ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 戦いの都
- 日時: 2011/11/07 23:31
- 名前: レッドラム (ID: 1qauGher)
みなさん、はじめまして。
以前、「エキストリーム・エキセキューション」という小説をこのサイトで投稿していましたレッドラム(林 大介)です。
今回、また新しい小説出来ましたので投稿します。
これからお世話になりますので、よろしくお願いします。
- Re: 戦いの都 ( No.4 )
- 日時: 2011/11/11 11:46
- 名前: レッドラム (ID: 1qauGher)
現在、その車は永田町を走っている。
俺はどうしようもない不安と恐怖を感じていた。
もしかしたら、殺されるかも?
そんな根拠もない疑問すら感じる。
俺の頭はパニック状態だった。
そして、さらにパニックになる状況が俺を待っていた。
「こっここは...」
俺は思わず呟く。
車は何の躊躇もなく、首相官邸へと入る。
「どっどいうことだ!なっなんでこんな所に!?」
驚愕しながら、助手席に座っている男に尋ねたが無視された。
もう分からん。
拉致され、着いた先が首相官邸。
しかし...冷静に考えるとこの男たちは政府関係者だ。
そして、ある人の命を受けたとか何とかって言っていた。
そのある人って...ほぼ間違いなく総理大臣だ。
内閣総理大臣!!
国のトップ!!
そうこう考えてるうちに首相官邸内応接室のドアの前まで来ていた。
両脇にいる黒スーツの男の一人が話す。
「くれぐれも粗相のないように。」
そう言うと、男はドアを開けた。
広く落ち着いた室内の壁には歴代の首相の絵画が飾られている。
その先に一人の男が立っていた。
ドアが開いた音に反応し、振り向く。
そして笑顔でこちら側に近づき、左手を差し出す。
「よく来てくれました。私は内閣総理大臣 東大二郎です。よろしく。」
俺の予測は的中した。
そしてこの男との出会いによって、俺は今だかつてない戦いの渦に巻き込まれる。
- Re: 戦いの都 ( No.5 )
- 日時: 2011/11/13 19:43
- 名前: レッドラム (ID: 1qauGher)
「どうぞ、掛けて下さい。」
東に誘われ、ソファーに座る。
「私はブラックにしますが、武呂さんは何をお飲みになりますか?」
困惑しながら、俺は答えた。
「私もブラックで。」
東は黒スーツの男たちに指示を出し、彼らは部屋を出る。
そして、ここには俺と東だけになった。
何とも気まずい。
というか、未だになぜ俺はここにいるのか分からない。
そうこう考えてると、東が笑顔で話し出した。
「ふふふ。驚いてますね。無理もない。いきなり総理大臣に呼ばれて、今こうしてお話をしているのだから。そして、まずは無理やりこの場にご同行してもらったことに対して、君に謝罪しなければいけないな。申し訳なかった。」
一国の首相が俺に頭を下げた。
そんな姿勢を見ていると、何だかリラックスしてきた。
俺は思い切って尋ねた。
「どうして、私はここへ連れて来られたのでしょうか?」
その一言に東の表情が硬くなる。
そして、決断したかの如く口火を切る。
「単刀直入に言う。君にある人物の弁護をしてもらいたい。」
「弁護?」
「その人物の名はマルコ・アビール。」
「マッマルコって、マルコ国家元帥!?」
「その通り。イベリア共和国国家元帥 マルコ・アビールだ。」
「...」
何を言ってるんだ。現実か?これ?
首相官邸で東首相とこうやって話していることでさえ夢みたいなことなのに、さらにマルコ国家元帥の裁判の弁護なんて...
頭痛くなってきた。
「今更言わなくてもイベリア共和国の内情は知っているだろう。1年前不可侵条約を結びながらもバルカに侵攻し、パピヨンシティーで3万人の一般市民を無差別爆撃したイベリア共和国。その後、バルカと友好関係を結んでいたアメリカによる報復戦争でその3ヵ月後にイベリアは陥落。世に言うイベリア戦争だ。そのイベリアで神と崇められていたリーダーがマルコ国家元帥だ。彼は戦争後、側近と逃亡していたが1ヵ月後に自らアメリカ軍に投降する。そして、現在彼はイベリアの首都カミール近郊の南カミール収容所に収監されている。
ニュースで何度も見ているだろう?日本も救援活動とてバルカに自衛隊を派遣した。しかし、今は例の大災害であまり報道はされていないが。
武呂さん...ここからは大人というか国の事情なんだが...はっきり言おう。報道されていない今こそ、彼の裁判を早急に終わらせ世の中から消してしまうチャンスなんだ。
そのため君には彼を弁護しながらも、死刑にしてもらいたい!」
「!?」
- Re: 戦いの都 ( No.6 )
- 日時: 2011/11/14 17:58
- 名前: アカシア (ID: blFCHlg4)
これからどうなるのか期待しています。「——る。」を「——た。」で終わったほうがよさそうなところもあるように思いましたが、テーマが硬派でなんかワクワクします(^^)。
- Re: 戦いの都 ( No.7 )
- 日時: 2011/11/15 22:28
- 名前: レッドラム (ID: 1qauGher)
>アカシアさんへ
ご感想ありがとうございます。
ご指摘いただいた点も含めて、物語をさらに発展させていきたいです。
期待に応えられるよう頑張ります!!
- Re: 戦いの都 ( No.8 )
- 日時: 2011/11/16 23:48
- 名前: レッドラム (ID: 1qauGher)
「死刑...弁護しながら死刑か...」
俺はうろたえながら呟いた。
東は間髪要れず話した。
「個人を死刑にすることは実に心が痛む。しかし、相手は3万人以上を無差別爆撃した人間だ。たしか...死者は1万人以上...そう考えると死刑になるのは当然に思えるがね。」
「証拠はあるのですか?」
俺には一つの疑問があった。
「証拠?」
「爆撃指示を出した証拠です。ニュースでも報道していましたが、あの爆撃含み戦争に導いたのはマルコというよりも軍部が暴走したという噂でしたが...」
「武呂さん...それは噂です。あなたは今世界の深部である情報を目の当たりにしている。それは私、日本国首相のこの口から発せられる情報。これは真実です。まぎれもない真実!
マルコ国家元帥はイベリア軍をバルカに進行させ、1万人以上を無差別虐殺したという真実!」
東はテーブルの上にあらかじめ用意していた資料を俺に渡した。
「その中にイベリア陥落後に発見されたイベリア議会議事録が入っています。そして戦争に至るまでの経緯が記されています。そこには明確にパピヨンシティーの爆撃が計画されてあり、なおかつ指示指導を行ったのはマルコ国家元帥と書かれてある。」
俺はその薄っぺらい資料を読んだ。全編英語表記だったが、たしかに東の言う一文が載っていた。しかし、俺が気になるのはその部分ではなく調査機関が国際協定の軍事参謀委員会だということだ。
国際協定とは第二次世界大戦後に発足した戦勝国を中心とした同盟活動である。主にアメリカを中心とし、各国の加盟国と連携し世界の平和活動及び経済・社会などの国際協力を実現する組織である。
その中の一つの機関として軍事参謀委員会が設けられている。
俺はこの軍事参謀委員会にキナ臭い噂を聞いたことがあった。
それはあらゆる戦争に対するグローバルインフォメーションをコントロールし、所謂大国に有利な情報を近隣小国に流すというシステム。その情報は日付、時間、場所、数など具体的に記されているため、いかにも真実味を帯びているが、それはあくまで一方的であり戦争当事者である小国の情報を無視しているということ。
つまりは大国が嘘をついている可能性があるという噂だ。
その大国の代表国がアメリカだ。
そしてイベリア報復戦争の当事者。
俺は色々考えてる内に昔の血を取り戻そうとしていた。
この掲示板は過去ログ化されています。