ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- GUARDIANS 感想・ご意見どんどんお願いします!
- 日時: 2011/09/09 22:49
- 名前: ホッケ ◆oDRmncmQTA (ID: XL8ucf75)
こんにちは、こんばんは
ホッケと申します!
腕はまだまだですが、どうぞよろしくお願いします!
登場人物紹介
【特殊捜査機関GUARDIANSメンバー】
天城 倫太郎(あまぎ りんたろう)
→元アメリカ陸軍特殊部隊「デルタフォース」隊員。とある事件がきっかけででデルタフォースを除隊、田舎の駐在となっている。28歳。
卯田 馨(うだ かおる)
→天城と同じ派出所に勤めている駐在。武術の達人で空手や柔道、テコンドーや太極拳など、様々な武術に精通している。24歳。
アレキサンダー(アレックス)
→苗字不明のハッカー。日本に拠点を構え、数多くのハッキング行為をこなしてきた。日本語は普通に話せる。27歳。
岬 小次郎(みさき こじろう)
→元刑事。非常に優秀な刑事だったが、麻薬取引の疑いをかけられる。冤罪であったが、裁判の結果投獄。失意の日々を送る。39歳。
【テロ組織 獅子の牙】
北野 義章(きたの よしあき)
→近年アジアを中心に数多くのテロ行為を働いてきたテログループ「獅子の牙」のボス。東京にテロを仕掛けようと暗躍する。30歳
※話が展開したら折を見てまた増やします。
プロローグ >>1
第1章≪結成—GUARDAINS—≫
①>>2 ②>>3 ③>>4 ④>>5
第2章≪始動—スタートアップ—≫
①>>6 ②>>9 ③>>10 ④>>11
第3章≪負渦—ラビリンス—≫
①>>12 ②>>13 ③>>14
- Re: GUARDIANS ( No.1 )
- 日時: 2011/08/16 14:22
- 名前: ホッケ ◆oDRmncmQTA (ID: XL8ucf75)
プロローグ
「………では、『獅子の牙』は、北野義章はついに我が国に攻撃を仕掛けようと言うのか…!?」
総理大臣、古谷佐野介は苦渋に満ちた表情で問いかけた。
「ええ、残念ながら北野は本気です、総理」
古谷のテーブルの前で直立不動の体制を保ったまま、30代前半と見られる男が答えた。
その言葉を聴いた古谷は一層厳しい表情になる。
「斉藤君、君の情報だ。間違いではなかろうが……」
「総理。かねてより提案していたGUARDIANSプロジェクトの発令、今がその時かと」
斉藤と呼ばれた男は、氷のような表情を崩さずにすかさず言った。
古谷はしばらく無言で考え込んだ後、口を開いた。
「あれは不安要素が多すぎる」
斉藤の眉がかすかに動いた。
「しかし総理、警察やその他国家機関では彼らを封じることは不可能です。みすみす攻撃を許してしまう前に対策を打つべきです」
「そうは言っても………GUARDIANSはたった4人なのだろう? 彼らでテロを確実に防げるのか?」
「率直に申し上げますと、分かりません……が、それはどの組織でも同じことです。ただし、GUARDIANSの能力は私が保証します。必ずや期待にこたえてくれるかと」
「ふむ……」
古谷は再び黙考し、たっぷり3分使った後、強い意志を感じさせる表情で斉藤に命じた。
「GUARDIANSプロジェクト発令。速やかに作戦に移れ」
「はっ」
斉藤は一礼し、部屋を辞した。
扉が閉まるのを見届けた後、古谷はテーブルの上に置かれた4枚の報告書を見つめた。
「………本当に彼らで大丈夫なのか?」
問題だらけの4つの履歴を見ながら、古谷はため息をついた。
- Re: GUARDIANS ( No.2 )
- 日時: 2011/08/21 10:14
- 名前: ホッケ ◆oDRmncmQTA (ID: XL8ucf75)
第1章 ≪結成—GUARDIANS—≫①
平成23年8月16日、宮城県某所—
「おまわりさーん!」
幼い少女が間延びした声でこの村の駐在、天城倫太郎を呼び止めた。
「おお、梨花ちゃんじゃないか。どうした?」
天城は乗っていた自転車を降りて、笑顔で梨花に駆け寄った。
「あのね、風船があそこの木に引っかかっちゃったの。取ってくれる?」
梨花は傍にある木を指差しながら言った。確かに枝のところに黄色の風船が引っかかっていた。
「よーし、おまわりさんに任せろ!」
天城は軽い身のこなしでスルスルと木を上り、瞬く間に枝までたどり着くと、風船の紐を掴んで飛び降りた。
「はい、取ってきたぞ」
「おまわりさんすごーい! ありがとぉー!!」
梨花は嬉しそうに風船を受け取り、手を振りながら去っていった。
「もう飛ばすなよー」
天城も手を振り返し、姿が見えなくなったところで自転車の方を振り向いた。
「………ん?」
天城は自転車のカゴに紙切れが入っているのを見つけた。
「ゴミか……?」
紙切れを拾い上げてみると、そこにはメッセージが書かれていた。
『駐在所で待っています。天城巡査』
そこには差出人の名前はなく、目的もかかれていなかった。
「何だってわざわざこんな………ん?」
日光が紙に当たり、裏から何か模様のようなものが透けているのに天城は気付いた。
確認してみると、そこには緑色の三角形の中に白い剣と三角形になっている黄色い稲妻が入っているマークが描かれていた。
「これは……!!」
天城は巡回を早めに切り上げ、急いで駐在所に戻った。
自転車に鍵をかけるのももどかしく、天城は駐在所に駆け込んだ。
「どうしたんですか? 天城さん」
その尋常じゃない様子に、天城と一緒に勤務している卯田馨が怪訝そうな顔をして尋ねた。
「馨ちゃん! お客さん来なかった!?」
切迫した表情で天城は卯田に詰め寄った。
「誰も来てませんけど……ていうか、ホントにどうしたんですか?」
「来てないのか…………」
大きく息を吐き、もたれかかるように天城はイスに座った。
「天城さん?」
「あ、ああ………ごめん馨ちゃん。何でもない」
「…? なら、いいですけど。お茶入れますね」
「うん、ありがとう」
卯田が急須を持って台所に向かった、その瞬間だった。
「遅くなってしまいました」
「!?」
いつの間にか、駐在所の入り口に男が立っていた。
スーツを着こなし、感情を感じさせない顔で天城を見つめている。
「あなたは……?」
天城は直感的にこの男が何者であるかに気付いていたが、あえて尋ねた。
「初めまして天城巡査。私は斉藤といいます。あなたに話が合ってやってきました」
「話、ですか…」
「ええ。天城巡査、裏のメッセージはご覧いただけましたか?」
天城の表情が一気に硬くなる。
「はい。見ました」
「そうですか。ならば話は早い。あなたにはこれから極秘任務に参加していただきます」
「極秘任務?」
「はい。あなたは今日付けで政府直轄の特殊捜査機関『GUARDIANS』の捜査官として活動してもらいます」
「GUARDIANS……」
状況は未だ整理できないでいたが、天城は奇妙な胸騒ぎを感じていた。
そしてこの日以降、天城の運命は大きく変わることとなる—
- Re: GUARDIANS 感想・ご意見どんどんお願いします! ( No.3 )
- 日時: 2011/08/21 10:14
- 名前: ホッケ ◆.Nrl/mk7Fw (ID: XL8ucf75)
第1章 ≪結成—GUARDIANS—≫②
「……つまり、俺は巡査の職を降りて、その……GUARDIANSの捜査官に転職しろと?」
天城は困惑した表情で斉藤に尋ねた。
「はい。急な話で戸惑うでしょうが……今から私と一緒に東京に来てください」
天城は仰天した。
「なっ…今から……!? ちょっと待ってくださいよ! まだ俺やるなんて—」
「天城巡査、いえ、天城捜査官。これは命令です。この書類を見てください」
斉藤はスーツの内ポケットから折りたたまれた書類を2枚渡した。
天城はひったくるようにして書類をもぎとり、即座に内容を確認した。
「………嘘だろ…」
一枚は、正式にGUARDIANS捜査官として任命すると言った内容のものだった。一番下には総理大臣古谷佐野助の名前が入っている。
そしてもう一枚は、天城が所属する宮城県警からの解雇通知だった。
今日この時点で既に天城は田舎の駐在ではなく、極秘組織の捜査官なのだ。
天城があまりのことに声を失っていると、茶を入れた卯田が戻ってきた。
「あれ? 何か話し声が聞えると思ったら……あ、この方が天城さんの言ってたお客さんですか?」
「あ、ああ……そうそう…」
天城は力なく答えた。
そんな天城を尻目に、斉藤は卯田に近寄った。
「? 何か?」
「失礼。あなたは卯田馨巡査ですね?」
「ええ、そうですけど………」
ここで斉藤はさらに天城の度肝を抜く発言をした。
「私は斉藤と言います。卯田巡査、天城捜査官にも同じ話をしましたが、あなたは今日付けで巡査の職を降り、極秘捜査機関GUARDIANSの捜査官として働いていただきます」
「さ、斉藤さん! 馨ちゃんもですか!?」
天城は慌てた様子で斉藤に詰め寄る。
当の卯田は、ポカンとした表情で突っ立っていた。
「天城、捜査官…? 私も、捜査官……? え、巡査辞めなきゃなの…?」
斉藤は天城を振り切り、卯田に先程と同じ2枚の書類を手渡した。
「どうぞこれを」
卯田は恐る恐る書類の内容を確認すると、色を失った。
「こっ、これって……」
呆然とする天城と卯田に対し、斉藤はキッパリと言った。
「荷物などはいりません。今すぐ私についてきて下さい」
書類が偽造されたものではないことだけを確認し、結局天城と卯田は斉藤が調達した飛行機で東京に移動した。
「東京なんて何年振りかなー」
切り替えの早い卯田はすっかり観光気分だが、天城はずっと不安を感じていた。
斉藤の裏のメッセージ、あの三角形のマーク。
そのマークを見た瞬間から、天城は常に嫌な予感がしていた。
(あのマークを書いたってことは、やはりそういうことなのか…?)
天城が思考をめぐらせながら歩いていると、いつの間にか人影がない路地に出ていた。
「へえ……東京にもこういう路地裏とかあるんですね」
「そりゃあ東京にも路地裏ぐらいあるだろ…」
これから起きることをある程度予想できていた天城は投げやりな調子で答えた。
対照的に、自分が何のために呼ばれたのか見当もつかない卯田は、楽しそうにしている。
「ここです」
斉藤は廃れて何も入っていないビルの扉に手をかけた。
「廃ビルの中に入るの……?」
卯田が露骨にいやそうな顔するが、天城は当然と言った風に斉藤の後を追う。
それでも躊躇っている卯田に天城はため息をつきながら言った。
「馨ちゃん。極秘捜査機関だぞ。誰にでも分かるところに拠点があるわけ無いだろ」
「あ………そっか」
納得した様子で、卯田も駆け足で廃ビルの中に入っていった。
廃ビルの中は広い空間となっており、外側とは見違えるくらい整備され、様々なコンピュータ類の機械が置かれていた。
そして部屋の中央には2人の人間がいた。
1人は外人だ。短めの金髪にサングラスをかけ、ガムを噛みながらこちらをじっと見ている。
もう1人は中年男性だ。興味がなさそうに天城たちをチラリと見ると、うつむいてしまった。一見するとやる気のないサラリーマンだが、その服装に問題があった。
なんとその男は囚人服を着ていたのだ。
天城と卯田は一瞬でそのことに気付き、警戒心を強めた。
そしてそんな腹の探りあいにおかまいなしに斉藤が口を開いた。
「さて、これでGUARDIANS全員が揃いました」
その言葉に4人の表情に驚愕の色が現れる。
「4人だと……!?」
囚人服の男性が目をむいた。
「っはははははは!! 斉藤さんよ、何の冗談だそりゃあ!?」
金髪の外人は流暢な日本語で言った。
天城と卯田も唖然としている。
そして斉藤はそんな様子を無視して、一言。
「ようこそGURDIANSへ」
- Re: GUARDIANS 感想・ご意見どんどんお願いします! ( No.4 )
- 日時: 2011/08/21 10:15
- 名前: ホッケ ◆.Nrl/mk7Fw (ID: XL8ucf75)
第1章≪結成—GUARDIANS—≫③
「おいおいおい! ようこそはいいけどよ、ホントにこれしかいねえのか?」
金髪の外人が斉藤に食って掛かる。
「ええ、この4人で全員です。極秘組織ですので、なるべく人数は抑える必要があるのですよ」
「ハッ! そーかいそーかい」
金髪の外人はそれ以上追求することなく、ソファに腰を下ろした。
「で……そこの兄ちゃんと姉ちゃんは一体誰だ?」
「ああ………紹介します。天城倫太郎捜査官と、卯田馨捜査官です」
天城と卯田は揃って頭を下げた。
「ふーん………あんたら、サツか?」
卯田は一目で正体を見抜かれたことに驚いていたが、天城は意に介することなく答えた。
「元、ね。斉藤さんのおかげで転職することになったけど。良く分かったな」
「まーな。色々あって、俺はサツなら大体見抜ける。俺はアレキサンダーってんだ。アレックスと呼んでくれ」
アレックスは立ち上がって手を差し出した。
「よろしくな、アレックス。ところで………」
「ん?」
天城は素早くアレックスのジャケットの内ポケットに手を突っ込んだ。
「何を—」
「ずいぶんいいもの、持ってるな?」
天城の手に握られていたのは、小型のデータ転送機だった。
「天城さん、それは?」
卯田が不思議そうに首をかしげた。
「こいつはデータ転送機。周りにある携帯などの情報端末からデータを失敬する機械だ。これで俺たちの個人情報を知ろうとしたんだろ? アレックス」
「……チッ。日本のサツにしてはやるじゃねえか。まあいい、そいつはやるよ」
アレックスは不敵に笑って再びソファに座った。
天城はデータ転送機をポケットに入れると、その隣のイスで今のやり取りをじっと見つめていた囚人服の男に目を向けた。
「………岬小次郎だ」
岬は天城と一瞬目を合わせてそう言うと、またすぐにうつむいてしまった。
「辛気臭えオッサンだよな。ずっとこんな感じだぜ?」
アレックスは苦笑いしながら言った。
それを無視し、天城はうつむいたまま口を開いた。
「……ところでお前、天城と言ったな…」
「ああ、よろしくな、岬さん」
天城は手を差し出したが、岬は応じることなく話を続けた。
「データ転送機なんて何故知ってる。日本でお目にかかれる代物じゃないぞ」
天城は笑いながら答えた。
「え? そう? 俺は見たことあ—」
「嘘をつけ。今は囚人なんぞに成り下がってるが、俺は元刑事だ。長いことやっていたが、そんなものは見たことがない。それをお前はその若さで一発で見抜いた」
「…………」
「それにだ。この建物に入ってからお前は隙を作っていない。金髪小僧から転送機を奪ったときの身のこなしも、日本の警官のそれじゃなかった。天城、お前—どこかの特殊部隊にいたんじゃないか?」
岬は顔を挙げ、天城の顔を見つめた。
「えっ? 天城さんが特殊部隊!? 本当なんですか?」
卯田が天城に詰め寄る。
「………うーん、参ったね…」
天城は困ったように頭をかいた。
「何だ、お前日本のサツじゃねえのか?」
アレックスも興味津々と言った様子で身を乗り出している。
ややあって、天城はポケットから一枚の紙切れを取り出した。
斉藤が天城の自転車に残していった紙切れだ。
「ま、結論から言うと、岬さん大正解。このマークを見てくれ」
天城は3人に三角形のマークを見せた。
『え? 何これ?』
卯田とアレックスは首をひねっていたが、岬の表情には明らかな驚愕が見て取れた。
「こ、これは…………デルタフォース!?」
「何ぃ!? デルタフォースだぁ!?」
アレックスも驚きのあまりイスから滑り落ちた。
「え? え? デルタフォースって?」
卯田1人が意味を分かってないので、いまだに頭を抱えている。
「姉ちゃん、あんたの相棒、とんでもない男だぜ……」
アレックスが呆然とつぶやいた。
「……アメリカ陸軍第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊、通称デルタフォース。このマークはデルタフォースの隊員がつけているバッジだ」
岬も興奮した様子で説明した。
「えっと………良く分かんないけど、すごいのそれ?」
「すごいなんてもんじゃねえ。軍人の中でもエリートに分類される集団だ。何でそんな奴が日本のサツなんかに………」
「………まあ、色々あってな」
天城はあいまいな笑顔を見せた。
「だがしかし………デルタフォースとなると……まさか! 斉藤! 俺たちは………!!」
岬が立ち上がって斉藤に問いかける。
斉藤はその事実を、いとも簡単に告げた。
「ええ、あなたがたの使命は、テロの脅威からこの日本を守ることです」
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