ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ミィツケタ…【16話更新!!】
- 日時: 2012/08/14 10:30
- 名前: 久蘭 (ID: uWXzIoXb)
こんにちは^^もしくは、初めまして!!久蘭です。
実質2作目です。今回は、オカルト系な小説です。
文章下手、更新カメですけど、よろしくお願いします。
※ちなみに作者はコメントがあるとやる気がでます。嬉しがります。調子に乗って普段の2倍更新したりします(笑)
※前作「月と復讐とチャットルーム」もよろしくお願いします!!
※返信40、参照400突破しました!!ありがとうございます!!
【注意事項】
・グロい表現が含まれます。苦手な人はUターン!!
・荒らし、中傷もUターン!!
【お客様】
☆黒雪c 「あなたの薔薇は何色ですか?」 (複雑・ファジー)
☆あんずc 「黒血フォルクロリカ」(コメディ・ライト)など
☆向日葵s 「王様とトモダチ〜キングの憂鬱〜」(シリアス・ダーク)など
☆香月s 「『四』って、何で嫌われるか、知ってる?」(シリアス・ダーク)
☆まいかs
☆姫子s
☆ジルs
コメントありがとうございます!!
【目次】
登場人物>>1/忠告>>2/プロローグ>>3/1話>>6/2話>>9/3話>>12/4話>>13/5話>>15/6話>>16/7話>>17/8話>>20/9話>>23/10話>>26/11話>>29/12話>>30/13話>>33/14話>>34/15話(ちょっと変更)>>35/16話>>36/17話>>41/18話>>43/19話>>44
新作のお知らせ>>42>>45
【久蘭の小説宣伝(笑)】
☆月と復讐とチャットルーム(シリアス・ダーク)
完結しました♪両親の復讐として殺人をしていく兄妹の話です。
★残光の聖戦士(複雑・ファジー)
現在進行中です♪架空の世界で、剣士と魔術師の優劣をめぐるバトル&ミステリー物です。
☆可笑しな少女のいじめ対策マニュアル!!(社会問題)
現在進行中です♪脳内回路の可笑しな少女がいじめを受けてしまうのですが、彼女はいじめを変な方向に解釈しだします…(^_^;)
- Re: ミィツケタ…【12話更新!!参照100突破!!】 ( No.32 )
- 日時: 2012/06/10 13:31
- 名前: 久蘭 (ID: uWXzIoXb)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
まいか様
コメントありがとうございます!!本当にうれしい〜!!
なかなか更新できないですけど、見捨てないでくださいねっ><
これからも「ミィツケタ…」をよろしくお願いします!!
- Re: ミィツケタ…【12話更新!!参照100突破!!】 ( No.33 )
- 日時: 2012/06/10 14:04
- 名前: 久蘭 (ID: uWXzIoXb)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
13話
美羽は玄関に向かっているようだった。この家から出ようとしているのだろう。
とりあえず、美羽から目を離さないようにして、私たちはひたすら追いかけた。
しばらくして、美羽が玄関に到着する。
美羽の手が、ドアの鍵にかかる。
ガッ…
「…え…!!」
美羽がへなへなと座り込んだ。その間に私たちは追いつき、光里が美羽の肩をしっかり押さえこむ。
「美羽、どうしたのよ!!」
「鍵が…!!」
すっ、と背筋が寒くなる。日室君がドアに歩み寄り、鍵に手をかけた。
…回らない。
「どうなってやがる…!!」
「鍵が…開かない?」
日室君と巧が困惑した声を出すなか、とうとう美羽は大声で泣き出した。
…鍵が、開かない。
…こんなことって、ある?
何なの、なにが起こっているの、この家に…!!
「嫌…にげるの、逃げるのっ!!」
はっと我にかえる。その途端。
「きゃあっ!!」
光里の悲鳴とともに美羽がばっと駆け出した。
「「美羽!!」」
「「小宮!!」」
私たちは再び、走り出す。ばか…!!みんなでいない方が危険なのに!!
美羽はほかにどこか逃げ場所がないか、探しているようだった。片っ端から部屋のドアを開け、きょろきょろと見まわしている。涙でぐしょぐしょの顔。恐怖に埋め尽くされた顔。目を見開き、息を切らせ、頬えおひきつらせた顔。
怖い。
美羽が、怖い。
恐怖を感じているその少女が、人間が、怖い…!!
怖い。怖い。怖い。こわい。こわい。こわい。コワイ。コワイ。コワイ…!!
頭の中を、その音だけが駆け巡る。
「コワイ。」その音だけが。
美羽はトイレを見て、リビングを見て、和室を見て…。普段からは考えられないくらい、動く。
「美羽!!落ち着いて、落ち着きなってばっ!!」
光里がとうとう美羽を捕まえた。両肩をつかみ、壁に押し付ける。どん、と鈍い音がし、美羽が低くうっ、と呻いた。
「落ち着いて!!」
美羽に鋭い視線を向けて、光里が大声で言った。少し安心して、私たちはほっ、とため息をつく。
「…ふう、ひと段落だな。もう一個の懐中電灯持ってくる。…野本。」
「ああ。」
単独行動を避けるため、日室君は巧を呼ぶ。さすがだ。
「お願い…。」
言ってから。ずいぶん疲れた声だなと思った。身体的に。精神的に。心身ともにやられちゃってる。恐怖に。奇怪な出来事に。
向こうからひとつ、懐中電灯の明かりがやってくる。さまざまなものが照らし出される。私。巧。光里。美羽…美羽?
光里も、異変に気付いた。巧も。日室君も。
「「…美羽?」」
「大丈夫?小宮さん…。」
「小宮…?」
そういえば。美羽のしゃくりあげる声が聞こえなかった。光里への抵抗もあまりなかった。あれだけヒステリックになってたのに、なぜ…?
美羽は光里に肩を掴まれたまま、力なく首を垂れていた。少し茶色みがかった黒髪がばさりと垂れて、顔をかくしてしまっている。身体は震えていない。え…あれ…美羽…?
ふっと、美羽が顔をあげた。顔が見える。生気のない、ぼんやりした目。泣きはらした後だから、少し赤い。でも、黒眼に光がない。死んだ目…そう、まさにそんな目だ。
美羽はぼんやりと私たちを見た。悪寒が走る。まさか。ぬいぐるみじゃないはず。美羽のことはずっと見てた。その間に、私達に気付かれないようにぬいぐるみになるなんて、不可能だ。
美羽の色白な細い腕が上がり、自分の肩にかかった光里の腕を握る。そして。
「っっあっ!?」
高く悲鳴を上げ、光里が左手首を抑えてしゃがみこんだ。
「光里!!」
光里の顔を覗き込みながら、私は一瞬、何が起きたのかわからなかった。
「鈴野さん!!大丈夫?」
巧が光里に声をかける。
…はっとした。
美羽が、光里の左手首を。
…ねじったんだ。
モウイイカイ
マアダダヨ
モウイイカイ
モウイイヨ
ミィツケタ…
- Re: ミィツケタ…【13話更新!!参照200突破!!】 ( No.34 )
- 日時: 2012/07/01 10:39
- 名前: 久蘭 (ID: uWXzIoXb)
14話
「美羽…!?」
美羽は何も見ていなかった。ぼんやりとした顔で、口を半開きにしている。その口が、かすかに動いた。
「…ん…る。」
「「「「…?」」」」
「よ…でる。」
小さい、かすかな声。
「…よんでる。」
「呼んでる…?」
「美羽、誰が?何で光里の手をねじったの!?どうしちゃったの!?」
「結良!!」
巧が諭してくる。頭が少し冷える。恐怖で、思わず大声を出してしまった…。
美羽がふらっ、と歩き出した。ふらつきながら、美羽はどこかに向かっている。
「…追いかけよう。」
日室君が言って、美羽の後を追い始めた。
「そうしよう。小宮さん、なんか変だから、ついていった方がいい。…鈴野さん、大丈夫?」
「ふう…痛た。大丈夫。ありがと、野本。結良、行こう。」
「う、うん…。」
よかった…光里、元気そうだ。
日室君が早く早くと手招きしている。
私達は急いで、日室君と美羽の元へと向かった。
美羽はふらふらと、しかし確実に、どこかに向かって歩いている。
…どこかに向かって。
「呼んでる…行かなくちゃ。」
「美羽…。」
ときたま、やけに切羽詰まった声で美羽は言う。
「小宮…。」
日室君も心配そうにつぶやく。とにかく、美羽から目を離すとまずいということは、感じていた。
…それは突然だった。
「!?」
「美羽!?」
美羽は走り出した—何の前触れもなく。
「美羽!!」
「待って!!」
みんなが叫んでも、聞く耳を持たない。美羽は走る、走る…私達は、それを追いかける。
バタンッ!!
ガチャッ!!
「「「「!!」」」」
美羽がお風呂場に飛び込んだ。扉が勢いよく閉まり、鍵のかかる音が響き渡る。
「しまった!!」
巧と日室君が扉を開けようとする。でも、鍵のせいで開かない。
「結良、ここどこ!?」
「お風呂場…。」
「ぬいぐるみの本拠地じゃない…!!」
私と光里も、巧と日室君に加勢する。お願い、開いて…!!
ガチャッ。
「「「「!?っうわっ!!」」」」
ふいに鍵の開く音がして、私達は勢いよく床に倒れこんだ。
なんで鍵が急に開いたのかを考えている暇はなかった。
「美羽!!」
暗いお風呂場で叫ぶ。
でも…何も返ってこない。それどころか…
「…誰も、いない…?」
お風呂場には、まったく人影がなかったのだ。
「うそ…。」
誰も…いない…。
「くそっ…!!遅かったか…!!」
このお風呂場には、このドアと、小さい窓一つしか、出入りできそうな場所はない。しかも窓はとても小さいから、人が通れるとは思えない。
また、一人…。
ぬいぐるみに…。
さらわれた…。
モウイイカイ
マアダダヨ
モウイイカイ
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ミィツケタ…
- Re: ミィツケタ…【13話更新!!参照200突破!!】 ( No.35 )
- 日時: 2012/07/17 13:55
- 名前: 久蘭 (ID: uWXzIoXb)
15話
「…どうすればいい?」
絶望感にさいなまれながら、私、光里、巧、日室君はリビングに戻った。
巧の疲れ切った質問に答える者は、誰も、いない。
「…とりあえず、単独行動はなしだ。ぬいぐるみは姿を変えられるだろう?俺たちの誰かになりすます危険性がある。危ない。」
「「「…うん。」」」
しかし、4人で行動していても、何も変わらない…。そんな気が、していた。
気がつくと、口が動いていた。
「探さなきゃ。…手分けして。」
「危ない!手分けなんてしたら…!!」
「2人、2人は?それならなんとか…。」
「俺の場合を思い出せよ。2人でも危ない。下手すれば俺と松原、両方さらわれてたのかもしれないのに。」
「でも!…2人は一緒に行動してたわけじゃないでしょう?私が言ってるのは2人一緒に行動するってこと。だから!」
最後は叫び声に近かった。自分の声の大きさに驚く。
3人は黙りこくってしまった。ああ、どうしよう、どうすれば…。
「…いいんじゃないか。」
「「「!?」」」
そう言ったのは巧だった。
「身を守るのも大切だ。でも、五十嵐、松原、小宮さんをたすけることも大切だ。守ってるばかりじゃ、何も変わらない。…ここは思い切って、攻めてみないか?」
「でも…。」
光里が日室君の顔色をうかがいながらつぶやく。日室君は黙ったままだ。
「「「…。」」」
私、巧、光里は、日室君をじっと見つめる。
顔をあげ、日室君は口を開いた。
「…やってみよう。」
「…結良。」
「うん?」
「絶対、見つけ出そうね。美羽も、ヨッシーも、松原も。」
「うん。」
固い表情の光里に笑いかける。そうだね、光里。見つけ出さなきゃね。
あのご、私達は2グループに分かれた。私と光里、巧と日室君。お互い、懐中電灯を一つづつ持って。
「…でも、もし美羽たちがいるとしたら…どこだと思う?」
「私達に見つかりにくいところ…だよね。普通に考えると。」
「でも…そんなところ、どこだろう?結良でさえもわからない場所。気付かない場所。」
「そんな場所…。」
あるわけない。
あるわけ…ない?
「…。」
…ああ。
あるね、そんな場所。
私が10歳以前には出入りしていて、10歳以降には出入りしていない場所があれば、だけど。
光里の神妙な顔つきを見る。
ごめんね、光里。私には…わからない。
「でも、美羽はどうしてあんなことしたんだろう。」
その問いの答えならわかる。私は即答する。
「何かに操られてた。おそらく、ぬいぐるみに。」
「ぬいぐるみに…?」
「うん。美羽、言ってたでしょ。『呼んでる』って。ぬいぐるみが美羽を呼んだんだよ。さらうために。」
「…でも、だったら、日室にも同じことができたんじゃない?同じように、操ればよかったのに。結局ぬいぐるみは、私達が来たせいで日室をさらい損ねちゃったわけでしょう?」
「そうだね。どうしてだろう…。」
謎が多すぎる。このかくれんぼは。
私は目を閉じてみた。
お願い。私が望むのは、1つ…ただ1つだけ。
お願いだから。
みんな、私達、鬼の負けでいいから。
かくれんぼしないで、出てきて。
みんな、戻ってきてよ…!!
モウイイカイ
マアダダヨ
モウイイカイ
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ミィツケタ…
- Re: ミィツケタ…【14話更新!!】 ( No.36 )
- 日時: 2012/07/10 11:39
- 名前: 久蘭 (ID: uWXzIoXb)
16話(義隆Side)
暗い。
痛い。
狭い。
「…っ。」
ああ…さすがに今は、ギャグを言う気力はないな。
ぼんやりと、目の前の闇を見つめる。肩が痛い。
だるい身体を動かし、肩に手をやる。べっとりと、生暖かい何かが触れる。
さっきからする…なんだっけ、このにおい。ああ、そうだ。鉄棒。栄介とよく遊んだっけ。
血か…。
俺、血が出てるんだ。肩から。そういえば、小さい女の子に首を絞められて、気を失って、それで…。
一回、目を覚ました気がする。痛くて。肩にものすごい痛みが来て。
その痛みで、また気を失った。
…あの女の子。
なんであんなに、アイツにそっくりだったんだろう?
「あーあ…。」
望むのは1つだけ。ただ1つだけだ。
日室と、あの子と、みんなに会いたい。
モウイイカイ
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ミィツケタ…
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