ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 呪蝶屋〜魂封じる少女の店〜
- 日時: 2012/04/04 15:20
- 名前: 夜湖 (ID: 2FwfSENv)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode=view&no=58
リメイク版は参照のURLです。
リメイクした呪蝶屋を宜しくお願いします!
*小説を読む前に*
初めまして。呪蝶屋の店主の呪怨と申します。
この店に入る前に、下にある注意点を読むことをおすすめします。
それでは良い旅を…。
*注意点*
Ⅰグロい所が結構出て来るかも知れません。
Ⅱ更新が遅かったり速かったり不定期です。(現在のスピード*速)
Ⅲ時々戦闘シーンが入ります。
Ⅳ視点は『呪怨』と『雷葉』の2つです。コロコロ変わります。
Ⅴちょくちょく修正します。
Ⅵコメント受け付けていますが、荒らさないで下さい。
Ⅶチェーン、意味不明文、小説無関係(雑談)=荒らしとします。
*登場人物*
★黒蝶 呪怨(こくちょう じゅおん)
呪蝶屋の店主。左目を失い、包帯が巻かれている。
辛い過去を持っているミステリアスな美少女。12歳。
容姿*銀髪のロングヘア、赤い瞳、白い肌、左目に包帯、黒い膝下のワンピース、低い赤のヒール。
★黒蝶 雷葉(こくちょう らいは)
呪蝶屋で店員をすることになった人間。幼い頃から路上生活をしていた。
元の名前は「川瀬 雷葉(かわせ らいは)」。12歳。
容姿*黒髪、黒い瞳、右目周りに焼け跡、黒いTシャツにジーンズ、黒いシューズ。
★ルナ
呪怨が飼っているネコ。性別は♀。
人間に変化することが出来る。普段はネコ姿。
ネコ姿*人間の額部分に月の紋章、黒い毛。
人間姿*現在公開不可能
★ソル
呪怨が飼っているネコ。性別は♂。
人間に変化することが出来る。普段はネコ姿。
ネコ姿*人間の額部分に太陽の紋章、黒い毛。
人間姿*現在公開不可能
★ソルナ
ルナとソルの闇の力から生まれた謎の生物。
鳴き声は「クー」。性別不明。
容姿*ハムスターに似ている、黒い毛。
*目次*
プロローグ 呪蝶屋へようこそ >>1
第1章 美少女と少年 >>2>>3>>4>>5
第2章 魂封じ >>6>>7>>8>>9
第3章 呪蝶屋の手伝いは… >>10
- Re: 呪蝶屋 ( No.7 )
- 日時: 2011/08/12 14:16
- 名前: 夜湖 (ID: JkVnDcbg)
「…ところで、何処まで飛ぶんだ?」
ため息をつきたくなるのは解るわ。今、私達が飛んでいる下は青い海だけ。
「日本を抜けたんじゃないか?」
「そのとうりよ。」
ルナが雷葉の質問を即答したためか、思わず笑ってしまった。
「呪怨、笑うな。」
「ごめんなさい。面白くて…。
でも、恨み相手が海外にいるケースも珍しくないわ。」
「そうなのか…。なあ、この方向ってアメリカじゃないか?」
私は地図を取り出し、飛行時間と速度を位置を確認してみた。
「アメリカに止まるかは解らない。でも、確かにアメリカの方角よ。」
「良く解るな…。凄い。計算大会で優勝できるぞ、呪怨。
…父はアメリカにいるんだ。始まりは父からだったから、1番恨んでいる。」
「ということはアメリカで止まる確率が高いわね。私もアメリカに良く行くのよ。」
「ルナが?」
「ええ。理由は後で教えてあげる。」
今思ったけど、雷葉は「父さん」とも「パパ」とも言わないみたいね。
「父」と「父親」としか言わない。
「蝶が止まったわ。」
「ここは…。」
蝶が止まったのは、アメリカの港町だった。
- Re: 呪蝶屋 ( No.8 )
- 日時: 2011/08/12 14:18
- 名前: 夜湖 (ID: JkVnDcbg)
「ここは…アメリカ…?」
「…雷葉、父親以外にアメリカにいる知り合いはいる?」
「いない。」
蝶が下へ降りて行った。私達も後に続いた。
「呪怨、空から降りて来て不審な人と思われないのか?」
私に聞いたみたいだけど、ルナが答えた。
「その心配は必要ないわ。呪怨は恨みを持つ人にしか見えないから。
魂封じの時は、恨み持つ人間にも見えないように魔法をしているけど。私も魔法をしているの。」
「良く解んない…。…じゃあ僕は?」
「雷葉は『呪蝶屋』を出る前に、私と契約をしたから人間には見えないわ。」
雷葉の方を向いた途端、私は何故か「あの人」を思い出した。
…もうとっくに諦めたはずなのに…。
「…あ!」
「どうしたの?」
「僕の…父親が…。」
雷葉の指さす手が震えていた。そこには、女性と一緒にいる男性がいた。あれが、雷葉の父親なのかしら…。
「酷い…。…母さんがいないからって…。」
「パリィィン…。」
商店街のガラスが割れた。もしかして、これは…。
「呪怨、これは何なの!?」
「恨みの…力よ。恨みが限界を超えているわ…!」
———早く魂封じをしないと雷葉が壊れてしまう!
- Re: 呪蝶屋 ( No.9 )
- 日時: 2011/08/12 14:19
- 名前: 夜湖 (ID: JkVnDcbg)
「罪を重ねる罪人よ。恨み晴らし、魂封ずる。…魂封蝶呪!」
私は咄嗟に呪文を唱えた。すると…。
「ぎゃあああぁぁ!」
雷葉の父親が悲鳴を上げ、苦しみ出した。雷葉の父は赤い蝶の中に吸い込まれて行った。
父親の叫びで目が覚めた雷葉は、その声で顔を歪ませていた。
「呪怨…聞きたいことがあるんだが、いいか?」
「良いわよ。何かしら?」
蝶をビンに入れ、真っ赤なコルクで蓋をした。そして雷葉を見る。
「毎回こんな叫びを聞くことになるのか?」
「ええ。でも今は急いでいたからまだマシな方よ。
いつもなら全身バラバラの刑とか、毒死の刑の後に魂を封じるの。」
私は淡々とした口調言ったが、雷葉はさらに顔を歪ませた。
「何でも慣れよ。さあ、呪蝶屋へ戻りましょう。」
雷葉のやる気が本気が確かめるため、「慣れ」という言葉を強調した。
顔を青くさせたが、目は「やるしかない」と言っている。本気ということね。
私はワープの呪文を唱え、1秒後には全員呪蝶屋へ戻っていた。
- Re: 呪蝶屋〜魂封じる少女の店〜 ( No.10 )
- 日時: 2011/08/12 18:17
- 名前: 夜湖 (ID: 48X3tsGQ)
*第3章 呪蝶屋の手伝いは…(以下想像にお任せします)*
「お帰り。」
「只今、ソル。…雷葉?」
呪蝶屋へ戻って来た僕は、始まったばかりだけど少しこの仕事が嫌になった。
今度からは恨み相手のむざまな姿も見なくてはならないのか…。
「雷葉、これから呪蝶屋についていろいろ教えるわよ。気分が良くなったらあの扉の部屋に来て。」
「解った。それと、水が飲みたいんだが…。」
「あの扉の奥が台所だ。」
ソルが教えてくれたが、何やらご機嫌斜めらしい。何があったんだろう。
僕は台所に行って水を飲み、深呼吸をした。また恐ろしいものを見るかも知れないから。
元の部屋に戻って、扉を開けた。呪怨は「早かったわね。イスに座って。」と言った。
「この呪蝶屋は恨み相手の魂を蝶に封じ込める店。その時に必要な事を教えるわ。」
呪怨は前に僕に渡した黒薔薇を持った。
「この黒薔薇は恨みの強さを確かめることが出来る薔薇。強さは薔薇が変化した蝶の色に現れるの。」
「じゃあ、僕の時の赤い蝶はどれ位強いんだ?」
僕は内心恐ろしい話じゃなくてホッとした。魔法の様な話だから少し解り難いが。
「白、黄色、青、緑、紫、黒、赤の順に強くなっていくの。さらに血の様な深紅の赤は最も強い…。」
「ってことは1番恨みが強いって訳か。」
「そういうこと。蝶についてはこれだけ覚えておけばいいわ。次はこっちよ。」
僕は呪怨について行った。呪蝶屋も結構面白いと思った。…が、次の部屋でそれは消え去った。
- Re: 呪蝶屋〜魂封じる少女の店〜 ( No.11 )
- 日時: 2011/08/16 16:53
- 名前: 夜湖 (ID: fjWEAApA)
「ここよ。入って。」
次の部屋は2階だった。扉を開けると…。
「クー!」
ハムスターの様な黒い生き物が飛びだして来た。こいつもペットなのか…?
「この子はソルナよ。ソルとルナの闇の力から生まれた謎の生物ってとこかしら。」
「謎の生物…?」
僕は首を傾げソルナを見つめた。
「…クー!!」
「うわ!」
突然電撃を放ったので、僕は飛び跳ねた。そして、ある事に気付く。
ただの電撃では無い。床や壁が溶け始めたのだ!
「ソルナ、やめなさい!」
呪怨が声を上げると、ソルナは電撃を放つのをやめた。
「雷葉、大丈夫?」
「ああ。この電撃は…?」
「…ソルナは初めて会った人に、この電撃を浴びさせるの。人間かどうか調べるため…。」
「どういうことだ?」
「人間なら避け切れないわ。ソルナは人間が嫌いだから…。雷葉は…恐らく恨みの力かしら。」
良く解らないという顔をする僕に、呪怨はクスクスと笑った。
「そこで、お願いがあるの。」
その「お願い」は、危険なことだった。