ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ココロ 【オリキャラ募集中】
- 日時: 2013/08/07 12:40
- 名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: T3UB3n3H)
第一章 始まりの幕
第一話 “ボク” >>01
第二話 検査 >>02
第三話 私 >>04
第四話 確信 >>09
第五話 〝出来損ない〟 >>10
第六話 声 >>13
第七話 すがりつく >>19
第八話 魔女の住む館 >>22
第九話 どうして >>23
第十話 実験体 >>24
第十一話 夢 >>27
第十二話 遅れ >>28
第十三話 褒め言葉 >>29
第十四話 わがまま >>41
第十五話 将棋 >>42
第十六話 表情 >>43
第十七話 使命 >>44
第十八話 飴 >>45
第十九話 研究成果報告 >>46
第二十話 存在 >>47
第二十一話 今は・・・ >>49
第二十二話 命令 >>54
第二十三話 願わくば >>57
第二十四話 あぁ、そうか >>62
第二十五話 かつての同房 >>63
第二十六話 僕たち >>66
第二十七話 私の話 >>69
第二十八話 報告会終了 >>73
第二十九話 移動 >>74
第三十話 初めての日 >>79
第三十一話 温もり >>81
第三十二話 呼び起こす >>89
(凪過去編)
第三十三話 その時 >>90
第三十四話 千年樹 >>91
(終)
第三十五話 “外” >>92
第三十六話 情けは一回 >>93
第三十七話 見張り役 >>96
第三十八話 ため息 >>99
第三十九話 「ありがとう」 >>102
第四十話 望むもの >>105
第四十一話 先輩、後輩、同房 >>106
第四十二話 プレゼント >>107
第四十三話 生きている >>108
第四十四話 イベント? >>109
第四十五話 私の後輩 >>110
第四十六話 改造 >>113
第二章 放たれる悪
第一話 ガラスケース >>114
第二話 イタイ >>115
第三話 ただいま >>118
第四話 誕生日 >>119
第五話 笑み >>124
第六話 悲鳴 >>125
第七話 あぁいう女が・・・ >>129
第八話 不意打ちの遭遇 >>130
第九話 オネーサン >>131
第十話 切られた >>132
第十一話 私はな・・・ >>133
第十二話 行くぞ >>134
第十三話 追っている理由 >>135
第十四話 後輩の伝言 >>136
第十五話 保護対象 >>137
第十六話 ここにはいない >>138
第十七話 同盟 共闘 援助 >>139
第十八話 それでも赦さない >>142
第十九話 防御 >>143
第二十話 退化 >>144
第二十一話 長年の候 >>145
(ニコラス過去編)
第二十二話 小宮 >>146
第二十三話 一緒に行こうよ! >>149
第二十四話 退場願う >>150
第二十五話 鍵と『俺』 >>153
第二十六話 馬鹿だな >>154
(終)
第二十七話 道具じゃない >>158
第二十八話 二人の間柄 >>160
第二十九話 待つ >>165
第三十話 参加 >>166
第三十一話 たまには >>167
第三十二話 博士になった理由 >>173
第三十五話 温厚 >>188
第三十六話 精進 >>189
第三十七話 博士見習い >>190
第三十八話 多すぎ >>191
第三十九話 痛い視線 >>196
第四十話 探り >>199
第四十一話 兄弟とか? >>200
第四十二話 付き合う >>201
第四十三話 集まり >>204
第四十四話 もうすぐ >>210
第四十五話 戦の準備 >>211
第四十六話 心配 >>212
第四十七話 可愛いなぁ >>213
(朽葉過去編)
第四十八話 何で >>214
第四十九話 ガッカリ >>216
第五十話 探しにおいで >>217
第五十一話 必要? >>218
第五十二話 探していました >>219
第五十三話 尊敬する人 >>223
(終)
第五十四話 いつも通り >>230
*番外編*
ごちゃまぜなんでも大会☆” >>82 >>85 >>103 >>104
オリキャラ応募用紙 >>03
キャラクター
(応募オリキャラ)
扇 綾音(夏蜜柑さんのオリキャラ) >>05
魔神 彩女(秋さんのオリキャラ) >>07
亜寫夢 凪(サファイアのオリキャラ) >>11
白狐(さゑさんのオリキャラ) >>14
夢星朱亜(霧アリスさんのオリキャラ) >>30
神埼 桜(桜さんオリキャラ) >>32
手李拏(友達のオリキャラ) >>39
ブロック(つむきさんのオリキャラ) >>50
ニコラス・フラメル(akariさんのオリキャラ) >>59
神宇 アリス(アリスさんのオリキャラ) >>60
神条 柩(妃鞠さんのオリキャラ) >>64
守谷 泡沫(ルゥさんのオリキャラ) >>67
イラスト(ルゥさん) >>177
霜下 梅雨(〃) >>77
叶幸 奇跡(〃) >>183
(オリキャラ)
「人間兵器」
舞異舞異 >>100
歌音言霊 >>155
紫羅季 >>48
「博士」
ニィーア・ブレート >>101
新羅幽 >>159
蓮印遥 >>83
ヒストラ・レイス >>168
お知らせ
オリキャラ“博士” 募集終了 >>34
オリキャラ“人間兵器”募集終了 >>80
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- Re: ココロ 【オリキャラ募集中】 ( No.149 )
- 日時: 2013/03/21 11:23
- 名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: TQfzOaw7)
第二十三話 一緒に行こうよ!
『・・君は、誰なの?』
そう尋ねた。
左右別々の色を持つ子供は、怯えたように身を小さくした。
『・・なんで、こんなところにいるの?』
出来るだけ優しく、たずねた。
それでも子供は何も言わない。
ニコラスは少し肩を落とした。
同年代の子供と話すことは初めてだった。
『・・・君は・・誰?』
あきらめようかと思った矢先、子供が声をかけた。
『ぼ、僕はニコラス・フラメル!』
慌てたから舌をかみそうになった。
『歌音言霊・・・』
『ウタオト・・コトダマ?』
首を傾げれば、うなづきがかえってくる。
『何で言霊はここにいるの?』
『・・・言霊はここしか知らないから・・。外になんていけないんだ・・・』
悲しそうに、小さくつぶやく言霊。
ニコラスは首を横に振った。
『じゃあ、僕と一緒に外に出よう!』
『・・・え?』
『外はね、こんなところと違ってとても綺麗なんだよ!』
無邪気な笑顔でニコラスは語り始める。
手が届きそうなのに届かない青い空。
食べられそうな白い雲。
夕方になったら赤くなる空。
夜になったら沈む太陽。
星と一緒に光る月。
綺麗な花。
可愛い生き物。
美味しい食べ物。
自分が今まで体験してきたことを楽しそうに語る。
いつの間にか、言霊はそれに聞き入っていた。
『楽しそうだね』
ポツリと紡がれた言葉。
『うん、とっても楽しいんだよ!』
ニコラスはとても楽しそうに答えた。
『そうなんだ・・。羨ましい・・かなぁ』
『一緒に行こうよ!』
『・・・ムリだよ。言霊には・・・』
首を横に振る言霊に、ニコラスは手を伸ばす。
『大丈夫だよ。一緒に行こう?』
さぁ、と大きく差し出された手。
その手を見て、ニコラスの顔を見て・・。
それからゆっくりと手を伸ばす。
手と手が重なり合うと思った時。
『ニコラス・フラメル!それから離れなさい!』
声が聞こえた。
言霊は手を引っ込ませ、ニコラスはそちらを勢いよく向く。
『あの子をこちらへ連れてきなさい』
『はい』
そこにいたのは白い服の大人たち。
一番前に立っているのはきつそうな目をした女性だ。
ニコラスは女性をよく見かける。
何かとニコラスの元を訪れてはじっと見つめて去っていく、不思議な女性だ。
傍にいた青年はニコラスの手を引いた。
『な、何をするんだよ!』
『ニコラス・フラメル。その兵器は失敗作だ。君とは違う』
淡々と述べられる言葉。
それがただの単語にしか聞こえなかった。
ニコラスは言霊を振り返った。
言霊は女性を見て、そしてニコラスに視線を移した。
目が合うと、言霊は悲しそうに、それでも綺麗に、微笑んだ。
『ありがとう、ニコラス・・』
『言霊っ!?』
その言葉を最後に、ニコラスは腹に痛みを感じて気を失った。
『ありがとう・・・』
- Re: ココロ 【オリキャラ募集中】 ( No.150 )
- 日時: 2013/03/31 20:33
- 名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: TQfzOaw7)
第二十四話 退場願う
『ぅ・・・ん?』
目を開ければ白い部屋。
動こうとして勢いよく起き上がれば、どこか妙な感じがした。
『!』
両手首が背中で一つに縛られている。
足首には鎖があって固定されている。
つまり、動くな、ということだ。
『言霊・・・大丈夫かな』
きっと白い服の大人たちは自分には何もしないだろう。
でも言霊は・・・。
ギュッとまぶたを強く閉じた。
どれだけ時間がたったのだろうか。
いや、全然経っていないのかもしれない。
白い部屋で待っている間、誰も来なかった。
孤独が嫌い、というわけではないけれど、こんな状況は初めてだった。
だからニコラスは出来るだけ小さくなって目を瞑っていた。
怖いのか、寂しいのか、悲しいのか、分からない。
『・・・え?』
鎖が、手首を縛っていたものが、音を立てて切れた。
誰が切ってくれたのか、とキョロキョロと首を振れば、見たことのある人がいた。
『えっと・・あなたは・・・』
『ごめんなさい。僕じゃ止められなかったから・・・。早く行ってあげて・・』
涙をぽろぽろとこぼしながら扉を開ける。
『早く行かないと・・・』
『で、でも・・』
『みんな、処分されてしまうんだ。早く!』
背中を押されて、ニコラスは走る。
みんな?
『(みんなって・・誰?)』
『処分』と彼は言った。
何を?誰を?
思い当たったのは、小宮にいたあの・・・。
『!』
ゾクリと何かが背筋を通った。
ニコラスは足を速めた。
やっとたどり着いたのは生まれた場所。
大人たちは『研究室』だと言っていた。
扉を勢いよく開ける。
『___________________!』
目の前に広がるのは悲惨な光景。
何処を見ても、見たことのある顔ばかり。
大人たちだけじゃなくて、あの子供たちもいて。
『何故ニコラス・フラメルを部屋から出したの!』
『も、申し訳ありません!警備システムが一瞬切れていました!』
『チッ。使えない奴らだな!』
舌打ちをする。
その大人は持っていた銃の引き金に手をかける。
『まぁいい。あとはこの子だけだからね』
『さっさと終わらそう』
この子。
そこにいたのは、良く知っている顔で。
腰まである灰色の髪。
前髪から覗くのは左右の色が違う瞳。
『言霊になにするんだよっ!』
掴みかかろうとしたけれど、他の大人に体を抑えられた。
さすがに数人の大人相手はムリがある。
『ニコラス・フラメル。いい機会だから見ておくがいい』
女性が言い放つ。
『この世界は強い者だけが勝ち抜き生き抜いていくんだ。友達なんて不必要だ』
『何言ってるんだよ!』
『我々は成功したお前だけを生かすことに決めた。失敗作の者たちには退場願う』
淡々と告げられる。
『どういうことだよ・・・なぁ・・・』
『歌音言霊』
言霊の瞳がゆっくりと開く。
『残念だ。お前も同じく成功したのに、我々に歯向かうとは・・。だから・・失敗作として処分しよう』
『・・・』
まぶたを閉じる。
けれど、その表情は柔らかい。
運命を受け入れてるように、ただ静かに。
『残念だ』
渇いた音がした。
- Re: ココロ 【オリキャラ募集中】 ( No.151 )
- 日時: 2013/03/29 22:34
- 名前: ルゥ (ID: JxRurJ5z)
ああぁ!!!!!!!!!!
言霊ちゃん!!
ヒッドイわぁ!!言霊ちゃんはいつ歯向かったんか!?
ああ……
ニコラス君の悲惨な過去がぁ……(/ ; ω\)
スッゴイ展開です
引き込まれる!先が気になるます!!
体調に気を付けて、頑張って下さい!
- Re: ココロ 【オリキャラ募集中】 ( No.152 )
- 日時: 2013/03/30 08:55
- 名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: TQfzOaw7)
実は言霊はニコラスより前に造られたんですよね((
歯向かった→牢屋行き
的な構造になってましとさ←
引き込まれますか?
ありがとうございます!
嬉しすぎて涙が出ましたよ!
- Re: ココロ 【オリキャラ募集中】 ( No.153 )
- 日時: 2013/03/31 20:30
- 名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: TQfzOaw7)
第二十五話 鍵と『俺』
ゆっくりだった。
とてもゆっくり。
ニコラスは泣いていた。
確かに泣いていた。
0から創られた兵器。
だからこそ、人間としての構造は完璧に残っている。
ジワリと滲む世界の中で、僕の中の何かが語りかけた。
≪壊してしまおう≫
≪俺が手を貸す。俺はお前で、お前は俺だ≫
≪さぁ、力をやる。鍵を開けるのはお前だ≫
手を伸ばされれば、すがりついた。
助けたいだけなんだ。
≪俺の出番だ≫
世界は暗転した。
そして世界は赤く染まった。
一瞬にして大人たちは倒れた。
あの気取っていた女の博士も、高笑いをしていた男も、みんな何が起こったか分からないっていう顔で倒れている。
前までは家族のように思っていた。
でもそう思っていたのは自分じゃなくて、『僕』だけで。
『『俺』は最初から気に食わなかったんだよな』
言霊へと近づく。
既に周りの子供たちは手遅れだ。
『『俺』っていう存在が出来たのは、全部『お前ら』のせいなんだから』
胸に耳を当てる。
僅かだけれど、息はある。
ニコラスは言霊を抱き上げた。
もうここにいる必要はない。
そして、一緒に行こう、と言ったんだ。
『言霊、お前、死ぬなよ』
ぶっきらぼうに言い放つ。
それでも言霊は弱々しく反応を見せた。
廊下を歩いていけば博士に会った。
悲鳴を上げる奴、銃を持ち出す奴、たくさんだ。
そんな奴らを先ほどと同じようにして前へ進む。
『(逃げ出す奴も許さない)』
逃がしはしない。
数人の博士たちの言葉から、もう小宮には何も、誰も、ないのだと知った。
あぁ、結局助けられたのは言霊だけなんだ。
研究所から出れば青い青い空が見えた。
白い雲と緑色の木々。
中とは違ってなんて綺麗なんだろうか。
『なぁ言霊、見ろよ』
『・・・・・そ・と・・』
『うん。綺麗だろう』
そう顔を見れば、薄く目を開けて周りを見渡す。
ゆっくりと微笑みをつくる。
『うん』
なぜか嬉しくなってニコラスも笑う。
『よし、じゃあ治療してやるよ』
『ね、ニコラス』
『何だ?』
コツンと額同士を合わせられた。
何処にそんな力が残っていたのだろうか。
そんな疑問を持っていれば、言霊の両の瞳が輝き放つ。
『言霊、もうこの体じゃ生きていけないから・・』
『な・・にいってんだよ』
『だから、友達の君に、言霊の全部をあげる』
何を言っているのか理解できない。
『俺は・・・』
『君も『あの子』もニコラス・フラメルで、言霊の友達だから、言霊からの贈り物』
ニコッと力なく笑う。
『言霊の意識も力も、全部ニコラスにあげるから』
そして悟った。
言霊の体が本当に、もう壊れているのだと。
あの時の銃は言霊の機能の核を破壊していたのだと。
『ありがとう、ニコラス。最後にこんなに綺麗な外を見せてくれて』
何処からそんなに話す気力が湧いて来るんだよ。
そういったけど声にならなかった。
『ありがとう』
そんな言葉が聞こえた。
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