ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 00:30
- 日時: 2011/12/26 21:50
- 名前: ルシア (ID: p6e1/yUG)
僕は何度も君に言葉を吐いた。
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- Re: 00:30 ( No.5 )
- 日時: 2011/12/27 13:03
- 名前: ルシア (ID: E86mwh4M)
チアキに声をかける。
よっぽど集中していたのだろう。
驚いて僕を見上げた。
その顔はすぐにほほ笑みにかわり
「終わった?」
と言葉をこぼした。
辺りはまだ明るく、「昼間」のような感じだ。
そんな帰り道を二つの影が揺れていた。
「…さっき、なにやってたの?」
僕は横を歩く背の低い少女、チアキにたずねる。
「折り紙…折ってたんだ。」
そう言ってチアキはスクールバックの中から紙で折られた赤色の兎を出した。
「…。」
「病院の子たちに。」
チアキは前に病気にかかりしばらく入院していた時期があった。
その間に仲良くなった小学生くらいの子たちとは今もちょくちょく遊んでいるらしい。
あの赤い兎はその子たちにあげるもの。
だそうだ。
「あ…ぐしゃぐしゃになっちゃった。」
- Re: 00:30 ( No.6 )
- 日時: 2011/12/27 14:34
- 名前: ルシア (ID: E86mwh4M)
チアキの手にはだいぶしわになった赤い折り紙があった。
今度は猫のようだった。
チアキは猫がすきだから、こんなに…
「あ…!」
チアキの手から離れた折り紙が、
宙を舞って…
赤い猫を追いかけてチアキがたどり着いたのは
横断歩道 だった。
「チアキ……っ!!!!!!!」
僕がチアキにたどり着いた時には、
耳を
貫く
ブレーキの音が、
すべてを理解させた。
「…チアキ……?」
もう
なにも信じられない。
- Re: 00:30 ( No.7 )
- 日時: 2011/12/27 14:48
- 名前: ルシア (ID: E86mwh4M)
視界が明るくなる。
「終わった?」
ボーっとしている僕にほほ笑む、
もう一度聞きたかった声。
チアキ。
「…なんで……?」
ありえない現実に呆然とする僕にチアキは首をかしげた。
「どうしたの…?」
半分笑ってチアキは続けた。
「帰ろ?」
なにが、起こってるんだ…?
- Re: 00:30 ( No.8 )
- 日時: 2011/12/27 15:13
- 名前: ルシア (ID: lyYROhnH)
どうやら、僕はあのときの前に戻ったらしい。
なぜなのかは
わからない が。
「…… ……。」
長い沈黙に耐えきれなくなったチアキがしゃべりだす。
「…あ!さっき折り紙つくってんだ。」
と言ってスクールバックの中から…
「待って…!!」
「…え?」
いきなり手をつかまれてチアキは困惑する。
「どっ…どうしたの…?」
下を向いて黙っている僕にチアキはつづける。
「…ショウ…どっか痛い?」
「僕は、だいじょうぶ、だから。」
「……そっか。」
チアキはほほ笑んだ。
これで、チアキは死なない、か。
そして場所は忌まわしいあの横断歩道。
「ショウ?」
僕は知らぬ間に足を止めていたようだ。
「あ…っ ごめん。」
「えへへ…なんかショウ…今日おかしいよ?」
チアキは僕の顔を覗き込んで続けた。
「行こ…!」
- Re: 00:30 ( No.9 )
- 日時: 2011/12/27 15:18
- 名前: ルシア (ID: lyYROhnH)
僕とチアキは青に変わった横断歩道を歩いた。
「ねぇ、ショウ……
チアキがなにか言いかける。
その後ろに
トラックが見えたんだ。
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