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ヨハネスの黙示録─緒言─
日時: 2012/03/18 09:00
名前: Johannes (ID: HhjtY6GF)




あなたはこの世に、『超能力者』が存在すると信じていますか?





─第01章<緒言>─
登場人物>>001 >>004 >>005
第00話(prologue)>>002  第00.0話(prologue side)>>008
第01話>>003
第02話>>007
第03話>>009
第04話
第05話
第06話
第07話
第08話
第09話
第10話
 

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Re: 黙示録─緒言─2話up ( No.7 )
日時: 2012/03/13 17:17
名前: Johannes (ID: HhjtY6GF)

・・・・・・[要塞学校]

誰かの悲鳴で、正典は目を覚ました。




  「この学校は我々“エフェソス”が占拠した!!!!!
    諸君が一番知っているとは思うが、この学校は国内で
   随一のセキリュティ対策が施されている。我々はそのセキリュティシステムを操作できる。

       すなわち

   東宝高校は要塞と化したと言っても過言ではない。逃げることは不可能。
   妙な真似をした奴は、躊躇なく殺すからな。
     黙って、口を閉じて静かにしていろ。」




正典が倒れていた場所は、ステージ脇にある放送室だった。
他にも放送で呼ばれた9人が倒れている。
正典は起き上がると、痛む頭を手で押さえながら千鳥足で立ち上がった。その時だった。

「黙って跪きなさい。」

若い女性の声がした瞬間、正典の後頭部に銃口が突きつけられた。
「・・・な、なんだよ・・・・・・」
「今から体育館1階へと移動する。騒がずに、黙って階段を降りろ。」
女性は正典の後頭部を銃口で押し、階段のある扉へと向かわせる。
正典は何もすることができず、言われるがままに扉を開けて階段を降る。
「お前らなんだよ・・・・・・まるでテロリストみたいな・・・・・・」


 「私たちはテロリスト。この学校はすでに占拠した。」


女性の声のトーンが、一気に落ちた。
正典は階段を降り終えると、そのまま校舎へと繋がる廊下を歩く。
「・・・・・・皮肉ね。自分たちの高校が、逃げることを防いでいるなんて。」
女性は鼻で笑いながら言う。
「止まりなさい。」
正典が止まった場所は、校舎と体育館の廊下の境界線だった。
しかし、校舎へは行けない。侵入者防止用の鋼鉄シャッターが降りているのだから。
「あなたはこれから、校舎内でサバイバルゲームを行う。先ほどの10人とね。」
「はぁ!?」
正典が女性に向かって驚いた表情を見せると、銃口を向けられ「黙れ。」と一喝された。


「ルールは簡単。明日の午前6時までに一人でも生き残っていれば、あなたたちの勝ち。
  ただし、全員死んでしまったら
 今人質にしている1年生と2年生、職員全員を殺す。無論、時間制限内に全員が死んでもね。


          だ・か・らと言って


 ゲームに参加しないような素振り、ゲーム放棄した場合は、校舎内に設置された爆弾が爆発するから。
  手を抜いても同じ。この学校には、監視カメラが廊下と教室に設置されてあるんだからね。
 自分たちが一番理解してると思うけど、ここからは逃げられないから。
  仮に逃げたとしても、その瞬間にあなたたちの負けよ。まぁ、せいぜい頑張ることね。浅はかな友情と絆で。」


女性が説明し終えた瞬間に、シャッターが不気味な音をあげて開き始めた。
正典は女性に押され、渋々校舎へと足を踏み入れる。
「ほかの9人もすぐに来るわ。それまで武器でも調達して、戦いに備えておくことね。」
「お、おい・・・・・・そんな冗談だ・・・・・・」




  「これは現実。前を見て、ただ戦いなさい。」




シャッターが降り始める。正典は呆然と、女性を見つめた。
女性の容姿はあまりにも若く、私服姿だが、恐らく正典同様の高校生と思われた。
ポニーテールが似合っている。
正典はとりあえず、自分の教室へと向かおうとした。その直後だった。


「元はと言えば、全て、あなたたちが悪いんだから・・・・・・」


確かに、そう聞こえた。
正典は振り向いて女性を見ようとしたが、その瞬間にシャッターが完全に閉まってしまった。
「・・・俺らが、悪い?」
正典は疑問を思い浮かべながら、とりあえず自分の教室である2年9組へと向かった。



******



体育館 ステージ脇放送室



「しかしまぁ、順調すぎて不気味だな。」
「お前らの姿のほうが、よっぽど不気味だ。」

テロリスト集団“エフェソス”の副リーダーを担う新井数也は、道化師、ピエロ模様の仮面をした男に言う。
「リンカーン、お前たちはゲームを楽しくしろ。こっちもただじっと待っているだけではつまらないからな。」
道化師の仮面を付けたリンカーンと呼ばれた男性は頷くと、横に立っている仮面をつけた2人を見る。
「ナイト、ハピネス、お前たちも暴れまくれよ。」
騎士模様の仮面を付けたナイトは黙って頷き、戦隊ものの仮面を付けたハピネスは敬礼をする。
「今、全員を校舎に入れ終えた。」
扉が開きながら、マシンガン片手にメンバーの佐田英彦が言う。
「君と一のおかげで、ある程度校舎内の複雑な通路が分かった。」
数也は大きく深呼吸をすると、放送室の機械の電源を入れ、マイクのテストをする。
そして、校舎内だけに放送されるように操作する。


『要塞と化した東宝高校にいる10名のプレイヤー諸君、今、サバイバルゲームの準備が整った。
    現在の時刻は午前10時。
    ゲーム終了の時刻は明日午前6時。つまり、20時間だ。
  ルールは聞いたはずだ。それでは始めてもらおう。』






そして、校舎内に虚しく放送の電源が切られる音が響いた。





Re: ヨハネスの黙示録─緒言─ ( No.8 )
日時: 2012/03/13 21:55
名前: Johannes (ID: HhjtY6GF)

・・・・・・【prologue[side]】

復讐を起こすことは、決して簡単なことではない。
しかし、私たちがどうして復讐を起こすことができたのか。
その理由は至ってシンプル。


      ─ 1人ではないから ─


「人間」は1人だと弱いが、束になれば強くなる。
軍隊などが良い例だ。兵士1人だと弱いが、何人も集まった軍隊になれば強くなる。
その原理と一緒だ。
2人なら少し強くなれる。5人ならそれ以上、100人も集まれば最強ではないだろうか?
復讐に限らず、何か大きなことをする時は、1人よりも多数だ。




 それが人間の共通の特技、我々はそれを活用できていない。






     その理由も至って簡単。












  私たち人間は、元々弱いから_____







   集まることさえ、できもしない_____











     それが人間、それが当然の時代。











    残念な世の中、悲しい世の中、美しくない世の中。








Re: ヨハネスの黙示録─緒言─3話up ( No.9 )
日時: 2012/03/16 17:04
名前: Johannes (ID: HhjtY6GF)

・・・・・・【サバイバルゲーム】

北棟5階にある2年9組の教室に、正典はいた。
閑散とした教室、窓はシャッターが降りて外の景色も見ることができない。
「くそっ・・・・・・あいつら何なんだよ・・・・・・」
テロリストたちの目的は分からなかった。どうして、この10人でサバイバルゲームを行わないといけないのか。
正典は机に腰掛け、時計と天井の隅にある監視カメラを見る。
時刻はまだ10時10分。残り19時間50分もある。
「まずは出雲を探さないとな。」
出雲のクラスはこの5階の2年11組である。しかし、正典は出雲の姿を見ていない。
それどころか、5階で残りの9人の姿さえ見ていない。
「全員、一体どこに行ったんだよ。」
正典は溜息を吐き、教室を出ようとした。その瞬間だった。


「のぁぁぁあぁぁぁああああぁぁ!!!!!!!」


悲鳴を上げながら、悠介が教室に駆け込んできた。
それに続いて梓、出雲も汗を流して慌てて教室に駆け込む。そして梓が急いで扉を閉めた。
「な、どうしたんだよ?」
「ハァハァ・・・花園って奴が、ハァ・・・いきなり襲ってきたんだよ!!」
悠介は息を整えながら、床に大の字で寝転ぶ。
「出雲、怪我はないか?」
「大丈夫だよ。にしても、あいつサイテー・・・・・・」
「本当、あの男は信じられない。」
梓と出雲は翔太の悪口を言いながら、椅子に座った。
「施錠して閉じ篭ろうぜ。そうすれば花園も・・・・・・・・・」


   『その行為を10秒以内に止めないと、5階の爆弾を起爆させる。』


突如、放送のスピーカーから数也の声が響き渡る。
「だぁぁぁぁ!!!!!くそがっ!!!!!」
寝転んでいた悠介は急いでで立ち上がり、教室から駆け出す。
「出雲、行こう!!山岡さんも!!!」
正典は出雲の手を引いて教室を飛び出す。梓も2人の後ろを追いかけるようにして、教室を飛び出した。
「監視カメラの死角になる場所、知ってるか!?」
「私知ってるよ。1階の理科室、男子たちが遊んでぶっ壊したから修理中。」
梓の情報を聞き、3人は顔を合わして頷く。
「理科室へ行こう。そこで今後の計画を練るんだ。」


******


北棟3階 パソコンルーム


パソコンルームは他の教室とは違いカーテンが締められ、電気は全て消えていた。
これはパソコンがオーバーヒートしないための対策である。
暗闇に包まれたパソコンルームの中には、2人の人影が潜んでいた。
「さすがパソコン部だな、頼りにしてるぜ。」
「ここなら監視カメラの電源を落ちてるし、当分は見つからないよ。」
ゲーム開始と同時に悠介たちを襲った花園翔太は、同クラスの工藤礼と一緒にいた。
礼はメガネをかけ直し、大きな溜息を吐く。
「んだよ、不抜けた声出しやがって。」
「だってさ・・・こんな状況、映画でも小説でも見たことないよ。」
「そんなこと考えるんじゃねぇよ。サバイバルゲームなんて、そうそう出来る物じゃねぇぜ!!」
ガッツポーズを見せながら、翔太は目を輝かせる。
そんな翔太の姿を見て、礼は微笑んだ。
「花園くんはイイよね、ポジティブ思考でさ。」
「あん?」
「僕はずっと暗くてさ、いつもネガティブ思考。こんな状況になって、自分の死んだ姿が目に浮かぶ。」
弱気を見せる礼の背中を、翔太思いっきり叩いた。
「いたっ!?」

 「負けると思うから負ける、死ぬと思うから死ぬんだよ。」

礼にそういうと、翔太はポケットから携帯を取り出す。
そして、携帯の画面を礼に見せた。
「さっきも確認したんだけどよ、携帯が圏外になってんだ。東京のど真ん中だぜ。」
礼は翔太の携帯をしばらく見つめ、とある予想をした。


「多分、奴らはジャミング装置を使っているかも。僕たちが外部の人間と連絡できないようにしてるんだ。」


「ジャミング・・・・・・なんだそれ?」
「簡単に説明したら、電波を妨害する装置だよ。」
「ふ〜ん。どうにかできねぇのか?」
「無理だよ。」
礼の説明を聞き、翔太はニコリと笑った。
翔太の笑みの意味が分からず、礼は尋ねる。
「何が面白いの?」
「この10人の中で、お前が一番頼りがいあるぜ。一緒に、最後まで残ろうぜ。」
翔太の言葉を聞き、礼は満面の笑みを浮かべて元気良く頷いた。
しかし、礼はこの時知らなかった。翔太が悠介たちを襲ったこと。
本当の、彼の本性を────。


******


北棟2階 東棟に繋がる渡り廊下前


元生徒会長であり現在は大学1年生の佐々木九之介は、落胆していた。
「そもそも、俺はもうここの生徒じゃない・・・・・・相変わらず運がないよな・・・・・・・・・俺。」
九之介は東棟と北棟を繋ぐ渡り廊下前にいた。
しかし、渡り廊下はシャッターが閉じているせいで行くことができない。
「ここと3階の渡り廊下もシャッターが閉まっている。どうして東棟には行かせない?」
九之介は最後に校舎に入れられた。そして、テロリストたちの会話を聞いている。


 『東棟は今は封鎖しろ。』


「あのリーダー格の男がそう言ってた。後で、何かに使うのか?」
九之介は疑問に思いながらも、とりあえずその場を後にした。




 

Re: ヨハネスの黙示録─緒言─3話up ( No.10 )
日時: 2012/03/18 08:59
名前: Johannes (ID: HhjtY6GF)

参照100突破!!!
今後もよろしくお願いします(/ω\)

Re: ヨハネスの黙示録─緒言─ ( No.11 )
日時: 2012/03/20 07:10
名前: Johannes (ID: HhjtY6GF)

複雑・ファジーに移動。
ご了承ください。


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