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新撰組ですが、何か?
日時: 2011/10/08 17:55
名前: 薄桜 七瀬 (ID: EBP//tx7)




ええと、はじめまして。
薄桜 七瀬(はくおう ななせ)と申しますっ。


駄文でどうしようもない小説ですが付き合ってください。
初心者ですのでお手柔らかにオネガイシマス……はい。

作品は新撰組小説です。
ギャグだったりシリアスだったりグロだったりします。



興味ある方はどうぞ、下へ。

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Re: 新撰組ですが、何か? ( No.8 )
日時: 2011/10/10 14:35
名前: 薄桜 七瀬 ◆5/2kkxYfkE (ID: EBP//tx7)


「……副長、捕縛に成功しました。 拷問は俺がやっておきましょうか」

僕に視線を移しながら土方さんに問いかける斎藤さん。
土方さんは暫く考え——やがて僕に視線を移した。

「そいつら縛りつけてこっち来い、拷問は後でいい……それから其処の男、お笑いは其処までとして……それは本当なんだな?」

男じゃないけどね! 此処まで勘違いされるなんて如何ほどか…。
土方さんのマジな目にそうとは言えず頷いて「ああ、本当だ」と答える。
そうすれば斎藤さんは頭を下げて出て行った。

「——……大人数でやるのもきついだろうから取り敢えず俺と総司でこいつの事情を聴こうか。 事情はわかったがお前の名前や年…出身場所を聴いても良いか」


「構わない、僕の名前は…瀬崎 悠。歳は今年で20歳で出身は……えーと……未来の房総の方だ」


足を崩していたので正座に正しながら質問に答える。土方が筆を走らせながら次いで沖田さんが僕に視線を移した。

「20歳でしたか、では私たちの事について何か聞いたことがありますか?」


「ある、土方歳三はハラガキと言われていて多摩出身、今は俳句を嗜む新撰組鬼の副長と呼ばれている。 沖田総司は江戸出身、幼いころに姉のミツから試衛館に預けられて今は京の人を怖がらす1番隊隊長…他の人の話しもあるけれど取り敢えずは二人だけな」

当たっていたのだろうか。
二人は瞬きをしながら顔を見合わせる。

「ならば、物的証拠はあるか?」

「……服、と言いたいところだけどこれじゃあ駄目か。 菓子とかどうだ?」

ズボンからガムを差し出して首をかしげた。
包み紙を開けて噛みながら二人を見る。

「これ、風船みたいに膨らむんだ」

「いや、そんなはずはない」
「いや、でもあり得ますよ、言い張ってるんですから」

土方さんと沖田さんの意見の違いに呆れながら味が薄くなっていくのを待ちぷうう、と膨らませた。


「……おお」
「やっぱり膨らみましたね、土方さん。 これで証拠は揃いました。 この方は見込みがありますので隊士にしてはいかがでしょう?」

沖田さんの提案に土方さんは考えながらも僕の顔を見てきた。

「………何か違和感があるのは気のせいか?」

「……気のせいだと思いますよ?」

土方さんに聞かれた沖田さんの言葉に間があった事は突っ込まない事にする。


「どれくらい出来るんだ?」

「……向こうでは全国優勝してたくらい……父さんにも『お前相手だと気が抜けない』と言われる程度には出来る」

土方さんの問いかけに答えれば牢から帰ってきた斎藤さんと目があった。


「こいつの事情は追々説明する、幹部たちを呼んで来い」

「承知」

二回も出戻りさせられるのにも文句を言わず従う斎藤さんを見送り、何か言っている二人に構わず僕は天井をぼんやりと見た。

Re: 新撰組ですが、何か? ( No.9 )
日時: 2011/10/09 19:37
名前: ライチ ◆ZV5MDcSxWQ (ID: 99wOCoyc)

あ、みてなかt((ry
ごめんなさい><
移行しなくっていいと思います。
がんばってください^^;

Re: 新撰組ですが、何か? ( No.10 )
日時: 2011/10/14 18:09
名前: 薄桜 七瀬 ◆5/2kkxYfkE (ID: VylG6JEs)




それからまあ、色々とあって。
入隊試験てやつ? が始まった。


「——……相手誰?」

「取り敢えず新人隊士からな、」

僕が聴いてみると土方さんは眼力でその人を指し、その人はびく、としながら顔を真っ青にしのろのろと立ち上がった。

「竹刀でいい? 長期戦なら竹刀の方が楽だし」

僕が竹刀やら木刀やら吟味している沖田さんに聞くと沖田さんは悩んだ末に、木刀を投げてきた。


「あれ? 日本語聞こえませんでした?」

「ええ、聴こえました。 でもみなさん平等で」

沖田さんが指をさした方向を見ると隊士は木刀を構えていた。
……でも、重心偏ってない? いやいや、そんな事思っちゃだめだ。


「あ、そだ。 斎藤さん悪いけど井戸から水持ってきてくんない?」

「……どういう事だ?」

うーん、やっぱり伝わらないか。
……まあいっか、忠告はしたし。

「持って来た方がいいと思うけど要らないと思うならいいよ? ……さてと、始めて? 土方さん」

僕が木刀を正眼に構えたのを確認すると土方さんは合図を始めた。


「は じ め  !」



とたんに床を蹴る僕。
怯える隊士。


「————重心偏ってる。 後、畏れたら負け。
 ……この人まだ実践じゃ使えないよ」

僕が木刀を肩に乗っけるとその隊士は倒れた。
何をしたかって言うと。


僕が床を踏んだ瞬間、隊士の鳩尾を思いっきり木刀で払いました。
痛いよね、でも鳩尾で良かったんじゃない?

「ほら、何してるの水持って来ないと痣になっちゃうよ」

土方さんの一本の声が聞こえた時には斎藤さんはいなかった。
僕は隊士を起こし腹を出させた。


あらまあ、見事に真っ赤。

「水だ」

「ありがとーございます、斎藤さん」


へらり、と笑いながら手ぬぐいを水に浸し隊士の腹に当てる。
ふう、と息を吐きながら土方さんを見て立ち上がった。


「だーれかこの人運んで行ってくれない? 僕また試合しなきゃいけないから、後この人起きたら謝っといて?」

腹の痛みで気絶した隊士を違う隊士に渡すと僕は土方さんを見上げた。

「次はだれ?」

「私がいきます!」


あれ、沖田さん? え、あれ何で?
可笑しくないかこれ。


「ちょっと待って、沖田さんは無理でしょ。 一発で負けちゃうって!」

僕がそう言えば土方さんが睨んできた。 ……別に負けたなんて思ってないよ!! でも、もういいよ! 戦えばいいんでしょ?!

「両者、構え————」

僕と沖田さんが正眼に構える。
土方さんの声が張った。

「はじめっ!!」


Re: 新撰組ですが、何か? ( No.11 )
日時: 2011/10/14 18:24
名前: 薄桜 七瀬 ◆5/2kkxYfkE (ID: VylG6JEs)



ぴりぴりしている何処か緊張感あふれる空間。
その中で睨みあうように佇む僕と沖田さん。

沖田さんは先ほどの優男ではもうなかった。
武士、そのもの————新撰組の沖田総司だった。


僕が床を蹴った瞬間、交わる木刀!
斬り返しても斬り返しても受け止められる。
びりびりと伝わる痺れ。

相手の力が強い。

僕が距離を取った瞬間。



沖田さんの木刀が向かってきた!
咄嗟に受け止めるけど、力の強さに木刀を離しそうになり思わず眉をしかめる。


ぎりぎりと交わる鍔迫り合い。
ああ、まずい……これでは、木刀を離してしまう。

その前に、と沖田さんを見る。
足払いはかけられそうか。 否、失敗しても何とか良い方向に転がるかもしれない。


そう思いながら、僕は沖田さんに足払いをかけた。


「なっ———?!」

崩れ落ちる沖田さんを目ともせず僕はそのまま沖田さんの首に木刀を突き付けた。


しかし、それだけではなかった。
沖田さんは受け身を取ったのか座った位置で木刀を僕の首筋に突き付けていた。



しーん、と鎮まるその中。


「引き分け」



土方さんの唖然とした声が静かに響いていった。




「……てっきり鍔迫り合いで一本とれるかと思いましたがそれで足が疎かになるだなんて……一番隊隊長として恥ずかしい身ですね」


「僕も、あんたと引き分けになるとは思わなかったよ」


沖田さんの笑みを見ながら僕も僅かに笑う。
息が乱れているけれどもいい試合だったと思いたい……。



「……姑息な技だったけどね、手が死にそう」


沖田さんと道場を出て手に息を吹きかけながら話しかけた。
沖田さんは優男のような笑みを浮かべながら僕を見つめやがて耳元に囁きかけた。




『————貴方、女子ですよね?』



「な、に言ってんの?」


僕の心臓が大きく鳴って問いかけると沖田さんは笑みを浮かべて僕を見て———「何でもないです」と答えた。


女子と言った癖に追求する気も、怒る気も、追い出す気もない何て。


しかし、これ以上問い詰められるのは嫌だったので僕は何も言わずに歩いた。

Re: 新撰組ですが、何か? ( No.12 )
日時: 2011/11/18 23:56
名前: 薄桜 七瀬 ◆5/2kkxYfkE (ID: XzuJMcyT)




集まった副長室。 幹部たちはどうやら試合の顛末をみていたらしい。
ざわざわと騒いでいる様子だけどまあ、あれはチートだったよな、本当に。 力つけないとダメだこりゃ。

「——瀬崎」

「んえ?」

考えに浸っている時土方さんに名前を言われて空返事をする。だって声掛けられるなんて……しかも、いきなりだよ、いきなり。

「……お前、隊士な。 一番組」

「——ああ、うん」

こくり、と頷いて僕が賛成すると沖田さんはあらか様に眉を寄せた。……頼むから、女だとは言わないでほしいんだけど……。

「しっかし女みてえだな……少し」

冗談ぽく失礼なことを言う原田さんにふう、と息を吐きながら肩をすくめた。 さあ、どうだかねえなんて。

「……男色に狙われる確率たけえな……」

ぴく、と全員の肩が揺れた。 ………どうした、みなさん。

「ああ、大丈夫です。 いざとなったら使えなくしますから」

「………念のために聞くが何をだ?」

「……何ってナニです」


………。
下りる沈黙、と同時にあらま、みんな顔がまっつぁお。

「……まあ、大丈夫です。 一生機能を果たせない位握りつぶしてやるので」

にやり、と笑って言う僕に沖田さんが我に返るとたたみを指で叩いた。

「仕方ありませんねぇ……では、副隊長をつくって私と一緒の部屋にしませんか? 拾って来たのは私ですし」

沖田さんの言葉に全員が「はああ?」と声をそろえた。 ……気が会うんですね、しえーかんの人たち。

「………ええと、それもちょっとあれだけど……」

「実践じゃ十分使えますし未来から来たのであればその方が何かと楽なのでは……?」

僕の言葉をさえぎるかのように呟いた……山南さん。



「……僕は任せる」


その言葉で沖田さんの提案は通った。


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