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- 巡る世界のレクイエム〜第二章 光と影の楽園〜
- 日時: 2011/12/26 21:01
- 名前: +noise+ (ID: .XV6mGg/)
どうも、お久しぶりです^^
前作・巡る世界のレクイエム〜第一章〜は見ていただけたでしょうか?
今回は、前作でお知らせした通り、巡る世界のレクイエム〜第二章〜
「光と影の楽園」です
この物語(原作)を知っているみなさんのご期待の添えるように
頑張っていきたいと思います!
+登場人物+
リリア:鏡音リン
レオン:鏡音レン
ミエル:初音ミク
メイディア:咲音MEIKO
カイル:始音KAITO
ガルフィ:神威がくぽ
ルーナ:巡音ルカ
テルト:重音テト
ルコリア:欲音ルコ
サラ:がくこ
レイナ:オリジナル
ではどうぞ(o・A・o)/
- Re: 巡る世界のレクイエム〜第二章 光と影の楽園〜 ( No.7 )
- 日時: 2012/02/27 22:39
- 名前: +noise+ (ID: iuL7JTm0)
「……どうした?今心が揺らいだな」
王宮ではまだ戦いが続いていた
ルコリアの質問にレオンは小声で返した
「…貴様には関係ない」
レオンは力強く剣を振りかざした
ルコリアは怖じけることなくレオンの剣を弾き飛ばす
「………っ!」
その拍子にレオンは体制を崩し、そして倒れ込んだ
「止めといこうか」
ルコリアは笑いながら鎌を振りかざした
———キィンッ
激しい金属音が鳴り響く
ルコリアの攻撃を受けたのは、メイディアだった
レオンはメイディアに助けられたのだ
「……何故…貴女が俺を……?」
「…さっきはすまなかった。
私も共に連れていってはくれないか
…姉の仇を討ちたい思いもあるが、まずは姉を弔わねば」
レオンは言葉を発さず頷いた
「……はっ…何を話しているかと思ったら!」
ルコリアは声を張り上げた
「誰もここから…逃げられると思うなよ!!」
鎌が持ち上がる
——が、カイルがその鎌を掴んだ
「それはどうかなぁ?」
ルコリアが固まる
「何……ッ!?」
よく見ると、彼女は蜘蛛の糸のようなものに絡まり
身動きが取れなくなっていたのだと分かった
「くそ…こんなもの………ッ」
糸を切ろうと藻掻くも、無意味のようだ
糸は何をしても切れそうにない
「無駄無駄。暴れれば暴れる程、
君の魔力を吸っていくんだ。」
そういってカイルは一本、糸を引きちぎった
「あんな糸で……」
「この糸はね、ダイヤモンドより硬い素材なんだ。
君なんかの力で切れる訳はない」
それを聞いて、メイディアの頭の中にはひとつの疑問が浮かんだ
————そんな馬鹿な
じゃあ何故 何故彼はあの糸を切れたの……!?
「ねぇ、若き魔導士さん。名は?」
「……レオンといいます」
一瞬言うのを戸惑ったが、彼を味方と見て名を告げた
「そ。宜しく。僕の名はカイル。
レオン、君は仲間を探しているね」
————俺は彼にそんな話をした覚えはないが…
「僕、占い師だからさ。解るんだよね。」
少し戸惑うもその言葉で納得できた
優しげな風貌だが、その笑顔は少しおぞましかった
其の時。
いきなりカイルは吹っ飛んだ
そして壁に激突し止まった
「その悠長な喋り方はやめろといった筈だが?カイル」
出てきたのは先程姿を消した筈のガルフィだった
「ごめんごめん」
「…………貴方達は一体…?」
「まぁ…突然現れたものに警戒しない方が不思議だな。
先程は、すまなかった。我を助けてくれたでな」
「いえ…あれで助けたと言えるのかどうか…」
———バシュッ
「!」
全員が音のした方向に目を向ける
ルーナがルコリアに絡まった糸を切っていたのだ
「ダイヤモンドより硬い鋼鉄の糸を切るとはね…
流石に驚いた」
カイルは苦々しい顔でルーナを見つめる
カイルや他の視線なども気にせず
ルーナは勢いよくルコリアの腹を蹴り上げた
「全く…本当に役に立たないのね」
「ぐ……も…申し訳ありません、主…ッ」
部下に対しての冷徹な態度に全員が圧倒された
「さて……」
唐突に切り出し相手を崩していくのも
彼女の技と言えるだろう
「死んで頂戴な。……愚民どもが」
- Re: 巡る世界のレクイエム〜第二章 光と影の楽園〜 ( No.8 )
- 日時: 2012/03/03 20:26
- 名前: +noise+ (ID: OtoGoRwm)
「死んで頂戴な。……愚民どもが」
険悪な表情でルーナが言うも、カイルは表情を崩さない
「悪いが、そういうわけにもいかないね。
それに……」
カイルが少し卑しい顔になる
「それに、忘れたわけじゃあないだろう? 君が僕の部下だった頃、一度でも僕に勝てたことがあったかい?」
ルーナは屈辱のあまりか、拳を握り締め、カイルを睨みつける
「……さい………黙りなさいよ…所詮……所詮は……」
カイルの顔に、少し歪みが生じた
「所詮は!王に捨てられた『咎落ち』のくせに………!!」
先程までとは一変し、カイルの表情には憎悪が満ち、
ルーナは尚も勝機の瞳でカイルを睨みつける
「……それ以上…」
カイルが口を開く
「それ以上、そのことに関する言葉を吐けば、……殺すよ
君が、元部下だろうと…ね」
その言葉に、ルーナが叫ぶ
「ハッ!…あんまり強い言葉を使わないほうがいいわよ」
カイルの瞳はさらに強い憎悪が浮かぶ
「……弱く見えるわ!!カイル!!」
——ドッ
其の時は全員、一瞬何が起きたかわからなかった
カイルがルーナの腹部に、鋭い突きを叩き込んだ
「がっ……は…」
「あ…主!!」
ルーナのもとにルコリアが駆け寄る
「さ!みんな!今は戦うこどが先決されるべきじゃない!進むべきだ!
そうだろ、レオン」
レオンに向き直りカイルは問う
「……ああ、進むべきだ」
そういったレオンの言葉を聞き、カイルは頷く
そうかと思うと、勢い良く右手を振り上げ、何かを唱えた
そして彼の右手から、蒼い霧が噴射された
「ほら逃げて!」
カイルの一言に、レオンたちは走り出す
走って走って走り続けて
長い王宮の廊下を抜け、光が見えた
振り返ると、ルーナもルコリアも誰も
追ってきてはいなかった
「うまく巻けたね…」
一言、その一言で全員はホッとした
そして皆、同じことを考えた
『進もう』と
- Re: 巡る世界のレクイエム〜第二章 光と影の楽園〜 ( No.9 )
- 日時: 2012/03/25 21:59
- 名前: +noise+ (ID: 03lnt/I/)
彼らは進んでいた
各々目的は違っても、大きな『あの場所へ行く』という目的は揺るがなかった
森を抜け、川を渡り、時には追手や、その国々の兵士とも戦った
逃れられはしなかった
ひとつの目的———進むの為に、逃れることなどできなかった
そしてやっと、やっと辿り着いた
目的の、あの場所に
大きく聳えるその洞窟の入口の前に立ち、全員がその場を見据えていた
「………進もう。
この先に、我らの未来があるのだから」
誰一人臆する事無く、前へと進んだ
————リリアの声が、音が…
弱くなってる気がする
今すぐこの手で確かめたい
君の、温もりの音を
- Re: 巡る世界のレクイエム〜第二章 光と影の楽園〜 ( No.10 )
- 日時: 2012/03/31 14:12
- 名前: +noise+ (ID: PhoX.UcX)
巨大なクリスタルが輝きを放ち、蒼い光が辺りを照らしている
「ここ……」
外の世界とは全く違う、一面蒼の世界が広がっている……
目の前には一本の道が続くが、奥は暗くよく見えなくなっている
レオンは天井を見上げたり——といっても天井も見えないくらいに高く
そびえていたが——辺りをキョロキョロと見渡したりしていた
「…レオン?どうしたの?」
「………ここ……知ってる気が…………いや、多分気の所為だよ」
「…そう。じゃあ行きましょ」
誤魔化すように笑うレオンをメイディアは少しばかり心配した
慎重に、少しずつ前へと進む一行
すると突然その音は鳴り響いた
『uuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu……』
獣の呻き声のような音が、洞窟の中全体に響きわたる
「な…何!?」
『ooooooooooooooooo……』
絶えず鳴り響く声に、不安と恐怖が駆り立てられる
「声…みたいな……なんなの…!?」
『oooooooooooooooooooooo……uuuuuuuuuu…………』
三度目の『声』は、悲痛に満ちていたように感じ取れた
しばらく音は鳴り止まなかったが、
次第に『声』は小さくなり、消えていった
「なんだったんだ…?今の…声みたいなの…」
カイルの言葉にレオンは少し悩みこういった
「…音は止んだんだ。…………先を急ごう」
奥に進み続け、やがて大きな広い空洞にでた
そこに居たのは、一人の女
「……誰…?」
メイディアは女性を見つめ呟いた——息が白くなっている…ここはとても……とても寒い
その声に女性は振り返る
全身蒼のドレスに身を包み、銀の仮面を付けている
『私ノ名ハ……《ミエル》…」
「!!」
声の主は仮面の女性だった
それはとても不思議で頭に直接響いてくるような声だった
『私ハ……魔導王国ノ国王ニ仕エテイタ…魔導士ダッタ…
デモ彼ハ…王ハ私ヲ追放シタ……私ハ……彼ヲ…』
全員の視線が注がれる中、ミエルと名乗る女性は続ける
『彼ト彼ニ仕エル魔導士を憎ム……!!!!』
突然右手を振り上げ、魔法の基本の構えをとった
レオンたちは反射的に自分の武器、あるいは術の構えをとった
『私は歌う。貴方の為に』
レオンの頭の中に響く、声
それは…リリアの声だった
『貴方と世界の為に……歌い続けるわ』
「———………」
・・ ・・
目を閉じ、彼は彼女を視た
そして言う
「それなら俺は君と平和のために………戦うよ」
———ゴゥッ……
ミエルが魔法を使った
彼女の背後からはたちまち蒼い煙のようなものが立ち上る
ゆっくりと煙のようなものは姿を変え、やがて其れは、
人間の姿へと変わっていった
「……っ…………人間……!?」
そう呟いたメイディアに、突然『煙からできた人間』が襲いかかった
「な……っ!!うわぁぁあああああっ」
メイディアの叫び声が止むと煙はス—…とミエルのもとへ戻り、
横たわるメイディアにレオンが駆け寄った
意識はないようだ
「……大丈夫。気絶してるだけだ」
「そうか良かっ———」
ガルフィの言葉はそこで途切れ、気がつくと彼は入口近くのクリスタルに激突していた
「ガルフィ!!」
大きな音を立てガルフィは落下し、地に伏せた
レオンがすぐに駆け寄り一本のクリスタルに寄っかからせた
打った背中側は勿論のこと、ほぼ全身から大量の血が吹き出していた
「……こんな…」
振り返った、その瞬間。
カイルの背後に迫る煙と、自分の目の前に迫るミエルを見てしまった
剣を横に薙いだが———剣はあっさりと彼女に止められた
「カイr———」
恐怖と痛みが身体中を這いずりまわる
意識は、そこで途切れた
- Re: 巡る世界のレクイエム〜第二章 光と影の楽園〜 ( No.11 )
- 日時: 2012/03/25 22:55
- 名前: +noise+ (ID: 03lnt/I/)
語り:少年
目が覚めるとそこは真っ白な空間だった
静かで、俺以外誰もいない空間……
でもミエルと戦っていた時のような冷たい感じは一切しない…
とても心地の良い…自分だけの空間
「——————♪」
歌声が聞こえる
とても美しい、懐かしい『彼女』の声
「……リリア」
名を、呼んだ
「………レオン…」
背後から聞こえた声に振り返ると
瞳に写ったのは金髪に、白いリボン。白いワンピース
そして…≪笑顔≫……
「私は祈る。守るために」
「……俺は……俺は戦う。壊すために」
二人の声が……重りあう
「笑顔がこぼれる………。私は光指す世界のために」
「……君は、泣いてた。ただ…独りで」
優しげな笑顔のままのリリア
「私はずっと歌ってた。明日へと繋ぐ…光の希望の歌を」
「俺はそれを、ずっと過去を葬る…影の絶望の歌だと勝手に解釈してた」
リリアがそっと俺に近付き、手を握った
「私は命を与えた」
「俺は命を奪った…」
リリアと俺の声が、今———……
「息吹く声を新しい風に乗せ…」
「終わりの声を止まない雨に流し…」
———完全に、重なった……
「「命尽きるまで————……」」
『……マタメグル…』
その瞬間俺は目を覚まし、白の世界は消え去った
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