ダーク・ファンタジー小説

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ー異常性癖団の記録ー
日時: 2016/10/28 15:47
名前: 死蘭 (ID: qbtrVkiA)

こんにちは。お久しぶりです。死蘭と言います。
今回書くお話はグロいときもあればギャグのときもある…簡単に言うならばグロ・コメディのような感じです。
となるとやはり表現が少しグロめのものになるので読んでる途中辛くなったりした場合は読むのをやめてもらっても構いません。
でも、なるべくみなさんにこの話を少しでも好きになってもらえるよう私なりに努力いたします。
それでは、どうぞごゆっくり…

ー異常性癖団の記録ー ( No.1 )
日時: 2017/01/05 13:11
名前: 死蘭 (ID: DdBicf6e)

ある日の夜、一人の少年が裏の路地でひっそりと立っている。
ただ暗闇の中で何かを待っていた。
ふと女性が少年の脇を通る。

  ーーーその瞬間少年の口が三日月を描いた

翌朝

「また遅帰りかい?ハイブリストフィリア」
とある建物の入口前で帽子を被った少年が尋ねた。
「…」
「黙りか、それは残念」
帽子の少年はハイブリストフィリアの脇を通り過ぎる。
「あ、そうそう」
帽子の少年が立ち止まって振り向いた。
「団長がお呼びだよ」
ハイブリストフィリアは何も言わずに建物の中に入った。

ー異常性癖団の記録ー ( No.2 )
日時: 2017/01/07 10:10
名前: 死蘭 (ID: DdBicf6e)

俺は生まれつき、人間を観察するのが好きだった。
ついでに言えば人間を見ながらあいつを殺すとしたらどうやって殺そうとか、
あいつなら絞殺してから海に投げ捨てるとか、観察した人間をどう殺そうなどと
考えていた。7歳くらいまでならその位で充分に俺の心は満たされてた。
しかし、10歳位の歳にもなると考えるだけでは心は満たされなくなっていた。
ーーーなんとかしてこの渇いた心を満たさなければ…
いつの間にか俺は心を満たすことが義務になっていた。
心を満たさなければ自分は死ぬ…そんな考えが定着してしまっていたのだ。
ーーーどうしたら俺の心は満たされる?
何日経っても答えは分からず、俺は途方に暮れていた。
そんなある日のことだった。俺はあることを思いついた。
ーーー昔考えていたことを実行しよう
次の日、俺はとある少女を連れ出してお手製の銃で射殺してみた。
パァンという軽い銃声が響き、少女はその場で倒れた。
少女の額からは赤黒い血が流れ、美しい円が描かれていた。
それはまるで美しいブラッドムーンのようだった。
「…綺麗」
それは俺が生まれて初めて綺麗だと本気で思った瞬間だった。

それからと言うもの、俺は暇さえあれば人間観察をし、これだと思った殺し方を思いついたときに観察していた人間をその通りに殺していった。
ある女性には毒を仕込んで殺し、とある会社のサラリーマンにはお手製の棍棒で殺した。
特に好きだった殺し方は少女を撲殺してから鋸引きにして殺したやり方だった。
誰かを殺したときだけ、俺の心は満たされた。
ようやく俺は趣味を見つけられたのだった。


それから半年後…俺は団長にスカウトされ、あの可笑しな集団に入団した。
俺はその集団から"ハイブリストフィリア"と呼ばれるようになった。
自分は別に犯罪者が好きって訳じゃない…ただ殺すのが好きなだけだ。

ー異常性癖団の記録ー ( No.3 )
日時: 2017/01/09 13:32
名前: 死蘭 (ID: DdBicf6e)

団長との話し合いが終わると、俺はいつものようにフードを被り、裏路地へ向かおうとしていた。
「ねぇ、お兄さん。少しお金貸してくんない?」
突然後ろから声が聞こえてくる。周りを見ても誰もいないことから、どうやらターゲットは俺らしい。仕方なしに後ろを振り返る。見ると背の高い男と少しだけ太めな男が立っていた。
正直、かなり面倒な事になった。なんとかしてここを去ろうとしたところで俺は面白い事を思いついた。
「いいよ。ほら、どうぞ」
俺は笑顔でポケットに入っていたお金を渡す。
「お、サンキューお兄さん」
背の高い男が笑顔で俺の手からお金をとる。
「…ねぇ君達まだ暇?良かったらもう少しだけお金を貰ってくれるかな?俺の友人がかなりのお金を稼いできたらしくて手のつけようがないんだ」
俺は男達に頼み込んだ。
「ん?いいぜ、喜んで引き受けてやるよ」
背の高い男は快く引き受ける。
「ありがと。まぁ、何かあっても責任はとれないけど…それでもいい?」
俺は笑いながら男達に聞いた。
「おう!大丈夫大丈夫」
男達も笑いながら答えた。
「分かった。それじゃあ、行こうか」
俺は向きを変えて歩き出す。男達は今日はなんて良い日なんだ、などと言って笑いあっている。
さて…その笑顔、いつまで続くかな。
俺は口に奇妙な三日月を描いた。

ー異常性癖団の記録ー ( No.4 )
日時: 2017/01/11 19:49
名前: 死蘭 (ID: DdBicf6e)

歩いて30分経った頃…
「ねぇ、お兄さんの家ってこんなにボロいの?」
目的地に着いた途端背の高い男はそんな事を俺に尋ねてきた。そこはとても広い空間で地上から約10メートル上には小さな窓が幾つも並んでいる。特にこれといった特徴もない、正しく廃屋のような感じなのである。
「まぁ、ね」
俺は曖昧な返事をする。
「じゃあ俺、お金とってくるからさ。その辺にソファーあるから座って待っててよ」
俺は近くにあったソファーを指差しながら建物の奥にあるドアを開け、部屋に入った。


その間に男達は言われたとおりに近くにあったソファーに腰掛ける。
「いやー兄貴、今日はついてるっすね」
少しだけ太めの男が背の高い男に話しかける。
「そうだな」
背の高い男は太めの男に笑顔を返しながらふぅと息を吐いた。


「あーすいません、お金とるのに少し手間取ってて…よかったらこれ、飲んでください」
俺は部屋から出て男達にそう言い、お金の代わりにお茶を出した。
「おう、ありがとな」
二人の男達はお礼を言うと怪しむ事なく口をつける。
ーーー何も疑わずに飲むとかすごい笑える。
俺は笑いそうになるのを堪えながら相手が眠るのを待つ。先程部屋に行ったのはお金を渡す為の準備などではない。睡眠薬を作り、お茶に入れる為だ。効き目は飲んでから僅か数分で眠りにつき、こいつらが寝てからでも準備が十分間に合うほどの威力がある。効果は抜群のはずだ。
予定通り、男達は飲んだ数分後に眠りについた。
俺はニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
「さぁて、準備を始めようか」

ー異常性癖団の記録ー ( No.5 )
日時: 2017/01/15 13:15
名前: 死蘭 (ID: DdBicf6e)

暫くして背の高い男が目を覚ますとすぐ、ある異変に気づいた。
「な、なんで俺、逆さまなんだよ?!」
背の高い男は両腕と両足をそれぞれ下と上で縛られ、固定されていた。なぜか右足と左足はそれぞれ別の箇所で結ばれている。
背の高い男が思い立ったように辺りを見回した。
「!?」
探していた太めの男を見つけると驚いたように目を見開いた。
太めの男は木の台の上にいた。それを見て安心したのも束の間、彼はある異変に気づいた。
「あ…頭は?」
よく見てみると太めの男の体には頭部らしきものがついていなかった。嫌な予感がした。恐る恐る下の方を見ると、そこには丸い物体が落ちている。
「ひっ…」
男はここから逃げ出そうと縄を解こうとするも、それがとれる気配はない。
「あぁ、やっと目が覚めましたか?」
ふと、聞き覚えのある声がした。声の主は先程太めの男だったやつがいる方からした。そちらに視線を移すと見覚えのある姿が映った。
「お、お前ッ」
そこにいたのは先程お金をくれるといっていた少年だった。
男は怒ったような口調で目の前にいる少年に聞いた。
「このガキッ…テメェがそいつを殺ったのか?!」
すると少年は満面の笑みを浮かべた。
「あれ?さっきまでお兄さんだったのにw…まぁそんなことはどうでもいいけど。あ、さっきの質問にはきちんと答えないとね!…yesだよ」
少年は男にゆっくりと近づく。
「ガキッ、いいから早くこれを解け!今解いたら許してやる」
男は怒鳴りながら少年に命令する。
少年はそんな彼を見て微笑むと、
「お前が命令する立場じゃないだろ?」
と言って、近くにあったチェーンソーを手に取る。
「いやさぁ、本当は鋸が良かったんだけどね。それだと時間がかかっちゃって…まぁ時間をかけてやってほしいなら鋸に変えるけど…どうする?」
少年はチェーンソーを持ちながら男に尋ねた。
「ど、どうせはったりだろ?!そんな偽物じゃあ俺はビビらねぇぞ!!いいから早く解け!」
男は内心ビビりながらも少年に命令した。
「ふーん…これが偽物ねぇ…」
じゃあ、と言いながら少年はチェーンソーについている紐を引っ張った。
ブゥゥゥゥンとチェーンソーが音をたてる。
「これが偽物なら、あんたは死なないんだよね?」
少年は不気味な笑顔で男の股にチェーンソーを近づけていく。
「ねぇ知ってた?昔の死刑法の一つに鋸引きっていう処刑法があるんだけど、それってこうやって股から鋸とかでゆっくりと裂いていくんだって!」
ニッコリと少年は男に笑いかける。
「や、やめろ!」
「なんでやめなきゃいけないの?これって偽物なんでしょ?なら大丈夫だよ」
「お、お金はどうしたんだよ!」
「え?お金なんて最初から渡す気なんてなかったよ?…それに最初に言ったろ?"何かあっても責任はとらないけどそれでもいい?"ってさ」
「それはお金に関することだと思って!」
「それは自分で勝手に解釈したことだろ?僕の知った事じゃないね!…じゃあいっくよー!」
「ちょッ、待っ…」
少年は勢いよくチェーンソーを振り下ろした。
「いッ…ア゛アアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
チェーンソーが切り裂いた所から勢いよく血が吹き出す。男の叫び声と一緒にグチョグチョと生々しい音が響く。
少年は狂ったように笑いながらチェーンソーを動かす。
「アッハハハハッ!ねぇ知ってる?こうやって股からやっていってもねッ、人の意識はへそまであるんだって〜!アッハハハハッ」
話しながらでも次第に少年の顔や体中に男の血液が飛び散り、べっとりとへばりつく。
床は既に赤い液体の水たまりができている。男を支えていた木の棒には血と共に肉の塊が飛び散っていた。


その夜、いつもは静かな建物から少年の不気味な笑いとチェーンソーの音、そして血と肉塊が飛び散る音が異様な演奏を奏でていた。



それから数日後ーーー建物から50キロメートルも離れた場所で首を切られた遺体と股から半分に裂かれた遺体二つが発見された。


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