ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- みんなのために、私は戦う。
- 日時: 2011/10/28 20:11
- 名前: 咲羅 (ID: a8bifGsH)
平凡な生活なんかもう飽きちゃった。超能力とか、魔法とかないかなあ—?もっと人生に刺激がほしい! そんなこと思っていたあたしのところに、少女が現れた。あたしは"アリス"になった。
○data○
愛兎さくら(あいとさくら)
主人公。
能力は"治療バリア・短剣"
強力な治療能力を兼ね備えており、短剣を腰につけている。
有希琴音
第一ヒロイン。
能力は"二丁拳銃・盾"
両ききで、二丁拳銃を器用に使いこなせる。盾は腕に付けている。
乃神さつき(のがみさつき)
第二ヒロイン。
能力は"長剣"(吸収型)
相手からの攻撃を吸収し、それを力に長剣で相手に攻撃する。
鈴本葵
第三ヒロイン。
能力は"狙撃銃・バリア"
狙撃銃は重いのに、それを抱えてどこでも飛び跳ねれる。もろいがバリアも張れる。
未来。(みく)
不思議な少女。
- 昔の友達。 ( No.6 )
- 日時: 2011/10/29 22:11
- 名前: 咲羅 (ID: a8bifGsH)
—とにかく、
あたしは事実を受け止めざる負えなかった。
闇己を倒す。人間を守る。
それがあたしの使命だから—…。
アリスになって二か月が経過した。
「とりゃぁあっ」
あたしはまだ少しなれないものの、大体短剣を使いこなせるようになっていた。これで倒したり、琴音ちゃんに倒してもらって治療してあげたり。闇己は憎しみが強いほど戦闘能力が強かった。その怨念を晴らしてあげるのもアリスの役目だと、そう思えるようにもなってきた頃。
「ぁ、あれ?……さくらちゃん?」
「??」
「あたしあたし、さつきだよっ」
「えっ!?さつきちゃん!?」
「久しぶりぃ〜!!何年ぶりかなあ?」
「まじでっ、本物!?3年ぶりじゃないっ??」
なんと、隣の町に買い物に出かけたときに、さつきちゃんにあったのだ。乃神さつき(のがみさつき)あたしが転校してきた当日に話しかけてくれて、すごく仲良くなった。中学に入ってから電話では喋ってたけど—すごく久しぶりだ。
「ぅわあ〜っ、こうやって会えるなんて!!やっぱあたしたちって何かで結ばれてるのかなあ?」
「うんうんっ、きっとそーだよお〜」
さつきちゃんと会えた嬉しさのあまり、
あたしはあまり違和感を出さなかった。
さつきちゃん、目の下にちょっと濃い球磨が出来ていた。
しかも少し痩せていて、なんだか前より弱々しくなった感じがした。
「じゃあさ、ゲーセンとかいこーよっ!」
「え?……あ、うん。」
あまり乗り気じゃなかったみたいだけど、いってみたら楽しいよね!
「久しぶりにプリクラとろーよっ」
「賛成賛成!」
ゲーセンコーナーの左隅にあるプリクラ。
姫可愛☆ハート という機械だ。これがまた可愛い。
「ここだね」
「うん」
○
「ああぁ〜っ、可愛く出来てるう〜」
「ほっんと久しぶりだよね。また電話したりしない?」
「OK!」
「じゃあ次、太己の達人しようよ!」
「えへへ〜っ、あたしストレスたまってたんだよねっ」
「あたしもあたしも!!」
二人で太己の達人の列に並ぶ。
「あ、あの子太鼓うまぃっ」
「え?……ぁ」
さつきちゃんがあたしの後ろに隠れる。
「どしたの?」
「え……なんでもない」
彼女はあたしが太鼓がうまいと褒めた女の子をちらりとみて俯く。
「ん、んん〜…?」
その後、太己の達人とプリクラをして、UFOキャッチャーも終え、メダルゲームをしてさんざんお金を使った後アイスを食べ別れを告げた。お互いケータイを買ってもらっていたからメルアド交換もしたしね!
「〜♪」
ああ今日は楽しかった。
- 指輪 ( No.7 )
- 日時: 2011/10/30 11:29
- 名前: 咲羅 (ID: a8bifGsH)
「〜♪ある日〜っ星道歩いてぇ〜♪」
「……なんの歌??」
「作曲してみたよぉ〜♪」
「……。」
「私の〜♪」
「さくらさん、話を聞きなさい。」
グリッ。
「ぃにゃあああっ!!と思ったよ〜♪」
「……足を踏んでもなお、それを歌詞にしようとする貴方をある意味尊敬するわ。……話を聞かなきゃこのガムテープを口に入れるわ」
「……なんスか?」
「はあ。—そろそろこれを渡そうと思って」
「?」
「これよ」
彼女が見せてきたのは彼女の手の上に乗っかっている指輪。
輪は銀色で、綺麗なピンク色の宝石が光っている。
「まじで!?これたかそお〜」
「……これは闇己探知機と言えば早いわ」
「は?」
「闇己が近くにいればこのピンク色の宝石が黒くなるわ、憎しみが強い程黒くなると思っていいわ。それと、この指輪はアリスの証と思ってもいいわ」
「あ。そーいや琴音ちゃんも付けてたね?」
「ええ。」
「ぅへへ〜、さっそくはめとこっと」
「……ちなみにもう少しで闇己になる人間の近くにいくと黒くなるのもあるから」
「うーっす」
○
「琴音ちゃん!!ゲームしようよっ」
「またあのシューティングゲーム……?」
「いやなの?」
「別にいいけど」
実はあたしの家には電化製品が山程ある。
とくにゲームなんてPSPやDS、プレステーションなんとか……とか色々合わせると全部で20台ある。カセットなんてDSだけで15個、PSPだけで24個ある。
今回やるのは、最近ハマっているのは"しゅーてぃんぐ←←ラノと宇宙船"というシューティングゲーム。
「……このっ……」
「ぅお!?あっぶなあい…」
「……死んだわ」
「はあ、これ難しいね」
「レベル5までよ、私は」
「あたしはレベル7まで」
「……、」
- 私の友達。 ( No.8 )
- 日時: 2011/11/02 16:58
- 名前: 咲羅 (ID: a8bifGsH)
「やっほーっ!さくらちゃん待った?」
「待ってない待ってない〜」
「よかったあ、じゃ、31行っ♪」
「アイス〜っ!」
「よっし、じゃあ競争ね!」
「よっしゃ!」
—遊びに夢中すぎて、指輪の宝石が黒く濁っていることも忘れていたあたし。……ほんとばか。
「ぁあ〜負けた亜ぁ唖……はァあっ……ふぅっ…はあ」
「勝っ……っっ……たぁ……っ」
この勝負、あたしの負け。
「チョコレートと、チョコチップと、チョコスペシャルのトリプル!カップでお願いします。」
「さくらちゃん全部チョコかよ!?…ぇっとあたしは、ラムレーズンと、べリーベリーと魔法のアイスで。」
実はあたし、大のチョコ好きだったりする。
「ぉ、ぉひぃいい!」
「甘くて飽きない?」
「うん、飽きない」
「こっちも美味しいんだよ。」
「えぇー?ラムってお酒でしょ?まずそ」
「そんなことないよ!しかも苺も美味しいし」
「その魔法のアイスってなに?」
「え、これは—…」
○
「馬鹿じゃんバカじゃんバカじゃん!」
「そっちこそアホあほ阿保!!!」
「どじまぬけおたんこなすすっとこどっこっ……」
下噛んだ。
「っさくらちゃんのばかぁあーっ!」
「さ、さつきちゃんのどあほおお!!」
—喧嘩になってしまった。
きっかけはそう。
ゲームセンターで、プリクラをデコる時、あたしがハートにしたいのにあっちが星がいいっていって…それで、時間がなかったからハートにしたら怒って……。
「なんで10枚のプリクラぜーんぶあたしの嫌いなハート柄にすんの!?」
「だって好きだもん!いいじゃん別にいぃいいい!!」
「せめて2、3枚くらい星柄にしてくれたっていいじゃん!」
「「……ばかばかばかばかっぁああ!!」」
それくらいで怒るなんて!
さつきちゃんがこんなに短気だとは思ってなかったョ。
悪気はなかったのになあ……、
「?」
さつきちゃんとわかれていると
少し指輪の宝石が黒ずんでいるのがわかった。
でも歩けば歩くほど黒ずみはなくなるので、まあいいかと家に帰った。
○
「………こほッごほッ……」
夜になって咳が出始めた。
どうやら風邪をひいたみたいだ。
がらっ。
「うおおお!?」
「……はぁあっ…はっ……さくら、…さん、…」
「こ、琴音ちゃん?ここ2階だよ?なんで窓からっ?」
「…指輪の…っっ…指輪を見なさい!!」
「え」
指輪を見る。
「えっ……?」
今までに見たことのない黒ずみ。
「闇己が貴方の家の前に居るのよッ!!!しかもかなり強いわ!!」
あたしの家の前……?
『ぅあああああああああああああああ!』
闇己の空間に入った瞬間、すごい怒声が耳を襲った。
憎しみが強すぎる……!!?
「どうする?」
「……私にバリアを張って、援護して頂戴。」
「おっけー!」
あたしはこの頃鍛えている。バリアはもう自由自在に操れるようになった。…その代わり攻撃力がほぼ0になったけど。
「ぉりゃあ」
バリアを琴音ちゃんの足元に張る。
「!?」
「それに乗って!飛ばすよ!」
「ええ」
闇己は高さ約10m、あたしたちの何倍もある、このバリアでいったほうが都合がいいだろう。
彼女はバリアに乗って闇己の頭に行く。
操作に集中して—。
「っく」
「ちょっと揺れるわ…頑張って!」
「わかってる」
『……んで、…なん…で、』
「?」
聞き覚えのある声。
『なんで、なんでなんでなんで!!』
「こいつっ、闇己になってまだたいして経ってないわ!」
「なんっ!?」
彼女の声と同時に暴風が吹く。
「きゃぁあああっっ」
「しまっ—」
バリアの集中が途切れ、琴音ちゃんがまっさかさまに落ちる。
「琴音ちゃぁあん!?」
- 乃神さつき ( No.9 )
- 日時: 2011/11/02 17:11
- 名前: 咲羅 (ID: a8bifGsH)
必死になって彼女の落ちてくる場所にバリアを張る。
「きゃぁあっ」
3重目のバリアを張る時に、彼女が落ちる。
びょーん。バリアはのびてパリンと割れ、彼女は尻もちをつく。
「あ、危なかったあ…」
「はあ。貴方はまだ修行が必要のようね」
—そんなことより、
『どうして……なんで虐められる…っ』
「ぇ……?」
解ってしまった。
闇己が誰かを。
「さ、さつきちゃ……っ」
間違いない。彼女は—。
「なんで、さつきちゃんが?」
彼女は幸せな生活を送って—今日もあたしと遊んでたんじゃないの?
「……さくらさんの知り合い?」
『ぅわああああ!!』
「さつきちゃんっ、あたしだよ!まだ解る?さくらだよ!」
『…………』
「なんで、……さつきちゃんなのっ?さつきちゃんは幸せじゃなかったの!?」
『さく…ら……ちゃ………』
「ぇっ」
だぁあああああああああああんッ。
大爆発。
あたしも、琴音ちゃんも、闇己の空間も、みんな吹っ飛ぶ。
そして消えた。
琴音ちゃんは気絶していた、あたしはコンクリートに叩きつけられていて、血まみれだった、あちこちが痛かった。
「さつっさつき……」
涙がこぼれる、
仰向けになって空に向かって叫んだ。
彼女の名前を何度も読んでるうちにどなり声に変わって、涙も交じって…。
—彼女は死んだんだ。
死んでしまった、……アタシの友達。
「どうしてこうなっちゃうの?」
彼女に何があったの……?
- 白雪 ( No.10 )
- 日時: 2011/11/02 17:27
- 名前: 咲羅 (ID: a8bifGsH)
"白雪"をまだ説明していなかった。
闇己が消えたあと、その空間を囲んでいたシールドが消えるときに出てくる粉状の白いものだ。それが雪のようなので白雪。
それは闇己の記憶であり、闇己の憤怒であり、闇己の成仏の印。
「………」
乃神さつき、あたしの友達。
彼女"闇己"が消えた時、空間も消え、白雪が出てきた。
○
「もうやめてっ……!」
「ばぁあかっ!お前なんかむかつくんだよなあッ」
「だよねだよねっ、」
「雑巾どーぞ!!」
「やっ」
「ばーかばーかっ」
クラスメイトがさつきちゃんにゴミ箱の中身をかぶせる。
雑巾を投げ付け、バケツの水も頭からかける。
蹴って殴って、叩いて髪を引っ張って。
彼女はずたぼろ、涙をぽろぽろ流し、みんなに虐められていた。
「ぅううっ……うわあああ!!」
彼女は休んだ。
一週間経って、先生が家に来て心配していた。
二週間経って、彼女は部屋に引きこもった。
一カ月経って、彼女は夜更かしするようになった。
二か月、三か月と経った。
「………」
よれよれの彼女は、店に行った。
「……?」
そこにうつった少女、あたし。
「ったく……、星マークくらいいいじゃん……。さくらちゃんの馬鹿っ……、」
「あっれえ?乃神じゃん」
「ぅわあ〜。最近学校来ないと思ったら!やっぱずる休みぃ?」
「ずる休みだしっ、うわあぁ〜、わるっ」
「休んでるなら逝けよ」
中指を突き立てる女子たち。
「……」
彼女は後ずさる。
「ぁっ、あそこに公園あるからさあー?」
………。
その光景に目を見張った。
嗚呼、なんてことを—。
「ゃ、やめてぇ……!!」
「ぅっさい!!」
「………っっっ」
公園の女子トイレの個室に入れて、便器の中に顔を突っ込ませ、何度も何度も出したり入れたりしている。
「ゃっ………っっっっごほっ……ごほっ……っっ」
「きゃはははは!!」
甲高い声。
人間のすることとは思えない。
「ああーっ、面白かったあ。そろそろやめてやったら?」
「きったなあ〜っ、」
彼女を押す一人の女子。
「きゃっ」
彼女は壁にぶつかる。
「こほっこほっ……」
息切れと咳が止まらないようだ。
「ばいばーい♪」
彼女達は、個室の扉を閉め、閉じ込める。
「だして!!だしてよ!」
どんどんッドンドンッ。
何度もトイレのドアを叩くさつきちゃん。
叫んで叫ぶ、だんだん声裏返り、かすれる。
ぱんッ。
弾ける音。
……………彼女はこんなに苦しんでたんだ。
涙が床にこぼれる映像が見えた瞬間、小雪が消える。
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