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  償って死ね/処刑者の戯言
日時: 2011/07/26 22:45
名前: 莉奈 ◆703fA5c/sc (ID: ICvI0sBK)

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  —— 罪人が増えた、

  だから、罪人を殺すのが、役目だ。
  罪人が死ぬ運命なのだから。

  今宵の犠牲者は誰?


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初めまして莉奈(rina)ともうします。
初心者ですが、どうか大目に見てください。
それでは、稚拙ですが、よろしくお願いします。


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   → 注意事項

 01/ シリアス、ダーク、猟奇的、死、の描写があります
 02/ 荒らしや喧嘩、宣伝などは一切お断り。
 03/ マナーを守ってください
 04/ 事項を見ないでの苦情は一切受け付けません
 05/ 短編集。オムニバスストーリー


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   → 登場人物

 */ 春山 美歌 ( haruyama mika ) ♀

 */ 弓月 ルナ ( yuduki Luna ) ♀


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Re:   償って死ね/処刑者の戯言 ( No.1 )
日時: 2011/07/27 22:17
名前: 莉奈 ◆703fA5c/sc (ID: ICvI0sBK)

  第一章 ( 大好き )

  → 登場人物一覧


  */ 深山 優美 ( miyama yumi ) ♀

  */ 天羽 葉月 ( amou haduki ) ♂

  */ 榎本 梓 ( enomoto azusa ) ♀



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Re:   償って死ね/処刑者の戯言 ( No.2 )
日時: 2011/07/28 15:55
名前: 莉奈 ◆703fA5c/sc (ID: ICvI0sBK)

  #01


俺は最近、大きな悩みがある。だけど、それは決して言いたくなかった。
周囲の人間に、変な気遣われるのは嫌だからだ。
それでも、ストレスは溜まり、苛立ちが全体に襲って不愉快にさせた。
気付けば、家の玄関の前に突っ立ってた。
何となく玄関の入り口にあるポストを見遣った。
やはり、ある。………手紙が入っている、という合図。
仕方なく、ポストに手を突っ込んだ。
乾いた音。紙の感覚。大きさは手紙ぐらいだろう。
取りだせば、ピンク色の愛らしい女の子が使うような手紙だった。
差出人の名前は必ずない。何処をどう探しても、見つからない。

「葉月?」
「……っ!」

背後から聞こえた声。その声の持ち主は—— 振り返ると、少女がいた。
きちんと切り揃った前髪、赤い髪留め。少し長いショートヘア。
制服を着て灰色の上着、赤と茶のチェック柄のスカートに赤いネクタイ。
この制服は有名私立校で合格者は数百人に一人という難関な高校。
自分は引き換えに、——………平凡な公立高校だ。
成績も容姿も運動も全て平凡で何一つ、得意も不得意もない。
目の前の少女は、いわば幼馴染だった。
容姿は愛らしく成績も素晴らしく。だが、運動だけは平均という幼馴染。


「………何だ、梓か」


背中に素早くこの手紙を隠した。
見つかったら、色々と煩いからだった。

「なに、暗い顔をしてんの?……何か、あった?」

盲点を突かれ、内心、冷や汗を流したが、作り笑いして。

「別に。何でもねーよ」
「本当?まっ、良いかあ。葉月はガサツだしぃ」
「何だと?……まあ、事実だし、良いか」

隠した手紙をポケットにしまった。家が隣同士でいつの間にか幼馴染だという良くある隣人同士の付き合いだった。
周囲も俺たちが恋愛になると考えず、ただの〝幼馴染〟としか認識しておらず、二人もそう認識していた。
そんな幼馴染に知られたくない、悩み。
それは、ストーカーだった。
ここ最近、誰かが、俺に付きまとっているのだ。
しかも、必ず毎日、手紙が夕方に入っているという怪奇。
すっかり、気持ち悪さに俺の機嫌が日に日に悪くなっていく。
周囲に不審に思いつつも、付き合っているし。

「じゃあね、葉月。明日は部活がないんだ」
「奇遇だな、俺もだよ」

等と他愛のない話をして、とっとと家に入り込んだ。
家に帰っても、誰もいない。
両親は共働きという家庭に育った俺は昔から夜遅くまで一人だった。
幼馴染の梓は母親が専業主婦で、家庭円満だというに。
自分の家庭は核家族で、しかも、現代ならではの、繋がりが薄い家庭。
父親は数日間は帰らない、母親は真夜中近くまで帰らない。
たまに早く帰ったとしても、何処か冷めた感じの、会話も少なかった。
当然、俺も自然と両親の会話をすることはなかった。
家族全体が、家族という名の赤の他人が共同で住んでいる感じだ。

「………誰もいないな」

ぽつん、と薄暗い廊下で呟いた。だから、俺のストーカー被害を知らない親。
親失格だと世間から避難されても、庇う気になれないだろう。
別に親なんか、大人になるまで養って、成人すれば付き合うぐらい。
そんなもんだろう。
隣から、家族の笑い声が聞こえてくる。
聞き慣れた声。
それは梓と梓のおばさんとおじさん。とても優しく気にかけてくれる人たち。
それが、どうも気に食わない。
気にしなけりゃ良いのに。
何処か、何処かがムカついて、苛立ってくる。

「ムカつく……」

隣の家の笑い声が静まっている家に良く響く。






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