ダーク・ファンタジー小説

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・ ・ ・ 魔術シンドローム ・ ・ ・
日時: 2014/03/10 21:18
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)




「———わたしは、撃たれる」


彗星光る黄昏の空

この蝋燭が解け切ってしまえば、わたしは、この場所から離れ 撃たれるまで 永遠に 魔術シンドローム感染者として 追われる身になる。



「———わたしは、死ぬ。」



ボトボトと 蝋燭が溶け、ロウが落ちていく。

「溶けきったら、わたしの人生が、また。始まる……」
そこで捕まるまで、またわたしの人生が始まる。

そして、終わらない…いくら死んでも、また甦る

命の蝋燭が燃え尽きるまで——……

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□お知らせ□

2014.3/4 執筆開始

登場人物 >>1>>7
登場用語(読んでおくと分かりやすい、かも)>>4
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目次

第一章 ∮夕闇シンドローム∮

第一話【宵闇トワイライト】 第二話【混沌カオス

*to1黒き蝋燭少女>>2
*to2夜明けの魔物>>3
*to3仲間を探しに>>5
*to4花の記憶の先>>6
*to5闇と孤独の都>>8

此処に無くても、更新されている場合があります。

Re: ・ ・ ・ 魔術シンドローム ・ ・ ・ ( No.1 )
日時: 2014/03/06 15:36
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)

∮ 第一章  登場人物 ∮

ビアンカ・ノクターン(モルテ界での命名)
古き日に、魔界の魔女だった時、幼きビアンカは、魔術シンドロームに感染し死亡、その後 命の蝋燭で甦り、人間界へ。
幾度の時を経て、現在では、モルテ界という魔界の真反対にある「死」の場所で、魔術シンドローム感染者剥奪のため、追われている。

指名手配名は、猫を連れる少女ビアンカと呼ばれている

プラム

人間界でビアンカが 梅の花の下で拾った 梅色の猫。
梅は英語でプラムなので プラムと名付ける。人懐こい。

レイ 

モルテ界で、追われる旅の途中で出会ったスピリット(予言者)からもらった黒猫。
危険に素早く気づくことができ、冷静でしゃんとしている。
後、人間の言葉をしゃべることもできるようになる。

Re: ・ ・ ・ 魔術シンドローム ・ ・ ・ ( No.2 )
日時: 2014/03/10 21:24
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)

∮ 第一章 夕闇シンドローム ∮

第一話 宵闇トワイライト

かつて魔界を襲った 感染症
魔術シンドローム・・・(シンドローム=症候群)

それによって わたしだけじゃなくて 色々なたくさんの人が亡くなり、苦しんだ。
魔界だけでなく 色々な次元まで 感染した。

「ニャー・・・?」
エサを強請るネコは わたしに近づいてきた

「いいよ。今あげるから」
今では 魔術シンドローム感染者は、次元の中で数えるほどしかいない。
わたしもその一人。

そして 魔術シンドローム感染者を消すため。歴史に無かったことにするため、魔術シンドローム感染者剥奪を命じられた

そしてわたしは、シンドロームハンターや警察の指名手配を受けて、追われることになった。

「…ほら、」
わたしは、両手で抱きかかえていたプラムを、大切に芝生へ降ろし、肩に飛び乗っていたレイは自分から ひょんと飛び降りた

「ニャー!」
プラムは声を上げて、わたしの手の平から、梅の花弁を食べる。

プラムは人間界の猫さんなのだけれど、人間界の猫さんからして有毒って言われてる 梅の花弁、プラムはなぜか大丈夫で

一番の大好物だから いつも人間界から大量に持ってきた保存用 梅の花弁を、一週に一度、一食の時だけ、食べさせてやるの。

「はい、レイも食べて」
冷静で我慢強いレイは、プラムを先に食べさせてやる。

「にゃー!」
返事するようにレイも、エサに飛びついた。

プラムは2歳の猫
レイは3歳猫

どちらも、独りきりのわたしの旅ににかかせない人…じゃなくて 猫たち。

黄昏の街並がきらきらと光って見える。


そんな場所から遠く離れた森で、わたしと二匹の猫は野宿をすることに決めた。


「よいしょ…」
モルテ界に昼はない

夜明けと黄昏と真夜中がくるくると回り続ける世、死の世界
普段、魔女の血を引くわたしは、魔法が使えるのだけど、今は魔術シンドローム感染者の証ともいえる、グリムワーしか使えない。

「できた」
テントを組み立て終えると、ふたり専用のかごに入れてやる。
もう両手で一抱えのふたりの猫を かごにいれてやり、自分はテントに布団を敷いた。

寝袋は嫌いなのだ。

「そろそろ寝ようね」
ランタンの灯を消した。

まだ 黄昏時なのだけれど、今日は なんとなく。夕飯も食べずに わたしは寝ることにした。


「おやすみ」


「ニャー!」
「にゃ」
ふたりの猫も鳴いた


……命の蝋燭


ボロ布で出来た瑠璃色のワンピースのポケットから蝋燭を取り出した。

薔薇のブローチは寝る時は邪魔なので取った。

「命の、蝋燭」
最初はこれも綺麗な翼のカタチをしていたのだけど。
わたしが死ぬたびに 少しずつ欠けていくの。

わたしが死んだ瞬間、火が蝋燭に灯って
その蝋燭の火が消えた瞬間から わたしの新たな命が始まる。

わたしは今 120歳 若者の方。
いままで 数々の次元を歩んできたの。

「にゃ」
わたしが起きていることに気付いたレイがこちらを向いて、背に飛び乗った。


「……命の蝋燭よ」
命の蝋燭を持つ者の夕時の 祈りの捧げ。

「我が名は、ビアンカ・ノクターン」
命の蝋燭が、黄色に光をあげた

「*トワイライト*黄昏の神よ。泉の傍らに眠りし者よ。我が命、残りⅢの行手を阻むなかれ。日が照らす*メイト*友よ。*セイブル*黒の夜に君臨する十字軍よ *エニグマ*謎を持つ者よ。我が祈りに捧げ」

———
カタカナで「ニャー」と言っているのが「プラム」で
平仮名で「にゃー」と言っているのが「レイ」です。

すでに使い分けています。

Re: ・ ・ ・ 魔術シンドローム ・ ・ ・ ( No.3 )
日時: 2014/03/13 21:10
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)

夜明け頃、わたしは起きた。

木漏れ日が差す間もなく、黄昏が来てしまうのにじれったさも感じつつ。
夜明けの景色をみながら、わたしは自分の朝のご飯もなく飢えていた。

「ほら」
梅の花弁はプラムのエサ。
そしてあるのはキャットフードであるレイのエサだけ。

わたしの食事は無い。

数無いお金も レイのエサに使ってしまう。

だから夕飯時から食べていないから、ずっとお腹がすいたまま。
だから お腹がすいているのかすいていないのかもよくわからない。
喉も渇いた

湧き出たオアシスを飲むくらいしか、生きていく道がない

「……命の蝋燭よ」
命の蝋燭を持つ者は、蝋燭に朝晩祈りをささげなくてはならない。
…しなければ

命の蝋燭は倍に増え ずっと生き続けることになる…
わたしはそんなの嫌

普通の魔女や 普通の人間。そんな普通が良いの。
人より倍長い人生なんていやだ

「…我が名は、ビアンカ・ノクターン」

「*オーブ*夜明けの朝の神よ。我が命、残りⅢの行手を阻まぬなかれ。夢を照らす*コスモ*宇宙よ。*ホープ*望みを叶える神よ。*グリーフ*嘆き 物を捨てる者たちよ。 我が祈りに捧げ」

捧げを終えた後、ひといきついていると、背後で 声がした

「…!おまえ!もしや、魔術シンドローム感染者か!!剥奪の刑のためすぐに逮捕する!!」
(!!)
軍隊だった。
銃や刃物 槍という凶器を持つ黒ずくめの軍隊


心臓の鼓動が大きくなる——…。

殺される。

いざ 殺されると思うと怖い。

今の世界は 魔術シンドローム感染者=普通じゃない人をけなし、この世から いや、この歴史からも 無くそうとしている人が多くなって。

この祈りの捧げはもう ほぼ感染者だということの証になっていて、これを見られたんだからもう、魔術シンドローム感染者バレバレだ

「…気を付けてればよかった」
油断のあまりだった。

レイが素早くわたしの前にでて、 プラムも警戒したように、わたしをくるりと囲んで動いた

「!!」
この場所では、魔術シンドロームという症候群感染者は、剥奪されて刑務所で死刑にされてしまう。
わたしは すでに警察に指名手配された追われ人。

見つけたら、三億万グルナ、報酬までついていて。
わたしの名前を言ったら知らない人はいない。 

でも、今回は いつも追われている、警察じゃない。格好とか様子とか 全然違う…誰だろう。

「…やめて…!!プラムとレイだけは——」
わたしは力の限りでグリムワーを使った。
プラムとレイを背後に隠す

この二匹が居なかったら ここまで来れなかった
せめて この二匹だけでも。

グリムワーは魔法のこと。
魔術シンドロームにかかった者に捧げられた神からの力

わたしは、花の力を秘めていて、そばの花の持っている記憶を読むことができたり、植物たちを武器にして戦うこともできる

グリムワーを使い、出てきた植物たちは、軍隊の何人かを、花の蔓で絞り上げる。

でも、こんな能力を使えるのは 魔術シンドローム感染者だけ。
それに体力も使い、燃料切れになると倒れる

これを使う時は、もうばれたときだけ。

「…あなたたち、だれ…?」
わたしは おそるおそる声を上げた

「やめろ!グリムワーを使うな!俺も知らないのか シンドロームハンター、イブキ!「おやめ…!!」
(シンドロームハンター?)
新しく作られたのだろう

逃げ回る シンドローム感染者に手を焼いた警察が——!!

普通の人と違う、不死身の存在 シンドロームを消すために作られたハンターたち。

でも、そんな物凄い莫大な人数の軍隊をかきわけて出てきた少女が居た

わたしよりもすごく豪華な服をきて、わたしよりもステキで、どこかのお嬢様みたいな人だった

「…わたしくは 空軍エアー・フォーツを構えるモルテ界 モルテ塔、王国王女、ビアンカ・コーラル・E公爵あなたは?」
…王女、さまだったんだ。

しかも公爵———!

「…ビアンカ・ノクターン……」
わたしは逃げ腰になって、後ろへじりじりと下がった

(名前がかぶっちゃった…!)

冷や汗が出る

殺される——!!

こんな軍隊とたたかって勝てるわけがない。

「…あら、名前が一緒ですわね。縁がありますわ」
だけど その王女様は、嬉しそうにわたしの手を取った

「でもわたくしビアンカという名前は、大好きですの。あなたは?」
と笑った

「—わたしも 好き…」
油断はだめ。何時攻撃してくるか 解らない

追放されるかと、思った。撃たれるかと、思った。
プラムもレイも 怯えて わたしの背後から顔も出さなくなった

「あら、心配しなくてよ。この軍隊は わたくしの空軍ではありませんもの。わたくしたちはあなたを剥奪する気はないですの。」
え?

その言葉に偽りはないとは思うけれど—…

「サテライトから、貴方方を見守っておりますの。今日も、わたくしが今からこの軍隊を剥奪するんですわ」
と笑った

「え?」
確かに 空軍が地上を歩いているのも・・・

「……この軍隊、さきほど言った通りですわ、シンドロームハンターですの。で わたくしは、シンドローム感染者を保護する、全く敵の存在なのですわよ」
と、高々に笑った。

Re: ・ ・ ・ 魔術シンドローム ・ ・ ・ ( No.4 )
日時: 2014/03/06 16:00
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)

登場用語

*魔術シンドローム*
古き時代に魔界で ビアンカ・ヴエノス・Aが研究したウイルスが外に漏れ、魔界内でとても流行った、感染病。死亡者数は、甦る者がほぼなので、数えきれない。

シンドローム=症候群と訳され、命を一度落としても また甦り、いくらでもとは言わないが、何度も行き返ることができる。いわゆる不死身の存在
だが、感染症の者は、朝晩捧げをしなければならないし、命の蝋燭で命が左右される。

その病気を持つ者をこの世から消すため、警察やハンターが動き始めている。
今では 魔界だけではなく、色々な世界で逃げ回る シンドローム被害者が居る。

*モルテ界*
モルテ=死 と訳される、死の国。魔界の次元の真反対にあり、人間界の次元の横にある。

*グリムワー*
魔術シンドローム感染者が使える魔法能力のコト

炎や水、植物や雷、中には時や幻、夢と言った力も発見されている。


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