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人喰い鬼の食事
日時: 2011/11/27 22:13
名前: 相川 バンビ (ID: 7XxjGZ78)





鬼の恋愛の話です。




*

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Re: 人喰い鬼の食事 ( No.3 )
日時: 2011/12/03 18:41
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: 5k0sSMOR)

初めまして……ですよね? 九龍と申します。

人間は食べるし、性格によって食べる人間も変わる……と。
人間らしい人食い鬼ですね。
そして、一章の最後の文が、初恋のきっかけ的なものですかね……。

更新、楽しみにしてます。

Re: 人喰い鬼の食事 ( No.4 )
日時: 2011/12/03 22:36
名前: 相川 バンビ (ID: 7XxjGZ78)

九龍さん


はじめまして、
人食い鬼をそこまで分かっていただけるとは嬉しいです
コメントありがとうございます^^*

Re: 人喰い鬼の食事 ( No.5 )
日時: 2011/12/03 23:11
名前: 相川 バンビ (ID: 7XxjGZ78)





ドクン、ドクンと鳴る心臓。
人間の落ち着いた呼吸の音。


辰は顔をゆがめて人間がいる方をじっと見つめてる。
……あ、そろそろ私の胃の中にあるものの片割れに気付いたかしら。


「……乾いてないな」


人間の小さな小さな声が聞こえた。
小さい声だったけど、その瞬間私の心臓はドクッと強く鳴った。
おかしいな。普段は人間になんか反応しないのに。
どんなに美味しそうな匂いでも、少ししか。
私の心臓の音に気付いたのか、辰が横目で私を見る。


あ、どうしよう。
ぎゅるるるる、っておなかが鳴っちゃった!


「ふっ」


え!? 笑われた?
もう! 殺されそうなのよ? なのにこの食い意地ったら!
辰はポカンと口をあけてたけど、もうこれでアイツに気付かれた。
顔を引き締め、私の腕をつかむ。
そして声を出さずに口だけで、「逃げろ」と。


なぜだか分からないけど、体がすっと動いた。
体の向きを変えて藪の向こうの森へ、走る。
後ろから人間の悪態と辰の笑い声が聞こえた。


「ハッ! 2年前は友人が世話になったな」
「覚えてないな。鬼はおとなしく退治されろ」


それから2歩ほど進んだところで、何かを抉る音が聞こえた。
辰の悪態も、血が地面に付く音も、微かに。


走って走って走ったところで足を止める。
これくらいなら、と思うけど。
なんだか少し残念な気持ちもある。
あれ。さっきから、あの人間に対してなにかおかしい。
食べたい。
それは今までと変わらない。
いや、今まで以上にあの人間を食べたい。
あんなに甘くて美味しそうな香りはじめてだもの!
ご馳走みたいな、あの香り。


「食べてみたいなぁ……」


ぎゅるー。またおなかが鳴る。
ほんとに食べたいのは変わりないのだけれど、なにかがちがう。
昔、辰の友達に言われたことが頭に浮かんできた。


「成。私ね、最近心臓がありえないほど高鳴って、顔がすぐ真っ赤になるの」
「ふうん……」
「母さまに言ったらね、それは恋だって」
「あら、誰に……?」


手を顔にあてると、ああ、熱いわ。
心臓はいまだ変わらず。あの人間のことを考えるとドキドキする。


また会えるといいなあ、って思うけど。
また会ったら私の恋はすぐに終わりを迎えるわね。




第一章  おわり

Re: 人喰い鬼の食事 ( No.6 )
日時: 2011/12/04 12:51
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: xJuDA4mk)

食べたいと違う感情……。
なんか、そういうのって、人食い鬼さんにとっては、もっとも分かりにくそうなものですね。
しかも、相手が人間(食物)。
人間がおやつに恋するようなもんですしねぇ。

Re: 人喰い鬼の食事 ( No.7 )
日時: 2011/12/04 17:03
名前: 相川 バンビ (ID: 7XxjGZ78)

九龍さん


まさにそうですね
おやつに恋してしまった苦難とかをかいていきたいですね*
コメントありがとうございます♪


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