ダーク・ファンタジー小説
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- Reason's〃World's
- 日時: 2014/04/01 11:32
- 名前: 狸のさと (ID: qt6P8gKZ)
生きるべきか死ぬべきか。それが疑問だ。
(引用:ウィリアム・シェイクスピア)
私にはわからない。
何が正解であって、何が不正解なのか。
世界は理由で回ってる。
理由がなければ始まらない。
そんな悲しくも綺麗な世界なのだ。
そして、私はまた新しい世界を開く。
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初めまして!
初書きになる、狸のさとです。
国語能力の低い僕ですが優しい目で読んでやってください。
至らない所もあるかもしれないのですが、よろしくお願いします。
※
結構くどい話になりますが、
基本ファンタジー色の強いコメディーです。
プラスで、ほんの少しだけグロ表現のある物語です。
そして、更新は亀さんです。
「Reason's〃World's」 意味:理由の世界
※
やっと、話が主旨に戻りました。
過去の話は飛ばしてもいいです(マジで)。
物語が進展しまーす。
第1理由 >>1
- Re: Reason's〃World's ( No.3 )
- 日時: 2014/04/01 08:43
- 名前: 狸のさと (ID: qt6P8gKZ)
三年の秋、彼女は登校することに抵抗を覚え、学校を欠席しがちになった。
理由は彼女にもわからない。
実は彼女に対するいじめの行為は、夏に入る前に無くなっていた。
友達も増えて、無視をされる事はなくなり、暴言を吐かれる事は減っていたのだ。
でも、何故か突然学校へ行く事が嫌になった。
友達は「頑張れ。」と必要に励ました。
彼女は疑問に思った。
何故、私へのいじめは終わったのだろうか。
何故、私は登校することに抵抗があるのだろうか。
何故、私は「頑張れ。」と励まされたのだろうか。
彼女は初めて、真っ白になった。
本当に色素が無くなったのではない。
考える事を止め、全てを放棄する事にしたのだ。
静かに目を閉じる日々が続いた。
だが、彼女とて馬鹿ではなかった。
三年の冬、彼女は奇跡のように学校に登校する数が増えた。
高校へ進学するために受験をしなくてはならないからだ。
勉強も一生懸命し、友達とも明るく話し、遊び、真面目に過ごした。
その結果、彼女の進学したかった私立・公立共に一発で合格した。
これぞ、起死回生の素晴らしい運命とやらなのだろう。
だが、彼女はまだ真っ白だった。
何が起こっても、面白くも楽しくも何も感じなくなっていた。
死んだような彼女を置いて、時は過ぎ卒業した。
今年の春、そして進学した。
進学した高校でも友達は沢山出来た。
いじめなんて、もっとの他だ。
だが、悩みは膨らむばかりだ。
疑問は増えていくばかりで、何一つ解決できずにいる。
時は何も解決してくれない。
『自分の生きている理由は何なのだろうか。』
この問題が解決できる日はくるのだろうか。
永遠に来ないのだろうか。
- Re: Reason's〃World's ( No.4 )
- 日時: 2014/04/01 11:12
- 名前: 狸のさと (ID: qt6P8gKZ)
「翼ー、次、移動だよー。」
授業の終了のチャイムが鳴り止み、国語教師が教室から去る。
と、同時に零泉羅奈は翼の元に駆け寄った。
羅奈はこの高校に進学した際にできた翼の友人だ。
教室移動の際、路頭に迷っている羅奈に翼が話しかけ、会話が弾み友達になった。
入学したての時期からしてとても嬉しい出来事だった。
「ごめんね、今すぐ用意するから。」
ノートに書き掛けていた文章を書き終え、教科書とノートをリュックに入れる。
そして、次の授業の音楽の教科書を取り出す。
とても綺麗なオルガンピアノと明るい色をした音符のマークが散りばめられた教科書。
何とも言えない奇抜なデザインだ。
教室を出て、別の棟へ移動する。
廊下には色々な会話が溢れていた。
次のデートは何処へ行きたいかとか、昨日見たテレビ番組が面白かったとか。
どれもこれもくだらない内容ばかりだ。
かと言っても、翼と羅奈も流行のアニメの主題歌について語っていた。
何気ない日常は淡々と過ぎていく。
瞬きをする度に違う世界が現れる。
不思議で儚いものだ。
本当に。
「でさ、今度それがライブするらしいんよ。今度一緒に行こ———…。」
階段がその先にある曲がり角を曲がろうとした時、羅奈がパッと隠れた。
まるで見てはいけない様な物がその先にあった様な眼差しをしていた。
翼は小声で「どうしたの。」と呟いた。
羅奈は戻ろうという目線を送りながら、手をバタバタと動かした。
「何か、もめてるっぽい。あっちから行こ。」
羅奈は苦笑いをしながら指を指して言った。
そして、ため息をつき、来た道を戻ろうとしていた。
「(もめる?喧嘩でもしてるんやろうか。)」
翼は羅奈とは反対方向の方へと進んだ。
その際に後ろで羅奈の「待ちなよ!」という忠告が聞こえた気がする。
勿論、無視をして曲がり角を恐る恐る曲がった。
そこには、羅奈が言った通り口論になっている男女がいた。
- Re: Reason's〃World's ( No.5 )
- 日時: 2014/04/01 11:21
- 名前: 狸のさと (ID: qt6P8gKZ)
「この前も耀、浮気してたじゃない!もう、耀なんか大嫌い!」
「えー、してないよー。落ち着いて、落ち着いて!」
焔耀は翼と羅奈と同じクラスの男。
有名な中国人俳優と日本人ピアニストとのハーフだそうだ。
大金持ちなうえ、スタイルも顔も中の上、そのうえ性格も良いらしい。
女が放って置くはずのない逸材だ。
「馬鹿!耀なんて嫌い!」
耀の彼女らしき女が白く綺麗な耀の頬を勢い良く打った。
途端に耀は床に倒れ込んだ。
そして、女は「さよならやね」と言い放ち、その場を去っていた。
「うわー、マジか。」
「な?だから、待ってて言ったやんー。」
翼と羅奈は隠れながら小声で会話をした。
他人の恋愛事だが、こういうものを見ると気分は自然に暗くなってしまう。
モヤモヤするこの気持ちは本当に苛立つ物だ。
道を変えようという羅奈の意見に今頃従おうと、その場を戻ろうとする。
その時、手から教科書が滑り落ち、バサバサッと大きな音がした。
階段の踊場に呆然と立っていた耀は大きな音に驚きこちらを向いた。
「!?やばい!」
床に落ちた教科書を素早く拾い上げ、翼と羅奈は全速力で走った。
こんなに何かいけない事をしている様なドキドキ感は初めてだ。
何か妙に興奮している。
翼と羅奈は音楽室に着くまで走り続けた。
- Re: Reason's〃World's ( No.6 )
- 日時: 2014/04/01 11:55
- 名前: 狸のさと (ID: qt6P8gKZ)
音楽室はいつもより、ざわついていた。
担当の音楽科の教師が事故にあい、自習になったそうだ。
翼は席に着席して、窓の外を見た。
快晴。
鳥が愛らしい声で鳴き、空を舞っていた。
風が強いのか木が大きく揺れている。
平和、という文字が当てはまる。
目を閉じる。
先程、見た物が全て嘘の様な気がしてきた。
興奮が段々と収まっていく。
「(まあ、あった事はあった事なんだけどね。)」
翼はため息をつき、目を開けた。
相変わらず、皆、教師がいない事を良い事に騒いでいる。
全く耳障りだ。
だが、その耳障りな騒音達は途端に静かになった。
「遅れてごめんねー。あれ?先生は?」
耀が音楽室に入って来たのだ。
いつもならば、耀の取り巻き連中達が「おっそーい」などと騒ぐのだが。
今回は違った。
「耀、どうしたのー!?それ!」
取り巻き達が悲痛に叫んだ。
理由は、耀が大きなガーゼを頬にあてていたからだ。
翼はビクッとした。
「(あー、さっきのか。)」
自分達は見られていない、見ていない。
そう、翼は自分に言い聞かせた。
「あ、これね。姫乃に打たれてさー。なんか、別れちった。」
耀は舌をペロッと出して、「ちょっと、痛いなー」と付け加えた。
なんて、強靭な精神なのだろうか。
さっきまで、あんなに必死に口論をして挙句の果てには別れてしまったのに。
切り替えをするのが早すぎだ。
翼はまた、窓の外を見た。
はっきり言って、どうでも良いのだ。
恋愛などに興味はないし、ましてや焔耀自体にも興味がない。
窓の外を見ている方が余程楽しい。
- Re: Reason's〃World's ( No.7 )
- 日時: 2014/04/01 12:08
- 名前: 青色 ◆fph9A3N.eM (ID: A6MC5OIM)
初めまして、作品読ませていただきました!
とても素敵な物語ですね。翼さんの過去や悩みが奥深いです。
ファンタジー色の強いコメディーと聞きましたが、これからの展開がとても楽しみです(#^^#)
更新、がんばってください!