ダーク・ファンタジー小説
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- 真相と嘘のサーカス【カナリア手帳】
- 日時: 2017/02/07 20:04
- 名前: 青らりP (ID: KwIJCRrJ)
真実の裏にはいつも嘘があるんだ。
サーカスみたいに楽しそうなのは絵空事。
幼い時から悟っていた事実。
そんな暗いココロに光を灯したのは、
不思議な童話の”アノヒト”だった。
主人公
加藤田 華凛(カトウダ カリン)
落ち着いていてクールな印象を持つ。しかし気配りもでき一見完璧に見えるが、少し怒りっぽい。瞳は紫色に光る。また、身長は148センチ、髪は首の辺りに一つにむすんである。暗い過去を持つ。
これは、"ネバーランドの真相"と、土曜日は夢現"(後に追加)という私の他小説の視点変更バージョンです。苦手な方はブラウザバッグを推奨します。
- Re: 真相と嘘のサーカス ( No.1 )
- 日時: 2016/12/23 09:14
- 名前: 青らりP (ID: KwIJCRrJ)
私はあの日、一人図書室で辞書をひいた。"真相"、その言葉の意味を知りたくて。しかし、求めた意味はどの辞書にものっていなかった。
”本当である事" "真実"。
いつもそんなありきたりな言葉しか載っていない。
「…そんな訳、ないでしょ。」
それじゃあ、私の今まで見てきた世間の"真相"とは矛盾しているじゃないか。ココロの中にそんな声にならない自分の声が響く。
昔から、大人って見られたくて。
いや、見られなきゃいけなくて。
私の両親は芸能界で名を轟かせている。だから昔から、家にもよく沢山のメディアがおしよせてきた。だから、大人で、時に子供で、世間に好かれる事だけを思って生きてきた。ある日、【有名人を言葉に例えると】というテレビのコーナーで私にある人はこう言った。
「かりんちゃんは"真相"とか似合うよ〜!正直だからね?」
真相。それが私?それは本当だろうか。いつもまわりに気を遣い、本当の性格さえ見失ってしまいそうだというわたしが?
- Re: 真相と嘘のサーカス ( No.2 )
- 日時: 2016/12/22 16:02
- 名前: 青らりP (ID: KwIJCRrJ)
いくら疑問を解こうとしたところで、納得のいく答えは出なかった。繰り返す自問自答。輪廻する私の疑問。真相とは何?何?。
「…………!?」
ハッとして目を見開いた。さっきまで使っていた山積みの辞書が私の視界に入る。そしてまた溜息を着く。全く、人とは空虚で虚しい…いや、空しい生き物だ。お母さんとお父さん、あの二人がいなかったら、私なんかただの子供の癖に。おかげでこんな辞書を読むような真面目ちゃんになってしまったじゃないか。
- Re: 真相と嘘のサーカス ( No.3 )
- 日時: 2016/12/22 16:14
- 名前: 青らりP (ID: KwIJCRrJ)
「どれもこれも、本当に使えないな」
辞書一つ一つをもとの場所に閉まっていると、私は"ソレ"に気付いた。"ソレ"は、黒い封筒だった。
「いつからこんなものあったんだ?」
じーっと封筒を見てみると、宛先が書かれていた。
"加藤田華凛"様へ
私はその丁寧な字で書かれた私の名前から、眼をはなせなくなった。
- Re: 真相と嘘のサーカス ( No.4 )
- 日時: 2016/12/22 20:49
- 名前: 青らり (ID: KwIJCRrJ)
その後、私は封筒の中にあった手紙を見た。古ぼけたレトロなデザインで、最初は少しホコリぐさいとも感じた。その上、書いてあった内容は、かなり非現実的な物だった。
加藤田 華凛 様
貴方は夢ノ国の住人に選ばれました。代表し、
この私がクリスマスイブの夜、迎へ行きます。
「ピーター……より。かぁ。」
最初は普通のイタズラだと思い、さほど気にしていなかったのだが、私はやっぱり子供。
好奇心が少しずつ芽生えていった。今日がクリスマスイブだ。辞書を棚に戻しながら、黒い封筒と手紙をジーッと見つめた。
「ピーターって、ピーターパンかな?」