ダーク・ファンタジー小説
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- ー異常性癖団の記録ー
- 日時: 2016/10/28 15:47
- 名前: 死蘭 (ID: qbtrVkiA)
こんにちは。お久しぶりです。死蘭と言います。
今回書くお話はグロいときもあればギャグのときもある…簡単に言うならばグロ・コメディのような感じです。
となるとやはり表現が少しグロめのものになるので読んでる途中辛くなったりした場合は読むのをやめてもらっても構いません。
でも、なるべくみなさんにこの話を少しでも好きになってもらえるよう私なりに努力いたします。
それでは、どうぞごゆっくり…
- ー異常性癖団の記録ー ( No.6 )
- 日時: 2017/01/15 13:09
- 名前: 死蘭 (ID: DdBicf6e)
異常性癖団の記録帳 No.1
草灰 真登(くさかい まこと)♂
異常性癖:ハイブリストフィリア(不正行為愛好)
年齢:16歳
愛称:ハリト、ハイリス、ハイリト
性格:普段は物静かで無表情、殺人行為を行う時だけ表情が豊かで明るい(主に気味の悪い笑顔を作る)
特徴:一人称は俺、殺人行為の時は僕。黒髪のショートカット、黒のパーカーに濃い青のジーンズ、殺人行為以外はフードを被って顔を隠している。殺人時はお手製の道具を使って殺す。
趣味:人間観察、殺し方の妄想。
その他:普段は友好関係を築く事はないがのちに小林李音(こばやし りおん)と仲良くなる。オキュロフィリアによく絡まれる。
next→《ネクロフィリア》
- ー異常性癖団の記録ー ( No.7 )
- 日時: 2017/01/14 13:34
- 名前: 死蘭 (ID: DdBicf6e)
とある街の公園にてーーー
「ねぇ、公園の奥で猫が死んでるんだってー。気持ち悪くない?」
「え?マジ?それなら早く片付けてほしくなーい?」
「それな!」
公園ではどこかの高校生の女子が笑いながら通り過ぎ、赤ん坊を抱いた女性が泣いている赤ん坊をあやしている。
いつもと変わらない昼下がりの公園だ。
しかし、その日は公園の奥で猫が死んでいる。先程の高校生はそれを笑いのネタにして友人に話している。友人はそれを聞いて気味悪がることなく、その話にのっている。
高校生二人組と別の高校に通う生徒がすれ違う。高校生二人組はそんなこと気にすることなく話し合い、ふざけ合う。
ふと、すれ違ったもう一方の高校生が立ち止まり、振り返って高校生二人組を見つめる。そしてフッと微笑んで呟いた。
「へー…この奥に猫の死体が、ねぇ」
「あれ?その猫の死体、どうしたの?」
とある建物内の廊下で一人の少年が話しかける。
「あぁ、シュムくん。この子は公園で拾ったのよ」
高校生は少年にむかって微笑んだ。
「…ねぇ、そのシュムくんって言うのはどうかと思うんだけど…言うならちゃんと言ってほしいなーって」
少年は困ったような顔で高校生に頼む。
「えーだってシュムドネクロフィリアっていいにくいんだもん。ここでは愛称で呼べっていうルールだし」
しかし、その願いは高校生に届かず、変わりに彼女はシュムに微笑みながら死んだ猫を見せる。
「それよりこの猫、いい感じに死んでると思わない?私の死体達の中でもかなりいい状態だわ」
高校生はシュムに見た感想を催促するように目を輝かせている。
「…まぁ、それが擬似死体なら、ね」
少年は苦笑しながら感想を述べた。
「全く、相変わらず死体好きだなぁ…」
少年は微笑んでいる高校生に諦めたような顔をしながら笑う。高校生は満面の笑みを浮かべて少年に言った。
「そりゃあ好きだよ。なんせ私…」
ーネクロフィリアなんだからッー
- ー異常性癖団の記録ー ( No.8 )
- 日時: 2017/01/15 12:59
- 名前: 死蘭 (ID: DdBicf6e)
私が初めて死体を見たのは小学2年の時、友達と校庭でボール遊びをしていたときだった。
ーーーねぇねぇ、あそこに人が倒れてるよ
その時仲の良かった女の子が校庭の隅を指差しながら私に言ってきたのだ。女の子は慌てて先生を呼びに走っていった。私はただ立ってその倒れている人をジッと見ているだけだった。
痩せこけた男のような人の周りには蠅がたかっていた。少しだけだか変な臭いも漂っていたのを覚えてる。そこでようやく私は気づいたのだ。
ーーーあぁ死んでるんだ
普通ならきっと動揺してその場で気絶とかするんだろうが、私はそんなことはしなかった。
私が初めて死体を見た感想は怖いとか気持ち悪いとか、そんな嫌悪するような感想などではなかった。
ーーー凄く綺麗で素敵
好奇心と感嘆の溜め息、それが私が死体を初めて見た感想だったのだ。
次に死体を見たのは中学3年生に成り立てだったときのことだ。いつもの何ら変わりない帰り道を歩いていると視界に妙な物体が映ったのだ。妙な物体の方へ視線をむけるとそこには鳥の死骸が横たわっていたのである。普通の中学生ならば「気持ち悪い」とか言ってその場を去ってしまうのだろうが私はそうはせず、近くまで駆け寄って見てみることにしたのだ。
近くまできてかがんでよく見てみると、鳥の内蔵がグチャグチャになっているのが見えた。あちこちがズタボロで足は変な方向へ曲がり、目玉は飛び出ている。
ーーーおぉ、凄い綺麗な体
この時の私も嫌悪ではなく好奇心が勝った。家に持って帰りたい気持ちもあったが、私の両親はこういうものは汚いといって捨てる人達だったので仕方なく置いたままにしておくしかなかったのだ。
次の日私は昨日あった出来事を友達に話すと何人かの友達は気味悪がったが、親友はこう言って笑っていた。
ーーー梓はネクロフィリアなんだね
自分がネクロフィリアだと知ってからはなるべく人には話さないようにしていた。しかし、親友だけには相談に乗って貰っている。今でもそれは変わらない。高校1年になってからでも親友とは連絡を取っている。
そんなある日、親友からこんなメールが届いた。
ーーー異常性癖団に入ってみたらどうかな?
なんでもそこは異常性癖者達が集まる場所でとても変わった人が多いらしい。同じ趣味や境遇の人達もいるから、もしかしたら私と趣味が合う人もいるかもしれないとのことだ。
ーーー私はネクロフィリアじゃないからさ…気の合う人と話してみたいんじゃないかなって
親友の友達もそこに入っているそうだ。彼女もその人の友達として何度か入ったらしいが色んな人がいて楽しいというご感想を頂いた。
ーーーじゃあ、行ってみようかな
思い立ったら吉日、ということで早速親友から場所を聞き、行くことにした。
そこで私は親友の友達、シュムくんと出会ったのだ。
- ー異常性癖団の記録ー ( No.9 )
- 日時: 2017/01/21 20:29
- 名前: 死蘭 (ID: DdBicf6e)
「シュムくん、シュムくーん」
私は目の前にいるシュムくんを呼び、走りながら手を振る。
「あれ?ネロさんどうかしたの?」
シュムくんは立ち止まって目を丸くしている。
「あのね、今日一日する事ないから一緒に公園行かない?シュムくんの都合が良かったらなんだけど…」
私は微笑みながら人差し指をピシッと立てて提案を持ちかける。シュムくんは少し考え込むように右手を口元に持っていき、難しい顔をしている。
長く考え込むかなーと思っていたが、案外すぐに返答が来た。
「うん、いいよ」
シュムくんはそう言ってにっこりと笑った。うわー…シュムくんが死体だったら間違いなく私のコレクションに入れてるなぁ…その位、彼の顔は美形でイケメンなのだ。実際何人かの女子に告白されていた現場を目撃した。あの時は何度も目を擦ったものだ。結構イケメンだと思っていたが、ここまでくるのかぁ…と自分でも驚いた。まぁその後シュムくんに告白された事の方が驚いたが。
「えーと…今から行く?」
「勿論!」
私は満面の笑みで首を縦にふった。
シュムくんは少しの間私をじっと見ていたが、それも一瞬のことですぐに笑顔になり、「じゃあ、行こうか」と言って建物の出口へと向かった。
- ー異常性癖団の記録ー ( No.10 )
- 日時: 2017/03/10 16:56
- 名前: 死蘭 (ID: DdBicf6e)
「あ、シュムくんシュムくん!あれ!」
私は隣で苦笑いを浮かべる彼に向かって叫んだ。
「あれ!絶対死体だよね?!雰囲気からしてそうだよ!」
「…雰囲気で分かるの?」
「もっちろーん!」
私の言葉に無言になったシュムくんは奥にある死体から目をそらし「そういえば最近、ハリトさんがよくこの辺ウロウロしてるよね」と言って話題を変えようとする。
「ふぇ?そうなの?」
私は驚いた。
「殺す相手を物色してるのかな?」
「さぁ…どうなんでしょうね」
シュムくんはまた苦笑する。
「でも最近ここらで死体がいくつか出ているので…きっとあの人がやってるのかなぁと」
シュムくんは私を見ながらそう話す。
「ということは、これもそうなのかなぁ?」
私は目をくり抜かれて死んでいる死体を指さしながらシュムくんに聞いた。彼は何も言わずにただ笑っている。
「でも不思議だよねぇ…なんであの人ハイブリストフィリアなんだろ…普通ペックアティフィアとかなんじゃないの?」
私は独り言のように呟く。シュムくんは「あぁそれはね」と笑いながら言った。
「団長が言ってたんだけどハリトさんて、話を聞く限りじゃ昔は犯罪者をころすことが好きだったらしくて…そのことは彼自身気づいてないらしいけど…でも今は無差別だからなぁ。全然昔の想像がつかないや」
シュムくんはそういい終えると立ち上がって私に手を差し伸べた。
「はい。話はここまで。ほら、そろそろ帰ろ」
私はふと上を見上げるといつの間にか空はオレンジ色に染まっていた。
「あれ?お二人さん、どこかへお出かけに行ってたのかな?」
異常性癖団が根城にしている建物につくと帽子を被った少年が不気味な微笑みを浮かべながら入り口の脇に手をポケットに突っ込みながら立っている。
「あ、キユくん」
私は愛想笑いを浮かべる。正直、私は彼のことが苦手だ。あの笑みにどんなことが隠されているのかが全く分からない。底なし沼のような闇を持った笑顔の得体の知れなさが、私はどうも好きじゃなかった。
「もしかしてデートかな?」
キユはこちらに近づきながら私に聞いてくる。
「違うよー。もうキユくんたら変な事言わないでよ」
私はまた愛想笑いを浮かべる。早くここから去りたいという表情を表に出さないように気を付けながら。
「ふーん」
キユはじっとシュムくんの方を見つめている。
「…じゃ、じゃあ私はこの辺で!ほら、シュムくん行こう!折角死体を持って帰ってきたんだからさ!!」
私は少女の死体を抱きかかえながらシュムくんに呼びかけ、歩き出す。シュムくんも私に習って後についてくる。
キユことオキュロフィアの上條 采(かみじょう さい)はそんな二人を微笑みながら黙って見ているだけだった。
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