ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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- I know -
日時: 2011/08/03 15:38
名前: 白玉 あずき (ID: OZDnPV/M)

はじめまして。 「白玉 あずき」と申します。

小説を書くのは初めてとなります。なかなか上手く書けないと思いますが、読んでいただけたら嬉しいです。

それでは、「-I know -」始まります。

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Re: - I know - ( No.1 )
日時: 2011/08/03 16:10
名前: 白玉 あずき (ID: OZDnPV/M)

  Ⅰ話   「僕」

 今見えているものは本当にこの色で、この形で、ここに存在しているものなのだろうか?
 この世界、この教室、自分の家族の中でも、自分以外のすべての人が敵で、自分ひとりだけが取り残されたらどうなるだろうか。
 天国や地獄はあるのだろうか。
 最後の問いにだけははっきりと答えられる。この世界に天国や地獄は本当にあるのか————

 ない。きっとここでは、死ねばきっと、何もかも、残されるのはただの抜け殻で、シュッと一瞬にして消える。
 何故そんなことが言えるか? そんなことは決まっている。誰も『二度生きた人間』などいないから。つまりそれは単に人の想像だから。
 それに、僕がそう思ったから。


 僕はいつからこんなことを考えるようになったのか分からない。自分でもわからない。そしてある一定の記憶以上はまるで元からなかったかのように思い出すことができない。
 この首の傷もいつどこで、また何故できたのかもわからない。


 中学を卒業して、近所の高校に進学し、今僕はこの一年五組の教室で昼食を食べている。自分の机で、一人で。特に一人でいることを寂しいと感じたことはない。僕は普通の人間と何か違うような気がする。でもそんなことを考えるのは僕だけで、他のクラスメイトはそんなこときっと考えもしないで話しかけてくる。
 特に、笠山 遊斗。
 彼はきっとこんなことばっかり考えている変な奴を友達と思ってくれているのだろう。今日も、休み時間に「宿題見せて。」と言ってきたが、断る理由もないと思って、ノート一冊丸ごと手渡した。僕は喋るのが苦手だ。気のきいた答えをすることができない。
 何故だか、そんなことも分からない。
「あっ、指切っちゃった。高梨君、ばんそうこう持ってない?」
「持ってない。」
「そっか。じゃあ、他の人に聞いてみるね。」
隣の女子が、紙で指を切ってしまったらしい。指の傷口から、赤い液体が伝って机に落ちる。この液体を見ると、なんだか変な感じがする。早くここから立ち去りたい気分になった。
「あっ、やばっ。血、止めなきゃ。」
「ティッシュなら、持ってる。」
「大丈夫。私も持ってるから。」
「そう。」   
「うん。」


 今日は午前中で授業は終わりだ。僕は部活に入っていない。だからと言ってしたいと思ったこともないし、家に帰る。とその予定で校門を出ると、
「高梨 蓮、か?」
いきなり若い女の人と黒いスーツの男の人に挟まれて、声をかけられる。声をかけたのは女の人だった。
「はい。」
 初対面の人に名前を呼び捨てされるのはあまり好ましくないけど、いちいち反論する気にもならないので、一応答える。
「ちょっと、乗って。」
 車に乗れということか。黒スーツの男の人の隣には、黒塗りの車がある。乗っていいことがあるわけないと分かっていたが、乗った。この人たちは、僕と同じ匂いがしたから。そして、同じ目をしていたから。
 この人たちは誰だろう?思ったことをそのまま口に出す。
「あなた達は、誰ですか?」
「あなたは、特別な人間。」
「は?」

「あなたは——— 『二度生きた人間』」

女の人は言った。男の人は何も喋らない。

この人は  いったい  何を  言って  いるの  だろう……?


Re: - I know - ( No.2 )
日時: 2011/09/10 20:07
名前: いぎたんは俺の嫁 (ID: 3JMHQnkb)

面白そうですね!

続き楽しみにしてます

Re: - I know - ( No.3 )
日時: 2011/12/28 13:32
名前: 白玉 あずき (ID: 49hs5bxt)

 Ⅱ話 「僕が喋った日」

 信じていたことも間違いだった。人は、一度しか生きられないのだと、心臓が止まれば死に、脳が死ねば、死んだと当然だと、そう思っていた。魂なんて存在しないで、感情なんて脳の機能だと、そう思っていた。
 なのに、何故、僕は生きている? 何故、ニ度も———

 僕は今、誘拐されている途中です。スタイルの良いおねーさんと、グラサンのおにーさんが僕に、「二度生きた人間だ。」と言った。……意味不明。夢か?夢オチなのか?
 よし、腕を爪でつねってみよう。あっ、赤いペンキが出てきた。ん?にしてもこのペンキ、やたらと熱いぞ。よし、座席で拭いちゃえ。
「おい高梨。」
呼び捨てだから返事しねーし。……いや、ちゃんとしますよ。
「なんですか?」
「お前、人に殺されたり、人を殺したりした覚えはないか。」
「したらここにいません。」
どっちにしろ。…えっ?まさか僕が二度生きた原因は、殺人か?
「その首、どうした。」
「木登りしてたら、昼寝中だった猫を起こしてしまい、こうなりました。」
なわけないだろ。
「真面目に答えろ。」
「すいません。記憶がないんです。」
「やっぱりな。」
てかおねーさん、どや顔すんな。ムカつく。
「まず、本部に着くまでに。」
「本部って何すか?」
分からないことはすぐに質問する派、僕。
「仕方ない、説明してやろう。本部、正式名称は『二条院ハラダ』通称『二条院』だ。ここには、普通の人間とは少し違った人間が、組織を作り、色々な役割を果たしている。」
「あやふやなとこ、多いっすね。」
ってか、僕って、こんなに喋れんの?この人たちの前だと、キャラがベジータ⇒悟飯くらい変わってる気がするのですが。
「着けばわかる。と、さっきの続きだが、本部に着くまでに、私から、お前の役目を言っておこう。簡単に言うとだな、記憶を取り戻せ。以上。後は本部に行った時に話す。」
……いや、簡潔すぎるだろ。




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