ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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空響  −VOICE−
日時: 2011/12/16 13:30
名前: 栗鼠隊長 ◆Q6yanCao8s (ID: aza868x/)
参照: 元:旬です。『りすたいちょー』と読みます。

まあここでは初めましての方が多いでしょう,きっと。
では! 初めまして,栗鼠隊長です。〈りすたいちょー〉と読みますw
馴染みの無い名前だって? 当り前でしょう……。元:旬。え,これでも?
では完全に初めましてですね(´・ω・)

僕の作品,目の裏に焼きつくくらいに読んで帰ってくださいね!

……などと贅沢はいいません,はい。
ちょっとでも読んでいただければ嬉しいですw


では! 本編をお楽しみあれ!(——ん? 楽しいのかな、これ……)



プロローグ >>1

第一章  一話 >>2】  一・五話 >>3】 二話>>4】 >>5>>6

第二章 一話 >>7】 >>8】 >>9】 二話 >>14】 >>15


■まろうと■
・玖龍様(勉強できると踏んでいます。文才すごいよ)
・凛様 (報告ありがとうございます。お疲れ様でした^^また次回もよろしくお願いしますねっ)

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Re: 空に響け −VOICE− ( No.1 )
日時: 2011/10/24 16:09
名前: 栗鼠隊長 ◆Q6yanCao8s (ID: aza868x/)
参照: 元:旬です。『りすたいちょー』と読みます。



プロローグ





そこには殆どと言っていいほど何もなかった
あるのは地と草と
そして寝転んでいる兵士の姿

肩には重そうな殺人の道具がずっしりと背負われていて
その兵士の逞しさが伝わってくるようだった
傍らには一丁の回転式リボルバーと ぱんぱんになったリュックサック

……遠くに影が揺らめいた
兵士はなんらかの気配を感じ取り素早く行動にでる

——刹那 兵士の身体は大地の塵と化していた


Re: 空に響け −VOICE− ( No.2 )
日時: 2011/10/24 19:48
名前: 栗鼠隊長 ◆Q6yanCao8s (ID: aza868x/)
参照: 元:旬です。『りすたいちょー』と読みます。

第一話  崖っぷちの偵察機


夢か現か、寝起きのジュリオには分かるはずもなかった。
小屋から出てすぐに目に飛び込んできたのは、崖の岩にぶら下ったかのような偵察機、ピアトラ№4。

「……え、えぇっ?」

状況が上手く把握できない。
この平穏なプロンダ空島にも、戦争で撃ち落とされた敵が飛ばされ着いたのか? もしくは人口たった4人の無人島に等しいこの島に基地を造ろうと目論み、下見も兼ねて来たら着陸を誤ったとか?
……いやいや、飛行士がそんな単純な操縦を誤るわけがない。
ならば——やはり、撃ち落とされたの考えるのが妥当かもしれない。
ジュリオはすくむ足を前へやり、今にも崖の下、海へ落ちそうな偵察機ピアトラへと歩み寄った。

「もしかしたら……」

この中にまだ、人がいるかもしれない。
崖とジュリオの家は非常に近く、飛行士が脱出したなら真っ先に向かうだろう、見つけるであろう場所。
そして進入しないということは可能性として低く、それでも進入されてない現状を踏まえて考えると、やはり中に飛行士が……。

「あ、あのう。俺ー……、そこに住んでる者ですけども」

崖から大きく飛び出た機体。下手に触って落さぬよう、ジュリオは手をかけずに呼びかけてみた。
が、返事はない。

「その、し、ししし、死んでたりなんかは……しません、よね……?」

酷く臆病なジュリオの声は、次第に震えが大きくなってゆく。
中で飛行士が死んでいないか心配なのだが、機体が傾きすぎてて手を伸ばそうにも伸ばせない。

「あぅ……、あのぉ! ひ、飛行士さぁん……っ」

ジュリオはとうとう半べそになり、目が可愛らしくウルウルと涙を溜め始めていた。

「んなっ……、こんなところにも敵が……!?」

ジュリオの目から一粒の涙が溢れ出そうとしたとき、ふいに後方から驚きの篭った、叫びに近い声が聞こえた。それとほぼ同時に、茂みへとダイブする音も。

「ひぃ……ッ!」

その声と音にジュリオはすっかり震え上がってしまって、腰を抜かした。尻餅をついた先にあったものは、けな気に咲く一輪の花。太陽の花。決して踏みつけてはならないと教え込まれていた花だった。

「ぅん……? あっ、あぁ!! た、太陽の花……がぁ……」

しまいには泣き出そうとするジュリオ。そのなんとも言えない弱々しくうずくまった姿に、先ほど茂みにダイブした影がモソモソと動き出した。
ぴょこり、と頭だけを茂みから出しながら影は観察する。

「んむ……、あれは寝巻か? するとあいつ、まさか、庶民?」

装着していた大きなゴーグルをでこへ追いやり、目を細めてまたジュリオの様子を窺った。
どうやらピアトラの搭乗員らしく、飛行服を着用していた。

「——泣いているのか?」

人を殺すために訓練された敵なのであれば花を踏みつけたくらいでは泣きはしないだろう。彼は、ただこの島に住んでいるだけのカプタール人なのだろうか。それとも……。


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