ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 夢と俺、鏡と僕。
- 日時: 2011/12/28 00:04
- 名前: みらーさうんど。 (ID: rYvWlEkT)
駄作ですが…まぁ見てやってくださいっ!
荒らし、誹謗中傷お断り
アドバイスとか感想宜しくお願いします(ぜひ!)
私は普段どっちかって言うとコメディ系を書く方なので
上手く出来ないかもしれませんが…
- 夢と俺、鏡と僕。 1 ( No.1 )
- 日時: 2011/12/29 00:03
- 名前: みらーさうんど。 (ID: 7gBpjPib)
ある朝俺が目を覚ますと、全ての人間、いや、俺以外の人間が
いなくなっていた——————…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ある朝俺は、目覚まし時計の3回目のベル音で目を覚ました。
時計の針は、午前8時50分頃を指している。
目をこすりながらリビングに向かうと、テレビの画面にモノクロの砂嵐が映っているだけで、
変わった事はそれ以外無かった。その時は無いように思えた。
リビングのテーブルにあったのは、炭酸の抜けた不味いコーラだけ。
俺はそれを飲み干し、テレビのリモコンを手に取った。
「ん…? 」
チャンネルを変えていくと、全てのチャンネルが砂嵐を映し出している事に気づく。
「チッ」
小さく舌打ちをして、リモコンを床に投げる。
と、その時、悪い違和感に気づいた。
この家、俺だけしかいない。
家の中を虱潰しに探したが、家族の姿は何処にもない。
ただただ俺の足に、床の冷たさが突き刺さるだけだった。
今日は土曜日。家族が出かける事はほとんどない。
もしあったとしても、何かメモなどを残しておくはずだ。
ただ家にだれもいない。それだけのはずなのに、
何とも言えない不安感が俺の脳裏を掠める。
1人でいるのが、たまらなく嫌になった。
誰かと一緒にいたいと心から思ったのは、後にも先にも、この時だけだったと思う。
俺はテレビを消し、その辺にあったジャンパーを着て家を出た。
- Re: 夢と俺、鏡と僕。 ( No.2 )
- 日時: 2011/12/28 00:11
- 名前: みらーさうんど。 (ID: rYvWlEkT)
ピンポーン。
インターホンの音は、静かな空間に響いた。
ピンポーン。
もう1度押してみたが、誰かが出迎える気配はない。
「英!いるんだろー!? 英ー! 」
ドアを叩きながら声を発すも、返事はない。
玄関の表札には「荒石」という苗字が刻まれている。
此処は俺の幼馴染の荒石 英(あらいし‐えい)の家だ。
家が隣りだからよくゲームをしたのを覚えている。
英は根っからのゲーマーで、そっちの世界では結構名の知れた奴だったりする。
「英!聞こえないのか—!?」
あいつが出かける事はほとんどない。
休みの日はいつも部屋に籠ってゲームをしているからだ。
ドンドンッ
さっきからドアを叩いていた右こぶしが痛い。
でもそんなのどうでもいいくらいに、俺は誰かと一緒にいたい衝動に駆られていた。
ガチャ…
「!! 」
玄関の鍵があいている…
やっぱり英はゲームに夢中なだけなんだと、淡い希望が頭の中に広がっていった。
「英!お前いい加減気付け… え? 」
勝手に入った英の部屋には、無数のゲームのケースが転がっているだけで、
当の本人はいなかった。
俺はそのゲームのケースを見て、誰かが此処にいたという安堵感と、
英が何処に行ったのかという不安感を同時に味わっていた。
「!? 」
不意に見た鏡に違和感を感じた俺だったが、気のせいだったようだ。
「どーなっちまったんだよ…」
皆、いなくなってしまった。
いや、最初からいなかったのか。
もう自分の思考さえ、視覚さえ、聴覚さえ、触覚さえ、臭覚さえ、疑えてくる。
何が何だか分からない。
夢なら覚めてくれ…! 本気でそう思った。
『…と、幸人』
その時、誰かが俺の名前を呼んでいるような気がした。
- Re: 夢と俺、鏡と僕。 ( No.3 )
- 日時: 2011/12/28 00:21
- 名前: みらーさうんど。 (ID: BUG11FhX)
「幸人…幸人」
誰だ? 誰が俺の名前を呼んでいる?
辺りを見回すも、俺自身の目が捉えたのはゲームソフトと少し汚れた壁だけ。
声は聞こえているのに、姿が見えないのに無性に腹が立った。
「誰だ。何処に…いっ!? 」
急に頭が痛くなった。
何か固いもので後頭部を殴られたような鈍い痛み。
薄れゆく意識の中で、誰かの声が俺を呼ぶのを聞いていた。
「…はっ! 」
気付いたら、俺は自分の部屋のベッドにいた。
俺の頭のすぐ近くにベッドの柱があった事で、自分がそれで頭を打ったという事を理解する。
「は、はは… なんだよ…」
どうやら俺は、夢を見ていたらしい。
時計の針は朝の4時10分を指していた。
冷静になって初めて、背中や額に、汗が付いている事に気づく。
服や前髪が肌にひっついて気持ちが悪い。
「はぁー…」
長くため息をついた。
ただの夢に恐れおののいていた自分が情けなくなってくる。
「…寝よ」
馬鹿馬鹿しいと自嘲気味に笑い、ベッドに潜り込んだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
8時。あれからは俺は眠らなかった。
いや、眠れなかった。
またあの夢を見るのが怖いとでもいう様に、俺の意識は頭の中に居座り続けた。
ガチャ
部屋のドアを開けると、そこには——————————
『あれ、幸人? 』
俺のたった一人の姉がいた。
- Re: 夢と俺、鏡と僕。 ( No.4 )
- 日時: 2011/12/28 00:24
- 名前: みらーさうんど。 (ID: TZln3PE9)
『あれ、幸人?』
俺の姉———つまり松下絢は、鏡を見ながら廊下を歩いていたようだ。
キョトンとした顔に一瞬イラッと来たが、
久しぶり(といっても1日も立っていないが)に自分以外の人間の姿を確認出来て
ホッとしている自分がいた。
「姉…ちゃん」
息をつきながらいう。
安心してつい顔がゆるみそうになった。
『何よ〜変な顔して。 …てゆーかアンタが自分から起きるなんて珍しーね! 何かあった? 』
夢が怖くて、なんて口が裂けても言えない。
なので短く「…うっせ」とだけ言っておこう。
『可っ愛くな〜い! ちっちゃい頃は素直で可愛かったのに〜…』
ブツブツと呟く姉を余所に、俺は階段を降りようとした。
『あぁ! そうだ幸人! 』
突然呼ばれて体がこわばる。と同時に、俺は階段を踏み外し
派手に転げ落ちていた。
『ふっ…はは、大、丈夫〜?っふふ』
腹を抱えながら笑う姉を睨み、ヒリヒリと痛む腰を上げる。
「ちょっと、幸人大丈夫? 」
遠くから声が聞こえる。
キッチンにいる母は、見なくても俺がこけた事が理解できたようだ。
「ん…」
短く、そして小さく応えると、ジャンバーを着て、外に出た。
夢と同じような行動だが…
あえて突っ込まないようにしておこう。
ピンポーン。
返事はない。
「はぁー…」
ピンポーン。
大きく息を吐いて2回目。
ガチャ。
「…はい? 」
ダルそうな顔の英が、頭をガシガシと掻きながら玄関の扉を開けた。
「おぉ、誰かと思ったら幸人じゃねーか? 」
驚きながらも喜びの声を上げる英の顔を見て、何かがこみ上げてきた。
「久しぶりにゲームでもすっk… え、ちょ」
安心したのか、俺は膝から崩れ落ちた。
- Re: 夢と俺、鏡と僕。 ( No.5 )
- 日時: 2011/12/28 00:26
- 名前: みらーさうんど。 (ID: BUG11FhX)
「お、やっっっと気が付いたか」
目を開けると、天井と英の姿が同時に見えた。
「びっくりしたわよー いきなり倒れたんだって? 」
英の声に続き、母の声が上から降ってくる。
起き上がるのも面倒だったので、俺はその状態のまま瞬きを1回だけした。
母はそれに少し不満の様子だったが、やがて英の方に視線をやると、
「ゴメンね英君〜、看病してもらって」
そう言った。
「いえ、俺もコイツに何かあったら困るんで」
英はそれに応えるようにはにかみながら言った。
その言葉はどこか自分をホッとさせた。
「大丈夫よ〜 4歳の誕生日の時、車に轢かれた時も無傷だったもの」
…それ以前の記憶を、俺は失っているが。
まぁいいだろう。
「今日はこっちで休ませます。移動させんのも面倒なんで。」
英のその言葉で、ここが英の家だという事に今更ながら気付く。
「ごめんね〜、あっ!絢も今日は出かけてるから急いで帰らなきゃ!英君、ゴメンけど後は頼んだ!!」
語尾を強めに言うと、母は駆け足で去っていった。
「何があったが知らないけど、自分の体は大事にしろよ」
そう言って英も、部屋を出て行った。
体を起して考えてみる。
やはりあの夢の所為だろうか。
今も、何だか体に違和感を感じるのだ。
自分なのに自分じゃないというか、そこにあるのに無いというか。
とにかく変な感じだ。
駄目だ。考えるのはどうも俺には向いてないらしい。
起こした体をまた布団に落とす。
歪んで見える天井を最後に、俺は再び目を閉じた。
この掲示板は過去ログ化されています。