ダーク・ファンタジー小説
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- マーダー インパルス
- 日時: 2016/11/25 16:16
- 名前: フクロウJr. (ID: yV4epvKO)
どうもフクロウJr.です。
今までは主に コメディ・ライト版 にてギャグやパロディの部類に属するような物語ばかり書いていましたが、今回初めて ダーク・ファンタジー版 に投稿しますので、至らぬ点も多いと思いますがアドバイスや感想等よろしくお願いします!
ちなみに題名の『マーダー インパルス』ですが、英語で 『murder impulse 』。
直訳すると『殺人衝動』と言うことですね。ネタバレになるのでこれ以上は言いませんが…
どうかよろしくお願いいたします!
コメディ・ライト版にて↓↓↓
『平和過ぎて何が悪い!』『悪魔が恋のキューピッド!』
…の2作品を投稿していますので、そちらの方も良ければ見てください。
- Re: マーダー インパルス ( No.4 )
- 日時: 2016/11/27 09:16
- 名前: フクロウJr. (ID: yV4epvKO)
バンッ!
サクラが珍しくボーっとしていると、さっきまで拳銃を磨いていた少女がサクラに向けて発砲してきたのだ、倉庫に音が響く。
キンッ!
サクラは咄嗟に右ポケットからナイフを取り出し銃弾をはじいた。
「凄い反射神経と動体視力っスねー」
エミが椅子に座ったまま拍手をする。サクラに向けて発砲してきた少女はまた下を向いて拳銃を磨いていた。
「まあまあ、座りな」
マリカが椅子を二つ出して自分も座る。サクラが椅子に座わると居眠りをしていたゴツい男が起きた。
「ずいぶん騒がしいな」
「すまないタイガ、新入りが来てな」
マリカが謝るとそのタイガと呼ばれたゴツい男はサクラを睨み付け、立ち上がった。
「フンッ」
タイガはノータイムでサクラに殴りかかった。
遅い。確かに当たったら即死だろう、しかし遅い。
サクラはしゃがんでタイガの拳を避けるとタイガの腹に拳を入れた。
「何!」
有り得ないくらい固かった、いくら腹筋を鍛えたらこんなに固くなるんだ、とサクラは思った。
「いいパンチだ、とても鋭い。だが破壊力が足りないな」
「破壊力?」
暗殺を得意とし基本的にナイフを使用するサクラには破壊力の意味がよくわからなかった。
「破壊力ってのは一発で相手の顔をぶっ飛ばす力でな…」
「ほうほう…」
サクラは意外にもタイガと意気投合して破壊力について語り合っていた。
「凶暴同士っスねー」
「あなたもでしょ、エミ…」
「全員だよ、全員。ここにいる奴は全員凶暴だ」
マリカはサクラを見て呟いた。
- Re: マーダー インパルス ( No.5 )
- 日時: 2016/11/27 10:06
- 名前: フクロウJr. (ID: yV4epvKO)
「エミ、依頼は?」
マリカがきくとエミはまたパソコンの前に座って画面を見ると
「今日もたくさん来てるっスー」
とマリカに言った。マリカはパソコンを見にいってしばらく画面見るとの目付きを変えた。
「おもしれぇじゃねぇか」
と言ってエミに耳打ちで何かを言った。
「了解っスー」
エミはそう言うと画像をプリントアウトした。
古いプリンターのガガガという音が響き写真が出てきた、マリカはその写真を勢いよく取ると
「サクラ、さっそく仕事だ、お前にしかできない」
と言いサクラに写真を飛ばした。サクラはそれを受け取るとその写真を見つめた。
「写真の裏にターゲットの家の住所が書いてある、それを見て行け」
マリカはそう言うと倉庫から出て行った。
サクラもターゲットの所に向かうべく倉庫を後にした。
- Re: マーダー インパルス ( No.6 )
- 日時: 2016/11/27 10:40
- 名前: フクロウJr. (ID: yV4epvKO)
「ここか」
気が付いたらすでにターゲットの家の前にいた。しかし、大きい、大きすぎる。どれだけの金持ちなんだ。門から入口の扉までの距離が30m程ある。
サクラは現場に指紋を残さないため、手に手袋を着けた。
サクラはケータイをいじり、ここからどうするか考えていた。出てくるまで待つか、それとも侵入するか。
ケータイをいじりながら門の横に設置された監視カメラを横目で睨み付ける。サクラはカメラの死角であろう所に回ってカメラに向かってナイフを投げた。
命中。だがこれだけでは侵入出来ないこれが証拠撮影用の監視カメラならまだしもリアルタイムで誰かが見ているとしたら今から誰かが来ることになる。
サクラは二本目のナイフを握り締めた、きた奴を殺す。しばらく待っていると人が出て来た、しかしそれは意外にもターゲットだった。サクラは執事の様な人が出て来ると思っていた、だがラッキーだ。
ターゲットは無防備、背後も取った。完璧。
サクラは横投げ気味のフォームでナイフを投げた、ナイフは吸い込まれる様にターゲットの背中に刺さりターゲットは倒れた。サクラは念のためターゲットに近付き心臓部分にナイフを刺した。
これで良し。
サクラは全てのナイフを回収すると排水口に血を流しターゲットを止血した。
サクラは左ポケットから白いスプレーを取り出すと血で赤く染まったコンクリートを白く塗り潰した。サクラはターゲットの屍を豪邸の中に投げ捨て門を閉めてその場から去った。
- Re: マーダー インパルス ( No.7 )
- 日時: 2016/12/02 18:10
- 名前: フクロウJr. (ID: yV4epvKO)
ヴィィィン。
サクラのケータイが突然バイブ音を発した。
非通知。誰だ、サクラのケータイの連絡先には今までの依頼人しかいないしその中にも依頼後に音信不通になる奴等がたくさんいる。
サクラが電話に出ると相手の人物は意外な奴だった。
「もしもし、サクラさーんっスかー」
エミの声が聞こえた瞬間サクラは電話を切った。
なぜ電話番号を知っている。まああいつらも殺し屋だし、電話番号くらい割り出せるのか。
サクラは疑問を自問自答で解決すると倉庫に戻るため歩き出した。
- Re: マーダー インパルス ( No.8 )
- 日時: 2016/12/18 21:58
- 名前: フクロウJr. (ID: yV4epvKO)
「うぇーい、1200円勝ちッスー」
「チッ…」
倉庫に帰るとマリカとエミがトランプを並べて何かしていた、エミはサクラに気付くと手を振ってきた。
指紋だの足跡だの、証拠の心配は全くしていない様だった。信頼しているのか何も考えていないのか…どうでもいい、私の仕事は完璧だ。サクラは心の中で呟いた。
「タイガはどうした」
サクラがエミに訪ねるとマリカが喋り出した。
「仕事だ。お前が思ってる程ウチは暇じゃないんだ」
「私は暇ッスよー」
エミがそう言うとマリカは要らんことを言うな、と言いトランプの方を向いてしまった。
仕事か…ここにいる奴等はこれを本当に仕事だと思ってやっているのか…。
「殺しを…楽しむ事だよっ!」
マリカに会った時の事を思い出した、初めて失敗した仕事だ…。
あの依頼人は今頃どんな顔しているのだろうか…どうでもいいか…。
サクラは埃の積もった倉庫の天井を見つめてそんな事を考えていた。
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