ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 死に向かう僕らの。
- 日時: 2011/09/02 16:27
- 名前: 忍足 ◆Z1VqT03YRg (ID: bUg9QOGg)
初めましてこんにちは、忍足と申します^^
今回、なんとなくちょこちょこと書いた短い話を上げさせてもらおうと思ってます。
なんと原稿用紙40枚にも満たない短さ。自分でも驚きの短さでした。
ですが書いてる自分は楽しかったので自己満足……といった感じで。
自分で言うのもあれですが、内容は極めて普通……です。
奇妙な思考の人物は出てきますが全くグロテスクな要素などはありません。
場違いでしたらすいませんorz
軽く注意書きをば。
・文章力に自信はありません。文法にもまるで自信がありません。無理な方ブラウザバック推奨です。
・上記のとおりとりあえず短いです。つまり内容も薄いと思われます。
・内容を要約すると→死にたい死にたい連呼する小学5年生の話
この時点で無理だと思った方もブラウザバックを推奨。
上記okな方は、宜しければお付き合いください^^
- Re: 死に向かう僕らの。 ( No.1 )
- 日時: 2011/08/25 21:44
- 名前: 忍足 ◆Z1VqT03YRg (ID: bUg9QOGg)
1
今日も、縄を首にかけて、その先にいけずにいた。
後は足元の木箱を軽く蹴るだけなのに。いつもこのタイミングで決まってやってくるこの感情の正体は、紛れもない恐怖だ。
俺の住んでいる家の、裏庭にある物干し竿の片方に適当な錘を、もう片方に、先端を結んで輪を作った縄を通す。それから、木箱の上に立ってその輪を首にかける。
これが、俺の日課。多分解っていると思うけど、自殺の練習をしているんだ。
家の裏庭は人通りの少ない路地に面しているので、この練習が見つかったことはない。もちろん保護者にもまだ見つかってない。見つからないように細心の注意を払っているから。
自殺の練習……というか、ただ、今までずっと本当に自殺しようとしていたのだが、死ぬところまで行けなかったので、そう呼ぶしかない状況にいるだけだ。実に情けない話だと思う、自分でも。
本当なら今すぐにでも死んでやりたい。だけど、怖い。こればっかりは本当にどうしようもない。
だから今日も、死ぬのを諦めて縄を首から外す。縄と木箱と錘を一緒にして庭の隅に置いておく。縄は特に見つからないように、木箱の陰に隠すようにして。
いつか死に対する恐怖心がなくなる日まで、多分この練習はずっと続く。そして多分この練習が終わる日は遠い。
自分が悲しくなってきた。
「……はあ」
この、自分に絶望する溜息をついた数も今や思い出せないほどだ。
- Re: 死に向かう僕らの。 ( No.2 )
- 日時: 2011/08/26 13:33
- 名前: 忍足 ◆Z1VqT03YRg (ID: bUg9QOGg)
2
俺が五歳くらいだった頃、俺の両親は、俺を巻きこんで無理心中をしようとした。幼い俺を、無駄に謝罪なんてしながら殺そうとしたのだ。
「親に殺されそうになっている」という状況に直面して、両親に対して「ああ、そうだったんだ」というような諦めに近いような感想を抱いた。
実親に殺されるという状況にただ絶望に近い感情を持ち、早く殺せばいいんじゃない、と他人事のように自分の死を捉えた。正直、どうでもよくなっていた。
特別両親が好きだったわけではない。だけど、俺の人生の全てを否定されたような気分になった。五歳の時点で俺の生活の中心に置かれていたのは、家族だけだったからだ。それ以外は二の次。むしろどうでもいいというレベル。
結局、偶然その場にやってきた叔母に、俺だけが辛うじて救われ、両親の自殺を目前で見ることになりながらも——今、俺は生きていた。
生きているとはいえ、殆ど余生を過ごしているような気分だった。きっと俺はあの時が死ぬべき時だったんだとずっと思って生きているから。
だから、今からでもと思い、何度も死のうと試みた。その結果が俺の日課だ。本当に情けない。
首吊り以外にも色々な自殺方法を試してみようとしたが、いつも死に直面した瞬間に恐怖心がやってきた。例えば、ナイフの刃を手首に当てた時とか、服に油を染み込ませてみて、ライターを手に持ったときとか。「死ねる」という状況になった瞬間、とてつもなく怖くなった。それでも死のうとするのをやめなかったのは、死ななくちゃ、と半分意地になっていたから。もうほとんど使命のように、俺は死ななくちゃならないんだと感じていたから。
そんな風にいつまでたっても死ぬことができなかったから、きっと今は「死ぬ瞬間」じゃないんだと適当に結論付け、ずっと生きてきた。本当に情けない。
早く死ねないかなあと思いながら生き続け、今や俺も十歳になった。先週、小学五年生になったところだった。
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