるのは、ただの【死者】だ。
利玖は両手で柄を握り・・・
【死者】に完全なる【死】を与えた・・・

Re: Experience ( No.6 )
日時: 2011/07/03 22:36
名前: 志乃 ◆t1/0qBI8YA (ID: Fas9i7dG)

きましたよぉwwww
おお!!レイナさんがここにいる!!
レイナぁぁぁぁぁぁ!
だいすきだあああああああ
すいませんw

Experience ( No.7 )
日時: 2011/07/03 23:00
名前: 汐華 初流乃 (ID: uRjlitq/)

「春人ッ!風香ッ!いるのか!?」
アレからも何人かの【死者】と戦い、遂に1階の保健室に辿り着いた。
風香は体が弱い。こんな言い方をすると何だが、保健室の常連だ。
それに付き添う春人も同じ。
今回の避難訓練も風香は体の不調を訴え、春人と共に保健室で休んでいた。
しかし保健室にいたのは春人、風香では無く【死者】だった。
それはドアを開けた瞬間、利玖に襲ってきた。
「利玖ッ!危ないッ!」
大成がとっさに利玖を突き飛ばした。
そのおかげで大事には至らなかったが・・・
「ぐわぁぁぁッ!」
大成の腕から血が滴っていた。
それは【死者】に引っかかれて出来た傷だった。
「大成・・・ッ!ちくしょうッ!」
利玖は立ち上がり、【死者】を叩いた。

「大成、大丈夫かッ!?」
「大丈夫だ・・・軽く切っただけだ。てか、オレって本当に残念だな」
保健室の包帯を巻き、一時はそれで凌いだ。
確かに傷は浅かったが、血が止まらなかった。
「学校から出たら、病院いかねーとな」
大成は余裕の笑みでそう言った。
まだ笑えるくらいだ。大したことは無いだろう。
「武道館に行こう。武器がほうきじゃあ効率が悪い」
包帯を巻き終えた利玖はほうきを手にして言った。
「竹刀か木刀で戦うのか?」
「ああ、そのほうが壊れにくいしな」
廊下の窓から武道館を見た。
距離は僅か100m程だが【死者】が5人いた。
「なるべく【死者】との戦闘は避けよう。一々相手にするだけ、時間の無駄だ」
「了解」
利玖は扉に手をかけた。
「行くぞッ!」
利玖の合図で2人は一斉に飛び出した・・・

引き戸の扉は閉まっていた。
しかし中から人の気配はする。
「開けてくれッ!オレたちはまだ【死者】じゃないッ!」
大成が周囲の警護をし、利玖が扉を叩く。
利玖は思いっきりドアを叩き、中の人間に助けを求める。
「名を名乗れッ」
女?
中から聞こえてきたのは女性の声だった。
しかし、そんな事はどうでもよい。
「2年D組 白石 利玖だッ!」

利玖は言われた通り、その名を名乗った・・・

Re: Experience ( No.8 )
日時: 2011/07/03 23:04
名前: 汐華 初流乃 (ID: uRjlitq/)

>志乃s

返信ありがとッ☆
玲奈って名前、結構好きなんだ〜ww

てか、そのフレーズいいな・・・
Experience本編でも使わせてもらいますww

「鬼ごっこ」も楽しみにしています♪
続きを早く〜ww

Experience ( No.9 )
日時: 2011/07/06 21:50
名前: 汐華 初流乃 (ID: uRjlitq/)

・・・
「ふ〜助かりました・・・」
「ホント・・・マジで焦ったよな〜」
武道場のドアを開けてもらって利玖と大成は中に入った。
「すまなかった・・・すぐに開けるべきだったな」
中にいた女子生徒が近づき、話掛けてくる。
武道場の中には2人の生徒がいた。
男と女が一人ずつ。
「私の名前は海庭 玲奈だ。3年C組。そして彼は・・・」
「宮下 佳樹だ。クラスは知ってるな?」
玲奈が指した先にいた男子生徒はチラッとこちらを見て言った。
海庭先輩はここで出会うのが初めてだが、コイツは知っている。
「2年A組だろ?もちろん知ってるぜ。あ、オレは白石 利玖です」
「池尻・・・大成・・・グハッ!」
新たな異変が始まった。
「どうしたんだ!?大成ッ!」
大成はいきなり吐血をした。
量こそは少なかったが、さっきまで元気だった事を考えると何かおかしい。
「君は【死者】と化した者から攻撃を受けたか?」
玲奈が近づき、大成に問いかける。
「ハイ・・・保健室で・・・引っかかれ・・・ゴホッ!」
大成の体調が見る見る内に悪くなっていく。
吐いている血の量も先ほどより増えている。
「だとしたら・・・さっさと始末しておかねーと、ヤベェんじゃねーか?」
「どう言う意味だよ、佳樹」
壁にもたれ掛かって座っていた佳樹は突然立ち上がり、木刀を構える。
「漫画や映画と同じだよ。【死者】から攻撃を受けた場合、その者も【死者】となる」
玲奈は大成から視線を外さずに言った。
手に握った木刀には力が篭っていた。
「はぁ・・・オレって本当に、残念・・だ・・・な・・・ぶッ!」
「ッ!大成ッ!」
大成はそう言い残し、最後に大きく咳き込み息を引き取った・・・

「・・・復活したら、私がやろうか?」
玲奈が俯く利玖の背中を叩き、そっと呟いた。
利玖はそれに首を横に振って答えた。
「大成は、オレを庇って怪我したんです・・・最後くらい、オレの手で送ります」
「そうか・・・」
玲奈は優しく微笑むと2人の側から離れた。
そして間もなく、【死者】の大成が起き上がった・・・

「・・・さよならだ大成ッ。そして、ありがとな」
大成が渡してくれた武器。
利玖はそのほうきで大成を送った・・・


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